Language of love   作:千α

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臨也がミミズに監禁される少し前の話し


第五十六話 Тогда это происходит

「この調子だとすぐにでも治るよ。」

 

「………そうですか…ありがとうございます。」

 

「それにしても、よく跳ねられたのに意識が飛ばなかったね。」

 

「………昔、ポストとかにぶつかってたんで。」

 

「?」

 

 

轢き逃げにあった冬樹はすぐに来良総合病院に運ばれていた。

警察や病院の先生や看護師達には「よく無事でいね」「治りが速くてビックリするよ」などと言われていた。

冬樹は完全には治っておらず、暫らくこの来良総合病院で様子を見る事にした(春媛は最後まで反対していた)。

 

(……帰りたいな……。)

 

冬樹はいつもの日常に帰りたかった。

 

 

 

 

 

 

冬樹がそんな事を考えていた時、とある街の片隅にて。

 

「………ダラーズと抗争をするんだったら……あのチーム(・・・・・)にちゃんと言っておかないとな……。」

 

紀田正臣は黄巾族のリーダーだ。

正臣の親友である竜ヶ峰帝人を元に戻したいという一心で正臣はダラーズと抗争を起こす事を決意した。

しかし、それには少し問題があった。

池袋のカラーギャングの勢力の一つ、「白爛」。このチームは黄巾族よりも少し先にできたチームで、主に路地裏に住み着いており、現在ダラーズの次に大きな勢力だと言われている。

しかし、正臣は昔からダラーズやブルースクエアよりもこの白爛というチームを警戒していた。

 

こちらから手を出そうとしなければ向こうがこちらを攻撃する事はない。それはこの池袋に住んでいれば嫌でも解る常識だった。

 

ー「あと、白爛には気を付けろよ。」ー

 

ー「白爛?」ー

 

ー「今、池袋でダラーズと互角に張り合えてるカラーギャングらしんだ。

まあ、白い布を腕に巻いてるはずだから…こっちから何もしなかったら手を出してくる事は無いけどな。」ー

 

親友がこちらにやって来た時に正臣は絶対に関わってはいけない人物に白爛を挙げた。

そのくらい、正臣は白爛を誰よりも警戒している。

 

しかし、今回ダラーズとの抗争を始める前に、どうしてもやっておかなければならない事がある。

それは、白爛のリーダーにその話しをするということだ。

何故、と聞かれれば答えは簡単だ。

白爛に手を出した者には白爛のリーダーは容赦がない。

一度、正臣の忠告を無視した黄巾族のメンバーが白爛の一人を病院送りにした事がある。その次の日にそのメンバーは手足を折られた状態で池袋の片隅に吊るされてしまっていた。

 

もしも、ダラーズに白爛のメンバーがいたとしたら、その時(・・・)はまたそんな被害者が出てくると思い、正臣は白爛のリーダーと直接会う事を決意する。

 

(俺の頭一つで足りたらいいんだけどな……。)

 

正臣はとある喫茶店の前で深呼吸をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喫茶店「悠々」

 

 

 

 

 

「いらっしゃい……よく見つけたな……。」

 

正臣が最初に見た物はウェイターの格好をした…なぜかタバコではなく、シュガレット(ココア味)をタバコのようにくわえる男性だった。

 

「……そのスカーフは……黄巾族だな?」

 

「……あの……ここによく白爛が出入りしてるって聞いて……。」

 

「ああ……よく調べたな。」

 

ウェイター、小早川大河は少し嬉しそうに笑う。

 

「………白爛のリーダーと話しをしたくて……来たんですけど。」

 

「真白に?……別にいいけど……。」

 

「え?」

 

正臣は少し抜けた返事をしてしまう。

 

「いや。お前……紀田正臣だろ?」

 

大河は正臣に聞く。

 

「は、はい……。」

 

「なるほどな……よし、紀田。こっちに座れ。」

 

「は、はい!」

 

こんどは少し焦って紀田は返事をする。

 

「と、言ってもなぁ……。」

 

「えっと……なんかあるんすか?」

 

「それが、真白……ああ、白爛のリーダーな……そいつが轢き逃げにあってな。」

 

「まさか……昨日のニュースって……。」

 

「ああ、真白だよ。」

 

正臣は最近よくニュースになっている池袋でおきた轢き逃げ事件を思い出す。

 

「あの……どうして、俺の名前を知ってたんですか?」

 

「真白がな……お前を認めていたからだよ。」

 

「俺の事を?」

 

「わざわざお前の事を調べてな……半年前のあの事件で、すっごく心配してたな……。」

 

「まさか、敵のチームのリーダーにそんな風に思われているなんて考えてもいなかった……。」

 

「まあ、それが普通の人間の反応だよな……。

ちょっと話が逸れたが……もしも、真白に会いたいってんなら……連れてってやるよ。」

 

「けど……。」

 

大河は腰に着けていたエプロンを外す。

 

「遠慮すんな……真白の奴も、お前を見てきっと、今考えてる事が吹っ飛ぶだろうな。」

 

「ありがとう、ございます。」

 

大河はそんな正臣の言葉を聞いて微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな話しをしているとは梅雨知らず。

 

冬樹は見舞いの品の処理に勤しんでいた。

 

「はあ……なんで、全員来るかな……。」

 

「大丈夫よ、冬樹の看病は全部私がするから!」

 

「聞いてないんですけど?」

 

冬樹が轢き逃げにあったと白爛のメンバーに言ってみたところ、その反響は大きく……白爛の全員が冬樹の見舞いに来て、それぞれ見舞いの品を置いていった。

 

中には「カシスオレンジリンゴバター」や「抹茶コーヒー、焼き鳥風味」などよくわからないパンや飲み物が置いてある。

 

「真白さ〜ん!」

 

「お見舞いに来たっすよ!」

 

「………真紀方、嘉真幸か……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

冬樹の病室には次から次へと白爛のメンバーがやって来ていた。

だからだろうか、冬樹はどこか疲れた顔をしていた。

 

 

この二人も例外ではない。

 

 

 

しかし、それでも冬樹はとても嬉しそうな無表情を作っていた。

それを見た真紀方と耀華は飛び跳ねそうになりながら嬉しがっていた。

 

 

 

「じゃーん!」

 

「何それ……。」

 

「黒板消しですよ〜。」

 

「今日って、大河の兄さんって来ますよね?」

 

「多分。」

 

「でも、どうして黒板消し(アレ)が必要なの?」

 

「えぇっとですね〜!」

 

そう言うと耀華は病室にいたメンバーにヒソヒソ話しで会話をし始める。

 

「………それ、楽しそう。」

 

説明が終わった後、すぐに賛成したのが冬樹だった。

 

「でしょ!黒板消しをクラスから貸し出してもらえてよかったっす!」

 

「……初めのほうはなんとも言えないな……なんで借りて来た?」

 

「いや〜。」

 

耀華は別に褒めてもいないのに楽しそうに頭をかく。

春媛はそんな三人をみて笑った。が目がとても怖すぎたため、耀華は少し冷や汗をかいた。

 

 

「Отец!」

 

「おう、……ソーニャ。」

 

「だいじょーぶ?」

 

「うん、大丈夫。」

 

ソーニャはこの部屋や廊下を見て、ここはそいう所だという事を理解したようで、冬樹に体調の良し悪しをきいてきた。それに対して冬樹は優しい顔の無表情をソーニャに見せた。

 

 

ふと、冬樹が外を見ると見慣れた男性が病室に入っていくのが見えた。




眠い中書いたので誤字脱字が多いかもしれません。
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