やっとかよ!
「あ、平和島さん…。」
「なっ!?へ、平和島静雄!?」
実は冬樹は敵に回してはいけない人物である平和島 静雄に憧れを抱いている。
以前、平和島 静雄を池袋で見た時は柄にもなく興奮していた。
冬樹は前の生きていた頃見ていた小説「デュラララ!!」で1番好きで憧れたキャラクターが平和島 静雄だったりする。
つまり、この世界に来て、こんな性格になってもなお冬樹は平和島静雄を憧れの対象として見ることが出来た。平和島静雄の前では冬樹は"普通"の人間でいることが出来るのだ。
「平和島さん!」
「ん?おぉ、冬樹じゃねぇか。」
静雄は自分の力を見ても恐怖どころか憧れを抱いてくれる冬樹が好きだった。
しかし、その冬樹の隣にいる少女……つまり、羽ノ浦 春媛は…。
「平和島静雄!今日こそ貴方を殺す!!」
そう言って断ち切りばさみを構えた。
──────────…
ドォン!!
池袋の街に轟音が鳴り響く。
逃げ惑う人々、野次馬にくる人々、傍観を決め込む人、飽きれた顔で「今晩はビーフシチュー無理かな?」と中身が大変な事になっているレジ袋を見る人。
と、様々な反応をする人々を余所目に平和島静雄と羽ノ浦春媛は喧嘩……と言っても春媛は本気で殺そうと静雄に襲いかかっている。
「うぉぉぉぉぉおおらぁぁぁぁあっ!」
「はぁぁぁぁぁあ!」
普通飛ぶ筈の無い赤いポストが宙を舞う。(もちろん静雄が投た物)
すると春媛は避けずに一気に静雄との距離を縮め、プラスドライバーを取り出す。(先程買ったばかりの物)
こんなにも危険を返り見ない少女はきっと世界のどこを探してもいないだろう。
そんな戦いを横目に冬樹はコンビニによる事にした。
辺りはもう暗い。
ビーフシチューは無理だろうからおにぎりを何個かと…アイスとプリン、そしてチーズケーキを買い外に出る。
まだ戦い続ける2人。
この2人の喧嘩に割って入る者などいないだろう……彼を除いて。
「ケンカ、ヨクナイヨ。」
サイモンだ。
「あ"ぁ"?なんで止めんだよ、サイモンよぉ?」
「そうよ、やっとこの男を殺せるかもってところで…っ!」
「スシ?スシクウネ?スシイイよ!オイシシヨ!」
「聞いてねんだよ!」
「この男を殺さなきゃいけないの!邪魔しないで!」
お互いを睨み合う2人を見て、「そろそろ止めないとヤバイかもよ?」と、傍観を決め込んでいた臨也が冬樹に囁く。「貴方が出て行けば一発でこの喧嘩はおさまるだろう」と言ってやりたかったが臨也の言葉にも一理あるので2人を止める事にした。
因みに、振り向くと臨也はすでにいなかったりする。
「あのさぁ…そこの2人。」
「冬樹くん!?私ったら!冬樹くんのためにこの男を殺さなきゃと思い過ぎて貴方を全く見ていなかったわ!時間を巻き戻したい!寝てる時以外、学校に行っている時以外はこの目に焼き付けておかなきゃって思っていたのに!ごめんなさい!私ったら!冬樹くんが!冬樹が!寂しがっているのにも気付かずに!こんな事!ごめんなさい!」
「いや、もういいです。静雄さん、これから時間あります?」
「まぁ、あるけど…。」
冬樹の乱入と春媛のマシンガントークで冷静に戻った静雄は冬樹の言葉に首を縦に振る。
後ろで「またそんな男と話して!冬樹くんは私しかいらない筈(以下省略)」と言っているが冬樹と静雄はいつもの事だと無視を決め込む。
「一緒に露西亜寿司に行きましょう、腹減りましたし。」
「あー…もうそんな時間か…。」
「本当は先輩がビーフシチュー作ってくれる予定だったんですけどね、この通りです。」
冬樹は中身が大変な事になっているレジ袋を静雄に見せる。
「あ、わりぃ!まさかこんな事になるとは…。」
「いえ、ほとんどいきなり平和島さんに喧嘩を吹っかけた先輩のせいです。
それに、ほら…平和島さんの好きなプリンも買いましたよ。」
冬樹はもう一つのレジ袋を見せる。
先程買った物だ。因みにアイスは春媛の、チーズケーキは冬樹の分だ。
冬樹はその袋をサイモンに預け、冷蔵庫の中で冷やしてもらう事にした。
「うめぇ…。」
「どうして私がこの男と…だいたい冬樹くんの言う事じゃなかったら…(以下省略)」
「あ、この新作のお寿司美味しい。」
…………………ナンダコレ\(^o^)/