「冗談じゃないわ」
リアスは一誠に膝枕をしながら眉を吊り上げて、怒りを露わにしていた。
「確かに悪魔、天使、堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害していたなんて・・・・!しかも私のかわいいイッセーにまで手を出そうなんて、万死に値するわ!アザゼルは神器に強い興味を持つと聞くわ。きっと、私のイッセーがブーステッド・ギアを持っているから接触してきたのね・・・。だいじょうぶよ、イッセー。私がイッセーを絶対に守ってあげるわ」
リアスは一誠の頭を撫でながら言う。リアスは眷属悪魔を大切にかわいがるタイプの上級悪魔。自分の所有物を他人に触れられたり、傷つけられたりするのを酷く嫌う。
「・・・・やっぱ、俺の神器をアザゼルは狙っているのかな。堕天使の総督なんだろう?」
一誠は不安そうに言うと木場が口を開く。
「確かにアザゼルは神器に造詣が深いと聞くね。そして、有能な神器所有者を集めているとも聞く。でもだいじょうぶだよ」
木場が一誠を落とすような目線で続ける。
「僕がイッセーくんを守るからね」
「・・・・いや、あの、う、うれしいけどさ・・・・。なんていうか、真顔でそんなことを男に言われると反応に困るぞ・・・」
「仲間の危機を救わないでグレモリー眷属の『
「良かったな、イッセー。ハーレムメンバーが増えたじゃねえか」
「男のハーレムなんてごめんだ!つーか、レン!いつのまに部室にいたんだよ!?」
今日学校を休んでいた煉が突然現れた。すると、煉は平然と言う。
「今日学校の授業がめんどくさかったから休んだだけだ。部室には顔を出したほうがいいと思って瞬間移動で今来たところだ」
煉はそう答えながらソファーに座る。
「しかし、どうしたものかしら・・・。あちらの動きがわからない以上、こちらも動きづらいわ。相手は堕天使の総督。レン、あなたは堕天使の本部に乗り込んでいたわよね。アザゼルってどんな人物なの?」
リアスは煉に相談するように言うと
「簡単に言えば研究者、もしくは神器マニアだ。つーか、リアス。何かしようとするならやめとけ。アザゼルは前からそういう奴だし、リアスたちじゃ勝てねえよ。ほっときゃいいんだよ。あのクソジジイ」
煉は少し苛立ったように言うと
「アザゼルは昔から、ああいう男だよ、リアス」
突然の第三者の声、全員が声のした方向を見るとそこには紅髪の男性がにこやかにほほ笑んでいた。
「お、お、お、お兄さま」
リアスは立ち上がり驚愕の声を出す。
「先日のコカビエルのようなことはしないよ、アザゼルは。今回みたいな悪戯はするだろうけどね。しかし、総督殿は予定よりも早い来日だな」
リアスたちは急いでひざまついた。それを見た一誠とアーシアは少し遅れて真似をする。
「よぉ、サーゼクス・ルシファー。初めましてだな。俺は煉 ヴィクトルだ。とりあえずはよろしく」
煉はソファーに座りながら片手上げ挨拶する。
「ああ、リアスから話は聞いているよ。こちらこそよろしく頼む。それから今日はプライベートで来ている。くつろいでくれたまえ」
サーゼクスも笑顔を崩さず煉に挨拶し、リアスたちにかしこまなくていいと促す。
「お兄さま、ど、どうして、ここへ?」
怪訝そうに訊くリアス。すると、サーゼクスは一枚のプリント用紙を取り出す。
「何言ってるんだ。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。ぜひとも妹が勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
どうやらサーゼクスは休暇を入れてもリアスの授業参観に来たかったらしく、リアスはそれを聞き嘆息する。だけど、それだけじゃなかった。
「いやいや、これは仕事でもあるんだよ、リアス。実は三すくみの会談をこの学園で執り行おうと思っていてね。会場の下見にきたんだよ」
「ここで?本当に?」
リアスは目を見開きながら再度訊く。
「ああ、この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるお前と、伝説の赤龍帝、聖魔剣、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属しコカビエルと白龍皇が襲来してきた。そして」
サーゼクスは煉に視線を向ける。
「初代魔王グラシス・マモンの力を受け継いだ人間。これは偶然で片付けられない事象だ」
「受け継いだわけじゃねえけどな。他の奴らはそう思っているだろうな」
「嫌なことを思い出させてしまったらすまない。それからこれは個人的なことだが、キミとは一度話をしてみたいのだがいいだろうか?」
「それはかまわねえよ。じゃあ、今日、俺の家に来るか?この時間帯で空いている宿泊施設はないだろう」
「それは、ありがたい。ぜひともお願いするよ」
それから、サーゼクスとグレイフィアは煉の家に泊まることになりサーゼクスは煉と一緒に煉の部屋にいる。
「さて、それじゃあ、話をしようか。煉くん」
「ああ、で、俺に話したいってことはなんだ?」
煉がサーゼクス訊くとサーゼクスは言う。
「キミの神器のなかにグラシス・マモンと話すことはできないだろうか?」
「さあ、俺がマモンの力を使いすぎたらマモンと俺の人格が入れ替わるけど、試したことねえな」
「すまいないけど、試してみてはくれないだろうか。マモンと話がしたいんだ」
「断る」
煉はサーゼクスの頼みを速攻で断った。サーゼクスは少し困り顔をする。
「なぜだい?」
「面倒だから。それ以外ない」
煉の自分勝手な言葉にサーゼクスは苦笑する。
「ハハ、魔王の私相手に面倒で断ってきたのはキミが初めてだよ。煉くん」
「知るか。悪魔にとって魔王は偉い存在だけど、俺は人間だ。悪魔みたいにお前の質問を答えると思うなよ」
「そこを頼むよ、煉くん。どうしても話したいことがあるんだ」
サーゼクスが煉にもう一度頼み込むと煉はため息を吐く。
「仕方ねえな。できるかわかんねえけどやってみてやるよ」
煉は仕方なさそうにサーゼクスの頼みを聞き目を閉じると煉の意識が一瞬飛ぶと、煉は目を開ける。
『なるほど、煉の方からなら人格を入れ替われることができるのだな。それで、私に話とはなんだ?現魔王サーゼクス・ルシファー』
煉と人格が入れ替わったグラシス・マモンだった。サーゼクスはマモンに頭を下げる。
「初めまして、初代魔王グラシス・マモンさま。私は現四大魔王サーゼクス・ルシファーと申します。」
『あーよいよい。敬語じゃなくてもよい。頭を上げろ、サーゼクス。今の私は煉の神器のなかで生きているただの寄生虫みたいなものだ。それより、本題を言え』
「はい、それではあなたにお願いがあります。今度、三すくみによる会談のときにぜひともあなたに参加してほしいのです」
『一応理由を聞いておこうか。何故?』
マモンの問いにサーゼクスは答える。
「はい。コカビエルを倒したのはあなたのお力とリアスから聞いております。ですので『断る』・・・はい?」
サーゼクスの言葉を遮ってマモンは言う。
『コカビエルを倒したのは煉だ。今の私の力は煉のものだ。それを頼むのであれば煉に言え。私は関係ない』
マモンはそう言い残し煉と代わった。
「・・・で、マモンと話すことはできたか?サーゼクス」
「・・・・いや、少ししか話せなかったよ。それより煉くん。お願いがあるんだけどいいかな?」
「断る」
「・・・・早いな、まだ、何も言っていないよ」
「どうせ、面倒事を言うんだろ?例えば、三すくみの会談に出てくれ。とか」
それを聞いたサーゼクスはアハハと苦笑する。
「凄いね、大当たりだよ。ということで出てくれないかな?」
「嫌だ、めんどくせー。俺にそんなところに出ても何の得にもならねえし、だいたいあんたらにとっては大事な話だろうけど、人間の俺には関係ねえ。あきらめな」
煉がそう言うとサーゼクスは何か考えたように煉に言う。
「何か得があれば出てくれるということでいいのかな?」
「ん?まあ、そうなるな。だが、俺の欲を満たせるものなんてそんなにねえぞ。・・いや、待てよ」
煉が何か思いついたのか何か考えると煉は面白そうに笑う。
「サーゼクス、一応理由を聞いておこうか?何故俺がその会談に出なくちゃならねえんだ?」
「コカビエルの事件の報告をリアスたちにしてもらうことになっているし、出来ればコカビエルを倒したキミも出てその時のことを詳しく三大勢力のトップに教えてほしいんだよ」
「・・・・・なるほど、サーゼクス、出てもいいぜ。ただし条件があるがな」
「なんだい?私で出来ることなら何でもきこう」
サーゼクスの言葉に煉は嬉しそうに笑い言う。
「サーゼクス・ルシファー。俺と戦って勝てたら出てやるよ。現魔王の力がどれほどか俺に教えな!あ、ちなみに、負けたら俺が魔王な」