「瞬間移動で行くのもいいけど、飛んでいくのもいいものだな。サンキューな、シュトルツ」
煉は新たな眷属、
『かまわん、我は今、主の使い魔だ。好きなだけ頼れ』
「ああ、頼りにするぜ」
シュトルツは煉にそう言い、黙って飛び続ける。元々そんなに喋る奴ではなかったため煉たちもたいして気にしていなかった。
「あ、あの、ご主人様。・・・私、ドラゴンに乗るの初めてで、ちょっと怖いんですけど・・・」
香歩は顔を真っ青にしながらシュトルツの背中にしっかりしがみついている。
「おいおい、俺もドラゴンに乗るのは初めてだぞ。そんなに怯えることないだろう。見てると喰べたくなってくるじゃなねえか」
煉は舌をペロリと舐め、怯える香歩を獲物を見つけた狼のような目で見る。
「バカレン!こんなとこで何言っているのよ!?それより、早くその
不機嫌そうな声音で煉に言うレスティナ。煉は香歩を喰べるのを止め、
「エルフは知ってんだろ?これから会いに行くエルフの名前はウラルって言ってな。ウラルは今、自分で自分を封印してるんだ」
「封印?しかも、されてるじゃなくてしてるの?」
レスティナはそう訊き返すと煉は頷く。
「ああ、と、ここだな。シュトルツ!この辺で降りてくれ!悪いが、話は降りてからだ」
『了解した』
シュトルツは煉の命令どおり降下して地面へと着地する。煉たちはシュトルツの背中から降りるとシュトルツは人間の女の姿になる。
「・・・ねえ、レン。前から思っていたのだけど何でシュトルツを女の子の格好にさせているの?シュトルツってオスよね?」
いつも女の姿に変身していることに疑問に感じていたレスティナは煉に訊くと煉はしらっと答える。
「俺は女好きだからだ。それにせっかくハーレムを作ろうとしてんだ。化けれるときぐらい女の格好にするように言ったんだよ」
煉がそう答えるとレスティナはジト目で見るが煉はコホンと咳払いする。
「まあ、それはさておき。ここからは歩きながらさっきの話の続きをするな」
それから煉の歩き道について行くようにレスティナたちは歩き始める。そして、さっきの話の続きを煉はする。
「エルフには様々な種族があってな。ウラルは戦闘を得意とする戦闘種族なんだ」
「それは聞いただけでも戦力になりそうですね。でも、どうして自分を封印する必要があったのですか?」
香歩がそう煉に訊くと
「まあ、待て。順を追って説明してやる。エルフの魔法は生まれ持った魔法しか使えないんだ。炎の魔法の力を持って生まれた奴なら炎の魔法しか使えないみたいな感じでな。戦闘種族のエルフだったら今、言った以外に身体能力を上げたり、または変身したりするのもある」
「なるほどね。確かにそれならすぐにでも戦力を上げることができるわね。それで、そのウラルさんってどんな魔法を使うの?」
「封印魔法だ」
レスティナの問いに煉がそう答えるとレスティナと香歩は唖然とするが、煉は二人の顔を見て想定内のように話を続ける。
「お前らが言いたいのもわかる。だが、本当なんだ。ウラルは戦闘種族にも関わらず封印という戦闘向けの魔法を持って生まれてこなかった。だが、エルフの戦争のときウラルは大活躍をした」
「それはどう意味だ?主。」
レスティナも香歩もどう意味かわからずシュトルツが二人の代わりに訊く。
「ウラルの封印魔法は普通の封印とは違う。自分の好きなものを好きなだけ封印する魔法なんだ。例えば相手の力を封印して、力を使えなくしたり、動きを封印して動かなくさせたりすることが出来るんだ。ほぼノーリスクでな」
「・・・そんなの強力すぎるってもんじゃないわよ。その人の前じゃ何もできなくなちゃうじゃない」
「ああ、その通りだ。ウラルが相手の力や動きを封印させて他のエルフが敵を殺す。ほぼ無敵の連携だな。だけど、二つ弱点があるんだ。それは、封印の設定とウラル自身だ」
「設定とウラルさん自身・・・・・ですか?」
香歩がそう言うと煉は「ああ」と答える。
「封印するにはなにか設定を作らなきゃねらねえ。それを作らないと封印が出来ないからな。まあー設定は相手に言わないと封印は出来ない。それとウラル自身は人間と同じぐらいの強さだ」
「なるほどね。封印の力が強い代わりに自分自身はそこまで強くない。というわけね。でも、どうして自分を封印してるの?」
「それは、ウラルの優しさだ。ウラルは自分の種族を守るために種族の人たちの言うことを聞いてきたが、それが、次第に怖くなっていったんだ。自分が誰かを封印すると誰かが死んでしまう。そう思ってな。だから、ウラルは種族の人たちから逃げ出して俺と出会いしばらく俺と旅をしながら自分を封印すると言って自分を封印したんだ」
「でしたら、どうしてご主人様がその封印を解くのですか?」
香歩がそう言うとレンはこう言う。
「ああ、ウラルが言ったんだよ。ウラルの力を必要なときが来たらウラルの封印を解いてくれってな。良し、着いたぞ」
煉たちが到着したのは木で出来た小さな家だった。煉はドアまで行くとノットをする。すると、ドアに何か文字が浮かび上がってきて、そこにはこう書かれていた。
『教えた言葉を唱えよ。そうすればドアは開く』
それを見たレスティナ、香歩、シュトルツは首を傾げる。
「どういう意味でしょうか?何かの暗号?」
「教えた言葉を唱えろ・・・・どういう意味なの?」
「・・・・・・・」
レスティナと香歩はどう意味か考えているが、シュトルツは諦めたかのように文字から目を逸らす。
「これがウラルの封印魔法だ。何かを封印するとこういう風に何か文字が出てくるんだ。命令式だったり暗号だったり、それを実行するか、解くまで封印は解けることは出来ない」
煉が封印の文字を指してそう言うとレスティナは煉に言う。
「ねえ、レン。これを解かないとドアが開かないのでしょう?どうするの?」
「ああ、大丈夫だ。もう解けている」
煉はそう言うとコホンと咳払いする。そして、
「やあ、ハニー。キミに会いに来たんだ。扉を開けてくれ」
煉がそう言うとドアに書かれた文字が消え、ドアが開いた。
「よし、開いたな。入るぞ、お前ら」
煉が家の中に入ろうとするとレスティナと香歩に両肩を掴まれた。煉は後ろを振り返ると鬼の形相をした二人がいた。
「あの、ご主人様。どういう意味ですか?今のは」
香歩は笑顔だが、どこか黒いオーラを発していた。嫉妬を喰らうのは慣れている煉だが、背中に冷や汗を流しながら言う。
「いや、言っただろ?命令式や暗号だって」
「ふ~ん、ハニーに会いにきたねえ。説明はもちろんあるんでしょうね」
レスティナはいつもと違い笑った表情をしていたが目は一切笑っていなかった。
こいつら、どうしたんだ突然!?ハニーって言っただけでいつもと違うキレかたが出来るのか!?しかたない、ここは.....。
「落ち着けよ、ハニーと言ったのはそう言えってウラルが言ってたんだよ。教えた言葉っていうのはウラルが俺に教えてくれた言葉がそれなんだよ。だから、そんなに嫉妬するな。ハニーって言って欲しいんならいつでも言ってやるよ」
煉は二人を抱きしめ落ち着かせようとするが、二人は手でそれを止めさせる。
「ええ、わかっています。ご主人様がそう言う人だって。でも・・・」
「わかっているわ。あんたがそういう人間、いや、悪魔だって、でも・・・」
レスティナと香歩は拳を握り、香歩は魔力をレスティナは精霊魔法で拳を強化する。
「「一発殴らせなさい(てください)!!」」
「ふげっ!」
二人の拳は見事に煉の顎に直撃し、煉は家のなかにまでふっ飛ばされた。そして、煉を殴った二人はすっきりとした表情をしているなか、シュトルツは関わったらこっちまでとばっちりが来ると思い視線をずらしていた。レスティナと香歩はお互い目を合わせ手を握手する。
「レスティナさんとは仲良くしていけそうです!改めてこれからもよろしくお願いします!」
「ええ、私もよ。大変だと思うけどお互い頑張りましょう」
こうして二人の友情が深まり、煉に続けて三人はドアのなかに入って行く。
レスティナたちはなかに入ると、そこは普通の家で、煉が倒れている以外たいして変わったところはなかった。
「いつつ、お前らな!殴るのはいいが、魔力は込めるな!マジで痛てえんだぞ!」
煉は立ち上がりながらレスティナと香歩、二人に言うと
「レンくん・・・・?」
突然の声に全員は声のするほうへ向くとそこには床までつきそうに長いほどの綺麗な銀髪に銀色の瞳。そして、銀色の服を着て全て銀で埋め尽くされ、エルフ特有の尖った耳をした美女がいた。煉はその美女を見ると笑顔で
「よっ!ウラル。元気そう「レンく~ん!」おっと!」
突然抱き着いてくるウラルを煉は抱きとめる。ウラルは満面な笑みを浮かべながら更に煉に抱き着く。
「レンくん!レンくん!レンくん!会いたかったよ~!」
「ほらよしよし。相変わらず、良い体してるな」
煉は抱きつきながらウラルの尻を鷲掴みする。
「きゃ!もう、レンくんも相変わらずエッチね~。触りたかったらいつでも言ってくれればいいのに」
小さく悲鳴を上げるが満更でもなさそうな笑顔で煉に言うウラル。すると、煉は目を光らせながら言う。
「良し!それじゃあ、せっかく会えたんだ!再開祝いのセ〇クスでもしようか」
「OK!それじゃあさっそくベットに・・・」
「何言ってるのよ!あなた達は!」
顔を真っ赤にしながらレスティナが二人の間に入って止める。香歩を見ると体凍ったかのように動けずにいた。ウラルはレスティナを見る。
「あれあれ~、レンくんったらこんな可愛い女の子を自分のものにするなんて罪な人ね~。あっ、悪魔だったね」
「会って数秒で俺たちが悪魔だって見抜くなんてな。相変わらずの観察力だな。ウラル」
「えっへん!凄いでしょう!」
ウラルが胸を張って言うとレスティナは思わずウラルの胸を凝視してしまった。
お、大きい....。
レスティナはそこそこ胸はあると自負しているし、香歩も大きい方だがウラルは更に大きかった。
あれが、爆乳というやつね。初めて見た.....。
レスティナはウラルの爆乳を思わず凝視しているとウラルがそれに気付いたのかレスティナのほうを見る。
「な~に?私の胸がどうかしたの?妖精ちゃん」
「あ、い、いえ、なんでもないわ!気にしないでちょうだい!」
慌ててウラルの胸から視線をずらすレスティナを煉は気づいたかのようにニヤニヤしていた。
「まっ、レスティナがムッツリだということは置いといて『ムッツリじゃないわよ!』・・・ウラル、実はな『いいよ~』・・・早いな、おい」
まだ、全部言ってもいないのにウラルはOKしたことに少し呆れる煉だが、ウラルは笑顔のまま言う。
「わかるよ~。人間だったレンくんが悪魔になってここに来たってことは私を眷属にしに来たんでしょう?もちろん、OKだよ。あ、でもその前に訊きたいことがあるんだ~」
「なんだ?セ〇クスはあとでしてやるから大丈夫だぞ」
「もちろん、それもだけど~。真面目な話。レンくんは悪魔になってからこの先どうするの~?」
その言葉にこの場にいる全員が煉に視線を向ける。すると、煉は
「そうだな、言っておいたほうがいいな。俺はな・・・・・」
それから煉は自分のこれからをこの場にいるシュトルツ、香歩、レスティナ、そしてウラルに話した。それを聞いたウラルは
「ハハハハハハハハ!さすがレンくんだね!私の予想を越えちゃたよ~!」
「ご主人様!それは本当ですか!?」
「まあ、主がそうしたいのなら止めはせんが」
「そうよね。私を眷属にしたんだからそれぐらいは言ってもらわないとね!」
大笑いするウラル、今でも信じられない香歩、頭を掻きぼやくシュトルツ、意気込みを上げるレスティナ。全員それぞれの反応をしているなか、ウラルは煉に近づき軽くキスする。そして、
「それじゃあ、レンくん。私をあなたの悪魔にして」
煉は
「それじゃ、よろしくね。レンくん。そして、眷属の皆。それじゃあ」
ウラルは魔方陣を展開する。すると
「あ、あれ、ご主人様、何故か体がうごかないのですけど・・・」
「わ、私もよ。いったい何が」
「・・・・・・」
煉とウラル以外何が起こったがわからずにいると空中に文字が出現する。そこには
『ウラルとキスするまで体の動きを封じます』
それを読んだ三人は一瞬頭が真っ白になった。すると煉が
「ああ、言い忘れていたけど、ウラルは可愛いものには重度のキス魔なんだ。良かったな。全員ウラルに気に入られたぜ」
「「「よくないわよ(ですよ)(わ)ッ!!」」」
全員がツッコミを入れているなか、ウラルは指を動かしながらハァ~ハァ~と言っていた。
「じゅるり、大丈夫だよ~。優しくしてあげるから~。ハァ、ハァ。それじゃあ、誰からにしようか?レンくん」
変質者みたいになっているウラルに煉以外の三人は恐怖を感じているが、煉は笑う。
「そうだな。やっぱり、ここは一番反応の面白い奴、ということでレスティナに決定~」
「ちょっ!何で、私からなのよ!?」
「レスティナ、お前の反応が一番面白いからだ!行け!ウラルよ!」
「了解~!そして、いただきま~す」
それからはレスティナ、香歩、シュトルツは悲鳴を上げたのは言うまでもなかった。
「良し!ウラルも仲間になったことだし、次の眷属を探しに行くぞ!」
「おー!」
「「「・・・・・・・おー」」」
元気一杯のウラル。気のせいか肌が綺麗になっていた。それに比べレスティナ、香歩、シュトルツは意気消沈していた。
「ほら、元気だせ、お前ら。これから新しい眷属を探しに行くんだから。あまりそのままでいると、ウラル~もう一度「「「おーーーー!!」」」・・・元気出たじゃねえか」
それから、煉たちは新たな眷属を見つける旅を続くのであった。
若手悪魔の会合から二十日。リアスたちは修行を終え、パーティに出席していた。
「よー、木場。楽しんでいるか?」
「匙くん、キミはどうだい?」
フロアの隅で匙は木場と会う。
「いや、それが緊張しまくってな。ちょっと休憩しに来たんだ」
「僕もそんな感じだよ。それより、イッセーくん、見なかった?」
「いや、見てねえが、兵藤がどうしたんだ?」
匙が木場に訊くと木場は難しそうな表情をしながら答える。
「さっきからアーシアさんたちが探しているのだけど見当たらなくてね。それに小猫ちゃんも」
「・・・そうなのか。わかった!見かけたら声をかけとくわ」
「ありがとう、匙くん」
「気にすんなって、あ、そうだ」
匙は何か思い出したかのように木場に訊く。
「ヴィクトルの奴、帰って来たのか?」
匙の問いに木場は首を横に振る。匙も「・・・そうか」と言い椅子に座る。
「やっぱりいくら、あいつでも普通に考えたら半月で眷属を揃えるなんて難しいもんな」
「そうだね。でも、僕はそうとは思わないんだ」
「何でだ?」
匙が怪訝そうな表情で木場に訊こうとした瞬間。
ドガァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!
突然の破砕音。それに驚く匙だが、木場は何故か平然としながら音がする方を見るとそこには白いドラゴンがいた。
「ドラゴンが何故ここに!?」
「警備の者はどうした!?」
貴族たちが慌ただしくしているなかドラゴンの背中から声がした。
「ふー、間に合ったな。サンキュー。シュトルツ」
「ご主人様!いくら間に合わないと言っても瞬間移動をすれば間に合ったんじゃないんですか!?」
「無駄よ、香歩。どうせ、パーティなんだから派手にしたかったんでしょう」
「さっすが、レンくん。派手だね~」
ドラゴンの背中から四人が降り、それに続くかのように五人降りてきた。
「お兄ちゃん。この人たちは?」
「兄貴!自分、兄貴のせいで頭にコブが出来ちゃったじゃないっすか!?」
「それぐらいほっとけば治るであろう」
「うわ~、悪魔がいっぱい、だ」
「・・・・・・」
「こらこら、お前たち。せっかく派手に登場したんだから挨拶でもしようぜ。まずは
「はい!皆さま、私は『
丁寧に頭を下げる水色ポニーテールのメイド。
「えーと、初めまして『
蒼髪の女の子が頭をペコと下げて挨拶する。
「僕は、『
緑色の髪をして少年?みたいな子。
「拙者『
忍者の格好をして素顔がハッキリとわからない少女。
「次は自分っすね!自分『
元気一杯な赤髪の短髪の少女。
「・・・・『
両腕に包帯が巻かれ、太ももにはナイフが収められている。黒髪で灰色の瞳をした女性。
「次は私ね。私は『
腰ぐらいまである長い金髪に緑色の瞳で王族のような格好をした女性。
「は~い、可愛い子大好き。『
全てが銀に覆われ先の尖った耳をし、爆乳の女性が手を振って挨拶し
「最後に!俺が『
灰色の髪に赤い目をし堂々と名乗る男。煉 ヴィクトル。会場の貴族たちが唖然としているなか木場は苦笑しながら匙に言う。
「彼はいつだって普通を壊していくんだよ」