『・・・・終わりだね』
『・・・・・・・』
血まみれになって倒れている煉にアキレウスは薄い笑みを浮かばせながら煉を見ていた。
『安心してくれ、命はまだ取らない。でも、あと二度、戦うことになったら』
アキレウスの表情から笑みが消え、氷のように冷たい表情となって煉に言う。
『キミをマモンとして僕はキミを殺す。それだけは覚えておいてくれ』
アキレウスは踵を返して煉から離れて行く。
待て・・・・テメエだって・・・。
煉は必死にアキレウスに向かって手を伸ばす。
「---ん、----くん、レンくん!」
「ハッ」
煉が目を覚ますと目の前には木場がいた。木場は心配そうに煉に言う。
「大丈夫かい?随分うなされてたみたいだけど・・・」
........夢か。
煉は夢だと分かるとため息を吐きながら木場に言う。
「金髪で起こしてもらうならアーシアのほうがよかった」
「ハハハ、それは悪かったね。でも、もうすぐ着くよ」
木場は苦笑しながら窓の外を指すと煉も外を見る。
「ああ、着いたのか。京都に」
ロキとの戦いが終わったあと、オーディンに置いてけぼりにされたロスヴァイセをリアスの眷属に転生させ、煉たちは修学旅行で京都に今、到着した。
「京都だぜ!」
新幹線から出た一誠がそう叫ぶ。それからは煉たちの泊まる高級ホテルへ行くと一誠たちはあまりの豪華さに圧倒されていた。
「百円ショップのショップは京都駅の地下ショッピングモールにあります。何か足りないものがあったら、て、あれ?兵藤くん、ヴィクトルくんはどこに?」
先生モードのロスヴァイセが注意事項を言っているとき、煉がいないことに気づき一誠に訊くが
「て、あれ?レンの奴。どこ行ったんだ?アーシア、知ってるか?」
一誠も煉がいないことに気づきアーシアに訊くと、アーシアは首を横に振る。するとゼノヴィアが一誠のリュックを指して言う。
「イッセー、荷物になにか紙が挟まっているぞ」
「え?あ、本当だ」
リュックに紙が挟まっていることに気づいた一誠はそれを取ってみると何かが書かれていた。それを読み上げると
『どうせこの後、注意事項だけで面倒から俺は先に行くぞ。荷物よろしく。レン』
一誠が読み上げた手紙の内容を全員が聞くと、アザゼルは嘆息し、木場は苦笑する。それ以外は唖然としているなか、一誠は手紙を握りしめて叫ぶ。
「レーーーーーーーンッ!修学旅行ぐらいおとなしくしやがれっ!」
煉の自分勝手さに一誠はホテル内に鳴り響くほど叫んだ。
「今頃、イッセーは叫んでだろうな。ふぁ~、まだ眠いな」
伏見稲荷の階段を上がりながら煉はそうつぶやきながら歩くと、頂上へと到着すると古ぼけた社があり、煉はそこに寝転がる。
「ここで一眠りしてりゃ、イッセーたちも来るだろう」
そうして、煉は目を閉じて眠り始める。それからしばらく寝ていると
「イテッ!?誰だ!?人の睡眠の邪魔する奴は!?ぶっ殺すぞ!」
突然たたき起こされた煉は苛立って起き上がるとそこには黒い翼を生やして頭部が鴉たちと、神主の格好をして狐のお面を被った奴らが煉を囲むように立っていた。
「京の者ではないな?」
そして、その後ろに巫女装束の格好をして、金髪で金の双眸をし、獣の耳を生やした少女いた。
「鴉天狗に狐の妖怪。そっちの小さいのも狐か。京都の妖怪共が俺に何の用だ?」
囲まれているにもかかわらず煉は態度を変えずに小さい狐の少女に訊くと狐の少女は煉を激しく睨み、吐き捨てるように叫ぶ。
「余所者め!よくも・・・・ッ!かかれっ!」
狐の少女の掛け声と同時、鴉天狗と狐の妖怪たちは一斉に煉に攻撃するが、そこに煉の姿はなかった。煉が消えたことに驚く鴉天狗たちだが、後ろから聞こえる悲鳴に振り返ると狐の少女を掴まえていた煉がいた。
「おっと、動くなよ。動いたらどうなっても知らねえぞ。それより、暴れんな!ガキ!」
「うぎゃっ!?」
煉に抱えられるように掴まっている狐の少女に煉は拳骨を入れる。すると、狐の少女が涙目で煉に叫ぶ。
「不浄なる魔の存在が私に拳骨を入れるな!それと、母上を返せッ!」
「テメエの母上なんか知るか!?そんなことより、せっかく人が快眠してたつーのに何で邪魔しやがった!?」
「ウソをつくな!私の目は誤魔化しきれんのじゃ!」
煉が狐の少女と言い争っていると
「レン!?お前何やってんだよ!?また何かやったのか!?」
階段を登り切った一誠が狐の少女を抱えている煉と鴉天狗たちを見て一誠は煉が何かしたと思い叫ぶと煉は一誠に言う。
「またってなんだ!?されたのはこっちだ!ここで寝てたらいきなりこいつらが邪魔してきたんだよ!」
「いや、だってよ!?この状況を見たら誰だってそう思うぞ!」
「知るか!?そんなことよりさっさとこの妖怪共を何とかしてくれ!」
煉の言葉に狐の少女が鴉天狗たちに言う。
「私を気にするな!こ奴らを倒せ!」
「あー!面倒くせ!」
煉は狐の少女を持ち上げて鴉天狗たちに向かって
「ほら!返すぜ!」
「ひゃあああああああああああっ!?」
投げると鴉天狗たちは慌てて狐の少女を救出する。そのとき
「どうした、イッセー。ん?レンもいたのか?」
「何々?妖怪さんよね?」
ゼノヴィアとイリナが階段を登ってきた。そして、鴉天狗たちに救出された狐の少女の怒りが一層深める。
「・・・そうか、おまえたちが母上を・・・もはや許すことはできん!不浄なる魔の存在め!神聖な場所を穢しおって!絶対に許さん!」
「許さねえのはこっちだ!
煉は怒りが頂点に達して禁手して鬼神状態になった。
「人の快眠を邪魔しやがって、死にたい奴からかかってきやがれ!」
煉の力にビビる京都の妖怪たち、狐の少女は憎々しげに煉たちを睨んだあと、手をあげる。
「・・・撤退じゃ。いまの戦力ではこやつらには勝てぬ。おのれ、邪悪な存在め。必ず母上を返してもらうぞ!」
それだけを言い残して、一迅のように消えていった。煉は舌打ちをして禁手を解除する。
「レン、禁手化にまでなる必要はなかったろ。何があったんだ?」
ゼノヴィアが煉に訊くと煉は答える。
「ここで寝てたらいきなりたたき起こされて俺を襲おうとしたんだよ。たく、面倒くせ」
毒づく煉を見て一誠たちは何かが起こりそうな予感しかしなかった。
『ごちそうさまでした!』
ホテルへの夕食が終わり、煉はロスヴァイセの説教から逃げる。煉たちは突然の襲撃のあと警戒しながら観光を終えた。そのことをアザゼルに一誠が話すとアザゼルは困惑していた。一誠は報告が終わると布団の上にくつろぐこと数十分。
頃合いだろう。
一誠はその場で立ち上がり、部屋の扉を静かに開ける。そして、非常階段の扉を開けた。
....この時間帯、大浴場でお風呂タイムだ!覗くしかない!いつもは俺をバカにしているクラスの女子ども!くくくく!この俺がその全裸を舐めるように見てしんぜよう!
笑みをこぼしながら、一誠は階段を下りて行くとジャージ姿のロスヴァイセが一誠を待ち構えていた。
「ロスヴァイセさん、レンはどうしたのですか?」
煉を説教するべき煉を追いかけていたはずのロスヴァイセが嘆息する。
「レンくんはどこかに逃げました。あとで探さないといけませんが、その前にあなたがお風呂に行くことを阻止しなければなりません。教師として女性徒の裸を死守します!」
一誠は階段を下りながら淡々と話す。
「ロスヴァイセさん・・・・。いくら仲間でもこれだけは譲れません。俺は女湯を覗きます」
一誠とロスヴァイセはお互いの攻撃範囲直前で足を止めて、しばらく睨み合う。そして
「とおっ!」
ババッ!
一誠とロスヴァイセは非常階段で戦いの火蓋を切って落とされた。お互いホテルのため派手な攻撃はできない。一誠は
「くっ!いつもより攻撃が鋭いですね!性的なものが絡むとここまで力が引き上がるなんて・・・・!あまりに非常識極まりです!」
「非常識極まるのはレンだけです!それとクラスの女子の裸を見られるのなら、俺は今日ここであなたと差し違えてもいい!」
「なんたるスケベ根性!ですが、私を突破してもシトリー眷属の二年女子の方々があなたを見張っています。最終手段ですが、匙くんが龍王に覚醒してイッセーくんを止めることも可能なのです。あなたはどちらにしろ、お風呂を『きゃあああああああああっ!?』何事ですか!?」
突然の女性徒の悲鳴にロスヴァイセと一誠は戦闘を中断する。すると
『煉くん!どうして女湯にいるの!?』
『ん、ああ。追いかけれらていてな。こっちに入ったんだ。俺のことは気にしなくていいぜ。あ、それともここでしたいってんなら喜んでするが』
『ヴィクトル!テメエなにやってブハッ!』
『匙、ここ女湯だぞ。それと裸みたぐらいで鼻血出すとか相変わらずのチェリーボーイだな』
『前者は煉くんも当てはまるけど・・・』
『俺はいいんだ。元からこっちに入るつもりだったから』
『それもどうかと思うよ!?』
女湯から聞こえる煉と女生徒の会話。ロスヴァイセと一誠は呆れるようにため息をする。すると、いつのまにか現れたアザゼルが一誠たちに言う。
「あー、ロスヴァイセ。悪いが、レンを近くの料亭にまで呼んできてくれ。呼び出しがかかった」
「・・・・わかりました」
ロスヴァイセは女湯のほうへ歩き始めると、一誠がアザゼルに訊く。
「呼び出しって、誰ですか?」
「魔王少女さまだよ」
一誠が訊くとアザゼルは口元を笑ませながら答えた。
「・・・料亭の『大楽』、ここにレヴィアタンさまがいらっしゃるのか」
料亭に集められたグレモリー眷属+イリナ。そして後ろから煉を説教しながら来るロスヴァイセと耳を塞いで聞かないようにしている煉が来た。集まった一誠たちはなかに入ると、着物姿のセラフォルーが座っていた。
「ハーロー!赤龍帝ちゃん、レンくん。リアスちゃんの眷属の皆、この間以来ね☆」
「よう、レヴィアたん。いつもの格好もいいが、着物姿もいいな。せっかくのホテルだし今からでもベットに行かないか?」
「もう!いきなり口説きに来るなんて相変わらずね☆」
セラフォルーを口説き始める。煉に一誠たちはため息を吐く。それからはセラフォルーと一緒に料理を食べながら話は進み、セラフォルーは京都の妖怪たちと協力態勢を取りに来たのだが
「京都に住み妖怪の報告では、この地を束ねていた九尾の御大将が先日から行方不明なの」
「っ。それって・・・・」
一誠が言いたいことがわかったのか、セラフォルーは頷く。
「ええ、アザゼルちゃんから、あなたたちの報告を耳にしたのよ。おそらくそういうことよね」
「
煉がアザゼルにそう訊くがアザゼルは首を横に振った。
「いや、お前たちは旅行を楽しめ。だが、何かあったら、呼ぶ。でも、おまえらガキにとっちゃ貴重な修学旅行だろ?俺たち大人が出来るだけなんとかするから、いまは京都を楽しめよ」
一誠たちはアザゼルの言うとおり旅行を楽しむことにした。
「木場!行くぞ!」
「うん!」
早朝の朝。煉は木場に誘われてホテルの屋上で軽い模擬戦をすることになった。模擬戦って言ってもお互い木刀で寸止めがルール。煉と木場はお互いの木刀をぶつけ合いながら話をする。
「木場!確かお前らは俺の次にサイラオーグとゲームするんだよな!?」
「うん!レンくんは神器なしでサイラオーグさんに勝てるのかい!?」
「それが、サイラオーグの奴が俺の神器の使用を認めてきたんだよ!それと、こっちの眷属の制限も無くていいって言ってきたんだ!隙あり!」
「甘いよ!それは驚くね!レンくんの全力だったらもう魔王クラスはあるはずなのに!ハァ!」
「よっと!ああ、俺も正直、驚いたよ!サイラオーグ曰く、相手の全てを受け止められないで何が大王家の次期当主かって言ったんだよ!終わり!」
「あっ!?」
木場の木刀が宙に飛び、煉の木刀が木場の首に向けられる。
「・・・・負けたよ。もう一回ならやっても大丈夫そうだからいいかな?」
「ああ、俺はかまわねえぞ」
それから、煉と木場は朝食の時間まで模擬戦は続いた。
「じゃあ、野郎ども!行くわよ!」
「「「「おおーっ!」」」」
桐生の声に一誠たちは雄叫びを上げる。二日目からは班で行動のため、煉も一緒に行動している。一誠たちはバスに乗って清水寺近くで降りて周辺を探索しながら歩き続ける。
「お、おい。レン。それはまずくないか?」
松田が煉の持っている物を指して言うと煉は平然と言う。
「大丈夫だって。帰るまでには飲み終わる。久しぶりの京都の酒なんだ。観光しながら飲むのがいいんじゃねえか」
煉は片手に酒を持ちながら歩いている。一誠たちは止めても無駄だとわかり、何も言わなかった。
それから清水寺に到着した一誠たち。
「見ろ、アーシア!異教徒の文化の粋を集めた寺だ!」
「は、はい!歴史を感じる佇まいです!」
「異教徒バンザイね!」
ゼノヴィア、アーシア、イリナは興奮気味で言い合う。一誠が清水寺の下の方を眺めていると
「ここから落ちても助かるケースが多いらしいわよ」
桐生が一誠にそう説明する。そして、桐生に促され全員でおみくじをすることになり、一誠とアーシアの相性は大吉だった。そして、煉も自分が引いたおみくじの内容を読んでみると
「大凶、あなたはこれから誰かに無理矢理連れて行かれるでしょう。なんじゃこりゃ?]
訳のわからない内容に怪訝そうにしていると突然、後ろから煉の肩を軽く叩いてくる。煉は振り返って見ると
「キミだね。酒の飲みながら歩き回っている学生というのは。ちょっと来てもらおうか」
煉は誰かと思って振り返ったら二人組の男の警察だった。煉は視線を一誠たちに向けると全員顔を逸らして他人の振りをしていた。
「さあ、一緒に来るんだ」
更に言ってくる警察に煉はフと笑い言う。
「嫌だ」
それだけを言い残して煉は警察の人から逃げ出した。
「待て!」
「誰が待てと言われて待つか!?俺を捕まえることが出来たらおとなしくしてやるよ!」
逃げた煉を追いかける警察。煉は一誠たちと別れて警察から逃げる。そして、一誠たちは同時にこう言った。
『自業自得』