Language of love   作:千α

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あー、夏休みが終わってしまった…。
憂鬱だ……。


第四十二話 Глаза говорят о рот

《……幸せそうに寝やがって……まあ、いいさ…その幸せいつかぶっ壊してやっからよ。》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、最近平和じゃないな……あんな子供まで喧嘩か……。」

 

大河はカウンターに備え付けられているキッチンで久しぶりにやってきた(冬樹)が使ったコップを洗っていた。

 

大河の経営する喫茶店は決して有名ではない。本当にごくごく一部の人間しか知らない喫茶店、やって来る人はごくごく稀に。

それでも大河はこの喫茶店を辞めようとは思わなかった。何かを待っていたのかもしれない、自分を変える何かを………。

 

 

 

大河は幼い頃から野球ひと筋だった。小学校、中学校、高校、大学……大河は野球以外に何かをしようとは思っていなかった。しかし、彼は大学の終わり友人にこんな事を言われる。

 

「お前は、野球の他に何があるんだ?」

 

その問いに大河は答える事ができなかった。

考えてもいなかったのだ、野球以外に自分には何があるんだろう…?

それを見つけて何が起こるのかわからなかったが大河は野球の事をキッパリと諦め、もうすでに亡くなってしまった両親が経営していたこの喫茶店を継ぐ事にした。

 

何かを変えたかった。

 

何かを変えてみたかった。

 

こんな誰も来ない場所でも、大河は充実した毎日を送っていた。

大河の両親はいくつもの土地を貸していたため、喫茶店のほうが全く人が来なくてもお金に困る事は無かった。

 

それでも、ふと大河は考える。

 

 

「俺は本当に何かを変えれたんだろうか……。」

 

 

──────────…

 

 

「こんにちは……。」

 

「よう、嬢ちゃん。」

 

冬樹が寝始めて数分経った頃に春媛が喫茶店にやって来た。

 

 

 

 

 

 

「あら、冬樹は?」

 

「奥の部屋で休んでるよ。」

 

「そう、なら顔を見に………と言いたいけれど、最近本当に疲れてるようだからそっとしておくわ。」

 

「………"疲れてる"…そういえば、あいついっつもやつれた顔してるな。」

 

大河は新しいココアシュガレットをくわえて春媛に質問する。

 

「………あの子、最近ずっと喧嘩のしぱなっしで……よほど白爛()を傷付けられるのが嫌のようね……あの子は私だけを見ていれば良いのに……。」

 

「皆ねぇ……お前らどこのチームに入ってるんだ?」

 

「白爛って知っているかしら?」

 

「………いや、知らないな…。」

 

大河がそう答えると春媛は心底飽きれたように大河を見る。

 

「白爛はね、ここら辺の路地裏を縄張りとしてるの。だからここら辺は安全なのよ、私達が目を光らせているから。でもね………最近、可笑しいのよ…。」

 

「可笑しい?何が?」

 

春媛はふぅ…とため息を吐く。

 

「実はね、ここら辺の路地裏は白爛(私達)の縄張りって知らないような人達がまるで知っていたかのようにやって来るのよ……それだけなら私達はこんな事をしないけれど……何度も問題を起こされたら…冬樹の堪忍袋の尾が切れるのも無理ないわ……。」

 

「抗争でもする気か?だったらここから遠い所でやって欲しいな。」

 

「残念だけれども、運が悪ければここからそう遠くない所で起きるわよ。」

 

「本当に平和じゃないな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 喫茶店「悠々」 とある店主の独り言

 

 

 

──んー…話し相手がいなくなったな……まあ、良いけどよ…それにしても、門田の奴…なんで「ある情報屋(・・・・・)」って言った途端血相変えたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四年前 路地裏

 

 

 

「……………。」

 

冬樹はどうしたものかと首を傾げる。

 

周りには何人もの男が冬樹を囲んでいる。

 

(あんまり、小早川さんに迷惑かけるわけにもいかないし…今回は怪我しませんように……)

 

冬樹はそんな事をボケッと考えながら男を次々と倒して行く。冬樹の身体は屈強ではない、むしろ細くて身長もまだ春媛よりも少し小さい。

しかし、そんか見た目の割に冬樹は重い一撃を繰り出していた。

 

 

 

──────────…

 

 

「おい、真白……寝るならうちの店に来いよ。」

 

「………あー…すみません。なんか頭が痛くて。」

 

「鉄パイプか何かで殴られたのか?血が酷いぞ。」

 

倒れている男達に紛れて倒れていた冬樹が大河の気配に気付きむくりと起き上がる。

 

「そういや、お前らはどうやってこんな奴らが来た事を把握してるんだ?」

 

「………とある情報屋さんと白爛()の情報網です。」

 

「情報屋?」

 

「………金とか一切取り引きしてませんよ。あの人に情報を教えてもらう代わりに、あの人の頼み事聞いてるんです。」

 

「なら良いよ。子供の頃からそんな事してたらろくな事ねぇからな。」

 

大河は上手く立ち上がる事のできない冬樹の腕を持ち引っ張る。

 

「………ありがとうございます。」

 

「おう、良いって事よ。」

 

「頭、大丈夫か?」

 

「フラフラしますけど、まあ、大丈夫ですよ。」

 

「いや、大丈夫じゃねえよソレ。」

 

大河は冬樹をおんぶする。

 

「……すみませんね。」

 

「お前、軽過ぎだろ……。」

 

「……そうですか?」

 

冬樹は不思議そうな顔をして上を見上げる。

雨がまた降りそうだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏入り口前

 

冬樹をおぶる大河の姿が見えなくなった後、一人の青年が現れる。

この蒸し暑い季節に長袖の黒いコートを着ている。他から見ればとても暑そうな格好だ。

しかしその青年はそれを感じさせないような笑みを浮かべる。

 

「……これだから人間は面白いよ……まさか、あんな場所に喫茶店があるなんてね……俺でも知らないなんて……。」

 

嬉しそうに、愛おしそうに青年は笑う。

 

「………でも、冬樹くん(その子)は今、俺が遊んでる途中何だよね……。」

 

嬉しそうに、愛おしそうに、楽しそうに青年は笑う。

 

「どんな風に事が運んでも、大歓迎なんだけど……何でだろうね…不愉快だ。」

 

嬉しそうに、愛おしそうに、楽しそうに、面白い物を見たかのように青年は笑うのを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い〜ざ〜や〜く〜ん……。」

 

「シズちゃん、こんな所まで追ってくる?」

 

「うるせぇ……池袋には来るな……て言いたいとこだけどよお……手前、冬樹を見なかったか?」

 

「え、冬樹くん?」

 

「最近、姿が見えねえ……まさか、手前が絡んでんじゃねえだろうな……。」

 

「残念だけど、俺は冬樹くんが今どこで何をしているかは全く知らないよ。」

 

「………その顔は何かあるだろ?」

 

「顔見ただけで俺が何考えてるか解るの?シズちゃんってばいよいよ化け物になる準備でも始めた?怖いなぁ……でも、俺は本当に何も知らないよ。そんなに気になるなら彼の家に押し入ったらどうだい?」

 

「んな事したら冬樹に迷惑がかかるだろ……。」

 

「………そう。

ところで、何でポストを持っているのかな?」

 

「何を今更……これをお前の頭にガツンと………あ!逃げんな臨也!!」

 




今更だけど人物紹介。

●宇野原冬樹→四木冬樹
16歳

一人称:俺

誕生日:8月15日

血液型:?

身長:168cm

体重:52kg

趣味:新作商品の食べ比べ・日帰り観光旅行(最近行けていない)・読書

好きな科目:歴史

嫌いな科目:特に無し

好きな食べ物:温かくて綺麗なご飯

嫌いな食べ物:冷たくて汚いご飯

好きな言葉:雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい。 それが自由というものだ。
- ヨハン・ゲーテ

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