Language of love   作:千α

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リア友のリクエストです。
もしも冬樹が静雄と同じ歳だったら。

※このもしもシリーズでは冬樹の原作知識は無し、もともと四木の息子であることは発覚しています。


もしもシリーズ02

「えー…今日は転校生を紹介します。入ってきて。」

 

「四木冬樹です。」

 

この学校とは少し違う制服を着た少年が無表情で自己紹介をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中学生になった静雄は昔と何一つの変わらない騒がしい人生を送っていた。何をしたわけではないが次から次へと静雄の周りには喧嘩が舞寄って来た。そんな静雄に近づく者は一切居ない、ハズだった。

 

「四木は、平和島の隣だな。」

 

静雄の隣の席にはだれもいない、前に隣だった者は先生に必死に訴えて席を変えてもらったのだ、しかしこの席はどうも皆は座ろうとしない。だから何も知らないであろう転校生に座ってもらうつもりなのだろう。

 

 

「……………よろしく。」

 

「……おう…。」

 

二人の始めての会話はコレだけだった。

どうせ、こいつもすぐにこの席を嫌がるだろうと静雄は踏んでいた。

 

休み時間になると冬樹は席から遠い場所に連れて行かれていた。

 

「ねえ、四木くんってどうして転校生して来たの?」

 

「あー……いろいろあって。」

 

「もしかして、親の転勤とか?」

 

「まあ、いろいろあったから……。」

 

「四木は部活とか何してたんだ?」

 

「んー……部活は…忙しくてやってなかった。」

 

「マジで?じゃ、ここではやるのか?」

 

「んー……やりたいのがあったら。」

 

転校生の冬樹はクラスの皆の注目を浴びて質問攻めにあっていた。

 

「あ、そうだ四木…お前の隣の席の平和島、あいつには関わらない方がいいぞ。」

 

「………何で?」

 

「あいつ化け物なんだよ。」

 

「化け物?」

 

「まあ、すぐに嫌でも解るって。」

 

冬樹はチラリと静雄を見る。

静雄は寝ているのか、机に顔を伏せていた。

 

しかし、四木冬樹と言う人間にはそういうことは通じない。

 

 

 

 

「平和島、教科書見せて。」

 

その一言で教室はざわつく。

対する静雄はポカンと口を開けていた。

 

「転校して来たばっかりで教科書が無いんだ。」

 

「…別にいいけど……。」

 

「ありがと……。」

 

そう言うと冬樹はなんのためらいもなく自分の机を静雄の席にくっつける。

 

授業中、静雄と冬樹の会話はなかったものの、クラスの皆は冬樹が静雄を怒らせないか肝を冷やしていた。

 

休み時間、冬樹はまたクラスの皆に連れて行かれた。

 

「四木って怖いもの知らずだな……。」

 

「怖いも何も、俺はあいつの事を知らない。」

 

「そうだけど……。」

 

「悪い事は言わないよ、あいつには関わらない方がいいって。」

 

「そうだよ、四木くん真面目そうだし……。」

 

「心配してくれてありがと。」

 

 

 

──────────…

 

実は冬樹が転校して来た理由は普通ではない。

まず、冬樹の父は堅気の人間では無い。

しかし冬樹はその事を隠して学校に通っている。池袋から少し遠い学校であったがそこで冬樹の秘密がバレてしまい、転校をする事を決意したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の日直は…四木と平和島だな。」

 

冬樹は特に気にする事はなかったがクラスメイトはまたも肝を冷やしていた。

 

 

放課後。

 

ここまで二人は特に何を話すわけでもなく、ただ淡々と日直の仕事をこなしていた。

 

「……平和島、このプリント運ぶの手伝ってくれないか?」

 

「お、おう……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平和島って力持ちだな。」

 

「そうか?」

 

プリントを職員室迄運びながら冬樹は少し疑問に思っていた事を口にする。

 

「今日の体育の授業、バスケのリング壊してただろ?」

 

「………。」

 

「嫌な事を聞いたみたいだな。」

 

静雄は冬樹の言葉に黙り込む。

 

「……なあ、平和島……。」

 

冬樹が次の質問をしようとした時。

 

「平和島──!!」

 

「昨日はよくもやってくれたな!」

 

振り返るとそこには傷だらけの男達が立っていた。

 

「ん?なんだ?今日は珍しくツレがいるな?」

 

「噂の転校生か?」

 

「平和島の一緒にいるなんて物好きだなぁおい。」

 

( 平和島は不良か何かだったのか?)

「平和島、行こう。こんな奴相手にする事ない。」

 

冬樹をジロジロ見る男達をスルーして先に進もうとする。

 

「おいおい、何処行くんだよ。」

 

しかし、その進行方向にも不良達が集まっていた。

 

「おい、そいつは関係ねえだろ。」

 

静雄は冬樹を関係ないと不良達に訴える。

 

「そうだな関係ねえこいつが怪我でもしていいのか?」

 

「そいつちゃんと抑えとけよ!」

 

不良の一人がバットを持って冬樹を見る、そしてそのバットを振りかぶった。

 

「おい!やめ……っ!」

 

静雄は叫んだ。

 

が、その心配は冬樹には必要なかった。

 

 

バキリッ

 

 

嫌な音がした。

 

「ぎぁぁぁあ!?あ?ぁぁぁあああ!!?」

 

「なっ!?何すんだテメェ!!!」

 

冬樹を抑えていた男の手首を本来あり得ない方向に折った(・・・)

そしてそのままバットをかわしてバットを振りかぶった不良を蹴り飛ばす。

 

 

「えー…と……とりあえず……失せろ。」

 

ドスの効いた声を発して冬樹は不良達を睨む。

 

「や、やっちまえ!!」

 

しかし不良達はそんな冬樹の忠告を無視し冬樹に突っ込む。

 

が、次の瞬間、掃除用具入れのロッカーが飛んで来た(・・・・・)

 

「うぜぇ……。」

 

静雄だ。

 

それを合図だと言わんばかりに不良達は腰を抜かし散り散りを去って行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平和島って凄いな。」

 

「アレを見た後にそんな事言えるお前もスゲぇよ。」

 

冬樹と静雄の影を夕焼けが伸ばしている。

 

「んー……そうか?」

 

「……それより、四木は格闘技とかしてんのか?」

 

「いいや、親とか親の同僚の影響。」

 

「お前の親何やってんだ?」

 

帰路を歩く二人はそこで買ったアイスを食べながら話す。

 

「……誰かとこうやって並んで歩くなんて久しぶりだ…。」

 

「奇遇だな、俺もだ。」

 

「……何で四木は俺の事怖がらないんだ?」

 

「怖がる理由が無い。平和島を怖がるなら(チャカ)の方を怖がる。」

 

「チャカって……なんだ?」

 

「知らないならいい。」

 

「?」

 

「……平和島って長いから静雄でいい?」

 

冬樹の突然の申し出に静雄は困惑する。

 

「い、いいけど……。」

 

「俺も、冬樹でいいって言うかそう呼んでくれた方が助かる。」

 

「助かる?」

 

「……静雄、そこはいいから。」

 

「お、おう……えーと、冬樹?でいいのか?」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄さん、何だか嬉しそうだね。」

 

「そ、そうか?」

 

「うん、いい事あった?」

 

「友達……みたいなのが出来た。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん、今日さ友達出来たよ。……………うん、仲良く出来そう。…………………バレてないと思うけど……………うん、解った。あ、今日抗争(仕事)だよね、頑張って。…………うん、お休み。」




続きます。多分
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