マリオブラザーズの旅 〜the Wonderful World~ 作:ガリュウ432
キノとエルメスがたどりついた国は非常に技術が発展していて、ビルが建ち並ぶ国でした。
「・・・驚いた。まさかここまで発展しているとは。」
「正直僕も予想外。入国審査もないと言って等しいものだったし。・・・でも審査が終わった後、門が開いたらまさか超長い橋が続いてたとは予想外だったね。」
「でもまあ、整備されてたし走りやすかった道ではあるだろ?」
「まあね。」
すると、前から赤いスーツを着た女性が歩いてきました。
「ようこそ旅人さん。モトラドさん。ニュードンクシティへ。市長のポリーンです。」
「おや、美人さん。」
「市長さんですか。わざわざご挨拶ありがとうございます。僕はキノです。こっちがモトラドのエルメス。」
「どもー。」
「よろしくお願いします。それで、再確認なのですが、滞在は三日間ということで間違いはありませんか?」
「ええ。」
「そうですか!ならちょうど良かった!明後日にこの街の名物とも言える《フェスティバル》が開催されるんです!出国される前にいかがでしょうか?」
「え・・・。」
「いーんじゃない?」
「でしたら、仲間に入れさせてもらおうと思います。」
「ありがとうございます!・・・あ、そうだった。キノさんのガイドは私が務めます。よろしくお願いします。」
「わお。市長直々だって。VIPだね。」
「いえ、実は知り合いに頼まれていまして。《キノ》という旅人がいらしたら歓迎してくれと・・・。」
「え?」
「まさか師匠・・・!?」
「キノ。それはないよ。師匠が旅してる時代と、この国のテクノロジーから考えたらこの国は師匠が若い頃にはまだそこまで発展してないよ。」
「お気づきになられましたか。この国は出来てまだ間もないんですよ。と言っても10年くらいでしょうか。」
「ね。」
「ほっ・・・。なら、誰なんだろうか?」
「さーねー。」
ひとまず、この日は美味しい夕飯を食べられる店に行き、その後キノたちはホテルに案内してもらいました。
そこで通された部屋は今までで泊まったホテルの豪華さで言ったらトップクラスの部屋でした。
「・・・驚いた。」
「・・・キノ、風呂入ってからもまだ言うのかい?とはいえ、こりゃ本当にVIP対応だね。」
「お金むしり取られるかも・・・。」
「心配性だなぁ。あの市長の性格とかからして、それはないよ。」
「なんで言いきれるのさ。」
「勘。」
「・・・。これで高額請求されたらエルメスのせいだからね。」
「売り払いはやめてよ!!」
「ジョーダンだよ。エルメスの言う通りないことを願おう。今日はもう寝るよ。美味しいものも沢山食べたし。」
「そ、おやすみ。」
「ん、おやすみー。」
すぅ・・・。
「・・・あ。キノ・・・。髪乾かさずに寝たら・・・。ってもう遅いか。」
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「ん・・・っ。」
「おはよ、キノ。」
「おはようエルメス。」
「ベッドの寝心地どうだった?」
「めちゃくちゃ良かったよ。正直この国にずっといたい。」
「おや、二日目にして珍しい。絶賛じゃん。」
「なんだよ、そんなに珍しいかい?」
「まあね。・・・あと、昨日髪乾かさずに寝たから、寝癖、酷いよ。」
「・・・あ。・・・直してくる。」
「はいよー。」
キノは洗面所に行き、蛇口をひねれば綺麗な水が出る、整備された洗面台で寝癖を直します。そして、直すため棚の中にある櫛をとるため棚を開けました。すると、
キララーンッ!!
「うわぁ!?」
「キノー!どうしたのー!?」
「なんか、棚を開けたら光が出てきて・・・!中から月が出てきたぁー!?」
キノは驚きつつその小さな月を手に取ります。
するとその月はまた小さな光となり、キノの懐へ入りました。
「・・・あれ?なくなった・・・?」
不思議に思い、キノが懐を確認すると小さな光がありました。
それを手に取り、目の前で手を開くと、
ピカー・・・
「・・・綺麗だ。・・・でもなんだろうこれ・・・。」
寝癖を直し、キノが戻ってきました。
「お、戻ってきた。で?何が出てきたの?」
「・・・これ、なんだけど、エルメス知ってる?」
「・・・悪いけど分からないかな。初めて見るよ。市長さんなら何か知ってるかも。」
「じゃあ、市庁舎に向かおうか。」
キノは朝御飯を食べ、そのまま市長の待つ市庁舎へ向かいました。
ー市庁舎ー
「おはようございますキノさん。よく眠れましたか?」
「ええ。とても良く眠れました。いい宿をご紹介頂きありがとうございます。・・・ところで市長さん。」
「はい、なんでしょうか?」
「・・・これ、なんですか?」
「あら、パワームーンじゃないですか!これどちらで・・・。」
「ホテルの部屋の洗面所の棚で見つけました。それで、パワームーンって・・・。」
「パワームーンはその名の通り大きな力を持っている月の形をした力の集まりです。・・・月から降ってきたと言われてるそうですが・・・。でき方は不明です。でも、無尽蔵にあることは確からしいです。この街では発電に使われてますよ。」
「本当に!だったら僕もそれを使ってパワーに変えられるかなあ?」
「対応するように改造すれば可能かと・・・。」
「改造されるならパスかな・・・。」
「でしたら、このパワームーンは市長さんに差し上げます。この国の発電にお役立てください。」
「まあ、それは・・・。ありがとうございます!」
「そのかわりと言ってはなんですが、聞きたいことがあるのでいいですか?」
「構いませんよ。でしたら、市長室に案内しますので、こちらに。」
ー市長室ー
「それで、話というのは・・・。」
「そうですね、僕がこの国に来たら歓迎してくれと言ってくださった人に関してです。僕はそのようなことをされるほどいい人とはいえませんし、そんな親しい間柄もこの国の人の中にはいません。」
「そうなのですか?その人はその人の師匠と呼ばれる方からその人は貴方への影響が強いと仰っていたようですが・・・。」
「・・・え?」
「まさか・・・。」
「実はその方がここに来てくださった時、この国に問題が起きた時に救ってくださったんですよ。数十メートルもある化け物と戦ってこの街を助けてくださったんですよ。」
「何もんなんだろうあの人・・・。」
「分からないけど只者じゃないね。」
「おや、分かったようですね。言うまでもありませんが、マリオという方からのご紹介なんですよ。手紙も預かってますよ。」
「え?」
「どうぞ。」
「あ、はい。」
『Dear Kino
ようキノ。元気してるか?前の国で会った時はかなり他人行儀だったな。やりやすすぎてやりにくかったぞ。あと、その後に紹介してもらった国。そういう国ならそうだと言えっての。俺の服のポケットにあんな紙入れやがって。てなわけで軽いやり返しだ。驚いたろ?めちゃくちゃVIP対応。金もいらんって言われたろ?俺が全部払ってるから、ホテルとかは好きに使わせてもらいな。・・・旅の道具とかは自費だぞ。フェスティバルも楽しんでってくれ。あ、そこで手に入ったパワームーンは貰っときな。 From Mario
P.S.手紙に同封されてるのは俺からの土産だ。受け取ってくれ。』
「キノさん、これ、手紙に入ってたものです。」
「あ・・・、お金・・・と。」
目の前に唐突に現れたのはやはりキラキラ光るパワームーンだった。
「・・・あと二日しかないけど、これ沢山手に入るんだろうね。」
「たぶんね。」
ーーーーーーーーーーーーー
「キノ。これからどうするの?」
「街に繰り出して旅の資財の補給。でも市長さんが言ってたとおり、パースエイダー関係の物は売ってないみたいだから、食料中心に買おうか。」
キノとエルメスはそのまま街を走り、必要なものを買い集め、荷物をホテルに置いたあと再び、街で昼食を取れるところを探していました。すると、
「旅人さん!こんにちは!」
一人の男性に話しかけられました。
「こんにちは。」
「どうしたのですかな?こんなところで。」
「いえ、昼食を取れるところを探していまして・・・。」
「そうですか!なら丁度いい!今、広場で明日のフェスティバルの前夜祭があるんですよ。・・・前夜祭と言っても、用意は夜ぶっ続けでやるんで昼に行ってますが。如何ですかな?美味しい料理もありますよ。」
「行きます。」
「そくとー。」
ー広場ー
キノは広場のみんなに歓迎され、出された料理をすべてぺろりと平らげました。そして、フェスティバルの話になりました。
「キノさんにはスタート地点からあのニュードンクシティの特設ステージまで時間かかってもいいのでゴールしてほしいのです。」
「・・・?それでいいのですか?」
「ええ。エルメスさんはゴール地点でキノさんを待つ形になりますが・・・。」
「おっけー。死ぬ心配はないんでしょ?」
「怪我はあるかもですが、死ぬことはありません。怪我の程度も擦り傷程度ですよ。」
「分かりました。」
その後、キノは役員に道順を教えてもらいました。そして、紙をもらい、ある程度のルートを確認しようとしましたが・・・。
「・・・おかしい。」
「どうしたのキノ?」
「合わないんだ。こんなところに通れる道があるはずがない。」
「忘れたの?準備があるって言ったじゃん。きっとフェス用の道が作られるんだよ。」
「だといいけどね。」
キノはこの日もホテルで夕飯をたらふく食べ、そして、今度は確実に髪を乾かしてから寝ました。
そして翌日、
「おはようキノ。」
「おはようエルメス。」
この一言を交わし、いつも通りのことをキノは終わらせ、フェスティバルに備え、街に繰り出しまし、エルメスを置くべく、ゴール地点に向かいました。
「エルメス。今回は珍しく夜に出発するからその気でね。」
「うん。キノも用心してね。」
ーゴール地点ー
「おはようございますキノさん。ここは日暮れが早いので3時にはもう夕暮れです。3時半にスタートします。キノさんは時間を気にせず自分のペースで観客さんにアピールしつつゴールに向かってきてください。」
「分かりました。」
そして、時間を潰し、キノは街から離れたスタート地点にいました。
すると街の方からパーンっドドーンっ!と
音と閃光が走りました。
「スタートですね。それではキノさん、お願いします。」
「・・・え?いやあのスタートはわかるんですけど・・・。この土管はなんですか・・・?」
「この中に入るんですよ。そしたらあの前にあるボードの中に出ますから。大丈夫です。物は試しですよ。」
「えぇ・・・?」
キノは覚悟を決め、土管に飛び込みました。
すると
『・・・うわぁっ!?身体がペラペラにぃ!?・・・道なりに進めってことかな?』
ーゴール地点ー
「ねえ市長さん。歌ってるところいい?」
「なんでしょう?」
「これ、マリオも少し内容に関わってるでしょ?」
「・・・その通りです。実は、この街の始まりを表した祭りなんですよ。十数年前、この街を襲った巨大な怪物。その時も救ってくれたのはマリオさんだったんですよ。ちなみにこのフェスティバルはキノさんバージョンになってますよ。構成はマリオさんですから。」
「・・・ふーん。でも、やっぱり助けてもらった身としてはその時あの人のことだから多分別の人を助けに行く途中だったんでしょ?」
「・・・ええ。なのでわざと他人行儀にしたんです。逆に昔の関係を匂わせるようなことをしては悪いと。私ももうその気はありませんしね。」
ーキノサイドー
『ちょっと待てよ聞いてないよ・・・!』
ペラペラキノはバースエイダーを撃っていました。
大軍の敵に向かって。ですが、その敵はやられると上空に上がり花火となって輝かしく散ります。
『・・・ふぅ。全滅かな。進もう。』
(・・・けど、なんか跳躍力が上がった気がする。こんなに飛べたかな・・・?)
『・・・とおや。あの上に何かある。』
しかし周りには固定された足場がありません。すると前から目の付いた砲弾が飛んで来ました。キノはそれを飛んで避けます。ペラペラなので奥に避けられないからです。
『・・・一定の周期で決まった高さを飛ぶみたいだ。・・・ということは。』
キノは後ろに下がり距離を取ります。
そして走り、ジャストのタイミングで飛んできた砲弾を踏みつけ、さらに高く飛びました。
パシィッ
『予想はしてたけど、やっぱりこれか。』
キノの予想通りパワームーンでした。するとワアアアッと歓声が挙がりました。
『これも演出のひとつか。なんか、いいようにやられてるなぁ。』
そして、キノはさらに奥へと進んでいきます。
そしてまた土管に入ると、
「おっと、体が元に戻ったみたいだ。・・・でも、目の前には大きい扉。そしてわかりやすい的がいくつも。」
キノはパースエイダーに手をかけ、狙いを定め1発ずつ的にぶち当てていきます。その正確無比な実力に観客も沸きます。
そして扉が開き、
「やっとゴールだよ。・・・疲れた。」
『キノさん!お疲れ様です!さあ!ステージへ!』
促され、キノは小走りでステージに向かいます。
「キノー。おかえり。見てたよ。ペラペラだったねー。」面白い体験ではあったけどもういいかな。」
「さあキノさん。これを取ってフィナーレです。《グランドパワームーン》をどうぞ!」
パワームーンの中でもひときわ大きくそして輝く、パワームーン。
「・・・綺麗な光だ。」
キノはそれを空中でキャッチし、歓声が湧き、曲も盛り上がり、そして、フェスティバルはフィナーレを迎えました。
そしてその後。
「キノさん。本日はありがとうございました。機会がありましたら、またいらしてくださいね。」
「ええ。基本的に一本道なので可能性は薄いですが、その時があれば、また。」
「ええ。さようなら。」
「はい。ありがとうございました。」
そしてキノとエルメスは門を目指すべく長い橋を走っていました。
「・・・いい国だった。フェスティバルも心地のいい喧騒だったし、また来たいね。というか、また来よう。」
「お、再来宣言。珍しい。」
「ま、可能性だよ。飽くまでその域を出ないさ。」
「・・・そういえばキノ。あの手紙、実はまだ続きあったんでしょ?」
「鋭いな。・・・正解。あの人、どんな技を使ったのかは知らないけど僕が手にした時だけPSの下に文字が浮かび上がるようになってた。そこにこう書いてあったよ。」
「なんて?」
「『ポリーンに昔の仲なのに他人行儀にされて少し悲しかったな。やりやすいけどやりにくかった。でも良い奴なのは間違いないから安心しな。』だってさ。」
「あの人、たらしなの分かってないね。」
「タラシというか・・・、お節介なんだよ。他人行儀が下手なんだ。」
「ちょっと使い方違うんじゃない?」
「そうかもしれないけどエルメスには言われたくないかな。」
「なにそれー!」