マリオブラザーズの旅 〜the Wonderful World~   作:ガリュウ432

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女の国にたどり着きます。少し原作準拠になってますが、次回くらいからオリジナルの国を出せると思います。


5話 「女の国・a」

広い荒野を、大きめのワゴン車が駆け抜けます。

 

「ねえ兄さん、次はどんな国なの?」

 

「ふーむ。・・・それが少しわからないんだ。人によったらいい国だというし、悪い国だというし。・・・よく分からないんだよな。」

 

「なにそれー。行かない方がいんじゃない?」

 

「でも、その国以外行くあてもないしな。行ってなんかあったら・・・。まあその時はその時だ。」

 

「それもそうだね。」

 

車を走らせているうちに、荒野の先に大きな城壁がありました。

そこで、入国審査官に入国できるか聞くと、

 

「あー・・・、出来るのは出来るんですが・・・。御二方は男性ですよね?」

 

女性の入国審査官が聞きます。

マリオとルイージは怪訝そうに首をかしげつつ応えます。

 

「いや、まあどっちも男だが・・・。」

 

「でしたら入国はおすすめしません。入国したとしても、補給するものをしたらすぐに出国することをお勧めします。一応ホテルは国営ですから安全ではありますが・・・。」

 

「・・・ふむ。俺達が男であるということに問題があるということですか?」

 

ルイージが聞きます。

 

「・・・ええその通りです。この国はこの国の法上、女性の方が身分的に強いです。パースエイダーの所持も女子しか認められていません。無論、旅人にも。」

 

「んー・・・、一応俺達国際資格の持ち主なんだが・・・。それでもダメか?」

 

「男性は2級以上で所持したまま入国が可能ですが、その際の国内での身の保証は出来ません。それでも構わないのなら。」

 

「なら持ち込ませてもらうよ。」

 

「では何日くらいのご滞在予定で?」

 

「一応三日。様子を見て早く出るかもしれないけどな。」

 

「大丈夫です。構いません。・・・ですが、私もこの仕事をして思うところがあります。この国はおかしいと。・・・注意はよく払ってくださいね。」

 

「ああ。」

 

「ご忠告感謝します。」

 

重々しい城門が開き、マリオたちを乗せたスサタは国内へと入ります。そして、街中を見渡すと、

 

「うわぁ・・・。確かに男はこき使われてんな・・・。悪く言って奴隷だなこりゃ。」

 

「身分設定しただけでここまで変わるもんなんだね。」

 

スサタが言います。

 

「実際的にはどちらも力を『付けた』訳では無いのにな。ただ、力を『持った』だけだ。・・・いつか失う。失わなかったとしても、叶わない時もあるんだ。」

 

「そう言えばマリオもルイージも力あるのにパースエイダー持つよね。なんで?」

 

「・・・ま、色々あるんだよ僕達にも。」

 

「そういう事だ。気にすんな。」

 

「えー。」

 

すると後ろからパトカーの音が聞こえてきました。

 

「パトカー来てるよ。何かした?二人とも。」

 

「俺は何もしてないからルイージだな。」

 

「いや運転してるの兄さんなんだから兄さんでしょ。」

 

「・・・ひとまず止まろう。」

 

止まって降りると警察が銃を突きつけながらこっちに近づいてきました。やはり女性です。

 

「あなた達は何者ですか。あなた達は車の運転を認められた男性ではないはずです。」

 

「これは驚いた。車まで制限されてる。」

 

「俺たちは旅の者だ。腰のパースエイダーも言われる筋合いはない。国際資格も持っているし、入国許可証もあるぞ。」

 

「・・・ふん。男風情が。精々のうのうと生きるがいいわ。」

 

そう吐き捨てると、感謝、謝罪の言葉はなく立ち去りました。

 

「なんだあれ。」

 

「わかんない。相手にしない方がいいよ。」

 

「ぎゃああ!マリオ!ルイージ助けて!」

 

マリオが振り返ると女がスサタに石で殴ろうとしていました。

 

「な!?あんた何しようとしてんだ!」

 

「男がこんな者に乗るなんて図々しいのよ!身分をわきまえなさい身分を!」

 

ズドンッ

 

ルイージがすぐにパースエイダーを取り出し、女が握っていた石を撃ちます。

 

「な!?何であんたら男が!?」

 

「俺達は国際資格を持った者だ。これで所持を許可されている。」

 

「・・・ふん。男が偉くなったものね。」

 

そう言うと謝りの言葉も無く立ち去りました。

・・・その様子を一人の少女が見ていました。

 

「二人とも、こっちに来て。その車も連れて。」

 

「・・・?君は?」

 

「詳しい事は後。あの女、きっと警察に言いつけに行く。私についてきて。」

 

マリオ達はすぐにスサタに乗り、少女について行きました。

マリオたちが立ち去ったあと、すぐにあの女が男二人暴行されたとホラを吹き、警察を引き連れてきましたが、男達はいませんでした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

街中から離れた所に一軒のホテルがありました。

そこは国営ではありましたが、ほぼ個人経営のような形でした。

 

「ここが私の働いているところ。ここはもう身分なんか関係ない。主人もそう言ってくれる。」

 

「詳しいことを聞けてなかったな。君は?」

 

「『ナジャ』。従業員。あの入国審査官から話を受け、二人を探してたの。」

 

「ナジャー?お客様を見つけたのー?」

 

「うん。今連れてきた。」

 

すると、ナジャよりも年上の10代後半くらいの女性が出てきました。

 

「ハイハイいらっしゃいま・・・、あら?男の旅人さん?珍しいわね!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

10代の女の人が支配人に話を通す。

応接室に通され、支配人の女の人と話す。

 

「いらっしゃい。よく来たわね。聞くけど、どう?この国。」

 

「いやー、最悪だね。一部の女は喜びそうだけど。」

 

「あっはははは!そうだよね!私達もそう思うよ!・・・でもね。こういうことを公で言ったら即逮捕。だからホテルもこんな所でやってるの。」

 

スサタが聞きます。

 

「おねーさんたちどっちにも聞くけど、こんな政治いつから始まったの?」

 

「いつからって言われても・・・。学校ではずっとこのようにやってたって習ったわ。その時点で私は少しおかしいと思ってて、それで、この子も思ってたの。」

 

「そういえばこのナジャって子は・・・。」

 

ルイージが不安そうに聞きます。

 

「そう。捨て子。どんな理由で捨てられたと思う?」

 

「皆目見当もつかんな。」

 

「・・・生まれた時、女の方じゃなくて男の方に似てたから。そんな理由で捨てられる子が意外といるのよ?」

 

「何かと理由をつけて男に劣等感を味わわせたいんだね。」

 

「でしょ?だから正直狂ってると思う。・・・この国の女は誰もが、男は女にかなわないと思ってるし、女の方が優れていると思っている。・・・でもおかしいとは思わない?筋力の付き方はどう見たって男の方が上。パースエイダーも筋肉のつき具合の関係上、反動が強いやつでも男の方が扱い易い。料理のうまい男なんてわんさかいる。結局はその当人がその能力を付けたいか付けたくないかなのよ。なのにこんな事になって。」

 

「ああ、たしかにおかしいとは思う。・・・でもルールならなんとも言えんな。」

 

「だからね、旅人さんたちに折り入ってお願いがあるの。」

 

「え?どういう?」

 

ルイージが不思議そうに聞きます。

 

「こんな国じゃこの子のためにならないわ。・・・あなたたちの旅にこのナジャを連れて行ってもらえないかしら?」

 

「えっ・・・なんで・・・?」

 

「ナジャ。正直言って私はこんな所であなたの一生を過ごして欲しくない。私はこのホテルの支配人としてやってかなきゃならないけど、あなたはまだまだ人生あるし。」

 

「・・・いや、俺達は構わないが、旅だし、危ない戦場を通ったりするかもしれないし・・・。」

 

「いや、そこに関しては問題ない。」

 

そう言い、凛とした顔でナジャがカバンからパースエイダーを出しました。

 

「この国は女子はこの年からパースエイダーを持つの。頭おかしいわよね。・・・で、お願いできるかしら。」

 

「ああ勿論だ。ナジャがいいならいつでも。」

 

「・・・うん。私も、いろんな世界を見たい。」

 

ナジャも乗り気のようです。

 

「そう!ありがとうっ!ナジャ、がんばっ・・・」

 

ズドンッ

 

外から銃声が響き、支配人が口から血を出します。

 

「て・・・。あれ・・・?なん・・・」

 

ドンッ

 

「がごぇっ・・・」

 

「ひぃ・・・!?なんで・・・、支配人・・・!?」

 

ナジャが怯えます。

 

「ワオメッタウチ。」

 

スサタが棒読みで言います。

 

「ナジャ!」

 

「ナジャちゃん!」

 

マリオとルイージがナジャに駆け寄ります。

すると扉が開き、先程の警察が突撃してきました。

 

「旅人のマリオとルイージだな。誘拐未遂及び、女性への暴行、パースエイダー使用の容疑で逮捕する。」

 

「ひとつだけ聞かせろ。何故そいつを殺した。」

 

「こいつは国家侮辱罪と反逆未遂罪だ。」

 

「・・・けっ。気に入らねぇ。逆らう奴がいたら即刻殺しかよ。腐ってんな警察も。」

 

「無駄な抵抗はやめろ。黙って降伏しろ。今なら死刑ですむ。」

 

「悪いけどお断りってことで。兄さん、どうする?」

 

「どうって・・・。」

 

どごんっ

 

すると突然銃声が響きました。警察隊が撃ったわけでも、マリオたちが撃ったわけでもありません。

しかし、警察の一人が倒れました。

 

「ナジャちゃんっ!?」

 

「やるしかない。・・・やらなければ私たちが殺られる。」

 

「・・・それもそうか。そうだな。・・・男も力を『持ってる』とこ。頭のお硬い警察共に見せてやろうぜ。」

 

「あ、それさんせーい。」

 

「まあ、兄さんの言うことだし・・・。」

 

「はっ!馬鹿を言え!行け!取り押さえろ!」

 

ダンダンダンダン

バキューン

ズドドドドン

 

突撃た警察たちは無残にも倒れ込みます。ですが殺していません。すべて手と足を撃っています。

 

「これで追っては来れねぇな。それじゃあなー。」

 

「まちなさい。」

 

街でマリオたちを止めた警察の女が止めます。

 

「こんなことをして、しかも男のあなた達が女である私たちに刃向かってただで済むと思ってるの!?」

 

すると少し怒った様子でマリオが突きつけられた銃をつかみ、

 

「黙れ。お前ら女はこの国の中だけで認められた権力を利用して力を『持った』だけだ。あくまで持ってるだけなんだよ。パースエイダー持っただけで力を『付けた』と思うなよ。その力はてめえのもんじゃねえ。いいか、本当に強いのはな、男でも女でもねえ。力を『付ける』のことが出来た人間なんだよ!覚えとけバーカッ!!!!!」

 

「兄さん言い過ぎ・・・。」

 

「マリオ言い過ぎ・・・。」

 

「マリオさん言い過ぎ・・・。」

 

警察も半泣きです。

 

「すまん言いすぎた。・・・さて、とっととずらかるか。」

 

そういい、マリオたちはすぐにスサタに乗り込みました。

ナジャが後部座席に乗り、三人になって。

 

「さっ!飛ばすぜ!しばらくしたらすぐに警察も来る!すぐに出国させてもらおう!」

 

マリオ達はすぐに城門へ向かい、入国審査官に話を付けました。

 

「あらナジャ!あなたも旅に出るの?」

 

「うん。そんなところ。」

 

「そう。なら、永久旅行許可を出しておくわ。この紙さえここに保存しておけばあなた達もあなたも追われることはないわ。・・・ひとまず、『今』だけ、頑張って退いてくださいね。」

 

「おうよ。」

 

「それじゃあね。」

 

「うん。ナジャちゃん行ってらっしゃい。」

 

城門が開き、マリオはスサタを飛ばして出国しました。

・・・ちょうど追いついたパトカー数台も連れて。

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