『それでは第二試合、初めてください!』
「・・・・ぬんっ!」
バアル眷属対ヴィクトル眷属の第二試合、サイラオーグの
「よっと!」
しかし、鬼姫はその攻撃を躱す。だが、バラムは鬼姫に懐に入られないように攻撃を続けているせいで、鬼姫は避けることに専念する。
「・・・・これは、なかなか懐に入れないっすね」
鬼姫はぼやきながらバラムの攻撃を躱していく。それを見ていた木場が、ある疑問を感じていた。
「ねえ、イッセーくん。何かおかしくないかな?」
「え?俺には鬼姫ちゃんが、バラムの攻撃を躱しているようにしか見えないけど・・・」
木場の疑問に一誠はわからなかった。すると、木場が鬼姫に指を指して言う。
「鬼姫ちゃんの動きなんだが、遊んでいるように見えないかい?」
木場にそう言われ一誠は鬼姫の動きを集中して見ると
「・・・・本当だ。顔もなんだが、楽しいそうに笑っていやがる。でも、ただヴァーリたちと同じちょっとした戦闘狂かもしれねえぞ?」
一誠の言うとおりかもしれないと思った木場だが、それでもどこか納得がいかなかった。
「・・・・そうかもしれないけど、部長はどう思いますか?」
木場に訊かれリアスは考えると
「イッセーの言うとおり、彼女は少し戦闘狂かもしれないけど、もしかしたら何かを隠しているかもしれないわね」
「隠しているって、もしかして神器ですか?」
「それは、まだわからないわ。・・・・そう言えば前にレンが話してくれたわね」
「レンが、何を話したんですか?」
一誠が気になってリアスに訊くとリアスは指を二本立てて言う。
「前に私が、レンにどうしてサイトや徹くん、鬼姫ちゃんを別の家で住まわせているのかと訊いたことがあるの。レンなら全員、俺の家に来い!とでも言いそうじゃない」
「「確かに」」
一誠と木場が声を揃えて言う。
「それをしなかったのは理由は二つあるそうなの。一つは徹くんの力の制御をコントロールするためにサイトや鬼姫ちゃんがついているみたいなのだけど、万が一暴走したら大変になるからだそうよ」
「ぼ、暴走って徹くんのあの力ってそんなにヤバいんすか?確かに、いかにも凶暴そうではありますが、でも、それなら余計にレンたちと一緒にいたほうがいいんじゃないんですか?」
一誠の言葉に木場も頷くが、リアスはレンに話してくれたことを一誠たちに話す。
「レンの話によると、実は一回だけ、徹くんの力が暴走したとき一定のダメージを与えると力が外に散らせることで元の人間の姿に戻るそうなの。それが、出来るのは、レンと封印の力を持つウラルとレスティナ、そして」
リアスは戦っている鬼姫を指して言う。
「あの子だけって言っていたわ」
リアスの言葉に一誠は生唾を飲み込んで言う。
「じゃあ、鬼姫ちゃんってレン並みの攻撃力を持っているということですか?」
「そう考えるのが妥当ね。でも、どうして笑っているのかはわからないわ」
「ああ、それはな、リアス。ただ、単に鬼姫は戦いだろうが、なんだろうが、楽しいから笑ってんだ」
「そうなの。・・・・・・・って!どうしてあなたがここにいるの!?レン!」
いつのまにか、リアスの隣に座っていた煉にリアスたちは驚く。だが、煉は平然と言う。
「いや、何か、考えているなと思ってな。瞬間移動して来た。さっきの質問だが、実は鬼姫はある秘境に一人で住んでいたんだ。そのとき、偶然俺たちと会ってな。俺と丸二日戦ってやっと眷属に出来たんだ。それで、初めての秘境以外の未知の世界が鬼姫にとって楽しみみたいなんだ。今もゲームを楽しんでいるんだよ」
煉が丁寧に説明しているが、全員目を見開いていた。そんななか一誠が口を開ける。
「レ、レンと丸二日、戦ったって、ウソだろ、あの非常識で当たり前な強さを持つ煉と丸二日戦ったなんて・・・・・ッ!?」
「・・・・そうだね、負けたとはいえ、非常識が常識のレンくんと丸二日戦えるなんて・・・」
「良し、お前ら、後で覚えとけよ」
煉は非常識で当然の言葉に煉は苛立ちを感じたが、突然、観客の歓声が上がった。
『おおっと!バラム選手の攻撃を躱し続けていた七実選手がとうとうバラム選手の極太の拳に直撃してしまった!?果たして大丈夫なのでしょうか!?解説のアザゼル総督はどう思いますか!?』
『恐らくもう立てないでしょう。
アザゼルの言葉に煉と煉の眷属以外の人たちは頷く。だが、アザゼルは笑みを浮かばせながら言う。
『だが、これはあくまで、普通の眷属の戦いだったらだ。今、あそこで戦っているのは俺がよく知っている非常識が当然のレンの眷属だ。ここで終わるわけがねえ。おい!結界にいるはずのそこの非常識!そうだろ!?』
アザゼルの言葉に観客が一斉に煉を見る。すると、煉はため息を吐きながら立ち上がり、鬼姫に叫ぶ。
「鬼姫!お前の全力をこの冥界に見せてやれ!」
『了解っす!!』
煉の声に鬼姫は一気に立ち上がる。
『な、なんと!バラム選手の攻撃が直撃したにもかかわらず、七実選手は何事もなかったかのように立ち上がった!!』
「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっ!!!」」」」」」
実況の声に観客が歓声をあげる。そんななか、鬼姫は肩を回してバラムに言う。
「凄い攻撃でしたっすよ。自分でなければやられていたと思うっす。でも、これで終わりっすよ」
鬼姫の体から電気が迸り始める。そして、鬼姫の赤い髪が黄色になり、体のあちこちに鱗みたいのが出てくる。
『あれは、もしや・・・・・ッ!?』
「急にどうしたんだ?ドライグ」
いきなり声を発したドライグに一誠は訊くと
『相棒、俺も今、気づいたがあの娘はドラゴンだ』
「ドラゴン!?」
ドライグの声に驚愕の声を出す一誠。すると、解説のアザゼルの気づいたのか観客全員に説明する。
『おいおい、あの雷は確か、
『アザゼル総督。
実況がアザゼルに訊くとアザゼルは答える。
『
『え?どういう意味ですか?完全なドラゴンでない?』
『それは、俺がお答えしよう!』
実況席にいきなり現れる煉に実況の人は小さな悲鳴をあげ、アザゼルは嘆息するが、煉に訊く。
『で、どういう意味なんだ?』
『鬼姫は
『はいっす!』
煉の言葉に応じるように鬼姫はバラムに突っ込む。
「・・・・・ぬぅぅぅんっ!」
だが、バラムはそれを許さないかのように全力で攻撃する。
ドゴォォォォォォォオオオオオオオオオンッッ!
バラムの全力の攻撃に荒れ地の大地が激しく揺れ、大地にヒビが出来る。だが
『あ、あああああああっっ!七実選手が消えたぁぁぁあああああああっっ!!』
実況が驚愕の声を上げるなか、アザゼルと煉が言う。
『『いや、上だよ』』
その言葉に実況や観客、一誠たちも全員、上を見上げる。すると、そこには体中に雷撃を纏った鬼姫の姿が
「さあ、これで、終わりっすよ!」
鬼姫は体に纏っている雷を右腕に収束させる。そして、そのままバラムに目掛けて落ちながらトドメの言葉を叫ぶ。
「降雷撃ッッ!!」
ドゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!
激しい音と同時、鬼姫の攻撃に直撃したバラムはその場に倒れて行く。そして、鬼姫は満面な笑みを浮かばせて言う。
「どうっすか!?兄貴!」
『ああ、お疲れさん』
労いの言葉を言う煉。そして、バラムが光に包まれていくのを確認した実況が言う。
『第二試合、決着!勝者、七実選手・・・・あれ?』
鬼姫の勝利宣言をしようとした実況の言葉が止まった。なぜなら、勝ったはずの鬼姫も倒れているからだ。そして、バラムと一緒に光に包まれていった。
『サイラオーグ・バラム選手の『
そして、流れる両者のリタイヤ宣言。観客やアザゼルたちは唖然としているなか、煉だけがため息をしていた。
『あー、あのバカ。力の使い過ぎだ。何回言ったらわかるんだ・・・』
『あ、あの、ヴィクトル選手。それはどういう意味でしょう?』
実況が煉に訊くと煉は観客全員にも聞こえるように答える。
『鬼姫は
『えっと、ということは・・・』
『引き分けだな』
『そうなるな』
アザゼルの言葉に煉は同意する。そして、実況が言う。
『第二試合、両者引き分け!これで、ヴィクトル選手が一勝一分け!サイラオーグ選手が一敗一分けになります!それでは第三試合の選手を選んでください!ヴィクトル選手は速く戻ってください』
『ほいほーい』
実況に言われ、自分の眷属たちがいるところに瞬間移動する。そして、五分経過......。
『さあ、時間になりました!これより第三試合の選手の入場です!』
実況の言葉と同時、魔方陣から出てきたのは.....。
『サイラオーグ・バアル選手からは
実況がダイスを振るとフィールドが、森ように変わった。
『今回のフィールドは森林フィールド!さぁ、それでは第三試合、始めてください!』
そして、第三試合が始まった。