Language of love   作:千α

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暗い場所で

「そういえば、情報屋さんって弟みたいに可愛がっている子がいるんだよね?」

 

「アンフィスバエナ」の幹部、ミミズが麻袋を被った男性…折原臨也に問いかける。

 

「………。」

 

「確か、宇野原冬樹くんだっけ?この前轢き逃げにあったんだよね。」

 

「可哀想に……」とミミズは呟いているが、その声色は一切そんな風には聞こえない。

 

「その子の写真見たけど、結構可愛い顔してるよね。女装しちゃうと本物の女の子みたいになっちゃうし。本当にこの子高校生2年生なのかな?」

 

ミミズは携帯の画面を見て情報の確認をしていた。

臨也は相変わらず黙っている。

 

「この子に情報屋さんのこと、いろいろ聞いてみたんだけど……スンナリと売ってくれたそうだよ?弟みたいに可愛がってるのに裏切られちゃったね。しかも、知り合いの情報なのに結構安いし、三万円からだって。」

 

ミミズはケラケラと笑う。

実際は冬樹には金は払っていない。

冬樹に臨也の事を聞いた男は冬樹を危険とみなし、すぐに退散してしまったため、情報料を払わなかったのだ。

ちなみに、この事は冬樹にとって腹立たしく…「絶対に十万以上払わせてやる」と情報料を少し上乗せしてその男を入院している今でも探している、という事はミミズは知らなかった。

 

「確か、この子ってずっと無表情なんだよね?そのせいで小学校の頃はイジメにあってたんだよね?しかも、両親から虐待を受けてて……中学を卒業した日に強盗が押しかけてその両親は殺されちゃったんだって?」

 

「………。」

 

臨也の頭がピクリとほんの少しだけ動いたのをミミズは見逃さなかった。

 

「あ、やっぱり……この子は情報屋さんにとって大事な弟なんだね。良かった、実はこの子も、妹さん達と同様ここに招待してあるんだよ。」

 

ミミズは麻袋を被る臨也に携帯を向ける。そこには冬樹が写っている。

 

「もしかして、妹さん達よりこの子の方が大切だったりして?」

 

「………。」

 

「安心してよ。怪我人にはちゃんと優しくするから!」

 

臨也にとって、確かに冬樹は弟のような存在だ。

 

冬樹は臨也の懸念する化け物(・・・)と愛する人間との間の子だ。その事を知った時、臨也は本当にショックを覚えていた。人間だと(・・・・)思っていた(・・・・・)人間が(・・・)化け物だった(・・・・・・)からではなく、弟のように(・・・・・)思っていた(・・・・・)冬樹と言う(・・・・・)人間が自分(・・・・・)の懸念する(・・・・・)化け物だった(・・・・・・)からと言った方が正しいだろう……それほど、臨也にとって冬樹は特別な人間になっていた、それに一番驚いたのもちろん臨也だった。

 

それでも、臨也は池袋で起こそうとしている戦争の駒に冬樹を選んだ。理由は簡単だ、興味があったから。もしも、冬樹が絶体絶命のピンチに陥ったら……もしも、その戦争に冬樹が生き残ったら、負けたら……と、興味は尽きない。ここはやはり、折原臨也という人間が成せる興味なのだろう……。

 

「それにしても、この子との付き合いも結構長いんだね。この子が……小学生の時に始めて会ったんだよね。スゴイよね、平和島静雄(殺されそうになった人)と折原臨(その原因の人)に普通に接してたんでしょ?」

 

 

ミミズが臨也に問いかけると麻袋が少しだけ揺れた。

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