「宇野原、ナンパに行こう!」
「はぁ?」
入学式の日から同じクラスの紀田 正臣は冬樹を何かと気にしていた。正確には冬樹といつも一緒にいる春媛とことをだが。
今日は春媛は珍しく来良には来ていない。
理由は出席日数が足りないと進級できないから。はじめ春媛は頑と動こうとはしなかったが冬樹の説得により自分の学校へ行くことにしたのである。
「後、俺の友達も紹介するからよ!」
「別にいい…。」
「大丈夫だって!良い奴だしさ。」
「拒否する。」
「よーし!行くぞ〜!」
「ちょっ!?オイ引っ張るな!」
冬樹は無理矢理正臣に引っ張れ下駄箱までやって来た。
何故自分に構うのかと正臣に聞いたことがある。
返って来た言葉は冬樹の予想を的中した。そこら辺はなんとなく解って頂けたら幸いだ。
──────────…
「えっと…竜ヶ峰 帝人です…。」
「………宇野原 冬樹。」
「おーい?2人共表情硬いぞ〜。」
「お前のせいだ。」
冬樹に紹介された正臣の友達は竜ヶ峰 帝人のいう少年だった。
一言で表すなら"普通"の何処にでもいるような少年だった。
「つーわけで!ナンパに行こう!」
「なんでそうなるの?」
「俺も全く意味が解らない。」
「そうよ、冬樹くんをナンパに連れ出そうなんて。確かに冬樹くんはかっこいいけれど、それを認めてくれるのはとっても嬉しいけれども、そんなこと許さないわ。そうよ許さないわ、許される筈がないわ。」
「………………。」
「え!?だ、誰!?」
「っ!春媛先輩!?いついらしてたんですか〜?」
いつの間にか春媛が冬樹の後ろにいた。
正臣は最初こそ驚いたが、いつものことだとすぐに慣れた調子で話す。
「さっきよ。あと、紀田くん…。」
「は、はい!?」
「冬樹くんには私がいるの、だからナンパに連れ出そうなんて考えないで。」
「はい、スミマセン!」
「正臣があんなに必死なの始めてかも。」
「早く帰ろう…。」
「あ、あの宇野原くん。」
「何?」
帝人は冬樹にさっきから気になっていたことを聞くことにした。
「あの人誰?」
「羽ノ浦 春媛先輩…。中学の時の先輩だよ。」
「へ、へぇ…なんだか、変わった人だね…。」
「………………。」
「………………。」
恐ろしい程会話が続かない。
「冬樹くん!帰りましょう。紀田くんはちゃんと罰をくだしておいたわ!さぁ!早く帰りましょう!今日はご飯何が良いかしら?」
「ビーフシチュー。」
「ビーフシチューね!解ったわ!私頑張るわ!」
「一緒に住んでるの?」
「勝手に家に来るだけ。」
「お前羨ましいなぁ〜。まぁ…春媛先輩と暮らすのはちょっとパスだけど。」
「チッ…紀田に押し付けようと思ったのに…。」
「あ、なんだよ!その舌打ち!」という正臣を無視する冬樹。
「さぁ!冬樹くん帰りましょう!」
「引っ張らないでくださいよ!」
冬樹は春媛に引っ張られ校門へ走り去って行った…。
「なんか…濃い人だね…。」
「あの人にだけは手を出したくないなぁ…。」
さらにグダグダ!
ヤバイな…本当にグダグダ!
早いとこシズちゃんを出したい。