一巻が終わりますね…。
冬樹と春媛が本格的に動き出すのは二巻以降になります。
ピピッ
メールがやってきた……。
「どうしたの?冬樹くん。」
「…………ダラーズに入り込ませていた奴からの知らせで…今日、ダラーズの集会があるそうです。」
「ダラーズの集会?……あぁ、だからそんなに嬉しそうなのね?」
「嬉しそう?」
冬樹と春媛は特にする事もなく家でのんびりとしていた。
そこにやってきたメールは冬樹の顔を無意識に輝かせた。「やっとここまでストーリーが来たか…」転成小説などによくある事だが。始めから人生をやり直し、いかにしてストーリーに食い込んで行くか、下手をするとストーリーには入れない事もある。そのため冬樹は「どうせ、この世界に来たのだから」と幼い頃からストーリーの重要人物と接触してきた。折原臨也もその一人である。
「なんだか冬樹くん、うきうきしてる。私も嬉しいわ!貴方がここまで表情を出すなんて!」
「うきうきしてる?」
「ええ、今までで一番嬉しそうな顔。」
「………忘れていた感情だ…。」
「え?」
「なんでもないです。」
冬樹はこの世界に来てから感情が一部欠落していた。しかし、このダラーズの集会の知らせで冬樹は嬉しいという感情を少しだけ取り戻す事が出来たのではないか、本人ではまだ解らないがもしかすると…このままダラーズと、非日常と関わって行けば…或いは…。
「先輩、俺今からダラーズの集会に行きますけど…どうします?」
「行くに決まってるわ!」
冬樹人生はこれを機に壊れ始めてしまうことになる……が、それはまだ先の話だ。
「あ、門田さん。」
「お?宇野原と羽ノ浦…久しぶりだな。」
「久しぶりです。」
ダラーズのメンバーである門田 京平。
彼も集会に来たのだろう。
「あー!冬っぺ久しぶり〜!」
彼女は狩沢 絵里華、はっきり言ってしまうと彼女と彼女の相方、遊馬崎ウォーカーは苦手だ。冬樹も生きていた頃は類に言うアニメオタクという者であったがだがここまでは酷くなかった。
「お久しぶりです、狩沢さん。あと冬っぺって呼ぶの辞めていただけませんか?」
「え〜?可愛いのに〜。」
「あ!春ちゃんじゃないっすか〜?」
いつの間にかこちらに気付いた遊馬崎が春媛に話しかける。
さすがの春媛もこの2人が苦手で口を塞ぐ。
「あー…。お前らもまさか…。」
おもむろに門田が冬樹に話しかける。
どうやら、ダラーズかどうかを聞きたいようだ。
「俺たちはダラーズじゃありませんよ。」
「………なんで解った?」
冬樹にしては珍しくヘマをした…。
確かに聞かれる前からダラーズ関係だということは冬樹でも解らないだろう。
「仕方ない」と、自分のことを門田に話す事にした。
「……これ、誰にも言わないで下さいよ。」
「そんなに重要な事か?」
「……俺は白爛のメンバーです。」
「!?…マジかよ…。」
「えー!?冬っぺ白爛だったの!?」
「狩沢さん声が大きい。」
ワゴンの中なのでとりあえず周りには聞こえていないだろう。
自分がリーダーである事は伏せて続きを話す。
「実は白爛って温厚なんですけど…。警戒心は強くて、ダラーズや黄巾族にメンバーを潜り込ませてて…。あ、これ多言しないで下さいよ。」
「ふ、冬樹くん!そんなところまで話していいの!?」
春媛が冬樹を止めようとする。
「その話し本当か?」
門田が疑いの目で冬樹と春媛を見る。
「本当です。でも、大丈夫ですよ。よっぽどのことがない限り、ダラーズにも黄巾族にも手は出しませんし…。それに、うちのリーダー抗争とか嫌いなんで。」
「だから、この事は門田さんの心の内に留めておいて下さい。」と言うと門田は深くため息を吐いて「解った。」と言った。
「ねぇ、さっきから気になっていたんですけど…。」
春媛が口を開く。
「その女、誰?」
先程の会話は聞いていなかったようだが、春媛は「こんな女を冬樹の近くに置いていたら冬樹が惚れてしまうのでは?」と思っていた…それ程彼女は綺麗な顔をしていた。
もちろん、冬樹は彼女の正体を知っている。
首に傷のある彼女、首無しライダーことセルティ・ストゥルルソンの顔を持つ彼女───…
張間 美香
お、終わらなかった…。
次で一巻おわりです!