空に浮かぶ島、そこにある都市、アガレアス。旧魔王の時代に作られたと言われている島。重要な場所のため、VⅠPクラスか特別な行事のときしか行き来できない。さらに世界遺産でもあるためなるべく魔力の移動は許可しない。
アガレアスに行く方法は魔方陣でのジャンプ、飛行船などの乗り物それか、都市から伸びるロープを伝ってゴンドラで上がっていくの三つ。
そして、本日、この空中都市アガレアスで行われるバアル眷属とグレモリー眷属のレーティングゲームが始まる。
はずだったのだが......。
『さあ、いよいよ世紀の一戦が始まります!東ゲートからサイラオーグ・バアルチームの入場ですッッ!』
「「「「「わぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああぁぁぁっ!」」」」」」
歓声が鳴り響くなか、バアル眷属は堂々と入場して行く。
『そしていよいよ、西ゲートからリアス・グレモリーチーム・・・・だったのですが、急遽事情により、重症の体から復活した煉 ヴィクトルチームの入場ですッッ!』
「さあ!派手のやろうぜ!サイラオーグ!」
西ゲートから堂々入場した煉と煉の眷属たち。そして、煉はサイラオーグに指を指して叫ぶとサイラオーグは不敵な笑みを浮かばせる。
「正直嬉しい。貴様とはゲームは出来ないと思っていたからな。望むところだ!」
「「「「「わぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああぁぁぁっ!」」」」」
再び鳴り響く歓声のなか、リアスたちは観客席で全員頭を抱えていた。
「どうして・・・こうなったのかしら?」
リアスは頭を抱えながらつぶやく。そう、あれはつい六時間前のことだった.......。
本来なら今日はサイラオーグとリアスのレーティングゲームのはずで、待機部屋にリアスたちはいたのだが、突然、煉とサーゼクスが現れてサーゼクスがリアスたちに告げた。
「リアス、すまないが今日のゲームは急遽変更でレンくんたちが出ることになった」
あまりの唐突なサーゼクスの言葉にリアスたちは唖然とするが
「お兄さま!それはどういうことですか!?」
リアスはサーゼクスに迫るように問うと煉がサーゼクスの前に出る。
「俺が説明する。リアス、本来なら俺とサイラオーグが先にゲームをするはずだったのはわかるよな?」
「ええ、でもあなたは重体という理由で上の悪魔たちにサイラオーグとのゲームは棄権となったはずよ」
「ああ、だが、俺の体は治った。後は上の奴らが許可すれば俺たちはゲームに出れる。だから、俺はちょっと話をしたらサイラオーグとのゲームをしてもいいと許可を取ってきた。ほら、これが証拠」
煉の懐から一枚の紙をリアスに見せるとリアスはそれを奪うように取って確認する。
「・・・・本当だわ。でも、どうやって、これを・・・?」
怪訝そうな表情で煉に訊くリアス。すると、煉は笑みを浮かばせながらリアスたちに教えた。
「人間でも悪魔でも悪い事は出来ねえな。もし、それがバレそうになったらある程度のお願いはきいてくれるからな」
クククと笑う煉。一誠が小さい声で「・・・それって脅迫じゃあ」などと言うが煉の耳には届かず。
「そんなわけで、今日は俺とサイラオーグのゲームでも見学でもしててくれ。それじゃあ、俺は別の待機部屋でえ皆を待たせているから、これで」
そう言って煉はリアスたちのいる待機部屋から出て行く。そして、残されたリアスたちはもうため息も出なかった。
「甘かったわ、レンなら例え不可能でも可能にしてしまうという認識が・・・・・。でも、上の悪魔の人たちに脅迫までするなんて・・・・・。はぁ」
ぼやきながら嘆息するリアス。
「部長、レンの非常識は今に始まったわけじゃないんですから、もう諦めてサイラオーグさんとレンのゲームを見て俺たちとゲームするときの対策でも考えてましょう」
もう悟ったかのように言う一誠。それを聞いたリアスはもう一度ため息を吐き。一誠に言う。
「そうね、その通りだわ。どちらも手の内がわからないのだから、このゲームをしっかり見てレンやサイラオーグとゲームするときの参考にさせてもらいましょう。皆!しっかりとこのゲームを見て参考にしなさい!」
『はい!』
一誠たちは返事をすると、ゲームの説明が始まった。
『本日行われるレーティングゲームは五対五のチーム戦!お互いの眷属を一人ずつ出し合って先に三勝したほうが勝者となります!ですが、例え、両者のうちどちらかが、先に三勝したとしても最後で戦う『
『なるほど、ところで今回のゲームではフェニックスの涙は支給されるのかい?』
実況者の隣に座っているアザゼルが、そう訊く。
『いいえ!特別ゲストのアザゼル総督!今回のゲームではフェニックスの涙の支給は出来ないそうです!』
「今回のレンとサイラオーグさんたちのゲームではフェニックスの涙は支給されないんですね」
「まあ、仕方ないわね。
一誠の言葉にリアスが説明するように話す。そして、説明をまとめると
・基本は五対五のチーム戦
・フェニックスの涙は支給されない
・両者の『
・出る順番を決める時間は五分
・時間制限は無し
・
・フィールドは実況者が持っているダイスで決まる
・例え、眷属同士のゲームで先に三勝したとしてもゲームは最後まで行い、最終的には『
・煉 ヴィクトル眷属にハンデはサイラオーグが無しにするように言ってきた為、煉 ヴィクトルたちのハンデはなくなった
『これより、サイラオーグ・バアルチームと煉 ヴィクトルチームのレーティングゲームを開始します!ゲームスタート!』
開始を告げる音と共に、観客の声援が会場中に響き渡った。
『それでは、両陣最初に出す眷属を決めてください!』
実況者の言葉に従い、煉たちとサイラオーグたちは出場者を考える。そして、
『さあ、両陣営最初に出す眷属は誰なのか!?まずは、ヴィクトル眷属から登場です!』
西側のフィールドから魔方陣が現れそこから出てきたのは両腕に包帯を巻き、太ももにナイフを収め、黒髪で灰色の瞳をした煉の『
『おおっと!ヴィクトル眷属の最初の選手はシトリー戦のときに活躍したヴィクトル眷属の
実況が紹介する前に、甲冑騎士が馬を歩かせて出てくる。
「私は主君サイラオーグ・バアルさまに仕える「
「・・・・・ヴィクトル眷属の
ベルーガの名乗り出にサイトも応える。
『アザゼル総督、あの青白い炎に包まれた馬のことですが』
実況がアザゼルに振る。
『「
アザゼルが解説すると、実況がフィールドを決まるダイスを振るとフィールドが砂漠となった。
『戦っていただくフィールドは砂漠フィールド!これは機動力を命とする
実況がそう言うなか、アザゼルが言う。
『いや、これはレンの
『どういうことでしょうか!?アザゼル総督!』
『まあ、見ていればわかりますよ。そろそろ始めたらどうでしょう?』
『そうでした!では、第一試合、開始してください!』
そして、バアル対煉のレーティングゲームが始まった。開幕と同時、ベルーガはランスをかまえ、サイトはナイフを自分の手の平に刺して血を出し、刃へと変化させる。
「私とアルトブラウの速度が貴殿に届くか勝負ッ!』
ヒヒィィィィンッ!
アルトブラウが鳴くと同時動きだす。それを見てサイトも動き出すが、お互いに砂漠に足を取られて思ったようには速く動くことは出来ないが、それでもお互い消えるように動き出した。
ギィイインッ!ギィンッ!
鳴り響く金属音に近い音。サイトは血液中にある血小板を使い血液を凝固させ固めていたが、ベルーガのランスに対応していたが、ある変化が突然、サイトを襲う。
「そこだ!」
ベルーガのランスをサイトは血液の盾で防ごうとするが
「っ!?」
ベルーガのランスはサイトの血液の盾を貫き、サイトの横腹にかすった。
『こ、これはどういうことでしょう!?今、私の目にはベルーガ・フールカス選手のランスがサイト・クウラ選手の盾を貫いたように見えましたが!?』
『それが、サイトの弱点ですよ。確かに自分の血液を武器にする彼女の神器は様々なものに変化させることは出来ますが、砂漠という高温のフィールドでは水分である血液は蒸発してしまう。例え、固めたとしても、砂漠という高温がそれを無くしてしまう。それだけじゃない、ただでさえ、暑い高温の砂漠にサイトは自分の足で動いているが、ベルーガは馬を使って移動しているため、体力の差は歴然。この試合、短期決戦で行かなければサイトに勝ち目はないでしょう』
アザゼルが細かく解説する。それを聞いた観客はサイトのほうを見ると血の刃が少しずつではあるが、蒸発し始め、息を上がり始めている。
『サイト・クウラ選手にとっては最悪のフィールド!さあ、サイト・クウラ選手はこれをどう乗り切るのか!?もしくはこのままやられてしまうのか!?』
実況がそう叫ぶなか、観客の何人かはサイトの負けだと考え始めていた。だが
『サイト』
煉は通信用イヤホンでサイトにこう言う。
『勝てるか?』
「・・・勝ちます」
煉の問いにサイトは即答する。それを聞いた煉は
『じゃあ、勝ってこい』
それだけを言い、通信を切る。そして、再びサイトとベルーガはぶつかりあう。だが、ベルーガのランスさばきとアルトブラウのコンビネーションは抜群。サイトが馬を攻撃しようとしてもベルーガのランスがそれを防ぎ、ベルーガを攻撃しようとしてもアルトブラウがそれを許さなかった。
「はぁ・・・・はぁ・・・」
息が荒くなっていくサイトに対してさほど息切れをしていないベルーガとアルトブラウ。息を荒くしているサイトに対してもベルーガは容赦なく攻め続ける。
「くっ!」
何とか、ガードするサイト。だが、時間が経つにつれてサイトは不利になって行く一方。
『この勝負、私とアルトブラウのほうの勝利とさせていただく!』
もうサイトは限界だと思ったベルーガは一気にランスで攻撃を続ける。サイトも後退しつつそれを防ぐが、途中でベルーガのランスの攻撃を防ぎきれず、倒れてしまう。
『もらった!』
サイトが倒れたチャンスを逃さず、ベルーガはトドメをさそうとサイト目掛けてランスを突くが
ズザッ!
「ガハッ!?」
突然、ベルーガの体から血が噴き出すようにでてくる。それを見たリアスたちやアザゼル、観客たちは驚く。
「い、いったい・・・何が・・・?」
いったい何が起きたのかわからないベルーガ。すると、サイトは立ち上がりベルーガに言う。
「・・・・蒸発し、気化した私の血液を少しずつあなたは吸い込んでいた。そして、頃合いを見てあなたの内側からあなたの体内に入った私の血液で攻撃した」
『な、なんと!サイト・クウラ選手!不利と思われていた砂漠フィールドの暑さを利用した戦略!凄い!まさか、蒸発した血液を相手の体内に忍び込ませるとは!これは形勢逆転の勝利だ!』
実況が叫ぶと観客のほうから歓声があがる。すると、一定以上のダメージを負ったベルーガは光に包まれリタイヤしていく。
「・・・見事だ」
ベルーガはそれだけを言い残すと光と共にフィールドから消えていった。
『サイラオーグ・バアル選手の「
その報告に観客は沸く。そして、サイトは魔方陣で煉たちのところに戻ると、煉にいきなり抱きしめられる。
「お帰り、よくやってくれたな。」
「・・・・・・はい」
煉の言葉にサイトは嬉しそうに返事をする。そして、ウラルたちからもよくやったと言われるとサイトは照れたのか頬を赤くしていた。
「さあ、次も勝つぞ!」
『はい!』
煉の言葉に全員は気合を入れる。
『初戦を制したのはヴィクトル眷属!さすがは今まで数人で勝ち残った眷属!だが、しかし、次の試合ではどうなるのでしょうか!?それでは、次の選手!今度は両陣営い一緒に出て来てください!』
観客を煽りながら言う実況者。そして、次の魔方陣で出てきたのは
『第二試合、サイラオーグ・バアル眷属からは「
「うっわ~、大きいっすね」
呑気にバラムの巨体を見ていたのは
『ヴィクトル眷属からは「
実況はダイスを振り次なるフィールドを決める。そして、フィールドは荒れ地へと変わる。
『次なるフィールドは荒れ地フィールド!それでは第二試合、始めてください!』
ガンドマ対鬼姫との第二試合が始まった。