強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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申し訳ございませんが、前回の話より少し飛ばしてしまいました。


カテレア・レヴィアタン

「さて、行くわよ」

 

リアスの言葉に一誠たちは頷いた。今日は三大勢力の会談の日。煉もサーゼクスの約束のために来ている。

 

「失礼します」

 

リアスが扉を開けるとそこには悪魔側はサーゼクスとセラフォルー。そして、給仕係としてグレイフィア。

 

天使側は天使長ミカエルと女天使。

 

堕天使側は総督のアザゼルとと白龍皇ヴァーリ。

 

すると、アザゼルが煉に言う。

 

「よぉ、煉 ヴィクトル。久しぶりだな」

 

「あーはいはい、久しぶりだな。変態ストーカーの総督さん」

 

煉が流すように言うとアザゼルは顔を赤くする。

 

「てめぇ!それをここで言うか!?普通!?」

 

「うるせえ!変態ストーカーのことを変態ストーカーって言って何が悪い!てめえのせいでこっちはストレス溜まりまくって寝込んだんだぞ!」

 

「ハハハハ!ざまみろ!俺を牢獄にぶち込んだからだ!」

 

「OK・・・堕天使とは戦争だ!てめえをぶっ殺して平和を手に入れてやる!」

 

煉が白夜を発動しアザゼルに斬りかかろうとするが

 

「レン!やめろ!これから会談が始めるのに何してんだ!?」

 

「レンくん!落ち着いて!」

 

一誠と木場が煉を止めに入るが煉は言い続ける。

 

「離せ!イッセー!木場!こいつをぶっ殺して俺は平和を手に入れるんだ!」

 

それからリアスや朱乃も煉を宥め、数分後、煉は落ち着きを取り戻した。

 

「・・・アザゼル、いったい彼に何をしたんだ?」

 

サーゼクスがアザゼルに訊くがアザゼルは頬を掻きながら言う。

 

「あいつが俺らの本部に乗り込んだ時に神器を複数所持しているのを知ってな。神器マニアにとってこれは調べなきゃならねえと思ってな。しばらくこいつを監視してたんだよ」

 

「嘘つけ!監視だけじゃなく俺の家に勝手に潜り込んだり、ゴミを漁ったり、俺の酒を飲んだり、なにより、人が苦労して口説いた女を勝手に寝取りやがって!あの女口説くのにどれだけ苦労したと思ってんだ!」

 

「寝取られるほうが悪いんだよ。それにてめえだってその後、俺を殺そうしたじゃねえか!あの時はマジで死ぬかと思ったんだぞ!マジギレしてマモンまで使いやがって!」

 

「殺す気でやったんだ!当たり前だ!ああ、クソ!やっぱり我慢できねえ!出てこい!マモ」

 

「やめろ!こんなところでマモンなんか出すな!とりあえず、落ち着け!レン!」

 

一誠が再び煉を抑えようと止めに入る。それから数分後に煉は再び落ち着きを取り戻す。それを確認したサーゼクスは言う。

 

「それでは、全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。ここにいる者たちは、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している。それを認知しているとして、話を進める」

 

そうして、始まった三大勢力の会談。だが、煉は座りながらある思考を働かせていた。

 

どうやったら怪しまれずにあのストーカー総督を殺せるか.....。ふふふ、女を寝取られた恨みは晴らせてもらうぞ.....。

 

煉の心は黒く染まってきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから会談は順調に進んでいる。たまにアザゼルが場を凍らせるようなことを言うがなんとか進んでいる。そのなか煉は.....。

 

社会的に殺してから本当に殺すか?いや、待てよ。あのストーカーがそんなヘマをするとは思えない。クソッ!どうすればいいんだ。

 

煉はいまだにアザゼルに女を寝取られた恨みをどう晴らそうか考えていた。そんななか一誠はミカエルにどうしてアーシアを追放したか訊いていた。ミカエルは真摯な態度で答えて最後にはアーシアとゼノヴィアに謝罪をするが、アーシアもゼノヴィアも笑いながら許した。

 

すると、アザゼルがヴァーリと一誠、そして煉に言う。

 

「さて、そろそろ俺たち以外に、世界に影響を及ぼす奴らへ意見を訊こうか。無敵のドラゴンさまにもな。まずはヴァーリ、お前は世界をどうしたい?」

 

アザゼルの問いにヴァーリは笑みながら答える。

 

「俺は強い奴と戦えればいいさ」

 

次にアザゼルの視線が一誠に向く。

 

「じゃあ、赤龍帝、おまえはどうだ?」

 

そう訊かれてもな....。

 

一誠は頬をかきながら答える。

 

「正直、よくわからないです。なんか、小難しいことばかりで頭が混乱しています。ただでさえ、後輩悪魔の面倒を見るのに必死なのに、世界がどうこう言われてもなんというか、実感わきません」

 

一誠は正直な気持ちを答える。すると、アザゼルの視線は煉に向く。

 

「最後に煉 ヴィクトル。お前はどうしたい?」

 

煉にそう訊くアザゼルだが、煉は思考を止めて笑いながら答える。

 

「そんなの決まってる。俺は俺の欲望のまま生きる。ただ、それだけだ」

 

煉の言葉にアザゼルとミカエルは険しい表情をする。

 

「このなかで一番危険思想をしているな。煉 ヴィクトル。お前の欲望を満たすためならお前は周りがどうなろうかどうでもいいのか?」

 

アザゼルが煉にそう尋ねる。

 

「はっきりと言えばリアスたち以外はどうなろうがどうでもいい。俺は欲しいと思ったらそれを手に入れる。奪われるほうが悪いんだよ」

 

煉は不気味な笑みを浮かべながら平然と言う。その笑みに全員緊張するが煉は続けてこう言う。

 

「まあ、もし、俺がなんかしてリアスたちに迷惑をかけることになるならしないけどな。俺は自分のものは大切にする主義だから」

 

その言葉に全員の緊張が解ける。その瞬間世界が停まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・あら?」

 

「おっ、赤龍帝の復活だ」

 

一誠が目覚めた瞬間、ミカエルは窓の外を見ていて、サーゼクスやグレイフィアも真剣な表情をしている。

 

「な、何かあったんスか?」

 

一誠は周囲を見渡すと動いている者と停まっている者にわかれていた。サーゼクスやミカエル、アザゼルなどのトップは全員動けて、「白い龍(バニシング・ドラゴン)」も動ける。

 

「眷属で動けるのは私とイッセーと、祐斗、ゼノヴィアだけのようね。それからレンも」

 

「ああ、動けるぞ。というか、何で動けてるんだ?ストーカー総督」

 

「・・・お前、いいかげんにやめろよ。そういうのがイジメの原因になるんだぞ」

 

アザゼルがなんか教師っぽいことを言う。

 

「おっさんで変態で、ストーカーをイジメても誰にも迷惑はかからんから大丈夫だ」

 

「で、部長、何があったんですか?」

 

煉とアザゼルの言葉を無視して一誠はリアスに訊くがアザゼルが答える。

 

「テロだよ。外を見てみろ?」

 

一誠はアザゼルのいうとおり外を見ようと窓に近づくと

 

カッ!

 

突然の閃光が一誠の眼前に広がる。

 

「攻撃を受けているのさ。いつの時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとすると、それをどこぞの集まりが嫌がって邪魔しようとするもんだ」

 

そう言うとアザゼルは外を指すとそこには黒いローブを着こんだ魔術師みたいな連中が攻撃を放っていた。だが、アザゼルやサーゼクスやミカエルの結界のおかげで校舎への被害はなかった。そして、時間が停まったのはテロ組織の誰かがギャスパーの神器を無理やり禁手にさせたとアザゼルは言う。

 

「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている・・・。どこで私の下僕の情報を得たのかしら・・・。しかも、大事な会談をつけ狙う戦力にされるなんて・・・・・ッ!これほど、侮辱される行為もないわっ!」

 

リアスは全身から紅いオーラをほとばしらせている。それからサーゼクスがまずはギャスパーの救出することを目的として動こうと言うとそれはリアスと一誠が進言する。

 

「アザゼル、噂では神器の力を一定時間自由に扱える研究をしていたな?」

 

「ああ、そうだが、それがどうした?」

 

「赤龍帝の制御はできるだろうか?」

 

「・・・・・」

 

サーゼクスの問いに黙るアザゼルだが、懐から何かを探り出す。

 

「おい、赤龍帝」

 

「お、俺は兵藤一誠だ!」

 

「じゃあ、兵藤一誠。こいつを持っていけ」

 

アザゼルが一誠に投げ渡したのは手にはめるリングらしきものだった。それをつけるとギャスパーの神器の力をある程度抑えれることができる腕輪らしく、更に、一誠の禁手の代償なしで出来る優れものらしい。だが、それは最終手段でなければならないとアザゼルは一誠に忠告する。

 

「ヴァーリ」

 

「なんだ、アザゼル」

 

「おまえは外で敵の目を引け。白龍皇が前に出てくれば、野郎どもの作戦も多少はみだせるだろうさ。それに何かが動くかもしれない」

 

ヴァーリはアザゼルの意見に同意し背中から光の翼を展開する。

 

「禁手化」

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!』

 

音声のあと、ヴァーリは白い鎧に包まれ窓から空へ飛びだしていった。

 

「アザゼル、神器を集めて、何をしようとした『神滅具』の所有者も何名か集めたそうだな?神もいないのに神殺しでもするつもりだったのか?」

 

サーゼクスの問いにアザゼルは首を横に振る。

 

「備えていたのさ」

 

「備えていた?戦争を否定したばかりで不安を煽る物言いです」

 

ミカエルが呆れるように言う。

 

「言ったろ?おまえらに戦争はしない。こちらからも戦争をしかけない。ただ、自衛の手段は必要だ。っておまえらの攻撃に備えているわけじゃねぇぞ?」

 

「では?」

 

「『禍の団(カオス・ブリゲード)』」

 

「・・・・カオス・ブリゲード?」

 

聞き慣れない単語にサーゼクスたちは眉根を寄せていた。

 

「三大勢力の危険分子を集めた集団だよ。その集団のなかには禁手に至った神器持ちもいる上に『神滅具』持ちもいる。だろ?アザゼル」

 

アザゼルが言おうとしたことを煉が言うと全員の視線が煉に集中する。

 

「・・・・煉 ヴィクトル。何でお前がそれを知っている。組織名と背景が判明したのはつい最近だぞ」

 

「レン!あなた知っていたの!?テロリストのことを!?」

 

リアスが煉に怒鳴るように言うが煉はいつもの調子で答える。

 

「いや、組織名も背景もそして、今日のテロも今、初めて知った。だが、前から俺にスカウトしてくるうるせえゴミがいたからな。仲間になった振りしてそいつらのアジト一つ潰したときある程度の情報を知ったんだ。テロリストたちの目的は破壊と混沌。そして、一番厄介なのはそのテロリストのボスだ」

 

「組織の頭は『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白い龍(バニシング・ドラゴン)』の他に強大で凶悪なドラゴンだよ」

 

煉の言葉に続くようにアザゼルが言うと一誠以外全員が絶句した。

 

「・・・・そうか、彼が動いたか『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィス。神が恐れたドラゴン・・・。この世界ができあがったときから最強の座に君臨し続けている者」

 

サーゼクスは表情を険しくさせる。すると、聞き慣れない声が飛び込んでくる。

 

『そう、オーフィスが「禍の団(カオス・ブリゲード)」のトップです』

 

声と同時に会議室の床に魔方陣が浮かび上がる。

 

「グレイフィア、リアスとイッセーくんを早く飛ばせ!」

 

「はっ!」

 

グレイフィアはリアスと一誠を会議室の隅に移動させ、小さな魔方陣を床に展開した。

 

「お嬢さま、ご武運を」

 

「ちょ、ちょっとグレイフィア!?お兄さま!」

 

転送の光がリアスと一誠を包み込んで転送された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議の床に現れた魔方陣。それを見た、三大勢力の首領面々は驚愕する。

 

「レヴィアタンの魔方陣」

 

「ヴァチカンの書物で見たことあるぞ。あれは旧魔王レヴィアタンの魔方陣だ」

 

魔方陣を指しゼノヴィアがそうつぶやく。

 

「ゼノヴィア、お前、書物なんか読むんだな」

 

煉は以外そうな顔でゼノヴィアを見ていた。すると、魔方陣から現れたのは、一人の女性。胸元が大きく開いていて、深いスリットも入ったドレスに身を包んでいる。

 

「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス殿」

 

「先代レヴィアタンの血を引く者。カテレア・レヴィアタン。これはどういうことだ?」

 

カテレア・レヴィアタンは挑戦的な笑みを浮かべて言う。

 

「旧魔王派の者たちはほとんどが『禍の団(カオス・ブリゲード)』に協力することに決めました」

 

「新旧魔王サイドの確執が本格的になったわけか。悪魔も大変だな」

 

「ストーカー総督に同意」

 

アザゼルと煉は他人事のように笑う。

 

「カテレア、それは言葉通りと受け取っていいのだな?」

 

「サーゼクス、その通りです。今回のこの攻撃も我々が受け持っております」

 

「クーデターか」

 

現魔王派に対する旧魔王派の反乱。カテレアはサーゼクスから視線を逸らし煉のほうに向く。

 

「煉 ヴィクトル。私がここに来た理由の一つであなたに問います。あなたには初代魔王の力を受け継いでいるのは事実ですか?」

 

「事実だ。それがどうした?」

 

「煉 ヴィクトル。あなたが潰したアジトのことは水に流し、もう一度言います。我々の仲間になりませんか?」

 

カテレアの言葉に煉以外驚愕の表情をするが、カテレアは続けて言う。

 

「力だけとはいえあなたも魔王の力を受け継いだ者の一人。オーフィスや我々と共に一度世界を滅ぼし、もう一度構築します。新世界を私たちで取り仕切ませんか?」

 

「カテレアちゃん!どうしてこんな!」

 

セラフォルーの叫びにカテレアは憎々しげな睨みを見せる。

 

「セラフォルー、私から『レヴィアタン』の座を奪っておいて、よくもぬけぬけと!私は正統なるレヴィアタンの血を引いていたのです!私こそ魔王に相応しかった!」

 

「カテレアちゃん・・・・。わ、私は!」

 

「セラフォルー、安心なさい。今日、この場であなたを殺して、私が魔王レヴィアタンを名乗ります。そして、オーフィスには新世界の神となってもらいます。彼は象徴であればいいだけ。あとの『システム』と法、理念は私たちが構築します。ミカエル、アザゼル、そして、ルシファー、サーゼクス、あなたたちの時代は終えています」

 

「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!」

 

カテレアが言い終わると同時に大声で笑う人物がいた。......煉だ。

 

「な、何が可笑しいのです!?」

 

カテレアは表情に怒気を含めながら煉を睨む。

 

「ハー、ハー、あぁ、おもしれえ。カテレア、さっきから黙って聞いてたら要は、魔王の地位を取られてセラフォルーに嫉妬してんだろ?さすがは嫉妬深いレヴィアタンの血を引いているだけはあるな」

 

煉は不敵な笑みを浮かべながら言う。

 

「世界をもう一度構築するって言っているが、負け犬のお前らに出来るわけねえだろ?それとな、サーゼクスたちの時代が終わっているって言うが旧魔王と呼ばれてる時点でお前らの時代はとっくに終わってるって気づかないのか?ああ、悪い。気づけないほどバカだからこうしてテロをしてるんだったな。そんな負け犬共のところに俺は行きたくもねえ」

 

煉は一呼吸置いて言う。

 

「第一、お前らごときに俺の欲は満たせねえよ。今現在、俺の欲を満たせてくれそうなのはリアスだけだからな。わかったか?負け犬で嫉妬深いカテレアちゃん」

 

ドォォォォォォォオオオオオオンッッ!

 

「レンくん!」

 

カテレアは煉、目掛けて魔力の波動で攻撃する。

 

「煉 ヴィクトル、残念です。せっかく同じ魔王の力を持つ者同士、上手くいくと思っていましたが、こんな形でお別れとは」

 

「ああ、誰だって残念だと思うよ。これからあの世へ行く奴と別れることはな」

 

「なっ!?」

 

カテレアは急いで後ろに振り返るとそこには無傷の煉がいた。煉は魔方陣を展開させ、窓際全域を吹き飛ばし、黒白の刀 白夜を発動させ、カテレアに向ける。

 

「相手になってやるよ。カテレア・レヴィアタン。この強欲の略奪者がな!」

 

 

 

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