「ゴフッ!」
「ふはははっ!どうやらそのオーラに体が耐えられなくなってきたようだな!」
朱乃の母親、姫島朱璃を黄泉の世界から奪うため煉は寿命を削る程のオーラを体から出しているとそのオーラに体が耐えられなくなってきて大量の血を吐き出すが、それでも煉は止めなかった。
「レン!もうやめろ!それ以上やったらお前の体が壊れちまうぞ!」
「レン!私は大丈夫だから、お願い!やめて!」
一誠も朱乃もそして、リアスたちも煉を止めさせようとするが
「うるせぇ!俺の邪魔すんな!」
一誠たちに一喝するかのように叫ぶ。そして、煉は続けて言う。
「誰が何と言おうが、俺はやる!例え、奪う相手が神だろうが関係ねえ!俺は朱乃の母親を絶対にあの世から奪ってやる!その為ならどんな代償だって払ってみせる!」
煉はそう叫びながら朱乃に視線を向ける。
「だから、朱乃!お前は笑え!約束通り俺はお前の悲しみを消し去ってやる!だから、お前はいつも笑って俺の傍にいろ!」
朱乃に笑って欲しいために煉は命を懸けて朱乃の母親を蘇らせようとしている。その時だった。突然、煉の視界が真っ暗になった。
「な、何だ!?何が起きたんだ!?」
煉は突然のことに混乱していると、足音が聞こえ、煉は足音がするほうを見ると目を見開いた。
『久しぶりだな。煉』
「・・・・マモン」
煉の前に現れたのは死んだはずのグラシス・マモンだった。煉はどういう事かわけがわからず頭を混乱させていると
『落ち着け、ここにいる私は残留思念みたいなものだ。だから』
マモンの言葉の途中で煉はマモンに抱き着いた。
「何勝手に死んでんだよ、クソマモン」
『・・・・すまない。だが、お前に抱きしめられている時間もないんだ』
煉はマモンを離してマモンを見ると、マモンの体がほんの少しずつだが、消え始めていた。
『さっきも言ったが、今の私は残留思念だ。あと数分で私は消える。その前にお前に話さなければならないことがあってお前を呼んだんだ』
「・・・・話ってなんだ?」
煉は深呼吸して落ち着きを取り戻し、マモンの話を聞くことにした。
『そうだな、色々あるが、単刀直入に言おう。神器で人を蘇らせることは不可能だ』
マモンはバッサリと切り捨てるかのように煉に言うが
「そんなの関係ねえよ。俺はやる。俺は自分の女を悲しませないためなら不可能だって可能にしてやる。代償があるとするならどんな代償だって払ってやる」
そう言う煉の言葉を聞いたときマモンは笑みを浮かばせる。
『女を悲しませないためにそこまでするとはな。そんなにあの女、姫島朱乃が特別か?』
「そうじゃない。俺は自分の女はずっと笑って欲しい。ただ、それだけだ」
『たった、それだけのことに命を懸けるというのか?随分とバカになったものだな。私を取り込んだときのお前は自分だけの欲を満たすためなら誰が傷つこうが関係なかったじゃないか。それが随分と変わったな』
「・・・・・・ああ、確かに俺は自分の欲を満たすために周りを傷つけてきた。だがな!」
煉はマモンの胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「今の俺は違う!俺はイッセーと出会い、リアスたちと出会って気づいたんだ!あいつらと一緒にいるだけで俺の欲が満たされている感覚になるんだ!一人のときはどんなに欲を満たそうとしても満たさなかった!でも、仲間がそれを満たしてくれた!俺が一番欲しかった欲はずっと傍にいてくれる仲間だったんだ!仲間のため、そして、今は朱乃のために俺は命を懸けてでも朱乃の悲しみを消し去ってみせる!」
煉の想いを聞いたマモンは微笑む。
『本当に変わったのだな。まあ、そこまで言ってくれないと無理だったろうがな』
「・・・・どういう意味だ?」
マモンの意味深な言葉に煉は怪訝そうに訊くとマモンは煉から離れて言う。
『煉。確認のため一つ訊くぞ。本当にどんな代償でも払うんだな』
「ああ、それで朱乃の悲しみを消し去ることが出来るのならな」
マモンの問いに煉は即答するとマモンは言う。
『だったら、方法はある』
マモンが指を鳴らすとマモンの足元から一本の黒い大剣が現れる。それは、煉がマモンの力をコントロールできるようになって使えるようになった大剣。
「アヴァール・クレアシアン・・・。どうしてここに・・・」
『私が作った魔剣だ。私が呼んだら来るに決まってるだろう。それより、お前も早く自分の神器を発動しろ』
煉はマモンの言うとおりに
『さあ、煉。お前の神器と私の魔剣を融合させろ!魔神である私の魔剣と神が作った神器。この二つが合わさることでお前は神と同等、いや、神以上の力が手に入るだろう!』
「ちょっと待て!どういう意味だ!?なんで神器と魔剣が融合、いや、待て。それより魔神ってどういうことだ!?」
マモンの聞き捨てならない言葉に煉は思わず叫んでしまうとマモンは平然と答える。
『ああ、言ってなかったな。私たち初代魔王たちは魔神なんだ。魔王という名は私たちが死んだあとに決められた名だ』
そして、マモンは自分の魔剣アヴァール・クレアシアンを握ると魔剣の赤い意匠が赤く光り始める。
『これで、私の力は全て送った。あとはお前の欲望次第だ。魔神と神器。強欲と略奪。二つの力をどう生かすかは煉、お前が決めろ』
マモンは煉に自分の力を全て注いだ魔剣を煉に渡すと、煉は笑う。
「ああ、やってやる!強欲と略奪!二つを統べる神にでもなってやるよ!」
煉はそう言って魔剣と神器を合わせ始めた。
煉がマモンのところに行っているとき、戦況は変わっていなかった。変わっているとしたら大量のオーラ出していたはずの煉が急にオーラを流さず、ピクリとも動かなかった。ずっとそれを見ていた一誠たちとロキ。すると、ロキが口を開く。
「さすがに死んだのか。無理もない。あれだけのオーラを放出させていたのだ。突然死んでもおかしくはないだろう」
「おい、ロキ!勝手にレンを殺すな!レンはいつだって常識を壊すような奴なんだ!そんな非常識で当たり前のレンが死ぬわけねえだろ!」
一誠はロキに煉は死んでないと叫ぶがロキは一誠に言う。
「だがな、赤龍帝よ!煉 ヴィクトルを見てみよ!先程から少しも動いておらんではないか!オーラを出しすぎると、その者は突然、死を迎えるということがある!煉 ヴィクトルもその一人なのだろう!」
「違う!レンは絶対に死なねえ!例え死んだとしても死神をぶっ殺しても朱乃さんのお母さんと一緒に生き返ってくる!」
一誠は煉が死んでないと強調するが、心のどこかで煉は死んだと思ってしまう。だが、それはリアスたちも同じだった。だが、ロキはスコルとハティに指示を出す。
「赤龍帝、もし、そうだとしてももうこれ以上時間をかけるとオーディンの会談が終わってしまうのでな。そろそろ終わらせてもらおう。スコル!ハティ!煉 ヴィクトルにトドメをさせ!」
ロキの指示を受けたスコルとハティは煉を襲いかかろうする。
「させるかぁぁぁぁああああっ!」
「皆!レンを守って!」
一誠は背中の魔力噴出口の火を噴かして、ドラゴンの両翼も大きく展開させて加速してスコルとハティに突っ込む。リアスも全員に煉を守るように指示を出す。
ドゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!
「うおっ!?」
「な、何が起きた!?」
突然、煉の体から再びオーラが溢れ出してスコルとハティ、そして一誠が吹き飛ばされた。
「レン!?」
リアスの声に一誠たちは煉に視線を向けると煉がこちらに見る。
「なんだよ、リアス。その死人が蘇ったような顔は。別に死んだわけじゃねえぞ」
煉は一誠たちに嘆息しながらそう言うとロキは哄笑しながら煉に言う。
「ふははははっ!死んだかと思ったぞ!?煉 ヴィクトル!だが、さすがに死人を蘇させることは不可能だったようだな!」
そんなロキを煉は笑って言い返す。
「誰が不可能だって言った!行くぜ!
煉の叫びと同時、煉の体から黒い輝きを放つ。そして、その黒い輝きは煉の体に纏わる。黒い輝きが収まったとき、一誠たちが煉を見ると、どこか邪悪さを感じさせる闇色の戦闘服に身を包まれ、右手には二メートルくらい大きさの黒い大剣を握っている煉の姿がいた。
「神器、
煉は魔剣を空に向けて息を大きく吸い叫ぶ。
「我が魔神の名において命ずる!黄泉の世界に存在する姫島朱璃の魂よ!我が欲望を満たすため我が眷属となって、現世に蘇れ!」
煉の叫びに応えるように魔剣が黒い閃光を発生させる。あまりの光に一誠たちは目を閉じてしまう。そして、光が収まったとき、誰もが信じられない様な目を向ける。
「あれ・・・?ここは・・・何処?どうして、私は生きてるの?」
朱乃の母親、姫島朱璃が生き返ったからだ。
「・・・・母・・・さま?母さま!?」
「朱璃!?朱璃なのか!?」
朱乃とバラキエルが驚きながらも嬉し涙を流していた。
「あなたが生き返らせてくれたの?」
朱璃は近くにいる煉に訊くと煉は頷く。
「ああ、聞きたいことはあるだろうが、朱乃とバラキエルにあんたの言葉を伝えてやってくれ」
朱璃は朱乃に優しい声をかける。
「朱乃。何があっても、父さまを信じてあげて。父さまはこれまで他者をたくさん傷つけてきたかもしれない。でもね」
朱璃は朱乃を優しく抱きしめる。
「父さまが私と朱乃を愛してくれているのは本当なのだから。だから、朱乃も父さまを愛してあげてね」
朱璃の言葉に朱乃は朱璃を抱きしめ涙を流しながら言う。
「母さま・・・・ッ!私は・・・ッ!父さまともっと会いたかった!父さまにもっと頭を撫でてもらいたかった!父さまともっと遊びたかった!父さまと・・・・・母さまと・・・・三人でもっと暮らしたかった・・・・ッ!」
朱乃の本当の想いを言うなか、バラキエルも涙を流していた。
「あらあら、あなたったら、そんなに泣いたらはしたないですよ?」
「無理を言わせないでくれ・・・・ッ!お前が・・・・お前が目の前にいるのだぞ!?堪えられるわけがない・・・・ッ!」
「私のこと忘れたわけじゃないでしょ?」
「当たり前だ!朱璃のことを・・・朱乃のことを・・・一日たりとも、忘れたことなどない」
震える手を朱璃と朱乃のほうに伸ばす。
「・・・・父さま」
「あなた」
朱乃と朱璃はその手を取った。それを見た煉は満足そうな表情をしながら一誠に言う。
「イッセー!鎧が光ってるってことはおっぱいの神から加護でも貰ったのか?」
「ああ!でも、一回だけだ!」
「なら、俺がフェンリルたちを片付けるから、ちょっと待ってろ!」
煉は魔剣をかまえるとロキは嬉々として高笑いする。
「ふははははっ!まさか本当に死者を蘇させるとは!面白い!だが、神を殺す牙を相手にどう戦う!スコル!ハティ!煉 ヴィクトルを牙で噛み砕き、爪で葬ってやれ!」
ロキの指示にスコルとハティは再び煉に襲いかかるが、煉は瞬時に二匹の狼の上に現れると大剣から赤黒いオーラが発せられる。
「叩き斬れ!
ドォォォォォォオオオオオオンッ!
煉の一振りで二匹の狼は叩き斬られるように地面に転がる。そして、煉は量産型のミドガルズオルムを見るといつのまにかミドガルズオルムの目の前に現れる。そして魔剣が赤黒いオーラから消えて大剣が長刀に変化する。
「空間ごと斬り裂け!次元刀!」
煉の一振りで量産型のミドガルズオルムの首が落ち、ロキが出した影も斬られ消滅した。
「な、なんなのだ!?貴殿のその武器は!?」
子フェンリルだけじゃなく量産型のミドガルズオルムも瞬殺させた煉の魔剣に驚きの声を上げるロキだが、煉は不敵な笑みを浮かばせる。
「驚くのはまだ早いぞ。子フェンリルを見てみな」
ロキは煉の言うとおり子フェンリルを見ると、子フェンリルの体が粒子となって煉の魔剣の吸い込まれていく。すると、今度は普通サイズの刀の長さになるが、刀身が獣の牙のようになっていた。
「狼牙刀とでも名づけるか。さてと、さっきの質問に答えてやるよ、ロキ。俺の魔剣、名を『
煉がそう言っているとロキは震えている自分の手を見て驚愕する。
「バカな!悪神である我が震えているだと!?こんなことあってはならぬ!」
「往生際が悪いな。さあ、おとなしくこの魔剣の餌になりな」
煉が魔剣をロキに向けると、ロキは危険を察知して逃げようとするが、地面から黒い炎が現れ、うねりとなってロキを包み込む。
「ッ!この漆黒のオーラは!?
地面から現れた黒い炎が巨大な魔方陣を中心としてドラゴンの形となって生み出されていく。どうやらアザゼルが匙にヴリトラの神器を全部くっつけたらしく意識があるが、暴走状態になっている。
「くっ!なんだ、この炎は!?動けん!・・・・ぬぅ!力が徐々に抜けていっている!?こ、これはあの黒いドラゴンの力か!?特異な炎を操る龍王がいたと聞いたことがあるが、まさか、これがッ!」
狼狽するロキ。そして、煉が一誠に向かって叫ぶ。
「イッセー!今がチャンスだ!さっさとロキを倒すぞ!」
「おう!」
一誠はミョルニルを握るとバチッ!バチッ!と雷が宿る。そして、背中の魔力噴出口の火を最大に墳かして、ロキに突っ込む。だが、ロキは匙の炎の結界を打ち破る。
「この程度でこのロキを捕え続けるなど!」
「死ねや!ロキ!」
煉がロキ目掛けて魔剣を振り下ろすが、ロキは紙一重で躱して、空中高く浮かび上がる。
「く、煉 ヴィクトル!赤龍帝!我は一時退却する!ふはははは!しかし、三度ここに訪れて混沌を」
ビガガガガガガガガガガガガガガガガアアガガガガガガガガッ!
雷光が煌めき、特大の一発がロキを包み込む。煉は振り向くと、そこには朱乃とバラキエルが黒い翼を出してお互いに手を取り合っていた。
「な・・・何をした!」
煙を上げて落下してくるロキを煉は捕まえて笑う。
「イッセー!投げるぞ!しっかり打てよ!」
煉はハンマー投げのようにロキを回して一誠に目掛けて投げる。一誠はハンマーを振り上げて
「おりゃああああああっ!俺式ミョルニルゥゥゥゥゥッ!」
ドン!
飛んでくるロキを一誠は見事に全身へ完璧に打ち込ませる。
「いまだぁぁぁぁぁぁぁあああああッ!いくぜ、ドライグッッ!」
『応ッ!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!』
『Transfer!!』
最大まで高めた懇親のパワーをミョルニルに送り込む。すると、とんでもない量の雷が発生する。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガっ!!
一誠の特大の一撃がロキを呑みこみ、ロキは体から大きく煙をあげながら地面へ墜落していく。
「・・・聖書に記されし神が、なざ禁手という現象と・・・神滅具などという神を殺せるだけの道具を消さずに残したのか・・・。こういうことが起きると想定していたのか・・・・?なぜ、人間に神殺しの術を持たせようとした・・・・・?」
それだけを言い残して、ロキは気を失う。そして、戦いが終わった。
「煉 ヴィクトルさんでしたよね?」
「ああ、俺が煉 ヴィクトルだ。まず先に言っておく。朱璃さんは生き返ることは出来た。だが、それは魔人として生き返り、しかも、魔神である俺の眷属として蘇った」
煉の言葉に朱乃たちは目を見開き驚くが煉はかまわず続ける。
「ハッキリ言えば、朱璃さんは人間じゃない。しかも、俺の命令には逆らえないようになっているみたいだ。後者は心配しなくても俺は何も命令とかしないが、人間じゃないことに文句があるならいくらでも言ってくれ」
マモンが言っていた代償。それは、魔人として生き返る。もう人にはなれない。それを聞いても煉は迷わず朱璃を生き返させた。いくら文句を言われようが、罵られようが煉はかまわなかった。だが、朱璃は首を横に振った。
「いいえ、文句なんてありません。確かに人間じゃないと聞いたときは驚きましたが、それ以上にあなたのおかげでもう会えないと思ってた家族に会えました。ありがとうございます」
「そう言ってくれると助かるよ」
煉はそれだけを聞いて離れようとすると
「待て、煉 ヴィクトル」
バラキエルに呼ばれ煉は足を止める。
「キ、キミは娘が、朱乃が好きか?」
「ああ、好きだ。だが、俺はリアスも俺の眷属たちも好きだ。俺は全員を愛する。それは変えない」
煉はバラキエルに真っ直ぐ自分の気持ちを言う。すると、朱乃が煉の腕に抱き着いてバラキエルに言う。
「父さま、私はレンを愛しています。レンはたくさんの女性を愛しますが、私はレンの傍にいるだけで幸せなんです」
「・・・・朱乃」
朱乃は一人を愛さなくても傍にいるだけで幸せという言葉に煉は驚く。すると、朱璃もバラキエルに言う。
「あなた、朱乃がこんなにも愛している人なのですから、認めてあげたらどうです?私も彼のおかげであなたと朱乃に出会えたのですから」
バラキエルは黙ったまま踵を返して煉に言う。
「・・・・娘を頼んだ」
「ああ、まかせろ。必ず朱乃も幸せにしてみせる」
バラキエルの言葉を煉はしっかりと受け止める。すると、朱璃が微笑みながら煉に訊く。
「ねえ、レンくん。私ってあなたの言ううことは逆らえないのよね?」
「ん?ああ、そうだけど、安心してくれ。命令なんかしねえから」
煉がそう言い返すと朱璃は手を頬に当てて言う。
「私、あなたの命令なら何をされてもいいわよ」
「朱璃!?」
朱璃の発言に驚き振り返るバラキエル。だが、煉はかまわず朱璃に訊く。
「嘘!?まじで!?ハードなプレイはOK?」
「ええ、あなたが望むならどんなことでも」
「朱、朱璃!?私を捨てるのか!?」
狼狽するバラキエルを見て朱璃と煉は笑う。
「あなた、冗談に決まってるじゃない。もう」
微笑みながらバラキエルにそう言う朱璃を見て煉は朱乃に訊く。
「なあ、朱乃。もしかして、朱璃さんってSか?」
「はい、ドSですわ。ちなみに父さまはドMですわ」
朱乃も微笑みながら答えるのを見て煉は思った。
なるほど、だから朱乃はSとM両方を持っているんだな。
「あ、ところで、朱乃。お前はこれからどうする?家族と一緒に生活するか?」
「ダメよ。朱乃」
煉が朱乃に言った問いを朱璃が否定する。
「でも、父さまと母さま、3人で暮らしたと」
「朱乃?あなたは好きになった殿方を置いていくの?」
「え?そ、そんなことしません!でも、また3人で暮らせると思って」
「ダメよ。どうせなら結婚して一緒に暮らせばいいじゃない。そうすれば、新しい家族と一緒に暮らせるでしょ?」
「「結婚!?」」
朱乃とバラキエルが目を見開いて驚くなか、煉が朱璃の手を取って言う。
「朱璃さん!それは結婚を認めるということですよね!?」
「ええ、そうですわ。嫌だったかしら?」
「とんでもありません。朱乃!」
「は、はい!」
朱璃のとんでも発言に顔を赤くして驚いているとき、煉は朱乃の手を取って言う。
「朱乃!お前はこんな欲張りな俺を愛してくれるか!?」
「・・・・はい。ずっと一緒にいたいくらい好きです」
煉のプロポーズに朱乃は答えると煉は朱乃を抱えてバラキエルと朱璃に言う。
「お義父さま!お義母さま!朱乃は俺が必ず幸せにしますんで、どうかご安心を!」
煉は朱乃を抱えたまま瞬間移動してリアスのところまで行く。
「どうしたの、レン?朱乃を抱えてキャ!?」
レンはもう片方の腕でリアスを抱えて言う。
「良し!朱乃!リアス!これから俺たちの結婚式だ!安心しろ!俺の眷属も呼んで最高の結婚式にするから!ヒャホー!今夜は新婚初夜だぜ!」
「レン!落ち着いて!なんかいつもと・・・一緒だったわね」
煉に抱えられながらリアスは嘆息する。すると、煉の後ろのほうから雷光を纏ったバラキエルが来た。
「待て!煉 ヴィクトル!私はまだ結婚を認めたわけではないぞっ!」
「まだってことは認めてはくれてんだな。お義父さま!」
「お義父さまと呼ぶなぁぁぁぁぁああああああっ!」
それから、修復作業が終わるまで煉は朱乃とリアスを抱えたままバラキエルから逃げていた。