強欲を司る略奪者   作:ユキシア

34 / 80
ロキ登場

『ふはははは!諦めるがいい!乳龍帝よ!全ての女は俺のものだ!』

 

魔王のような格好をした煉にそっくりな役者が高笑いする。

 

『何を!この乳龍帝が負けるはずがない!行くぞ!禁手!』

 

今度は一誠にそっくりの特撮ヒーローが画面で見事な変身を遂げる。その姿は一誠の禁手まんまだった。今、煉の家でグレモリー眷属とイリナ、アザゼルそして、煉とウラルと雫が集まり『乳龍帝おっぱいドラゴンと性欲のエロ魔王』という特撮作品を見ている。

 

『いくぞ、エロ魔王よ!とおっ!ドラゴンキィィィィィィクッ!』

 

鎧を着た一誠の役者の人が必殺技を出すが

 

『甘いわ!高まれ!我が性欲よ!エロビーム!』

 

煉の役者の人の手からビームが放たれ派手な爆破演出などが巻き起きる。

 

『おっぱいドラゴン!来たわよ!』

 

登場したのはリアスにそっくりの役者の人。

 

『スイッチ姫!何故妃であるお前が乳龍帝の味方をする!』

 

煉の役者の人がそう叫ぶとリアスの役者の人が煉の役者の人を見て

 

『私はあなたを止めてみせる!乳龍帝と共に!』

 

リアスの役者の人がそう言ったとき一誠の役者の人がリアスの役者の人の胸を触ると体が赤く輝き、パワーを取り戻す。

 

「敵の妃であるスイッチ姫はエロ魔王の性欲を止めるためにおっぱいドラゴンと協力する。そしておっぱいドラゴンはスイッチ姫のおっぱいを触ることで無敵のおっぱいドラゴンになるのだ!」

 

アザゼルがノリノリでそう説明する。

 

「アザゼル、何で俺がボスキャラなんだよ」

 

「おまえにピッタリだろ?サーゼクスと見事に意見が一致してな。そうなった」

 

煉が訊くとアザゼルがそう答えると煉以外全員が頷いて納得する。

 

「レンくんにこれ以上ないくらいに似合ってるよ~。ね~、雫ちゃん」

 

ウラルが膝の上に座ってる雫に訊くと雫は首を横に振る。

 

「ううん、お兄ちゃんはヒーローだもん。私にとっては最高のヒーローだよ」

 

「ん~、健気で可愛い~!チュー」

 

雫の健気さに可愛いもの好きのウラルは雫にキスの嵐を襲わせる。煉は雫の無邪気な優しさに笑っていた。

 

「ほんと、可愛いわね。雫ちゃん」

 

隣にいるリアスも微笑みながら雫とウラルたちを見ていた。

 

「ねえ、レン。ウラルさんと雫ちゃん。本当の親子のように仲が良いのだけど、雫ちゃんの本当の両親は、もしかして・・・」

 

「・・・・ああ、普通の人間の両親から生まれた普通の人間だった。だが、神器を宿して生まれて来てしまってな。禍の団(カオス・ブリゲード)に殺された」

 

煉は雫の過去をリアスに話す。

 

「俺が眷属集めの旅をして香歩、レスティナ、シュトルツ、ウラルで旅を続けていると偶然禍の団(カオス・ブリゲード)に攫われそうになっている雫を助けたんだ。だが、雫の両親は助けられなかった。そのせいで心に傷を負った雫をウラルがずっと傍にいることで癒してくれたんだ」

 

「・・・・あんな小さい子にまでそんなことを、許せないわね。禍の団(カオス・ブリゲード)

 

リアスは禍の団(カオス・ブリゲード)の非道に怒ったが煉が落ち着かせた。

 

「落ち着け、リアス。俺たちも腹が立ってそいつらごと支部は潰した。問題はまた雫が狙われる可能性があった。それをどうするか考えていると雫がウラルと一緒にいたいと頼んできたんだ。だから、保護に近い形で眷属にした。やるべきごとはやった。今の雫は幸せだと俺は思う。それでいいじゃねえか」

 

煉がそう言うとリアスはウラルと楽しそうに笑っている雫を見て怒りを収める。

 

「そうね。過去より今のほうが大切だものね」

 

リアスが納得していると

 

「ところで、その嬢ちゃんの神器ってなんだ?レン」

 

さっきの煉の話が聞こえたのかアザゼルが煉に訊くが

 

「誰が、お前に教えるか。お前に教えたら雫を自分の研究施設に連れて行くつもりだろ。このロリコン総督」

 

「おぉぉぉぉぉぉぉいッ!?誰がロリコンだ!ていうかやめろ!お前が前に言ったストーカー総督って言ってから俺、しばらく本部でストーカー総督って呼ばれてたんたぞ!」

 

「いい気味だな。今度俺が施設に行って広めてやろうか?ロリコン総督」

 

煉が笑いながらアザゼルをからかっていると突然後ろから朱乃が抱きしめてきた。

 

「アザゼルをいじめるのもいいですけど、そろそろ約束を果たしてもらわないと困りますわ」

 

「約束?処女を俺にくれるだっけ?」

 

煉がそう訊き返すと、朱乃は満面な笑みで言う。

 

「それもいいですけど、小猫ちゃんに言うように言ったのでしょう?ディオドラ・アスタロトの戦いが終わったらデートしてくれる約束」

 

煉は一瞬小猫を見るが、小猫は視線を逸らしたが、特に煉は気にせず朱乃に返事をする。

 

「ああ、じゃ、今度の日曜日デートな」

 

煉がそう返事をすると、朱乃は煉をさらに力を入れて抱きしめる。

 

「うれしい!じゃあ、日曜日デートね。うふふ、レンとデート、レンとデート」

 

楽しそうにはしゃぐ朱乃。そして、煉を睨むリアスの視線を感じた煉は

 

今は朱乃とのデートで朱乃を喰べて次にリアスを誘ってリアスを喰べよう。

 

心のなかで次にリアスを喰べることを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、終わり!」

 

朱乃とのデート一日前、煉とヴィクトル眷属たちは禍の団(カオス・ブリゲード)の英雄派を倒すために町はずれの廃工場に来ていて、最後の一人を煉がトドメをさした。

 

「これで、終了。お疲れ、お前ら」

 

「別にこれ位じゃあ疲れないわよ。それに雫ちゃんの援護もあったおかげで楽に出来たしね」

 

「そうだな、サンキュー、雫」

 

煉が雫の頭を撫でながら礼を言うと雫は嬉しそうに笑う。すると、ウラルが煉に耳打ちをする。

 

「お前ら、後は俺たちでやるから解散!暇な奴はリアスたちのところにいってやってくれ」

 

煉が全員に言うとレスティナたちは返事をしながら帰って行った。そして、煉がウラルに言う。

 

「で、やっぱり、ウラルもそう思うのか?」

 

「うん、その証拠に戦っているときのこの子がもう少しで至ったと思うの。レンくんがすぐに倒したから中途半端に終わったみたいだけど」

 

ウラルが指したのは一人の男。戦っている途中、男に何か異変を感じた煉はすぐに男を気絶させた。

 

「俺たちやリアスたちと無理矢理戦わせて禁手に至らせるか。確かに俺たちとリアスたちと戦えば尋常じゃない戦闘経験を得られるからな」

 

「やり方は強引だけどね。とりあえず今はこの子たちを冥界に送ろう」

 

「ああ、そうだな」

 

煉とウラルは禍の団(カオス・ブリゲード)の英雄派を冥界の牢獄へと送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、朱乃とのデート当日。煉は駅近くのコンビニ前で朱乃を待っていた。

 

「そろそろ待ち合わせの時間なのだが、ん?」

 

煉は時計を見て時間を確認していると、少し離れたところに一人の女の人がガラの悪い男たちに声をかけられていた。

 

「ねーねー、彼女。一人?よかったら俺たちと『おい』、あぁ!げ!?」

 

ガラの悪い男たちは急に声をかけられ後ろを振り返ると煉がいて、煉を見ると急に体が震え始めた。

 

「煉・・・煉 ヴィクトルさ・・・・ん・・・・な、なんでしょうか?」

 

ガラの悪い男は態度が変わったかのように煉に訊くと煉は笑う。

 

「その女は俺の女だ。俺のもんに手を出したらどうなるか、わかってるよな?」

 

「は、はははははは、ひゃい!」

 

歯をガチガチ鳴らしながらガラの悪い男は返事をするが、あまりの恐怖にまともに返事が出来なかった。煉はその男の肩を組むと男の体はビクッ!とする。

 

「それで、今、お前たちが声をかけたのは俺の女なんだよ。どういう意味かわかってるよね?」

 

「す、すしゅみすしゅみ・・・ッ!」

 

もはやまともな声も出せれなかったガラの悪い男たちに煉は一言告げる。

 

「消えな」

 

「は、はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!すみませんでしたぁぁぁぁあああああああっ!」

 

ガラの悪い男たちは涙を流しながら一目散に逃げて行った。

 

「大丈夫か?朱乃。おっ、いつもと違ってギャップがあっていいな。そっちも似合ってるぜ」

 

「ふふふ、ありがとう。それよりさっきの人たちは?」

 

いつもの落ち着いた格好ではなく、フリル付きの可愛いワンピース姿だった。煉はさっきのガラの悪い男たちもことを話す。

 

「ああ、さっきの奴らはこの辺りの不良グループだよ。俺に喧嘩売って来たから二度と俺に逆らえないように徹底的に痛めつけただけの奴らだ。別に気にする必要ねえよ。まあ、こんな可愛い朱乃に声をかけたくなる気持ちはわかるがな。俺だったら堕とすまで口説き続けるな」

 

笑いながらそう言うと朱乃は微笑む。

 

「うふふ、もう墜ちていますわ。私はあなたのものなのですから」

 

「そうだな、それじゃあ行こうか」

 

煉は朱乃の肩を抱き歩こうとすると、後ろから鈍い音が聞こえ振り返るとそこには、紅髪の女性がサングラスと帽子を被り、金髪の女性は眼鏡をかけ、紅髪の女性と同じようにサングラスと帽子を被った男、レスラーの覆面から猫耳を出した小柄の女の子、紙袋を被った怪しい奴に、頭まで深く被ったローブの二人組、そして普段着の木場が煉たちに手で謝っていた。

 

「あらあら、浮気調査にしては人数多すぎね」

 

「だな、ここは一つ」

 

朱乃と煉は黒い笑みを浮かばせると煉と朱乃はイチャイチャしながら歩き始める。すると、煉たちの後ろから凄まじいオーラを感じたが二人は気にせず嗤いながらデートをすることにした。

 

 

 

 

 

「ハハハ!面白いな、朱乃」

 

「ええ、そうですわね」

 

煉と朱乃はしばらく歩き続けたので休憩としてカフェで休んでいる。二人はデートしながらずっと後ろからついてくるリアスたちに煉と朱乃のイチャイチャぶりを見せつけていた。二人は今は最高のSな笑みを浮かべていた。

 

「それにしても、まだ、ついてくるのか?あいつら」

 

「見たいですね。では、そろそろ撒いちゃいますか?」

 

煉と朱乃はリアスたちに聞こえないように話し合うと二人は更なる笑みを浮かべて立ち上がりカフェを出る。リアスたちも少し遅れてカフェを出ると二人を見つけて追いかける。

 

「おっ、ついて来てる、ついて来てる」

 

煉はそう言いながらどんどん人気のない所に向かい出す。すると、リアスたちはそれが気になってきたのか、距離を詰めてくる。それに気付いた煉たちは突然姿が消えた。

 

『あっ!?』

 

リアスたちは気づいた。煉たちは煉の神器次元空間(ディメンション・スペース)で瞬間移動をしたことを、そして

 

「あ、あの部長。ここどこなんすか?」

 

一誠がそう言うと全員辺りを見ると自分たちが今どの辺りにいるかわからなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良し!作戦成功!上手く撒けたな。朱乃」

 

「ええ、今頃リアスたち慌てているでしょうね。ふふふ」

 

煉と朱乃はイタズラに成功した子供のような表情で笑っていた。そして、煉はある場所まで歩くとそこはラブホテルだった。

 

「朱乃、いいか?」

 

煉はラブホテルの前で朱乃に訊くと朱乃はもじもじしながらも首を縦に振った。煉は朱乃をつれて入ろうとしたとき

 

「まったく、昼間から、女を抱こうなどとやりおるわい、さすがエロ魔王」

 

突然の老人の声に煉は振り向くとそこにはオーディンと銀髪のスーツを着た女性がいた。

 

「爺さん、空気よんでくれよ。せっかく朱乃を喰べれるチャンスだったのによ」

 

「ほっほっほ」

 

煉の愚痴をオーディンは笑って誤魔化す。すると、朱乃がオーディンの横にいるガタイの良い男に詰め寄られていた。

 

「・・・・あ、あなたは」

 

朱乃は目を見開いて驚いていると煉が朱乃をかぼうように朱乃を後ろに隠す。

 

「よお、バラキエル。久しぶりだな。オーディンの護衛か?」

 

「貴様は煉 ヴィクトル。何故、貴様がここにいる?」

 

バラキエルは怒気を込めながら煉に訊くと煉は平然と答える。

 

「何故、と言われてもここでやることは一つだろ?言いたいことはあるだろうが、とりあえず場所を変えねえか?」

 

「・・・・・わかった」

 

バラキエルはとりあえずは納得したかのように返事をする。煉はリアスたちに連絡して今の状況の話をしてオーディンたちと一緒に煉の家に帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほっほっほ、というわけで訪日したぞい」

 

煉の家でオーディンは楽しそうに笑う。リうアスたちと合流したあと、リアスが煉に詰め寄ってきたが、煉はリアスに指輪のアクセサリーをプレゼントしてご機嫌を取った。朱乃はバラキエルと会ってからずっと不機嫌そうにしていた。

 

「どうぞ、お茶です」

 

リアスは笑顔でオーディンに対応していた。

 

「かまわんでいいぞい。しかし、相変わらずデカいのぅ。そっちもデカいのぅ。あっちはもっとデカいのぅ」

 

オーディンはリアス、朱乃、ウラルの胸を見ながらそう言う。

 

「もう!オーディンさまったら、いやらしい目線を送っちゃダメです!こちらは魔王ルシファーさまの妹君なのですよ!」

 

「まったく、堅いのぉ。サーゼクスの妹といえばべっぴんでグラマーじゃからな、そりゃ、わしだって乳ぐらいまた見たくもなるわい。と、こやつはわしのお付きヴァルキリー。名は」

 

「ロスヴァイセと申します。日本にいる間、お世話になります。以後、お見知りおきを」

 

「彼氏いない歴=年齢の生娘ヴァルキリーじゃ」

 

オーディンがいやらしい笑みで追加情報を言うと、ロスヴァイセは酷く狼狽する。

 

「そ、そ、それは関係ないじゃないですかぁぁぁぁっ!わ、私だって、好きでいままで彼氏が出来なかったわけじゃないんですからね!好きで処女なわけないじゃなぁぁぁぁぁぁいっ!うぅぅっ!」

 

その場にくずおれるロスヴァイセに煉は優しく肩を叩く。

 

「俺がひと肌脱いでやるよ、ロスヴァイセ。ほら、一緒にベットまで行くぞ」

 

満面な笑みでそう言いながらロスヴァイセを連れて行こうとするが、リアスに止めたれた。

 

「ほっほっほ、よかったのぅ。ロスヴァイセ。こやつはエロいが優良物件じゃぞ。現在の若手悪魔のなかで一番の勢いを持っておる」

 

オーディンがそう言うとロスヴァイセは頭を抱え悩み始めた。そして、ロスヴァイセを無視して話が終わるとバラキエルが煉に話しかけてきた。

 

「煉 ヴィクトル。すまないが、朱乃と二人で話をさせてくれ」

 

バラキエルがそう言うと煉は黙って部屋から出て行こうとするが

 

「何も言わないのか?」

 

バラキエルがそう訊くと煉は答える。

 

「家族の問題にまで俺は口出ししねえよ」

 

「・・・・やはりキミも同席してくれ。訊きたいことがある」

 

煉はバラキエルの言うとおりに朱乃の隣へと座る。

 

「で、訊きたいことってなんだ?」

 

煉がそう訊くとバラキエルは言う。

 

「キミは朱乃のことをどう思っているんだ?」

 

「朱乃は俺の女だ。もちろん、リアスや俺の眷属たちも皆俺の女だ」

 

煉はハッキリとそう答えるとバラキエルは激怒する。

 

「貴様はそれで朱乃が幸せに出来ると思っているのか!?」

 

「俺は強欲でな。欲しいものは好きなだけ欲する。だが、自分のものは絶対に大切にする。例え複数の女といて朱乃が幸せにならないというなら俺は俺のやり方で幸せにする」

 

煉は真っ直ぐに自分の気持ちをバラキエルに話すと今度は朱乃に訊く。

 

「朱乃、お前はそれでいいのか?」

 

「はい。確かにレンは複数の女性を自分のものとしていますが、それでもレンは一人一人を大切にしてくれています。もちろん、私も。私は彼が好きです。もし、私と彼を離そうとするのなら・・・私は死にます」

 

「朱乃!?」

 

煉は朱乃の発言に驚いて声を上げてしまうが、朱乃は涙目になりながら煉に抱き着く。

 

「だって、私の全てを受け止めてくれたあなたがいない世界なんて、耐えられない・・・」

 

「あ、朱乃・・・」

 

バラキエルが朱乃を呼んだ瞬間、朱乃は鋭い視線でバラキエルを睨む。

 

「名前で呼ばないで!私には彼が必要なの!だから、ここから消えて!あなたは私の父親じゃない!」

 

朱乃が叫ぶとバラキエルは瞑目して言う。

 

「・・・・すまん」

 

それだけを言って、バラキエルはこの場を去っていく。朱乃は強く煉を抱きしめる。

 

「お願い。しばらくこのままにさせて・・・・。」

 

声を震わせながら朱乃はそう言う。煉は朱乃を抱きしめながら頭を撫でてやることしか出来なかった。

 

どうするべきかな?これは......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーディンが来て数日経ったある日の夜。オーディンの護衛として夜空を移動中していると突然、馬車が停まる。

 

「何事ですか!?」

 

「わからん!だが、こういうときはたいていろくでもないことが起こるもんだ!」

 

ロスヴァイセとアザゼルが警戒していると煉は馬車から出て空を飛ぶ。そして、外を見るとマントを着た若い男が空を浮遊していた。その男は口の端を吊り上げながら高らかに喋りだした。

 

「はっじめまして、諸君!我こそは北欧の悪神!ロキだ!」

 

「あっそ、死ね!」

 

「おっと」

 

ロキが堂々と名乗ってすぐに煉はロキの後ろに瞬間移動をして白夜で斬ろうとしたが、躱される。

 

「いきなり攻撃してくるとは無粋だな。魔王の力を継ぐ者よ」

 

ロキは煉と向かい合う。煉も白夜を禁手にして夜光の虚無(ナイリシュ・ニアン)をかまえる。

 

「さすがにそう簡単には死んでくれねえか。つーか、死んでくれ。俺は今、そこにいるクソジジイのせいでストレス溜まりまくってイラついてんだよ」

 

煉は頭を掻きながら苛立った声で愚痴ると横からアザゼルが来る。

 

「おい、レン!何突然攻撃してんだ!?相手が誰かわかってんのか!?」

 

アザゼルは煉にそう言うが

 

「さっき悪神ロキって名乗ってたから知ってるよ。んなことより俺はこいつでストレスを発散させるんだ。オーディンの護衛にと言われたから来ているが、あのクソジジイの行きたいとこばっかじゃねえか。あのジジイの代わりにこいつでストレスを発散さても問題ねえだろ。ここに現れたってことは敵として認識してもいいんだろ?ロキ」

 

煉がロキにそう訊くとロキは笑みを浮かばせながら答える。

 

「そのとおりだ!さすがは魔王の力を継ぐ者!いきなり攻撃を仕掛けてきておきながらそこまで頭が回るとは!」

 

「別になんとなくそう思っただけだ。もし、何かあったらアザゼルに責任を取らせるつもりだったからな」

 

「おい!俺に責任をなすりつけんな!」

 

アザゼルが煉にツッコミを入れるが煉は無視してロキに突っ込む。すると、ロキは防御魔方陣を展開するが

 

「無駄だ!夜光の虚無(ナイリシュ・ニアン)はいかなる魔や光を無にする!」

 

煉の刀がロキの防御魔方陣に触れたとき魔方陣が消えたがロキは再び避ける。

 

「おっと、そうだった貴殿には複数の神器も持っていたな。それにグレモリー家、現魔王の血筋に赤龍帝、堕天使の幹部二人、天使一匹に悪魔たくさん。オーディン!護衛としては厳重だ」

 

「お主のような大馬鹿者が来たんじゃ。結果的には正解だったわい」

 

オーディンの言葉にロキはうんうんと頷き、不敵な笑みを浮かべる。

 

「よろしい。ならば呼ぼう」

 

ロキがマントを広げ、高らかに叫ぶ。

 

「出てこいッ!我が愛しき息子よッッ!」

 

ロキの叫びに一拍空いて、宙に歪みが生じる。空間の歪みから姿を現したのは十メートルぐらいの灰色の狼。その狼を見た瞬間、全員は全身を強張らせ震えている。すると、一誠がアザゼルに訊く。

 

「先生!あの狼、何なんですか?」

 

一誠の問いにアザゼルは絞り出すように言葉を発した。

 

神喰狼(フェンリル)だ」

 

その言葉に全員が驚愕する。

 

「イッセー!そいつは最悪最大の魔物の一匹だ!神を確実に殺さる牙を持っている!そいつに噛まれたら、いくらその鎧でも保たないぞ!」

 

アザゼルの忠告に一誠は目を見開く。そんななか煉がロキに言う。

 

「随分と危険な狼を飼っているんだな、ロキ。お前も神ならそいつの牙はまずいんじゃねえか?」

 

強気で煉は言うが手は汗で濡れていた。ロキはフェンリルの頭を撫でながら言う。

 

「我が開発した魔物だ。その心配はない。こいつの牙は上級悪魔でも伝説のドラゴンでも魔王でも余裕で致命傷を与えられる」

 

すーっ。とロキの指先がリアスに向けられる。

 

「本来、北欧の者以外に我がフェンリルの牙を使いたくないのだが・・・・。まあ、この子に北欧の者以外の血を覚えさせるのも良い経験となるかもしれない」

 

「テメエ、まさか!?」

 

煉が嫌な予感をしてそう叫ぶはロキは笑みを浮かばせながらフェンリルに言う。

 

「魔王の血筋。その血を舐めるのもフェンリルの糧となるだろう。やれ」

 

オオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオンッッ!

 

闇の夜空でフェンリルの透き通った遠吠え。全員はその声に全身を震わせているときフェンリルは見えない速度でリアスの前に姿を現した。

 

「リアス!逃げろぉぉぉぉおおおおおおおおおっ!」

 

やっと体が動けるようになった煉が叫びながら急いでリアスのところに向かおうとしたが、フェンリルは口を開けてリアスを噛もうとしたとき、突然、フェンリルの姿が消えた。

 

「なっ!?どこいった!?フェンリルよ!?」

 

突然、姿を消したフェンリルに狼狽するロキ。誰もがどうなったのかわからなかったとき煉が不敵な笑みを浮かばせながらロキに言う。

 

「ロキ、後ろに注意したほうがいいぞ」

 

「どういうガッ!」

 

突然、姿を消したフェンリルが、ロキの後ろから現れロキに噛みついた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。