雨。
雨は嫌いじゃない。
どちらかと言われると、こうやって雨にうたれる方が好きだ。
けど、どうしてだろう……。
今日は何だか………。
この行為が酷く虚しく思えてきた。
現在 喫茶店「悠々」
「で?集まったのはこの五人か?」
「ハイっす!」
「真白さんってば、どーしてこんな奴等集めたんですか〜?」
「いろいろと気に食わないわ……。」
冬樹は目の前に座っているどう見ても自分よりも年上の青年達を睨む。
「……………あんたら、誰にやられたの?」
「………し、知らねぇよ。」
先ほど手当てしてもらった事もあるためか青年の一人は少し警戒心を溶いて冬樹の質問に答える。
「じゃあ、なにやってた?」
「………そ、それは……。」
「喧嘩か?それとも………カツアゲ。」
もう解っていると言わんばかりに鋭い声色で冬樹は青年を見つめる。
「………そうだよ……わ、悪いか!?ただ、金がなくて……っ。行く場所もないし……。」
「お、俺も……家出してるし……。」
「俺も……」と残りの五人は口を揃える。
「……………そうか。なら……お前らがやったのはどんな奴等だった?」
冬樹は青年達を睨むのを止め、静かに問う。
「あ、青い……目出し帽を被った奴等………。」
「他も、そうだったのか?」
「青い目出し帽の奴はいなかったけど、全員……青い物を見にまとってて……。」
「俺も……そんな奴等に……。」
青年達はお互いの顔を見合わせ口々に言う。
「………これが最後の質問だ。お前ら、ダラーズか?」
青年の誰かが喉を鳴らす音が喫茶店に響いた。
三年前
冬樹は雨にうたれながら歩いていた。
いつもならば傘が無いときはパーカーのフードを被っているのだが、今の冬樹にそれをする気力はなかった。
ただ、歩くだけ。
冬樹の足取りは重かった。
あたりはもうすっかり暗くなり、次第に冬樹は人通りの少ない道に入る。
「あ"?何だテメェ……?」
「おい、どうしたよ?」
「なんか、ガキが入って来てよ。」
「おいおい、ここが何処だか知ってんのか?」
人通りの少ない道は不良の溜まり場となっていた。
しかし今の冬樹にはそんな事関係ない。
「おい、無視すんなよ!」
一人の男が冬樹の肩を掴む。
「………んなよ……………。」
「はあ?何言ってんだよ?」
「もっと大きい声で言えっての!」
「触んなよ……殺すぞ。」
今度はハッキリと道によく響くように冬樹は言う。
決して大声ではないが、何処までも深く、暗く……重い言葉。
そしてその目は、いつもの冬樹の灰色の目では無くなっていた。
その次の瞬間……男達は冬樹に絡んだことを後悔する。
とある白い部屋
「ぐす……っ。」
《おい、そろそろ無くの止めてくれよ。オバサン。》
「お、オバサンってなんですか!?私まだ300歳ですよ!うわ〜ん!」
《めんどくせぇな!泣くなよ!そもそも、ここは俺の場所だぞ!勝手に入って来るなよ!》
「グスンっ……良いじゃないですか!それに、私は貴方を見過ごすワケにはいかないんですよ!」
《俺を消すためかよ……めんどくせぇ奴の息子に転生したもんだぜ、
「め、めんどくさいって……。」
《はいはい、とりあえず…オバサンは出てけよ。》
「きゃっ!?ちょ、ちょっと突き飛ばさないでよ!」
《バイバーイ。》
「あ……扉が!?……どうしよう……また、降り出しに戻っちゃった……だ、大丈夫ですよ!私はきっと……きっと助けて見せます!貴方に何度阻まれようと…貴方を消すまで……。
だから、だからもうちょっと待ってて…………………冬樹、お母さん、頑張るから……。」
現在 喫茶店「悠々」
「お前ら、ダラーズか?」
冬樹の言葉で喫茶店内は静まり返った。
「そ………そう…だった。」
「…だったって事は………やっぱり、そうか……全くダラーズも変わってしまったな……。」
冬樹はダラーズの現象を目の当たりにして目を細める。
"ダラーズは変わった。"
冬樹は喫茶店の片隅で静かに呟く。
ダラーズは今、創始者がダラーズとしてそぐわない者を次々とダラーズから追い出している。そして、冬樹はそんなダラーズの創始者が気に食わなかった。
(ここまでやるか……?竜ヶ水 峰……。)
「と、ところで……お前らはいったい?」
「なんで、俺らの手当てを……?」
青年達は食い入るように冬樹をみる。
「手当ては………気まぐれ。」
「き、気まぐれ!?」
「で……俺らは白爛だ……俺は白爛リーダーの真白だ。」
「びゃ……っ。」
「白爛!?」
青年達は血相を変えて椅子から転がり落ちる。
「………そんなに驚くか?」
「それは貴方の威圧に耐えられなかったからよ!」
冬樹が三人に問うと春媛が真っ先に答えた。
「……………お前ら、これからどうする?」
「あら?無視…?解ったわ照れ隠しね!」
「姐さん、ちょっと黙ってて下さいっす。真白さんが怒るっす。」
冬樹は春媛を無視して青年達に向き直る。
「ど、どうするって……。」
「行く場所がないなら…俺がお前ら全員を面倒見るよ。」
「は?」
「白爛に誘ってんだよ。そりゃ、ダラーズよりルールは厳しい……金が欲しけりゃバイトとか…いい所知ってるし、顔見知りに紹介もしてやる。それでも金に困ったらここに来い。飯くらいなら奢れる。」
「な、何言って……!」
「お前達に居場所はあるか?」
その言葉に青年達は黙ってしまう。
冬樹は一目見て解った。
目の前の青年達は何処にも居場所がない。家族にも社会にも見捨てられたか……それとも……。
そんな青年達を冬樹は見捨てられない。
冬樹もそんな人間のひとりだったから……。
「………俺、入る。」
一人の青年はポツリと呟く。
「お、俺も……。」
「本当に、頼っていいのか?」
「ああ、
青年達の顔は徐々に明るくなっていった。
青年達は始めて自分達に手を伸ばしてくれる人物を見つける事ができた瞬間だった。
喫茶店に人が続々と集まって来る。
「さっきも言った通り、ダラーズと違って白爛には幾つかルールがある。けど、覚えておいてくれ、ルールの無い社会は絶対に成り立たない、今のダラーズのようにな………。だから
真白の言葉に答える声が喫茶店に響きわたる。
「ありがとう……
三年前
「………もう……どうでもいい………。」
周りで呻き声が聞こえている。
少年の目には相変わらず光がない。
今更だけど人物紹介
●真紀方 一
15歳
一人称:俺
誕生日:9月18日
血液型:A型
身長:160cm
体重:50kg
趣味:パシリではなく、ランニング
好きな科目:体育
嫌いな科目:数学
好きな食べ物:硬い物
嫌いな食べ物:柔らかすぎる物
好きな言葉:もし人生が二回あればお母さんの言う通りに高校へ行くけど、 一回しかないんだから自分の自由にさせてください。
-船木誠勝