Language of love   作:千α

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暫く放置してすみませんでした!


第六十二話 Разговор возможность через

冬樹は自分にとって何が"利"になって何が"害"になるのか、それはきちんと理解していた筈だった。

 

その中でも、ダラーズは自分にとって"害"だと、そうゆう風に思っていた。なぜかと問われれば冬樹はその答えを出すことはできないだろう。

それでも、冬樹はダラーズを"害"と……そう危険視していた。しかし、やはりと言えば良いのだろうか……だからと言って冬樹は黄巾族を"利"とも"害"とも思っていない、罪歌を"利"とも"害"とも思っていない、平和島静雄を、折原臨也を、粟楠会を全て"利"でも"害"でもないと思っている。

この世界にある団体、人物でハッキリと「嫌いだ」「自分の害だ」そう言えるのはダラーズ、そして竜ヶ峰帝人だけだった。

もし、帝人が池袋に来た頃ならば冬樹は何とも思っていないだろう。しかし、ダラーズ内で始まった"粛清(理不尽)"を見て冬樹はダラーズを完璧に"害"と判断した。

 

 

 

 

 

そして、そんな感情を抱かれている竜ヶ峰帝人もまた、宇野原冬樹が「嫌い」だった。

ここまで自分が人を嫌いになる事が出来るのかと驚くくらいに冬樹が「嫌い」だ。もはや、嫉妬に近いかもしれない。その嫉妬は本人すらよく解っていない。しかしあの日春先の頃に2人でカラオケ店へ行った時、帝人の想い人である園原杏里と仲良く喋っていた冬樹に……何やら不快感を覚えていたのは確かだった。

 

 

 

 

ダラーズと言うチームを愛する帝人と白爛と言うチームのメンバーを愛する冬樹は兎には合わなかった。2人とも交わることのない"モノ"を持っているのだ。

 

 

そんな2人は、外から見れば仲良く見える。

例えばこんな風に。

 

 

 

──────────

 

 

 

 

『久しぶり、何だかこうやって話すのって久しぶりだね。』

 

「……そうだな。

俺が転校してから……だったよな。」

 

『そうだね。何か、久しぶり過ぎて何話したらいいのか……。』

 

 

 

 

冬樹はその言葉に少し眉を潜めた。

 

つい先程、突然携帯電話の着信が鳴ったのだが、その相手が今最も話したくなかった竜ヶ峰帝人だった。

ハッキリ言って出たくはなかった。しかし、「嫌いだ」と言い続けている冬樹でも、帝人を心底嫌いにはなれなかった。だから、帝人との会話に応する事に冬樹は決めた。

 

 

 

 

(…………間違いだったかもしれない。)

 

 

 

 

先程から続いている会話はただの世間話、普通の高校生が話している会話や、少しそれからズレだ会話。

"何"を期待していたワケでもないが、冬樹は少しガッカリしていた。

 

冬樹は取り敢えず、すぐそばにあったベンチに座る。

そして、帝人の本当の用件(・・・・・)を聞き出す事にした。

 

 

 

「それで?竜ヶ峰、お前は何で俺に電話なんて掛けてきたんだ?」

 

『……宇野原君ってさ、白爛のリーダーの真白さんだよね。』

 

「……………。」

 

 

 

疑問系では無いところを聞くともう此方の事はしっかりと調べられているのだろう。

 

 

 

(一応、個人情報の管理は万全だったんだけどな。

臨也さんか……それとも九十九屋か……どっちでもいいか、特にバレても俺に"害"になる事は殆ど無い。もしも俺が白爛のリーダーだって事がバレても、なんてことはない。)

 

「……そうだけど。」

 

 

意外にもあっさり答えた冬樹に帝人は少しあっけらかんとする。

 

 

『……えっと…。』

 

「はぁ……それだけか?」

 

 

 

冬樹はまたガッカリした。もしそれだけだとすれば、きっと冬樹はキレるだろう。

感情をコントロールする事が出来るようになったと言っても、16年間の間は埋まることは無い。冬樹とて、何時何処で感情のコントロールが効かなくなりあの日(・・・)のようになるかもしれない。

 

しかし、帝人がそんな事のためだけに連絡してくるとは思えないでいる自分がいる事に冬樹は少し驚いた。

 

 

 

『えっと…真白さんに言っておきたい事があって。』

 

「……何ですか、太郎さん。」

 

『僕達、ダラーズと黄巾族は…抗争を始めます。だから、その抗争でどちらのチームの協力もしないで欲しいんです。』

 

 

 

帝人の声は頼りない声だったように思えた。

しかし、それでもしっかりと前を向いている。いつもと(・・・・)変わらない(・・・・・)、帝人の声。

その声に冬樹は珍しくゾッとした。

 

それでも冬樹はしっかりと冷静を保つ事ができた。

 

 

 

 

「別に、ダラーズと黄巾族との抗争には興味ありませんけど……それでも、黄巾族のリーダーさんとは情報交換とかしてるんですよ。それも、協力に入りますか?」

 

『いえ、それくらいなら……。』

 

 

少し渋るような返事だったが、それでも冬樹は冷や汗をかいた。

 

 

(コイツを直で見てたらどうなっていただろうか……もしかすると、久々に人間に恐怖を抱いていたかもしれない。

どうして、何でそこまで普通でいられるんだ?)

 

 

理解なんて物はしたくは無い。するつもりも無い。

 

 

「それだけですか?」

 

『はい、ありがとうございました。』

 

「……竜ヶ峰。」

 

『?

どうかしたの?宇野原君。』

 

「俺はお前が嫌いだ。」

 

『うん、僕も嫌い……かもしれない。』

 

「"かもしれない"って何だ。ハッキリしろよ。」

 

『ゴメン。でも何か……宇野原君が嫌いって実感できなくて。』

 

「安心しろ、俺もだ。」

 

 

 

寧ろ、これは本当に嫌いなんだろうか。

冬樹は先程の帝人の事は自分の気のせいだと思うことにした。

 

 

(逃げてても何にもならねぇけど、実感なんて湧かないけど……それでも、俺はコイツが嫌いだ。)

 

 

それは帝人も同じだった。

お互いがお互い、似ているのかもしれない。だから、自分を重ねたのかもしれない。その重ねた部分から、自分の欠点を見つけて、2人とも見て見ぬ振りをしたのかもしれない。

 

それがどう言う事なのか、それはまだ解らない。本人達ですら、この先にいったい何が起こってその見て見ぬ振りをした部分がどう返ってくるのか、全く予想などつかない。

 

 

しかし、2人とも根は優しい。

だからだろう、宇野原冬樹も竜ヶ峰帝人も困っている人につい手を貸してしまう、愛するモノを全力で護りたいと感じる。

置いて行かれたくないと願う。

 

 

 

この2人の因縁はきっと、2人がこの先で起こることによって変わって行くだろう。それがいい方向でも悪い方向でも。

 

それが悪い方向に転がったとしても、静雄や臨也のようにはならない。

何故かと聞かれれば、やはり2人が優しいから。

 

そんな2人は、打ち合わせをしたかのように、ある矛盾した言葉を同時に述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「嫌いだけど、好きだよ。」』




イミフな小説が久しぶりに投稿しました。
待ってくれた人はいないと思いますが、遅れて誠に申し訳ない。しかも久しぶりすぎて小説の書き方がポポポポーンしてしまうという……一生の不覚。

遅れた言い訳としては、前にも言った通り、自信喪失と……戦国無双にハマって…面白いですね、戦国無双。なんでもっと早くに出会わなかったんだろう。北条の章のラストで泣くかと思いました。
そんなワケで、徳川さん達と天下統一を果たした私は気付くのです。「ヤベェ……小説書いてない。」

先の話は考えてあるのになんでその間は書けないんだろう。誰か文才を下さい。
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