強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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最高だよ、あんた

ドッ!

 

煉と旧魔王のカテレア・レヴィアタンがサーゼクスたちのいる会議室から離れ校庭で激しい攻防戦を繰り広げている。

 

「すげーな、あいつ。今のところカテレアと互角ってとこか」

 

アザゼルは煉とカテレアの戦いを見ながらそう呟く。そんななかサーゼクスが木場のところに

 

「木場祐斗くん。私とミカエルはここでこの学園を覆う結界を強化し続ける。悪いんだが、グレイフィアが魔術師転送用の魔方陣の解析が済むまでの間、外の魔術師たちの始末してくれないか?」

 

「はい」

 

「ありがとう。妹の騎士がキミで良かったよ。その禁手を妹と仲間のために揮ってくれたまえ」

 

「はっ!ゼノヴィア、一緒に来てくれ!」

 

「ああ、私もリアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』だ。木場祐斗、私たち二振りそろってこそだと思う。いざ、参ろうか」

 

木場とゼノヴィアはお互い頷きあい、校庭へ斬りこんでいった。

 

「さて、あとはリアスたちが心配だな。いや、今は結界のほうをなんとかしなければな。アザゼル、キミも手伝ってくれ」

 

サーゼクスがアザゼルに頼むとアザゼルは煉を指して言う。

 

「サーゼクス、あいつの心配はしなくていいのか?あいつ人間だろ?いくら、神器を複数所持をしている上、マモンの力があるが、あのままじゃ「大丈夫だよ」」

 

アザゼルの言葉を遮りサーゼクスはそう言うと続けて

 

「私は正直、彼が本当に人間か疑いたくなるほど強い。マモンの力を抜いたとしても最上級悪魔のレベルだと私は思う」

 

「ほお、お前にそこまで言わせれるほどなのか。あいつは」

 

アザゼルは笑みを浮かべサーゼクスに言う。

 

「ああ、それより、私は彼をどうやって悪魔にしようか悩んでいるんだよ。今度アジュガに頼んで彼の『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』でも作ってもらおうかな」

 

「ハハハ!ただでさえ、悪魔みたいな人間を悪魔にしてどうすんだよ?まあ、それも、おもしろそうだが」

 

サーゼクスとアザゼルはのんきにそんなことを言っているとアザゼルは十二の翼を展開する。

 

「じゃあ、俺は煉 ヴィクトルの戦いでも観戦しとくわ。万が一のこともあるだろうしな」

 

アザゼルはそう言い残し、空へ飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

カテレアは魔力の波動を煉に向かって放つが、煉は白夜を振り上げて

 

「オラッ!」

 

ザンッ!

 

煉は白夜を振り下ろし魔力の波動を真っ二つに斬り裂いた。煉は挑発的な笑みを浮かべると

 

「おいおい、どうした?旧魔王の力はこんなもんか?それだから負け犬なんだよ」

 

煉はカテレアに挑発するがカテレアは落ち着いた表情で煉に言う。

 

「あなたの挑発には乗りませんよ。あなたの実力はこれでも知っているつもりです。その刀で斬られるのは厄介ですからね。空を飛べない人間の弱点を突かせてもらいます」

 

カテレアは翼を広げ空へ飛ぶ。そして、カテレアは魔力を集結させて、威力をあげようとしていた。

 

「先程とは比べられないほどの魔力の波動です。いくら、あなたが強くてもあなたは人間。それが、あなたの弱点です!」

 

カテレアは威力の上げた魔力の波動を煉に向かって放つが煉は白夜を消して、手をその魔力の波動へと向ける。

 

次元空間(ディメンション・スペース)

 

煉がそう言うと魔力の波動が消えた。

 

「なっ!私の魔力が、ガハッ!?」

 

カテレアが放った魔力の波動はカテレアの背後から現れてカテレアに直撃するが、カテレアにそこまでのダメージはなかった。

 

「さすがに自分の魔力を喰らったとしてもそこまでのダメージはないか」

 

「・・・・いったい、何をしたのです?」

 

カテレアは煉にそう訊くと煉は嬉々とした表情で答える。

 

「簡単だ。たんにお前の魔力の波動をおまえの後ろに転移するようにしただけだ。これが俺の二つ目の神器『次元空間(ディメンション・スペース)』。これを使えればどんなところにもどんなものも転移できる。こんな風にな」

 

煉は今度はカテレアに手を向ける。すると、煉の目の前にカテレアが現れた。

 

「確かに人間は飛べねえが、こうすれば意味がない。そして!これが三つ目の神器だ!」

 

煉は右の拳に力を入れ、カテレアの腹に目掛けて殴る。

 

鬼の魂(オーガ・ソウル)ッ!」

 

ドンッ!

 

「ゴフッ!」

 

煉の拳がカテレアの腹に直撃し、カテレアは血を口から吐き、ふっ飛ばされた。

 

鬼の魂(オーガ・ソウル)は鬼の魂を憑依させることによって力を鬼と同等にする。どうだ?力の怪物と呼ばれる鬼の力は?ああ、悪い。もう聞こえてないな」

 

ふっ飛ばされたカテレアは地面にうつ伏せの状態で倒れている。いくら、悪魔とはいえ鬼の力をまともに喰らえばただではすまない。だが、

 

「・・・・聞こえて・・・います」

 

カテレアはゆっくりと立ち上がる。それを見た煉は口笛を鳴らした。

 

「へえ、今の攻撃をまともに喰らって立ってくるなんてな」

 

「当たり・・前です。わ、私はレヴィアタンの血を引く者。この程度・・・」

 

カテレアは立ち上がり懐から小瓶を取り出した。なかに入っていた小さな黒い蛇みたいなものをカテレアが飲み込んだ瞬間。

 

ドンッ!

 

空間が激しく振動し、駒王学園全域に力の波動を波だたせる。

 

「へえ、魔力が上がっただけじゃねく、なんか雰囲気も変わったな」

 

煉は唇を吊り上げて笑っているような表情をするが、目は一切笑っていなかった。

 

「まさか、人間のあなたにこれを使うことになるとは思っていませんでしたよ。ですが、オーフィスの力を借りてあなたを倒したあとにでもセラフォルーを消しにいくとしましょう」

 

カテレアはもう煉に勝ったかのように煉に言い放つ。だが、煉は足と拳に力を入れる。

 

「ハッ!そのセリフは俺を倒してからにしな!」

 

ヒュ!

 

煉は鬼の魂(オーガ・ソウル)の力で脚力と腕力を上げて一気にカテレアとの距離を縮める。カテレアは煉の動きに察知して防御用魔方陣を展開する。

 

そんなもん!粉々にしてやるよ!

 

煉はカテレアの魔方陣ごと破壊するつもりで魔方陣を殴るが

 

「なっ!」

 

煉は驚愕の表情をする。煉が粉々にするはずだったカテレアの魔方陣には壊れなかった。

 

「終わりです」

 

ドンッ!

 

カテレアは防御魔方陣を展開したまま魔力の塊を煉の腹に貫通させる。

 

「ガハッ!」

 

煉は口から血を吐きその場へ倒れた。カテレアは魔方陣を解除して煉を見る。

 

「煉 ヴィクトル。あなたは人間、レヴィアタンの血を引く私の敵ではなかった。ただそれだけのことです」

 

カテレアは煉に一瞥し、踵を返してセラフォルーのところに行こうとするが

 

「おいおい、こりゃあ、どういう事だ?」

 

空から十二の翼を広げたアザゼルが降りてき怪訝そうな表情をしていた。

 

「簡単です、アザゼル。私が彼を倒した。それだけのことです」

 

「たくっ!サーゼクスの奴、何が大丈夫なんだ。やられてるじゃあねえか」

 

アザゼルは頭を掻きながら嘆息するかのように言う。すると

 

「レン!?」

 

リアスと一誠が旧校舎からギャスパーを助けて、校庭まで来てみれば煉が血まみれで倒れているのを見たリアスは涙目で煉を抱きかかえる。

 

「レン!レン!目を開けてちょうだい!」

 

「レン!しっかりしろ!」

 

リアスと一誠は叫びながら必死に血を止めようとするが

 

「無駄ですよ、サーゼクスの妹。いくら強かろうと彼は人間。もう助からないでしょう」

 

カテレアが哀れむような目でリアスを見て言うとリアスはカテレアを憎悪に満ちた目で見る。

 

「カテレア・レヴィアタン。よくも・・・レンを」

 

「おい、リアス・グレモリー。こいつに何か言っている暇があったら、急いでそいつをサーゼクスのところへ連れていけ。まだ、助かる見込みはあるかもしれねえ」

 

アザゼルがリアスにそう言いい、光の槍を出現させる。

 

「さあ、カテレア・レヴィアタン。第二ラウンドといこうか」

 

「望むところよ、堕ちた天使の総督」

 

アザゼルとカテレアは凄まじいオーラを纏い戦闘態勢に入るが

 

「ハハ・・・」

 

「レン?」

 

小さい笑い声。リアスは血まみれになっている煉をみると笑っていた。煉はリアスから離れゆっくりと立ち上がる。

 

「ハハ・・・ハハハ・・・ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!」

 

リアスたちが今まで聞いたことのない笑い声。そして、煉の表情は今までにないくらいの嬉しそうな表情をしていた。

 

「バカなッ!なんで人間がそれだけの深手を負いながらも立ち上がることが出来るのです!?」

 

カテレアは驚愕の表情をしながら煉に言う。アザゼルもカテレアと同じ驚愕の表情をする。

 

「カテレア・レヴィアタン。最高だよ、あんた。最近の敵はつまらなかった。ああ、つまらなかった。どいつもこいつもすぐに潰れる。誰も俺の戦闘欲を満たせてくれなかった。だが」

 

煉は嬉々とした表情でカテレアを見る。

 

「あんたは満たしてくれそうだな!カテレア・レヴィアタン!」

 

煉の叫びと赤黒いオーラが煉から溢れ始める。そして、

 

禁手化(バランス・ブレイク)ッ!」

 

赤黒いオーラが閃光のように弾けると、一誠たちは煉の姿を見る。

 

そこには全身赤黒い鎧のような皮膚に覆われ、頭には二本の角が生えた鬼の姿をした煉がいた。

 

鬼の魂(オーガ・ソウル)の禁手、『鬼神』。さあ、俺の欲を満たせてくれよ。カテレア・レヴィアタン!」

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