強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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ジャック

煉が病院から入院して二週間が過ぎ、煉たちはいつもの学園生活に戻った。さらに、煉が入院しているときにライザーの妹レイヴェル・フェ二ックスが駒王学園に転校して来た。そして、ある日の昼休み。

 

『さあ、第一回駒王学園放送室をジャックした俺、煉 ヴィクトルのラジオ放送を始める!』

 

「ぶっ!?何やってんだよ!?レンの奴!」

 

突然のラジオ放送に一誠は飲み物を吹き出す。そして、一誠の周りにいる松田や元浜、アーシアたちは唖然としていたが、煉はかまわず続ける。

 

『主役はもちろん俺!頭脳明晰!身体能力は全国総なめ!イケメンで女好きの煉 ヴィクトルと!』

 

『・・・・三年、リアス・グレモリーでお送りするわ』

 

「部長ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

予想外な人物が煉と一緒にいた為一誠は驚愕の声を上げる。

 

『おいおい、リアス!テンション低いぞ!?もっとアピールしたらどうだ!?嫌!俺がする!駒王学園三年、姫島朱乃と同じ二大お姉さまの一人リアス・グレモリー!俺の女だ!』

 

『えええええええええええええええええええええええええええええええっっ!?』

 

一誠のクラス、いや、全クラスが驚きの声を上げ、学園全域に鳴り響く。

 

『レン、どうしていきなりこんなことを始めたのよ。こんなことしたらソーナたちの生徒会が黙っていないわよ?』

 

『大丈夫だ。ほら、ここにソーナがいるだろう?』

 

『ソーナ!どうして、ロープで縛られてここにいるの!?レン!』

 

『ハハハ!リアスと生徒会のメンバーたちよ!お前らの生徒会長を無事に返して欲しければおとなしくしてるんだな!リアスも俺の言うとおりにしないとソーナが大変なことになるぞ!』

 

「ヴィクトルの野郎・・・・・ッ!なんてことをしやがる・・・・・ッ!?」

 

匙は自分の教室から動くことが出来なかった。すると、リアスが煉に訊く。

 

『レン、もし、私たちがあなたに逆らったらソーナをどうするつもりなの?』

 

『安心しろ。俺は女を無理矢理抱くなんてことはしねえよ。ただいつも忙しそうにしている生徒会の仕事が今の四倍にするだけだ』

 

『こ、この悪魔めッ!』

 

生徒会全員は同じツッコミを入れるが煉の耳には届かない。

 

『ちなみに何でこんなことをするかと言うと、これにはきちんとした理由がある』

 

『理由?いったいどんな理由なの?』

 

『ああ、それはな・・・・』

 

真剣な声音で言う煉の放送に思わず生唾を飲んでしまう学園の生徒及び教師。そして、一拍開けて煉が言う。

 

『俺が入院していたせいでこれから毎日学園に行かないといけないんだよ!寝るのもダメ!女を喰うのもダメ!サボるのもダメ!ハッキリ言って暇なんだよ!学園は俺に何をしろって言うんだ!?』

 

『勉強しろよ!』

 

再び学園の生徒たちに突っ込まられる煉。すると、リアスの嘆息の声が放送に流れる。

 

『レン、今回だけは付き合ってあげるから明日からはしないでね』

 

『それは保障出来ねえな。だが、少しはおとなしくはしてやる。これでいいか?』

 

『ええ、もうそれでいいわ。ところで、何をするか決めてるの?』

 

『ああ、もちろん。俺は何も思いつきで行動することなんて9割しかねえ』

 

「ほぼ思いつきで動いてるじゃねえか!」

 

一誠が再びツッコム。

 

『では、第一回質問コーナー!ちなみにこれは前もって学園の奴らに匿名のメールで知らせておいた。リアス、これを呼んでくれ』

 

『準備がいいわね。これね、え~と、ペンネーム、K.Aさんからね。グレモリーさんとヴィクトルが付き合っているとは本当ですか?あと、姫島先輩にもそんな噂があるのですが本当ですか?ですってレン』

 

『おう!リアスも朱乃も二人とも俺の女だ。残念だったな!学園の二大お姉さまは俺のもんだ!ハハハハハハッ!今頃男たちの血の涙が目に浮かぶぜ!』

 

悪役の魔王のように笑う煉。そして、煉の言うとおり、松田と元浜は血の涙を流していた。

 

「レンの奴、堂々ととんでも宣言するな」

 

一誠は知っていたため心のダメージはそれ程なかった。

 

『それじゃ、次に行こう!次は俺が読むぜ!えーと、ペンネーム、A.Iさん。煉先輩好きです!付き合ってください!おおっ!まさか、ここで後輩からラブレターを貰うとはな。嬉しいぜ!だが、先に言っておくぞ!俺は強欲だからリアスや朱乃みたいに欲しい女は全て手に入れる!つまり、俺を一人で独占することは出来ないということだ。でも、それでもいいのなら、俺はそれ以外のことでそれ以上に幸せにしてやる!それでもいいなら、放課後、体育館裏に来い!もちろん、俺は顔は容姿は気にしねえぜ!来る女はどんな女でも拒わない』

 

「相変わらず、凄いな。レンは。リアス部長や朱乃副部長、他にもウラルたちがいるのにそれを全て受け入れるとは」

 

ゼノヴィアが、感心するかのようにつぶやく。すると、放送室に変化が起きた。

 

『それでは、次を読みますわね』

 

『朱乃!何時の間にここに!?』

 

「朱乃さぁぁあああああああああああんッッ!?あなたまで何してるんですか!?」

 

朱乃の登場にもうツッコムしかない一誠。

 

『リアスばかりずるいですわ。レン、どうして私を呼んで下さらなかったのですか?』

 

『悪いな、リアスはともかく、朱乃なら来てくれると信じていたからな。ありがとな』

 

『あ/////。レン、こんなところで抱きしめなくても・・・・』

 

『俺なりの礼代わりだ。それとも、これがいいか?』

 

『あっ・・・んんっ!・・・レン・・・そこはいけませんわ』

 

「「「何してんだ!?レンの奴!いったい姫島(朱乃)先輩(さん)に何してんだ!?」」」

 

放送の声しか聞こえない一誠、松田、元浜は鼻血を出しながら叫ぶ。だが、鼻血を出していたのは一誠たちだけじゃなく、学園の男子たちと一部の女子たちも鼻血を出していた。

 

『はいはい、レン。そこまでよ。次に行くわよ次に。え~と、ペンネームあっ!』

 

『リアス、これは、私が読みますわ。えっと、ペンネームS.Gさんからですわ。自分は好きな女性の傍で頑張っているのですが、なかなか進展していないような気がします。どうすれば、自分に振り向いてもらえるでしょうか?あと、ヴィクトルの野郎は何で、そんなに女にモテるんだよ!?だそうですわ。レン』

 

『そうだな、前半はともかく、後半はあきらかに俺に対する嫉妬だな。つーか、さ、おっと危ねえ。本名を出すところだった。後半から答えよう。俺がモテるんじゃない。俺が女が好きだから俺を好きになるように努力してんだよ。それが、俺のモテる秘訣だ。わかったか?』

 

『・・・・・・・・・』

 

煉の言葉に今度は学園がシーンとなった。

 

『さて、それじゃあ、振り向かせる方法だったよな。S.G。だったらな「レン、電話ですわ。どうやら、頑張って自分の力で振り向かせてみる。だそうですわ」なんだよ、自己完結するなよ。せっかく、話そうと思ったのによ』

 

『いいじゃない、私はそういう人は好きよ。S.Gさん。私は応援するわ。頑張ってね』

 

『うふふ、私も応援しますわ。頑張ってくださいね』

 

『つーことで、匙!俺の女にここまで言ってくれたんだ!絶対にそいつが高校卒業までに手に入れろよ!?じゃないと、俺がもらうぜ?』

 

「ヴィクトルゥゥゥウウウウウッッ!本名を晒すんじゃねえ!」

 

匙の哀れな叫びは煉の耳には届かず、放送は続いた。

 

「アザゼル先生を紹介してください!」

 

『あいつはロリコンだから止めといたほうがいい。諦めて、俺のところに来い』

 

「体が疼くの、あなたので鎮めてくれる?」

 

『OK!今から行くから待ってな!』

 

「ロスヴァイセさんと結婚が出来るように応援してくれませんか!?」

 

『誰がするか!ロスヴァイセも俺が手に入れる!だが、どっちが先に手に入れるか勝負しようや!』

 

「兵藤×木場や木場×ヴィクトル、ヴィクトル×兵藤の噂は本当ですか!?」

 

『俺は女は好きだが、男は嫌いだ!あと、木場はガチホモだ!イッセーは今のところギリセーフってとこか』

 

「今まで何人の女をあなたは喰べましたか?」

 

『532人!』

 

「あなたは今、幸せですか?」

 

『どこの教会の勧誘だ。一応、答えるが幸せだ!』

 

「いじめてください」

 

『いいぜ!放課後体育館倉庫に来い!たっぷりいじめてやる』

 

そして、時間が過ぎていき、とうとう、昼休みの終わりに近づいてきた。

 

『これで、最後にするか。えーと、ペンネームH.I。ハーレム王に俺はなる!・・・・誰かとはあえて突っ込まないでおこう。そうだな、今のお前には無理だ』

 

「イッセーさん、急に机に頭をぶつけて大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫だよ。アーシア」

 

レンの野郎、ハッキリと言いやがって!でも、いつか、必ず俺はハーレムを完成させる!

 

意気込みを入れている一誠だが、煉はこう言う。

 

『女を怖がっている今のお前には無理だ』

 

「っ!?」

 

目を見開く一誠だが、煉はかまわず言う。

 

『そうだな、H.Iとは関係ない話だが、実は俺が中学生のときにお前と同じことを言う親友がいたんだよ。だが、そいつは、初めて出来た彼女に初めてのデートのときに騙され、更に罵倒され、最後はその彼女はどこかに行った。でも、俺の親友はそれでもハーレムなどを言って女の為に一生懸命努力したんだ。体を張って女を守ったり、女が困っているとどんな理由でも助けた。そのおかげか、そいつの周りにはいつのまにか女に囲まれていた』

 

「・・・・・・・・」

 

『親友はその女たちと一緒にいられて嬉しかった、楽しかった。でも、どんなに女が親友を慕っても、親友はそれに無意識に気づかない振りをしてたんだ。それは、初めて出来た彼女のことを本当に好きだったからだ。毎日毎日ハーレムハーレム言う奴を誰も好きにはなれなかったからだ。そんな奴に初めて自分のことを好きと言ってくれた彼女のことを親友は本当に好きだった』

 

一誠は無言のまま立ち上がり、教室の外へ出て行く。

 

『本気に好きになった彼女からの騙しや罵倒が親友の心に深く傷ついた。その彼女がいなくなってもその傷は治すことはできなかった。いや、気づかない振りをして、それを隠していた。だが、それが、無意識に表に出てきたせいで親友はあと一歩が踏めなくなってしまったんだ。また、バカにされる、嫌われる。頭ではわかっていてもどうしても、ブレーキがかかってしまったんだ。その親友が俺だけに話してくれた本音は』

 

「『・・・・あんな思いは二度と・・・嫌なんだ・・・・』」

 

教室を出て、影で泣きながら本音を漏らす一誠と偶然重なった。

 

『・・・・それが、親友の本音だ。親友はそれ以来会ってねえからわかんねえが、おい!H.I!聞こえてんだろ!?』

 

煉の放送に一誠は耳を傾ける。

 

『お前も本当は気づいてんだろ!お前の周りにいる女たちの本当の気持ちを!だったら答えを出せよ!お前の助けた女たちはお前の気持ちを受け止められない程、お前は何もしてないことないだろう!素直に自分の感情をそいつらに言えよ。きっとそいつらもお前を受け入れてくれるはずだ。そうじゃなかったら俺を好きなだけ殴れ。お前にここまで言った責任は取る。だが、受け入れてくれたのならそいつらの胸のなかで泣かせてもらえよ。じゃ!時間となったので俺、煉 ヴィクトルと!』

 

『リアス・グレモリーと』

 

『姫島朱乃が送った』

 

『『『親友へのラジオ放送を終わります!』』』

 

ラジオ放送が終了すると、リアスは煉に言う。

 

「これで、よかったのよね」

 

「ええ、イッセーくんは私たちを見るとき、時折、とても怯えた目をしていましたから、これで、良かったと思いますわ」

 

「ああ、後は、イッセーたち次第だな。悪いな、ソーナ。協力してもらって」

 

「かまいません、私も若手の会合のときの礼を返せれて良かったですし、では、これで」

 

「おう、あんたも頑張れよ」

 

煉がそう言うが、ソーナは顔色を変えずに放送室から出て行く。

 

「さて、それじゃあ、俺たちも教室に戻るか」

 

「ええ」

 

「はい」

 

そうして、煉とリアス、朱乃の放送室ジャック事件は終わったのである。

 

 

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