強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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決着と決戦の始まり

「な、なんですか・・・・・あれは」

 

煉とのレーティングゲームが始まり、ソーナは陣地からあるものを見て驚愕していた。だが、驚愕していたのはソーナだけじゃなかった。

 

「なんなんだよ!?ありゃ!」

 

匙も仁村も驚愕し

 

「・・・・副会長、あれはなんですか?」

 

「・・・わかりません」

 

巡が指してそれを椿姫に訊くが椿姫もわからなかった。その時

 

『クウラ!急いで俺のところに来い!徹の攻撃を始めるぞ!』

 

「・・・・了解」

 

通信用イヤホンマイクからの煉の指示通りにクウラは椿姫たちから踵を返して消えるように移動する。それを見た椿姫は巡に言う。

 

「私たちも急いで陣地に戻りましょう!巡!」

 

「は、はい!」

 

椿姫たちは急いで陣地に向かって走りだす。

 

「おい!あれはなんなんだよ!?あんたなら知ってんだろ!?」

 

匙はウラルに大声で問うとウラルは答える。

 

「あれは、徹くんだよ。レンくんが思ったより早く徹くんの封印を解除したんだね」

 

「・・・・あれが、そうなのか・・・・」

 

匙は視線を上に向けるとそこには巨大な生物みたいな触手が匙たちの上を移動しているかのように動いていた。すると、ウラルが

 

「キミたち以外はリタイヤだね」

 

つぶやくかのようにそう言った瞬間。

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンッッ!!

 

 

激しすぎる破壊音がジャングルに鳴り響く。そして、匙たちが次に見たのは.....。

 

「・・・・・こ、こんなのありえるのかよ・・・」

 

先程までのジャングルが、完全になくなっていた。そして、

 

『ソーナ・シトリーさまの『騎士(ナイト)』一名、『僧侶(ビッショプ)』二名、戦闘不能』

 

「あれ?まだリタイヤしていない子がいるなんて。これは驚きだね」

 

流れるアナウンスの聞いたウラルは以外そうに言う。そして、ウラルが作った結界が解かれ、匙たちも動けるようになった。

 

「良し、仁村!早くこいつを倒して会長のところまで行くぞ!」

 

「はい!」

 

匙と仁村は拳を握りかまえるが、ウラルが匙たちの後ろを指して言う。

 

「私にかまっている暇があるならあっちに急いだほうがいいよ~。ソーナちゃんたちがピンチになっているよ」

 

匙たちはウラルが指すほうを見ると、そこにはソーナと椿姫。そして、煉の騎士(ナイト)のクウラと煉が巨大な生物に乗りながらソーナたちと向かい合っていた。それを見た匙たちは急いでソーナと椿姫のところに走りだす。

 

「私も行かないとね」

 

ウラルはマイペースに歩きながら煉たちのところへ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・大丈夫ですか?会長」

 

「ええ、あなたの神器のおかげで・・・ですがこれは厄介ではすみませんね」

 

ソーナは顔を上げて煉たちを乗せている巨大な生物を見る。その生物は大きすぎるほど大きい。そして、頭は後ろ向きに長く伸び、顔は目がなく肉がなくなった骸骨に近い顔つき。そして、背中には巨大なものから小さい翼が生えていて、体のいたるところには触手が生えていた。

 

「・・・いったいなんですか?これは・・・」

 

ソーナがそう言うと煉は答える。

 

「合成獣キマイラ。これが徹の力だ」

 

それを聞いたソーナと椿姫は目を見開くが、煉は徹に言う。

 

「徹、もういいぞ!元に戻りな!」

 

煉が徹にそう言うと巨大な体がドンドン小さくなり、緑色の髪をした少年に戻る。煉は徹を抱きかかえて徹に労いの言葉を言う。

 

「お疲れ、徹。あとは休んどけ」

 

煉がそう言うと徹は無言で頷いて寝始める。そこへ

 

「会長!副会長!無事ですか!?」

 

匙たちがソーナのところに戻ると少し遅れてウラルもやってくる。煉はウラルに徹を渡す。

 

「ウラル、ちょっと徹を見といてくれ。あとは俺とクウラでするから」

 

「了~解。徹くん、お疲れ様」

 

ウラルは徹を優しく抱きかかえて労いの言葉を言い、煉たちから離れる。

 

「クウラ、お前は女王(クイーン)と女の兵士(ポーン)を相手にしといてくれ。俺は匙とソーナと戦う」

 

「・・・・了解」

 

クウラは煉の言うとおりに椿姫と仁村に言う。

 

「・・・・女王(クイーン)と女兵士(ポーン)。私と戦え」

 

クウラが命令口調で言うが椿姫は

 

「いいでしょう。仁村、手伝ってください。私一人では彼女には勝てませんので」

 

「わ、わかりました!」

 

「・・・・来い」

 

クウラが移動し、椿姫と仁村はそれに続く。そうして、この場には煉と匙そしてソーナの三人だけになった。

 

「随分とあっさりと行かせるんだな、ソーナ。全員でクウラと俺を倒しに来ると思ったんだがな」

 

不敵な笑みを浮かばせながら煉はソーナに言うとソーナは冷静な口調で言う。

 

「そう言うヴィクトルくんこそ、自分の戦力を離しているのではありませんか。いったい何を考えているのです?」

 

「なーに、ちょっと匙とタイマンしようと思ってな。匙、やらねえか?」

 

煉が匙を手招きしながら言うと匙はソーナを見ていいか確認しよとすると

 

「行きなさい、サジ。ですが、負けてはいけませんよ」

 

「はい!」

 

匙は前へ出て拳をかまえる。すると、煉が通信用イヤホンマイクでウラルに言う。

 

「ウラル。悪いが匙にかけた封印の設定の変更を頼む」

 

『は~い』

 

ウラルがそう言うと匙の神器黒い龍脈(アブソーブション・ライン)から文字が浮かび上がる。そこには

 

『煉と戦うことを誓うと封印解除』

 

それを見た匙は怪訝そうな表情で煉に訊く。

 

「どういうことだよ。ヴィクトル」

 

「匙、俺は神器の使用は禁止されているのは知ってんだろ?それと俺はグラシャラボラス家とシークヴァイラ家に圧勝している。言っている意味わかるよな?今、俺を倒せばソーナの名が上がり、お前たちの夢に近づくことが出来るチャンスだぜ」

 

「・・・なめてんのか?ヴィクトル」

 

煉の上からの言葉に匙が怒気を込めて言うと煉は笑いながら言う。

 

「ああ、なめてる。ハッキリ言って俺はお前相手に神器を使わなくても勝てる。だからな、お前がイッセーと戦ったときに見せた夢のための渇望を俺に見せてくれ!」

 

煉がそう言うと同時、体から魔力を溢れ出す。一瞬、その魔力の質量に驚く匙だが

 

「いいぜ、俺に神器を使えるようにさせたこと後悔させてやる!」

 

匙が煉と戦うことを誓ったためウラルの封印が解け、黒い龍脈(アブソーブション)が使えるようになった。それを見て煉は一際大きく笑う。

 

「いいぜ、匙元士郎!本気でかかってきな!」

 

匙と煉との戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、煉やソーナたちから離れたクウラ、椿姫、仁村は戦いを始めているが

 

「はぁ、はぁ。強い・・・」

 

仁村が息を荒くしながらそうつぶやく。煉たちから離れてから椿姫たちは見事な連携でクウラと戦っていたが、いまだ傷一つ負わせていないどころか

 

「何故、あれだけ動いているのに息を切らさないのですか・・・」

 

椿姫が言った通り、クウラは椿姫と仁村の攻撃を何度も躱したり、攻撃したり、距離を取ったりしていたが、息を切らしてはいなかった。すると、クウラが口を開ける。

 

「・・・・お前たちの動きは無駄が多すぎる。私はない。それが、私とお前たちとの差だ」

 

クウラは言い終わる今度は椿姫に狙いを定めて突っ込む。椿姫は体力の限界が近く避けられなかったが

 

「『追憶の鏡(ミラーアリス)』!」

 

突っ込んでくるクウラにカウンター系神器で対応しようとするが

 

「・・・・無駄、それは調査済み」

 

「なっ!?」

 

クウラは鏡の前で急停止し、神器、変幻の血器(ムダンカ・サンゲム)を使い鏡を避けるように椿姫を襲う。

 

「・・・・お前の神器は鏡に当たらなければカウンターは出来ない。しかも、本人は鏡を出している間は動くことが出来ない、出来たとしても鏡が視界を邪魔するためすぐには対応できない」

 

神器の特性を説明しながら、クウラの血の刃たちは椿姫を襲う。

 

ここまで、ですか.....。

 

避けることが出来ず、観念する椿姫。すると、椿姫は突然誰かに後ろに引っ張られる。

 

「えっ」

 

椿姫は体勢を崩して尻餅をつきながら前を見ると自分の代わりに血の刃に貫かれ血を吐いていた仁村の姿が

 

「仁村っ!」

 

椿姫が悲惨な声を上げると仁村は血を吐きながらも笑いながらクウラの血の刃を掴む。

 

「・・・血を武器にしてるなら・・・こうすれば、動けませんよね。副会長!」

 

「っ!ありがとう!」

 

椿姫は急いで立ち上がり薙刀を振り上げる。

 

「あなたの想い無駄にはしません!」

 

犠牲覚悟でクウラの動きを止めた仁村の想いに応える為、椿姫は全力で薙刀をクウラ目掛けて振り下ろした。

 

「やっ・・・・た・・・」

 

それを見た仁村は笑顔で消えていった。

 

『ソーナ・シトリーさまの「兵士(ポーン)」一名、戦闘不能』

 

アナウンスに仁村のリタイヤを知らせる。椿姫はクウラを倒したことに一息入れていると

 

「・・・・まだ」

 

「っ!?」

 

その言葉に椿姫は驚いてクウラを見ると薙刀で斬られたところからには血が流れていなかった。

 

「ど、どうして・・・」

 

困惑する椿姫にクウラが答える。

 

「・・・・言ったはず、私の神器、変幻の血器(ムダンカ・サンゲム)は血を武器にも鎧にも変化させることが出来ると、体内の血液を固めてしまえばあの程度の攻撃は効かない」

 

クウラは再び血の刃を作り、椿姫に狙いを定める。

 

「・・・・レンさん、あの人は私を受け入れてくれた。だから私はあの人のためにこの嫌われた力を使いあなたを倒す」

 

ズンッ!

 

椿姫の腹に血の刃が刺さる。クウラは血の刃を抜くと椿姫の体は光り輝き始める。

 

「・・・・ごめんなさい、ソーナ」

 

椿姫が最後に親友に謝罪しながら消えていった。

 

『ソーナ・シトリーさまの「女王(クイーン)」一名、戦闘不能』

 

椿姫が戦闘不能を確認したクウラは煉がいるところに急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソーナ・シトリーさまの「女王(クイーン)」一名、戦闘不能』

 

「椿姫が・・・!?」

 

自分の親友がリタイヤしたことに驚くソーナだが、今は煉と匙の戦いのほうに集中する。だが、結果はあきらかになっていた。

 

「匙、残っているのはお前とソーナだけだぞ。さて、どうする?」

 

「・・・クソ!」

 

匙は体がボロボロだが、煉は無傷だった。あれから匙は善戦はしたが、匙は煉を殴ったり、蹴ったりしてもあっさりとカウンターを喰らい、魔力弾を放っても魔力弾で相殺された。黒い龍脈(アブソーブション・ライン)で煉の魔力を吸収しようと試したがそれが仇となった。煉は魔力を吸い取ろうとした匙のラインに逆に魔力を送って匙の体を破壊させた。それからは殴りにかかりカウンターを喰らいながらでもラインを木々に接続させて煉に攻撃するが、煉は防御魔術で防ぐ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

雄叫びを上げながら匙は真っ直ぐ煉に向かって殴ろうとするが、煉はカウンターで殴り返す。

 

「ぐッ!」

 

匙は倒れるが、またすぐに立ち上がる。

 

「匙、どうした?これで終わりか?違うだろ?もっと本気で来い」

 

「ヴィクトルゥゥゥゥゥッ!」

 

匙は突っ込みながら叫ぶ。

 

「何でてめえはそんなに強えのに!俺なんかと戦いたいんだよ!?」

 

殴りかかろうとする匙。煉は今度はカウンターをせずに、匙の胸元を掴み地面に叩きつける。

 

「カハッ!」

 

叩きつけられた匙は体中の空気を全て外に出して大きく息を吸う。

 

「匙、言ったろ。俺はお前の夢のための渇望を見たいって。強いとか弱いとか関係ない。あの時のように立ち上がってみろよ。匙」

 

煉の言葉に匙はまた立ち上がる。

 

「匙、たとえ話をしよう。今みたいに匙の目の前にいる俺がお前たちの夢の壁だとしよう。何度、攻撃しても今みたいに弾き返される。そんなときお前はどうする?」

 

「決まってんだろ!その壁が崩れるまで何度でも挑戦してやる!俺は先生になるんだ!その為にはお前を倒さないといけねえ!」

 

「ああ、そうだ。自分の願望、欲望を叶えるためには他者を蹴り飛ばさなければいけない。俺はそうやって今まで欲しいものを手に入れてきた。だがな、その為には強い覚悟が必要だ。自分の欲を満たすことで他者からの妬みや恨みが災厄となってくるかもしれねえ。お前が先生になることで誰かから恨まれることだってあるかもしれねえぞ?それでも先生になるのか?」

 

「なる!俺は先生になって生涯会長の手助けをするんだ!例えそれが恨まれたりしても、災厄が襲ってきても俺が会長を守る!会長の夢は俺の夢だぁぁぁぁぁあああああっ!」

 

匙はボロボロの体になりながらでも一誠のときのように何度も立ち上がった。そして、向かってきた。煉はそんな匙を称賛した。そして、だからこそ、向かってくる匙に煉は拳に魔力を込める。

 

ドガンッ!

 

「グハッ・・・」

 

煉は魔力のこもった拳を思い切り匙の腹に叩きこんだ。匙は口から血を吐くが

 

「・・・・見事な覚悟だ。匙元士郎」

 

匙は意識が失ってるのにもかかわらず倒れなかった。何度も何度も殴られては立ち上がり、煉に向かって行き、最後には意識を手放しながらも倒れなかった。そうして、匙は光に包まれる。

 

『ソーナ・シトリーさまの「兵士(ポーン)」一名、リタイヤ』

 

匙のリタイヤのアナウンスが流れる。それを確認した煉は今度はソーナと向かい合う。

 

「さて、それじゃあ(キング)同士で決着をつけようぜ。ソーナ」

 

煉は魔力を纏いながらソーナに言うとソーナは水を集める。

 

「ええ、でも始める前にいいかしら?」

 

「なんだ?」

 

「会合のときのお礼がまだでしたので、あの時はありがとうございました」

 

「気にすんな。礼はレヴィアたんとソーナの3Pで頼むわ」

 

それを聞いたソーナは苦笑する。

 

「まったく、どうしてそう平然とそんなことが言えるのです?」

 

「悪いな、俺は悪魔だから欲望に正直に生きてんだ。それより、始めようぜ」

 

「そうですね、では」

 

「「勝負!」」

 

それから煉とソーナは激しい魔力の攻防戦を繰り広げそれは数十分続いた。

 

『ソーナ・シトリーさまの「(キング)」戦闘不能。よって、煉 ヴィクトルさまの勝利です』

 

煉はソーナとの戦いも見事勝利した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、まあ、これがレンとソーナとの試合だ。それにしてもレンの奴キマイラを眷属にしたのかよ」

 

煉とソーナとのレーティングゲームが終わった翌日にアザゼルが急いで持ってきた煉とソーナのゲームの記録映像を見ていた。

 

「あ、あの、先生。キマイラってなんですか?」

 

一誠が挙手をしながらアザゼルに訊く。

 

「ギリシャ神話に出てくる複数の生物を合成して作った生き物だ。合成獣だから様々な生物の特性を持っているからその力は未知数。だが、見たところはまだ制御できてねえみてえだな」

 

「ええ、でも、強力なのは確かね。レンのことだから私たちとゲームをするときはもっと制御できるようにしてくるでしょうね」

 

リアスが険しい表情をしながらそう言うと次にクウラを見る。

 

「彼女も充分に気をつけないといけないわね。祐斗、副会長の真羅さんの腕前はわかる?」

 

「はい。真羅先輩の薙刀の腕前は相当なものでした。それが、直撃を喰らっても平気とは・・・」

 

レーティングゲームのとき実際に戦った木場だからこそわかる。椿姫は強いと。だが、クウラはもっと強い。血での変幻自在な攻撃、防御、動きのなさ、対応力、スピードだけなら木場のほうが上かもしれないが、勝負はそれだけでは決まらない。

 

「とりあえず、明日のディオドラとのゲームのことを考えましょう。前にレンが話した通りなら私たちとは最後のはずだから」

 

それからリアスたちは明日に備えて作戦を練り直す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ時間ね。それじゃ行ってくるわね。レン」

 

「行ってきますわ。レン」

 

リアスと朱乃が煉にそう言い一誠たちと一緒に魔方陣に入り転移した。

 

「さてと、ナンパでもしに行くか」

 

煉は暇な休日になったので、久しぶりに美女でもナンパしようと部室から出ようとしたら

 

「レン!いるか!?・・・って何そんなとこで寝てんだ?」

 

突然、部室のドアをアザゼルが開けたせいで煉はドアで顔を強打して倒れた。煉は顔を押さえながらアザゼルに怒る。

 

「てめえ、アザゼル!いきなりなにしやがる!?」

 

「ワリィ、今は謝ってる時間はねえんだ!眷属はすぐに集めることは出来るか!?」

 

「あぁ、そりゃ次元空間(ディメンション・スペース)を使えば数分で『良し!、ワリィが急いで眷属を集めてここにリアスたちが転移したところに向かってくれ!』ハァ!?どういう意味だ」

 

「さっき、ディオドラが禍の団(カオス・ブリゲード)と関わっているという情報が入った。恐らくこのゲームで・・・ってもういねえ」

 

アザゼルが最後まで言い終わる前に煉は次元空間(ディメンション・スペース)を使い急いで眷属たちを集め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・着いたのか?」

 

リアスたちが転移したところは神殿風景のところだった。だが、いつまで待ってもディオドラは現れず、アナウンスも届いてこなかった。

 

「・・・おかしいわね」

 

リアスを始め、一誠たち全員が怪訝そうにしていると、突然、神殿の逆方向から魔方陣が出現する。

だが、魔方陣は複数現れ、リアスたちを囲むように出現する。

 

「・・・・アスタロトの紋様じゃない!」

 

木場は剣をかまえ、朱乃は手に雷を走らせて言う。

 

「・・・魔方陣すべてに共通性はありませんわ。ただ」

 

「全部、悪魔。しかも記憶が確かなら」

 

リアスも紅いオーラをまとわせる。そして、魔方陣から現れたのは敵意、殺気を放つ悪魔たち。

 

「魔方陣から察するに『禍の団(カオス・ブリゲード)』の旧魔王派に傾倒した者たちよ」

 

「忌々しき偽りの魔王の血縁者、グレモリー。ここで散ってもらおう」

 

囲む悪魔の一人がリアスに挑戦的な物言いをすると、悲鳴が聞こえ振り向くとアーシアがいなかった。

 

「イッセーさん!」

 

空からアーシアの声が聞こえ上を見上げると、そこにはアーシアを捕えていたディオドラの姿があった。

 

「やあ、リアス・グレモリー。そして、赤龍帝。アーシア・アルジェントはいただくよ」

 

「アーシアを放せ、このクソ野郎!卑怯だぞ!つーか、どういうこった!ゲームをするんじゃないのかよ!?」

 

一誠の叫びにディオドラは醜悪な笑みを見せる。

 

「バカじゃないの?ゲームなんてしないさ。キミたちはここで彼ら『禍の団(カオス・ブリゲード)』のエージェントたちに殺されるんだよ。いくら力のあるキミたちでもこの数の上級悪魔と中級悪魔を相手にできやしないだろう?ハハハハ、死んでくれ。速やかに散ってくれ」

 

「あなた、『禍の団(カオス・ブリゲード)』と通じたというの?最低だわ。しかもゲームまで汚すなんて万死に値する!何より私のかわいいアーシアを奪い去ろうとするなんて・・・・ッ!」

 

「彼らと行動したほうが、僕の好きなこと好きなだけできそうだと思ったものだからね。ま、最後のあがきをしてくれ。僕はアーシアと契る。意味はわかるかな?赤龍帝、僕はアーシアを自分のものにするよ。追ってきたかったら、神殿の奥まで来てごらん。素敵なものが見られるはずだよ」

 

嘲笑するディオドラにゼノヴィアは一誠からアスカロンを受けとる。

 

「アーシアは私の友達だ!おまえの好きにはさせん!」

 

素早く宙に浮かぶディオドラを斬りかかろうするが、ディオドラの魔力の弾でゼノヴィアの体勢が崩れる。

 

「イッセーさん!ゼノヴィアさん!イッ」

 

助けを請うアーシアはディオドラと一緒に消えていった。

 

「アーシアァァァアアアアアアッ!」

 

「イッセーくん!冷静に!いまは目の前の敵をなぎ払うのが先だ!そのあと、アーシアさんを助けに行こう!」

 

くずおれる一誠に木場が檄を入れる。そして、打開策を模索しているなか、「キャッ!」と朱乃の悲鳴があがる。そちらの方に視線を向けるとローブ姿の隻眼の老人が朱乃のスカートをめくってパンツを覗いていた。

 

「うーん、良い尻じゃな。何よりも若さゆえの張りがたまらんわい」

 

一誠はすぐに老人から朱乃を引き離す。

 

「このクソジジイ!どっから出てきやがった!ってあんたは!」

 

「オーディンさま!どうしてここへ?」

 

リアスが驚きながらも訊くとオーディンは禍の団(カオス・ブリゲード)にゲームを乗っ取られゲームフィールドごと、強力な結界に覆われていることを話す。

 

「じゃあ、爺さんはどうやって入ってきたんだよ?」

 

「ミーミルの泉に片方の目を差しだしたとき、わしはこの手の魔術、魔力、その他の術式に関しては詳しくなってのぅ。結界に関しても同様、それに来たのはわしだけじゃないようじゃ」

 

オーディンの言葉を聞いたとき空の空間に亀裂が生まれ、その亀裂は勢いよく広がりそこから

 

「ヴィクトル眷属登場~。お待たせ!リアスちゃんたち!」

 

その亀裂から出てきたのは煉の眷属たちだった。

 

「ウラルさん!どうやってここに!?それとレンは!?」

 

「レンくんなら用事があるとかで遅れてくるよ~。それとどうやってここに来たかと言うと、レンくんが神器を使って次元を使ってここに来ました~。以上です」

 

「そんなこと出来るんスか!?レンは!」

 

「イッセーくん。レン相手に深く考えてはいけないわよ。レンだし、とでも考えておけばいいわ」

 

レスティナが、悟るように一誠にそう言うと一誠も納得した。

 

そうだ、非常識のレンなんだから深く考えるの止そう。

 

一誠も悟りを開いた。そんななかウラルがリアスたちに言う。

 

「リアスちゃんたちは、このままアーシアちゃんを助けに行ってあげて。ここは私たちヴィクトル眷属とさっきから私のお尻を触っているエッチなオーディンさまで何とかするから~」

 

「ほっほ、いい尻じゃのぉ~。胸もデカいの~」

 

「オーディンさま。これ以上はメッですよ」

 

悪魔たちに囲まれているなか、平常運転のようなやり取りをしているウラルとオーディン。

 

「すみません!ここをお願いします!神殿まで走るわよ!」

 

リアスはオーディンとウラルたちに一礼して一誠たちと一緒に神殿へと走りだす。それを確認したウラルは一呼吸してレスティナたちに言う。

 

「それじゃ!パッパと終わらせよ~。皆~」

 

『はい!』

 

ヴィクトル眷属とオーディンは大勢の悪魔たちとの戦いが始まり、リアスたちはアーシア奪還へと動き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからはオーディンに渡された通信機を取り付ける一誠たち、すると聞き慣れた声がした。

 

『無事か?こちらアザゼルだ。オーディンの爺さんから渡されたみたいだな』

 

アザゼルだった。そして

 

『聞こえるか?俺もいる。声が聞こえるということは無事にウラルたちは到着したみたいだな』

 

「レン!?どうしてあなたがそっちにいるの!?」

 

『こっちが人手不足だと。ここをさっさと終わらせてそっちに向かうからな。待ってろ』

 

煉は淡々と説明すると、通信を切った。

 

『ということだ。レンは後でそっちに向かわせる。それよりよく聞けよ』

 

アザゼルはリアスたちに悪魔の次期当主の不慮の事故は禍の団(カオス・ブリゲード)の仕業とその首謀者を話す。そして、一通り話したあと一誠がアーシアを連れ去られたことを訊くとアザゼルはアーシアはアザゼルたちに任せておけというが、一誠たちは自分たちで助けると言い出す。そして、アザゼルは嘆息しながら言う。

 

『・・・ったく、頑固なガキどもだ・・・・。ま、いい。今回は限定条件なんて一切ない。だからこそ、おまえたちのパワーを抑えるものなんて何もない。存分に暴れてこい!特にイッセー!赤龍帝の力を裏切りの小僧のディオドラに見せてこいッ!』

 

「オッス!」

 

一誠が気合の入った一声を言うとアザゼルが一誠に言う。

 

『それとな、レンが早くアーシアを助けないと、俺が助けてアーシアをいただくぞって言ってたぞ。そのときのあいつ目がギラギラしてたから早くしたほうがいいぞ』

 

「良し!皆急ぐぞ!一刻も早くレンよりアーシアを助けないと!」

 

一誠は全速力で神殿へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから旧魔王派の悪魔たちをある程度片付けたアザゼルと煉はとある場所へ宙を飛んで向かっていた。そして、フィールドの隅にひとつの人影を視認する。アザゼルと煉はその人影の前へ降り立つ。

腰まである黒髪の小柄な少女。黒いワンピースを身に着け、細い四肢を覗かせる。

 

「おまえ自身が出張ってくるとはな」

 

「アザゼル。久しい」

 

少女はアザゼルの声に反応して顔を向けて薄く笑う。誰かわからない煉はアザゼルに訊くと

 

「『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィスだ。オーフィス、何を考えている?」

 

「見学。ただ、それだけ」

 

「随分と変わった奴だな。オーフィス。なあ、アザゼル。ここでこいつを倒したら世界が平和にでもなるか?」

 

煉はアザゼルにそう言いながら白夜の禁手、夜光の虚無(ナイリシュ・ニアン)をオーフィスにむけるとアザゼルも光の槍の矛先もオーフィスに向けるが

 

「無理。アザゼルたちでは我は倒せない」

 

オーフィスは首を横に振りながらハッキリと言う。

 

「では、三人ではどうだろうが?」

 

翼を羽ばたかせて舞い降りてきたのは巨大なドラゴン!

 

「ドラゴン!本物は初めて見るな」

 

初めてドラゴンを見た煉は目を見開く。

 

「レン、こいつはタンニーン、元龍王さまだ」

 

アザゼルが煉にタンニーンのことを教えるとタンニーンはオーフィスを激しく睨む。

 

「せっかく若手悪魔が未来をかけて戦場に赴いているというのにな。貴様が茶々を入れるというのが気に入らん!あれほど、世界に興味を示さなかった貴様が今頃テロリストの親玉だと!?何が貴様をそうさせたと言うのだ!」

 

「暇つぶし、なんていまどき流行らない理由は止めてくれよな。おまえの行為ですでに被害が各地で出ているんだ」

 

タンニーンとアザゼルの問いにオーフィスは答える。

 

「静寂な世界」

 

オーフィスはまっすぐ煉たちを見て言う。

 

「故郷である次元の狭間に戻り、静寂を得たい。ただそれだけ」

 

「つまんね」

 

オーフィスの答えに煉はため息を吐きながらそう言う。

 

「なあ、オーフィス。お前がその静寂な世界に行きたいのはわかった。でもな、静寂だけの世界なんてつまんねだろ。世の中刺激があってこその世界じゃねえのか?」

 

アザゼルとタンニーンはオーフィス相手に平然と言う煉に目を見開い驚く。すると、オーフィスの横に魔方陣が出現し、貴族の格好をした男が転移してきた。

 

「お初にお目にかかる。俺は真なるアスモデウスの血を引く者。クルゼレイ・アスモデウス」

 

クルゼレイは煉を睨むように視線を送り言う。

 

「汚物の転生悪魔の癖によくもカテレア・レヴィアタンを・・・!敵討ちをさせてもらうッ!」

 

ドス黒いオーラを全身から迸らせながら煉に言うクルゼレイ。煉はクルゼレイに夜光の虚無(ナイリシュ・ニアン)をかまえ直す。

 

「ハッ!他人の力を借りなきゃ何も出来ない上に嫉妬心ばかり燃やしているガキが何吠えてんだよ。たかが、血を引いているだけって話で力はサーゼクスより弱いくせに随分とまあ情けないんだな、真なる魔王の血族たちは」

 

煉は口に手を抑え笑いながらクルゼレイを挑発させると

 

「貴様!汚物の分際でいい気になるよ!」

 

「ハッ!負け犬の遠吠えなんて聞こえねえよ!」

 

見事に煉の挑発に乗るクルゼレイ。

 

「アザゼル!タンニーンのドラゴン!手え出すなよ!こいつは俺の獲物だ!」

 

煉はアザゼルとタンニーンにそう言い手を出さないようにさせる。

 

「さあ、来いよ!負け犬のクルゼレイ・アスモデウス!」

 

煉とクルゼレイとの戦いが始まった。

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