強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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般若

「レン!目が覚めたって本当か!?おおっ!超絶美女!」

 

勢いよくレンの病室のドアを開ける一誠。そして、その後ろから次々入ってくるグレモリー眷属。朱乃はすぐに煉に抱き着く。

 

「レン!やっと・・・やっと、目を覚ましてくれたのですね」

 

涙声で煉に抱き着く朱乃の頭を煉は優しく撫でる。

 

「レン!やっと起きたの!?もう、迷惑ばっかりかけさせないでよね!」

 

「ご主人様!良かったです!」

 

レスティナや香歩も煉に病室に現れ、次々に煉の眷属たちが集まっていく。煉は朱乃の頭を撫でながら皆に謝る。

 

「悪いな、ちょっと寝すぎたわ。もう大丈夫だ」

 

笑いながら全員に言う煉。すると

 

「お兄ちゃん!」

 

煉に勢いよく抱きついてくる雫。煉は朱乃から離れて雫に目線を合わせて雫の頭を撫でる。

 

「おはよう、雫。悪いな、起きるのが遅れたわ」

 

「・・・お兄ちゃん・・・・ごめんなさい」

 

煉の右腕を見て謝る雫に煉は笑いながら言う。

 

「こんなもん気にすんな。雫を守ることが出来たんだ、これぐらいなんともねえよ」

 

「うん・・・・でも・・・」

 

それでも気にしている雫に煉はデコピンする。

 

「はい、これで罰は与えた。だから、これ以上は気にしたらダメだぞ」

 

「うん」

 

雫は頷いて返事をすると今度はウラルが煉に抱き着いてきた。

 

「レンくん、やっと起きたんだね。よかった~」

 

安堵するウラルに煉は耳打ちする。

 

「ウラル、お前だろ。何で師匠を呼ぶんだよ。俺が師匠が苦手だということ知ってんだろ」

 

「うん、だから、呼んだんだよ。お姉ちゃんが来たおかげでレンくんも目が覚めたんだから」

 

「・・・確かにそうだが・・・・とりあえずウラルはあとでベットでお仕置きだ」

 

「レンくんのお仕置きなら喜んでするよ~」

 

そんなことを話していると一誠がエキノを指して煉に訊く。

 

「レン!この人は誰だよ!?また、お前の女とかか!?」

 

「バカ!イッセー!速くその手を下ろせ!」

 

エキノを指で指している一誠に煉は忠告するが、遅かった。

 

「ダメですよ。ヒトを指で指したりしてわ」

 

病室にいる全員がエキノに、いや、エキノの後ろを見てしまう。エキノは表情も口調も変わっていないが、その後ろには般若がいた。

 

「え・・えっと・・・すみません」

 

一誠は驚きながらも謝る。だが、エキノの後ろにいる般若を見て一誠の全身から冷や汗を流す。アーシアはすでに気を失い。雫はウラルに抱きしめられ見えないようにされ、煉は見ないように視線を逸らす。リアスたちは恐怖のあまり全身が緊迫で動けないでいた。

 

「ちょっと、お話しましょうね」

 

エキノは一誠の腕を掴んで病室の外へと連れて行く。その時の一誠の顔は恐怖で怯えていたが、誰も助けることは出来なかった。

 

「それでは、少し席を外させていただきます」

 

それだけを言い、病室のドアを閉めると、煉とウラル以外全員が膝をつき肩で息をしていた。

 

「・・・鬼だ・・・鬼が見えたぞ。なんなんだ、あの人は?」

 

ゼノヴィアがそう言うと煉が答える。

 

「あの人は俺の師匠だ。一応言うが人間だ。師匠は普段は凄く優しいが粗相をするとあれだ出てくる。おまけに体術、魔術、剣術も強いんだよ。今の俺でも勝てるかわからんねえほど」

 

「でも、あれは人間にしてはおかしいわよ」

 

「そうだな。師匠が言うには気当たりで自分が一番恐怖を与えやすい想像があれなんだとよ。今じゃあ自然に出てくるほどになったらしい」

 

「レンくんの師匠というけど、あの人はどれぐらい強いの?」

 

「体術だけで言うなら魔王クラスはあると思うぞ。俺に体術の応用を教えてくたのも師匠だからな。剣術も同じくらいだろう。ちなみに言うが木場。絶対に師匠に教えを請おうとするなよ。絶対に廃人になるぞ」

 

「・・・・イッセー先輩は大丈夫でしょうか?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「レン!黙らないでくれ!イッセーはどうなるんだ!?」

 

小猫の言葉に思わず黙った煉にゼノヴィアがツッコム。すると、ウラルが代わりに答える。

 

「大丈夫だよ。お姉ちゃんは初めてに人にはまだ優しくするから・・・・・多分」

 

「とりあえずだ!絶対に師匠の前では粗相をしたり、礼儀を忘れたりするなよ!イッセーの二の舞になりたくなかったらな!」

 

不安ばかり残るなか病室のドアが開くと全員はビクッ!とする。

 

「ごめんなさい。少し長く話し込んでしまって」

 

普通に病室に入ってくるエキノの後ろに一誠がゾンビのような顔で入ってきた。それを見た全員は生唾を飲み込んで心の仲で煉の言うとおりに粗相のないようにしようと誓った。

 

「レン、皆さんに私のことは話してくれましたか?」

 

「はい!話しておきました!」

 

敬礼するかのように言う煉。すると、エキノは突然、煉に抱き着く。

 

「よく頑張りました、立派になりましたね。レン」

 

まるで子供の成長に喜ぶ母親のように煉に抱き着くエキノ。

 

「私のところにいたときはまだ、子供のようなあなたが、仲間のために命を懸けて守るとはあなたの成長に私は喜びを感じています」

 

「・・・・ありがとうございます、師匠」

 

煉もエキノを抱きしめる。そして、煉から離れたエキノは煉の右腕を見て煉に訊く。

 

「ところで、レン。腕はどうするのですか?」

 

「あ、はい。アザゼル・・・アザゼル総督に頼んで義手でもつけようと考えています」

 

「ちょっと腕を見せなさい」

 

煉はエキノの言うとおり包帯を取って無くなった右腕を見ると

 

「なるほど、わかりました。レン、少しそのままにしててください」

 

エキノは煉の右腕の周りに魔方陣を書き始める。そして、リアスたちに頼むごとをする。

 

「すみません、リアスさま。リアスさまの眷属のなかで回復能力を持っておられる方はいらっしゃいますか?」

 

「あ、はい。アーシア」

 

「は、はい!私です!」

 

エキノのところに行くアーシア。そして、エキノはさらに言う。

 

「それと、この病院で最近お亡くなりになった方のご遺体はありませんか?年齢や血液型、性別は問いません」

 

「確認してきます、朱乃。お願い出来る?」

 

「かしこまりました、部長」

 

朱乃はすぐに病院の人に訊くごと数十分。一人の女性の死体が運び込まれる。

 

「気分の悪くなる方は外で待っていてください。ウラル、その子は外に連れて行ってあげて」

 

「は~い、行くよ。雫ちゃん」

 

ウラルは雫を連れて病室の外へ出て行く。そして、エキノは女性の遺体の右腕を手刀で斬った。そして、その斬った右腕を煉の右腕につける。

 

「アーシアさん、そのまま回復をしてあげてください」

 

「は、はい!」

 

アーシアはエキノの言うとおりに煉の右腕に回復をかける。すると、煉に書かれていた魔方陣が輝き始めると、色を無くした死体の右腕が色を取り戻し始め、煉に右腕に完全にくっついた。

 

「どうですか?レン。何か不具合とかありますか?」

 

エキノにそう言われ新しい右腕を動かして見る煉。

 

「いえ、まったく問題ありません。神経もしっかりと通っています」

 

「なら、成功ですね。これからはちゃんと自分も大事にしてくださいね」

 

「わかりました。ところで今の魔法は?」

 

煉が自分の腕をくっつけた魔法の事を訊く。

 

「私が開発した順応魔法です。亡くなった方から必要な部分を貰い、他の体に順応させる魔法です。まだ、アーシアさんのように優秀な回復能力を持った方がいないとできませんが、問題はないようですね。では、私はこれで」

 

リアスたちに頭を下げて帰ろうとするエキノ。すると、リアスが声を掛ける。

 

「あの、ありがとうございます!あなたのおかげでレンは助かりました。このお礼はまた」

 

礼を言うリアス。すると、エキノはリアスに言う。

 

「お礼は必要ありません。家族として当然のことをしたまでなのですから。これからもレンをお願いします」

 

そう言ってエキノは病室から出て行った。

 

「ふはー!疲れた!やっぱり師匠は苦手だ」

 

ベットの寝転がりながらぼやく煉。

 

「ねえ、レン。どうしてエキノさんが苦手なの?確かに怒らせたら怖いレベルじゃないのはわかるけど凄く優しい人じゃない」

 

リアスの問いに煉は視線を逸らす。すると

 

「実はね~。レンくんは、初めてお姉ちゃんに会ったとき襲ったんだよ~。もちろん性的な意味でだけど」

 

いつのまにか病室に入っていたウラルが代わりに答える。

 

「あのときのレンくんはまだ、自分の欲望を制御できてなかったから私の魔法で封じていたんだけど。お姉ちゃんの美貌に興奮して襲ったんだよね~レンくん」

 

笑みを浮かばせながら言うウラルに煉は黙ったまま視線を外に向ける。

 

「それで、どうなったの?」

 

リアスが訊くとウラルは続きを言う。

 

「その後は、レンくんはボコボコにされて、お姉ちゃんが無理矢理弟子として私たちを鍛えてくれたんだよ。私は主に自分の魔法の強化だけど、レンくんは精神面のほうを重点的に鍛えたんだよ」

 

「えっと、つまり、レンはエキノさんから精神面を鍛えたためにエキノさんが苦手になったってこと?」

 

「うん、簡単に言えば皆が見たあの鬼をレンくんは何日も味わい続けたってことかな。だから、レンくんはお姉ちゃんが苦手なんだよ」

 

『・・・・・・』

 

ウラルの言葉に全員はあの鬼を見せ続けられる毎日を想像したのか、同情的な眼で煉を見るなか、ウラルが煉に背中に抱き着く。

 

「レンくんもあまり変な態度を取っているとお姉ちゃんが悲しむよ。せっかく心配して来てくれたんだから」

 

「・・・わかってるよ。でも、苦手なんだから仕方ねえだろ。そういや、サイラオーグとのゲームはどうなったんだ?」

 

煉が全員に訊く煉以外全員は俯くなか、ウラルが答えると

 

「良し、そいつら殺しに行こう。腐った者は早く消去しないとな」

 

迷わずそう言い放ち、病室に出ようとするが、煉は突然に倒れる。すると、レスティナが煉を起き上がらせ言う。

 

「まだ、回復しきっていない今のあんたがゲームに出ても負けが見えてるわ。バアル家とのゲームは諦めてリアスたちのゲームまでに体をちゃんと回復させなさい」

 

「・・・そうみてえだな。わかったよ、今回はおとなしく諦めるか」

 

レスティナに肩を借りてベットに寝転ぶ煉。

 

「で、レスティナが動けない俺のご奉仕をしてくれるのか?」

 

などと、冗談を言った煉はレスティナの魔法により入院がさらに一週間伸びてしまった。

 

 

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