Language of love   作:千α

81 / 85
デュラララ!!13巻発売おめでとうございます!!
この日を楽しみにしていました!
それからも成田さんの作品には目が離せませんね!


第六十三話 Подарите любовь тебя ненавижу

「聞いてよ!冬樹ったら何にも言わずにどっか行っちゃったのよ!酷いと思わない!?」

 

『とりあえず、落ち着こうか……。』

 

 

 

 

竜ヶ峰帝人との電話越しの対話を終えた後、宇野原冬樹は誰にも何も言わずに姿を消した。

それにショックを受けた羽ノ浦春媛は冬樹が消える前に「困った事があったら運び屋さんに頼れ」というセルティにとってはものすごく迷惑な伝言を言っていたことを思い出し、今現在こうして新羅とセルティの自宅マンションにやって来たのである。

 

 

「何よ……一生一緒に居るって約束したのに…私を置いてきぼりだなんて!」

 

Ты в порядке(大丈夫)?」

 

「だいじょぶよソーニャ、冬樹はすぐに帰ってくるから……。」

 

 

実は、このマンションは結構カオスな面々が揃っていた。この部屋の主の岸谷新羅と同棲しているセルティ・ストゥルルソンは勿論なのだが……普段、門田京平と共にいる遊馬崎ウォーカーに渡草三郎、張間美香と矢霧誠二、矢霧波江。そして新羅の父親である岸谷森厳とその森厳が連れてきたエゴール……。

皆、それぞれ何か目的があってここに来たのだろうが春媛はただひたすら泣き明かしていた。

 

 

「もしかして、浮気?浮気なの!?

だとしたら、冬樹を殺して私も死ぬ!」

 

『春媛ちゃん落ち着いて!!』

 

 

今すぐにでも部屋を飛び出しそうな春媛をセルティは制止させる。

それでも春媛の目は絶望の色に染まっていた。

 

 

 

 

──────────…

 

 

 

 

「んー……?」

 

「どうしたんスか?」

 

 

喫茶店「悠々」の店主の小早川大河は携帯電話を見て頭を捻る。

その様子を見ていた真紀方一が小早川に尋ねると嘉真幸耀華は小早川の携帯電話を見た。

 

 

「人の携帯電話を勝手に見るな。」

 

 

小早川の注意はお構いなしで嘉真幸は携帯電話の画面に写っているメールの文章を見た。

 

 

「えーと……あ、真白さんからだ!

なになに?"今日は夜に外に出るな"?」

 

「は?本当に真白さんからっスか?」

 

「うん。」

 

「白爛の奴らにも伝えて欲しいって言ってるし、手分けしてメール送るぞ。」

 

「了解っス!」

 

「はーい!」

 

 

 

 

──────────…

 

 

 

冬樹は嫌な予感を覚えていた。

 

何かが起こる予感。

 

その不安を抱えつつ、冬樹は池袋の街を歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬樹は人混みに紛れ、白い髪を隠すためにフードを深く被った。

 

 

「まさか、運び屋さんの首が出て来るなんてな……。これも臨也さんの策のうちなのか?」

 

 

冬樹はiPhoneを片手に堂々と出てきたセルティ・ストゥルルソンの首に関する記事を集めていた。

 

今回、冬樹が小早川に外に出るなとメールをしたのには理由なんてものは無いに等しかった。ただ単に、嫌な予感がするから。冬樹が動くのはそれだけの理由で充分だった。

冬樹は帝人との会話を終えた後からずっと不安しか感じていなかった。

 

 

「まあ、門田さんを轢き逃げした輩は何となく目星が付いたし……。」

 

 

辺りはもうすっかり暗い。

いつもなら春媛が夕飯を作っている時間はとうに過ぎたのだが帰る気にはなれなかった。

 

 

「もう少し、いろんな情報を集めるか……。」

 

 

冬樹はiPhoneをポケットにしまいフードを深く被り直した。

冬樹には動かなくてはならない理由はない。しかし、心の何処かで"今動かなくては後悔する"と思っている。どうしてかはわからない、自分の事すらよくわかっていない現状に冬樹は溜息を吐いた。

 

 

《そっちは駄目だ……。》

 

 

アイツ(・・・)の声が聴こえる。

いつも自分の行動に茶々を入れてくるアイツ……冬樹は時たまに思う。コイツは自分が本当に思っていることの塊ではないだろうかと……となれば自分は二重人格ということになる。自覚をしていないが、そうなのかもしれない………。

だからこそ、冬樹は聞いてみることにした。

 

 

「………なぁ、お前は誰なんだ?」

 

《…………………………。》

 

 

答えないソイツに冬樹は軽く舌打ちをした。

上手く情報を手に入れられない事と不安感に冬樹はイラついていた。それに次いでアイツが自分の質問に無視した事も重なりいつ爆発するかわからない……冬樹はその爆発しそうなイラつきを抑えながら池袋の街の闇に消えて行った。

 

そしてその闇で、一つの着信音が鳴った。

 

 

 

 

 

「───……はい、もしもし?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで彼が救われるのならばと彼女は自分の身を差し出した。それが本当に良かった事かはわからない。

彼女が愛する夫との間にできた彼はスクスクと成長していた。つい先日までは彼はまだ首の座らない赤ん坊だったのに今では自分自身で考え行動できるようになった。

彼女は彼をこの手で最後まで育てたかった。しかし、彼には少し厄介な事情があった。彼の中には白い鬼が居た。彼女はこのままではいけないと感じ、彼を助けるために自分を殺した。一生、愛する夫の元へは行けない。それでも彼女は彼を助けたかった……彼が白い鬼に呑まれてしまう前に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《………ったく、杞憂なんだよクソババア……コイツは………俺が……。》

 

 

 

 

 

 

彼はその言葉に気が付かず一つの小さな明かりを照らした。

 

 

 

 

 




久しぶりの投稿なのに話が進んでいなくてすみません!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。