強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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木場VS煉と女悪魔

ガキィィィィィンッ!

 

二つの金属がぶつかり合う音。それは木場の魔剣と煉の聖剣エクスカリバーがぶつかり合う音をリアスたちは黙って見ていた。いや、黙って見ることしか出来なかった。木場は目の前にあるエクスカリバーに復讐心をもやしているし、煉は聖剣を手に入れそれを楽しんでる。ああなったら誰の言うことも聞かない。

 

激しくぶつかり合うエクスカリバーと魔剣。それを使う煉と木場の表情は違った。

 

「八ハハハ!面白いな!このエクスカリバーは!」

 

エクスカリバーの能力を使い面白がっている煉と

 

「・・・・・・」

 

無言だが、憎悪に満ちた目で魔剣を振るう木場。すると、煉は擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)の形を変形させ、まっすぐ木場のほうへ伸ばしていく。だが、剣先は急に上空に伸びるとそこから木場に目掛けて剣先が複数に別れるだけじゃなく複雑な動きをしながら木場を襲う。

 

「くっ」

 

それでも木場は剣の動きを見て騎士(ナイト)の力を使い避けるが避けた場所に煉がいた。

 

ドンッ!

 

「ガハッ!」

 

煉はもう片方のゼノヴィアから奪った聖剣の柄で木場を殴る。そして膝をつく木場を煉はあきれるような目で見る。

 

「おいおい、木場。いくらこの聖剣で動きを制限したといってもお前ならすぐに気づいて避けれるだろ。今のは」

 

そして、煉はつまらなそうに息を吐き木場に言う。

 

「それにしても、お前を生かそうとした同志は無駄死だな。こんな奴を助けるために死んだんだから」

 

「・・・・取り消せ」

 

「ああ、何だって?聞こえねえよ」

 

煉がそう訊き返すと木場は持っていた剣を杖のように使い立ち上がる。そして、煉に怒りをぶつける。

 

「僕の同志の死を無駄死だと言ったことを取り消せッ!いくらキミでも許さない!」

 

自分を助けてくれた同志の命を無駄死と言われ木場は煉を睨み言うが煉はそれを鼻で笑う。

 

「ハッ!事実だぜ!?お前みたいな死に急ぎ野郎が生きてるんだ!無駄死と言って何が悪い!?」

 

「死に急ぎ野郎というのはわかってる!それでも、僕は同志のためにもエクスカリバーを破壊しなければならない!同志の無念を晴らすためにも僕はエクスカリバーより強いということを同志たちに証明しなくてはいけないんだ!」

 

「・・・・・・」

 

煉は木場の覚悟の決めた表情を見てあきれ、聖剣を地面に突き刺して木場に近づき

 

ドゴッ!

 

「ぐっ!」

 

煉は木場を殴る。そして煉は木場の頭を踏みつけ見下すように言う。

 

「ガキが、テメーがエクスカリバー全てを破壊したところでそいつらが生き返るわけねえだろ。同志のため?エクスカリバーより強い証明?そんなのただのお前に自己満足でしかねえだろが」

 

木場は煉の言葉を聞き唇を噛みしめ、煉の足を掴み、地面に這いつくばりながら煉に言う。

 

「それでも、僕は同志の無念を晴らしたい。死を無駄にしたくないんだ!」

 

木場は煉の足を払い立ち上がる。煉は木場を見て笑う。

 

「いいねいいね。そこまで行けば大した無駄な復讐心だ!それがどれぐらい強いのか俺に見せてみろ!」

 

煉は聖剣を拾わず刀を出しそれを木場に向ける。左側は黒く、右側は白い刀だった。

 

「それは・・・」

 

木場が訊くと煉は答える。

 

「これの名は白夜。俺の仲間だった一人の神器だ」

 

それが聞いた木場やリアスが目を見開く。

 

「レンの奴、神器を二つも!?いったいどうなってんだ!?」

 

一誠が驚愕の声を上げるが誰も答えられなかった。木場は煉の神器に警戒をするが煉は

 

「安心しろ、神器の能力は使わない。この状態で戦ってやる。聖剣だと下手に当たるとまずいがこれだったら大丈夫だからな」

 

煉は目を細め殺気を木場にぶつけて言う。

 

「その魔剣にお前のその同志のためという大義名分の復讐心を込めな。それがどれだけ無駄で意味がないってことを教えてやるよ」

 

「はぁぁぁぁあああああああっ!」

 

木場は魔剣に力を、いや、同志のための復讐心を込める。

 

僕はやらなきゃいけないんだ。同志の為にも、もっと彼らの恨みをこの魔剣に!

 

木場が持っている魔剣に黒く禍々しいオーラが生まれる。そして、木場はその魔剣で煉に向かって振り下ろす。煉も刀を下から振り上げる。

 

ガッキィィィィィィィィイイイイイイイイイインッッ!

 

今までにないぐらいの激しい金属音が鳴り響く。ぶつかった衝撃により土煙が生まれ結界の外にいるリアスたちはどうなったかわからずにいたが土煙は収まっていくと煉と木場が立っていた。だが、

 

ガギィィィィン!

 

「ガハッ!」

 

砕けたは木場の魔剣だった。そして、木場は横腹から血が噴きだす。

 

「祐斗!アーシア、お願い!」

 

「祐斗さん!」

 

リアスは急いで結界を解きアーシアを連れて木場のところへ。アーシアはすぐに治療を始める。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ぼ、僕は・・・うぐっ」

 

「喋ってはダメです!」

 

木場は何とか意識を保っていた。煉は木場に近づき言う。

 

「木場、わかったか?何でお前の魔剣が砕けたか」

 

煉の問いに木場は答えられなかった。

 

「それは、お前が同志ためと思っている復讐心はないからだ。だから、砕かれた。俺が無駄だと言った意味が分かったか?そんな空っぽの復讐心でエクスカリバーを破壊できるか?出来ねえだろ。わかったら復讐なんてやめな。お前には仕えるべき主がいるだろう」

 

木場は自分の命を救ってくれた恩人であり主のリアスを見て思った。

 

もしかして、レンくんは僕の復讐を止めるために.....。

 

煉は木場に本当の大切なもの、大切な人、守るべき主や仲間を教えるために無茶をしたと思った。

 

リアスたちも煉の言葉を聞き少し感動していると煉は自分を指し言う。

 

「お前の仕えるべき主は俺だろが。だから、しっかりと俺のために働きな」

 

「「「「「「「えっ?」」」」」」」

 

煉の言葉に全員驚きの声を上げるが、煉は言う。

 

「リアスは俺のもんだ。だから、必然的にリアスの眷属、つまり、お前らも俺のもんだ。わかったら返事しな。」

 

当然のように言う煉。だが、皆は

 

「「「「「何でそうなるの(なるんだ)(((なりますか)))ッッ!!」」」」」」

 

リアス、一誠、アーシア、小猫、朱乃は同時にツッコンだ。木場はそれを見て嬉しそうに笑う。

 

きみは、僕たちまでキミのものにするとはね。本当に強欲だよ。

 

それからはリアスたちは煉に煉のものじゃないと言い争った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日が経った。

 

木場はとりあえずは落ち着きを取り戻しおとなしくしていた。リアスは煉にゼノヴィアとイリナに聖剣を返すように言われたが、拒否するが、ゼノヴィアとイリナが土下座を見せたら返すと言いゼノヴィアとイリナは神のためと何度も呟きながら土下座をした。煉はそれを見て大笑いして二人にエクスカリバーを返した。そしてゼノヴィアは一誠に『白龍皇はすでに目覚めているぞ』と言い残しイリナと共に立ち去った。ここ数日煉は適当に過ごしていた。学校に行ったり、行かなかったり。町をふらついたりしていた。そして、煉は町はずれの廃屋へと入ると

 

「ここなら誰も来ない。そろそろ出てきたらどうだ?悪魔ども」

 

「・・・気づかれていたか」

 

現れたのは貴族の格好をした少し小太りした悪魔。そして、その後ろからぞろぞろと数十人出てきた。

 

「参考までに何時から気づいたか教えてもらいたい」

 

「ここ数日、お前の眷属たちの気配を感じなかったが、気づかれないように慎重になり気配を完全に消すとそこに誰かが気配を消していると教えているようなもんだ」

 

煉の答えに小太りの悪魔は拍手を送る。

 

「いやぁ、お見事。さすがはフェニックス家の三男を倒しただけじゃなく我々に啖呵を切っただけはある」

 

「御託はいい。さっさと本題を言いな」

 

「貴様ッ!我が主に向かって何だその態度は!?」

 

眷属の一人が煉の態度にイラつきを感じ剣を抜こうとするが小太りの悪魔が止める。

 

「まあ、待て。話はまだ終わってはいない。すまなかったな。我が眷属は忠実でな、おっと、本題だったな。単刀直入に言う。私の眷属にならないか?もちろんそれなりの優遇はする。金も女も地位もキミが欲しがるものは全てくれてやろう」

 

「へぇ、見た目と同じで太っ腹だな。いいのか?俺は強欲だぞ。欲しいものは全て手に入れる。もしかしたらあんたの全てを俺が奪うかもしれないぞ?」

 

挑発気味に煉は言うが小太りの悪魔は

 

「その時は私の器にキミが入らなかっただけのこと。どうだ?悪い条件ではないはずだ。キミの欲を私が満たしてやろう」

 

煉は小太りの悪魔の話を聞き笑う。

 

「確かにいい条件だ。俺の欲を満たすって言ってきた奴は初めてだ。さすがは欲に生きる悪魔ってところか?」

 

「そうだ。悪魔は欲を満たすために人間を騙してその欲を満たす。それの何が悪い。悪魔とはそういう生き物だと私は思う。ゲームでキミを見たとき私は思ったよ。なんて、悪魔らしい人間だと。キミを人間のままにしておくのは勿体無い」

 

小太りの悪魔は煉に近づき手を差し伸べる。

 

「私と一緒に欲に正直に生き、欲のままに生きないか?」

 

「ああ、確かにいい条件だ。おもしろい」

 

煉は小太りの悪魔の手を握る。そして、小太りの悪魔は嬉しそうに言う。

 

「よし!取引成立だ!ところでキミはどんな駒がいい?おっと、その前にキミの名前を教えてはくれないか?」

 

「ああ、そうだな。俺の名前は煉 ヴィクトルだ。それがお前からすべてを奪う男の名前だ」

 

「・・・どういう意」

 

小太りの悪魔の言葉を煉は手で塞ぎ笑い、言う。

 

「喰らえ略奪喰い(ラバード・イーター)

 

煉の略奪喰い(ラバード・イーター)の手の平から舌が現れ小太りの悪魔を包み込む。

 

「さようなら、俺の欲を満たせない悪魔」

 

そうして、包み込まれた小太りの悪魔は煉の手に平サイズになり、最後は手の平にある口に喰われた。

 

「貴様!よくも貴様の主となるお方を!」

 

眷属悪魔たちは自分の主を殺されて怒り、武器をかまえる。

 

「ハァ?主となるお方?知らねぇな。俺の主は俺だけだ。俺にとって俺のもん以外は全員欲を満たすための餌だ」

 

「貴様・・・簡単に死ねると思うなよ」

 

眷属悪魔たち全員は戦闘態勢に入り煉を睨むが煉は笑う。

 

「お前らは喰っても仕方ないな。じゃあ、こいつの餌になってもらおうか」

 

すると、煉の体から巨大な何かが姿を現す。それを見た眷属悪魔たちは目を見開きそれを見る。

 

「・・・・な、なぜ、人間ごときに・・・そいつは・・・」

 

眷属悪魔たちはそれを見たときまるで蛇に睨まれた蛙のように動けなかった。だが、煉は眷属悪魔たちに指し言う。

 

「喰らえ」

 

ドゴォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!

 

破壊音とともに眷属悪魔は姿を消した。そして、巨大な何かは再び煉の体のなかへと戻った。

 

「な、なに、今の・・・ヒィ!」

 

一人の女の眷属悪魔は助かったみたいだが煉の姿を見るなり怯える。煉はそいつを見て笑う。

 

「へぇ、生きてるとはな。運が良いのか悪いのか。どうしようか。やっぱり殺すか?いや、殺すにはな」

 

煉はその女悪魔を見て性欲が湧いていた。その女悪魔は少し幼さが残る顔立ちだが、スタイルはかなりいい。格好もあの小太り悪魔の趣味なのかかなり露出された服で裸よりも扇情的な格好をしていた。どうするか悩んでいると女悪魔は煉に懇願する。

 

「お願い、助けて!私は死ぬわけにはいかないの!」

 

「へぇ、どうして死にたくねえんだ?見た感じお前は人間からの転生悪魔だろ。あいつが俺に言ったようにお前も欲のままに生きてたんじゃないのか?」

 

煉は懇願する女悪魔に訊くと女悪魔は正直に言う。

 

「私には妹がいるの!妹の病気を治すためにもお金が必要なの!あの男の眷属になればお金を出してくれるから眷属になった!どんなことをされようが妹のために我慢した!でも、私が死ねば妹は悲しむ!それだけは嫌!」

 

女悪魔は煉の服を掴み涙を流す。

 

「お願い・・・あなたが望むなら奴隷にでもなんでもなるから、助けて・・・」

 

「ああ、助けてやるよ。お前の妹な」

 

あっさりと言う煉に驚き顔を上げる女悪魔。煉は女悪魔の涙を手で拭う。

 

「悪いがお前の妹のところまで案内してくれねえか?」

 

煉がそう頼むと女悪魔は転移用魔方陣を使い病院のある病室に着く。そこには人工呼吸器をつけた幼い子供が寝ていた。

 

「こいつか?お前の妹は」

 

煉がそう尋ねると女悪魔は頷き答えると煉は白夜を出す。

 

「ちょっ!?何をするのつもり!?」

 

「黙って俺を信じな。そうすれば助かる」

 

女悪魔は煉が刀を出し驚き煉に言うが煉の一言で黙って見ることにした。

 

「さて、頼むぞ。白夜」

 

煉は白夜を寝ている女悪魔の妹に刺した。女悪魔はそれを見て憤慨しそうになったが刀を抜くとき妹の体から血が出ていなかった。そして煉は女悪魔を見て笑う。

 

「もう大丈夫だ。妹の病気はなくなった。明日には退院するだろう」

 

「・・・・・本当に」

 

「ああ、心配なら明日朝一に病院に行き医者に訊いてみな。まっ、こんなに気持ちよさそう寝ている奴が病気とは思えねえが」

 

女悪魔は急いで妹に駆け寄ると妹は煉の言うとおり気持ちよさそうに寝ていた。それを見た女悪魔は涙が溢れ出てきた。

 

「よかった・・・・。本当によかった」

 

女悪魔は嬉し涙を流しながら妹を抱きしめる。そして、煉に頭を下げ礼を言う。

 

「ありがとうございます。あなたのおかげで妹は助かりました。本当になんてお礼をすればいいか」

 

「あ、礼はしてもらうぞ。こっちも慈善事業じゃないからな」

 

「妹を助けて下さったんです。何なりと言ってください」

 

女悪魔は感謝の気持ちを表すような表情で言う。煉はその表情を見て笑う。

 

「なに、簡単だ。これからは妹と一緒に楽しく生きな。それだけだ」

 

「えっ、それでいいのですか?」

 

女悪魔は意外そうに煉に訊き返すが煉は頷く。

 

「ああ、それだけでいい。お前の主は殺してしまったから、これからどうなるかわからんが、もし、何かあれば俺に言いな。何とかしてやるよ」

 

「えっ、でも、それじゃあ、余計に何かしないといけません。あなたは私の妹を助けてくれた恩人です。何もしないわけにはいきません」

 

「いいよ、別にそんなの。気にするな。俺が勝手にやってることだ」

 

煉はそう言うと女悪魔は煉に尋ねる。

 

「・・・どうして、そこまでしてくれるんですか?妹を助けてくださった恩人ですが、あなたは強欲で自分と自分のもの以外は餌だって言ってたじゃないですか?なのに、どうして」

 

「お前が気に入ったからだ」

 

女悪魔の問いに煉は即答する。すると煉は女悪魔を抱きしめる。

 

「俺は妹のために必死になったお前を気に入った。だから、助けた。他に理由がいるか?」

 

「・・・・本当にそれだけなんですか?」

 

「それだけだ。俺は自分のもんは大切にする主義だからな。これからは大切な妹と一緒に生きな」

 

煉は女悪魔を離して帰ろうとするが、

 

「そうそう、抱きたくなったら口説きに来るからな。そこんとこよろしくな」

 

そう言い残して煉は瞬間移動で帰って行った。残された女悪魔は顔を赤く染める。

 

「ありがとうございます。煉 ヴィクトルさん」

 

呟くような小さな声で煉にお礼の言葉を言う。そして、次の日、女悪魔の妹は無事退院した。

 

 

 

 

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