ゼノヴィアとあずみの試合、ゼノヴィアの奮闘によりあずみと何とか引き分けになり、イッセーたちはゼノビアとアーシアを失ったが、煉はあずみ、雫、ウラルの三人をリタイヤし、煉たちは残り三人に対して、一誠たちは四人。数だけで言えば一誠たちが優位だが、一誠たちは微塵の油断も出来なかった。
「ゼノヴィア、アーシア・・・・」
一誠は拳を強く握りしめていた。ゲームだとわかっていても、それでも仲間想いの一誠にとっては仲間が倒れていくことに我慢できなかった。怒りで身を震わせている一誠の肩をロスヴァイセは叩いた。
「イッセーくん。人一倍仲間想いもあなたに怒りを我慢するのは無理かもしれませんが、その怒りはレンくんと戦うときまで我慢してください」
「そうですわ。私たちが勝つためにはイッセーくんの力は必要不可欠。今はまだ力を溜めこんでいてくださいね」
ロスヴァイセに続き、朱乃が一誠に言うとギャスパーが一誠の制服を引っ張る。
「イッセー先輩、僕も悔しいです。ゲームとはいえ、部長さんがやられ、小猫ちゃんもやられて何も出来ない自分が悔しいです。だから・・・僕も頑張ってレン先輩たちと戦います!ですので、イッセー先輩もレン先輩に勝ってください!」
「ギャスパー・・・・」
一誠は三人の言葉を聞いて握りしめていた拳の力を緩める。そして、大きく深呼吸して落ち着きを取り戻すと、一誠はギャスパーの頭を撫でる。
「ありがとな、ギャスパー。もう大丈夫だ。朱乃さんもロスヴァイセさんもありがとうございます」
一誠は視線を朱乃とロスヴァイセに向け、礼を言う。
「うふふ、いいのですよ。それより、そろそろ次の対戦カードが発表しますわ」
朱乃の言葉に一誠たちは視線をモニターに向けると
リアス・グレモリー眷属 煉 ヴィクトル眷属
『
『
『
以上、グレモリーチーム三名、ヴィクトルチーム二名が出場します。
「・・・・とうとう出番ですね」
「ええ、相手はレスティナさんと香歩さん。香歩さんは魔力の具現化を得意とし、レスティナさんは精霊魔法を使う私やリアス、ロスヴァイセさんと同じ、ウィザードタイプ」
さっそく、レスティナと香歩を分析し始める二人。そんななか、ギャスパーが一誠にある物を渡す。
「イッセー先輩はこれを持っていてください」
ギャスパーが一誠に渡したのはフェニックスの涙だった。
「レン先輩を相手にするなら僕たちよりイッセー先輩が持っていたほうがいいはずです。それにレン先輩たちもまだ使っていません。もしかしたらレン先輩が使う可能性もあります。ですからこれはイッセー先輩が使ってください」
ギャスパーの言葉を聞いた一誠は朱乃とロスヴァイセのほうに視線を向けると二人は微笑みながら頷く。それを見た一誠はフェニックスの涙を受け取る。
「わかった。ギャスパー、朱乃さん、ロスヴァイセさん。気をつけて」
一誠の言葉に三人は笑みを浮かばせながら頷き魔方陣でジャンプしてフィールドへと転移すると、フィールドにはすでにレスティナと香歩がいた。
「こうして戦うのは初めてね。三人ともよろしくね」
「ええ、こちらこそ、よろしくお願いしますわ」
レスティナの言葉を朱乃は丁寧に返す。
『現在、リアスさまのチームは四人、煉さまのチームが三人!人数的にはリアスさまが優位に進んでいるように見えますが、まだわかりません!ヴィクトル眷属の
実況は開始の合図を叫ぶ。合図と同時、ロスヴァイセは幾重にも及ぶ魔方陣を展開する。
「いきなりですが、フルバースト!喰らいなさい!」
炎、氷、雷、風の属性魔法をいきなりレスティナたちに放つロスヴァイセ。
「いきなりとは予測していなかったけど、甘いわ!」
レスティナは土系統の精霊魔法で何重にも及ぶ土の壁を作る。
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!
ロスヴァイセのフルバーストの攻撃は土の壁によって防がれ、土の壁は崩れていくと同時、香歩が前進する。そして、香歩は両手には魔力で具現化した白色の刀を握られていた。
「行きます!プロモーション『
香歩は
「僕も負けてはいません!」
ギャスパーは全身をコウモリへと変化して、香歩にまとわりつくと香歩はギャスパーにせいで動きを封じられてしまった。
「あらあら、ギャスパーくん。避けてください」
悪魔の翼を広げて上空に飛んでいる朱乃の手には雷光を纏っていた。そして、ギャスパーは朱乃の指示通りにすぐに香歩から離れると同時、朱乃は香歩に向かって雷光を放つ。
「風の精霊たちよ!汝らに命ずる!我が仲間に風の加護を与えよ!」
レスティナが言霊を唱えると香歩の体に風がまとわりつく。すると、香歩は先程よりあきらかに違う速さで朱乃の雷光を避ける。
「ありがとうございます!レスティナさん!」
「お礼はいいから風の加護の力であなたの速さは格段に上がったわ!今の内に!」
「はい!」
香歩は風の加護を纏いながら更にロスヴァイセとギャスパーたちの所まで突っ込む。
「なるほど、近距離戦闘を苦手とする私たちの弱点をつくつもりですね。でも、それは想定内です!ギャスパーくん!」
「はい!」
ギャスパーは懐から一誠の血が入った小瓶を取り出して一気に飲み干す。すると、ギャスパーはコウモリになり、香歩を囲み、動きを封じようとするが
「それはこちらも想定内よ!火の精霊よ水の精霊よ!」
レスティナは両手に別々の精霊魔法を発動させる。右手には火を、左手には水をそれぞれ発動させると、それをぶつけ合わせて大量の蒸気を生み出すとその蒸気は圧倒いう間にフィールドを覆う。
「ギャスパーくんの神器は見たものの時間を停める。なら、こうすれば、目の前に現れるまで何も見えないわ」
「雷光よッ!」
朱乃は今度はレスティナに雷光を放つが、レスティナはロスヴァイセと同じように土の壁を作って雷光を防ぐ。
「あなたの雷光を一撃でも喰らえばリタイヤは必然。でも、まずは、ロスヴァイセさんとギャスパーくんを倒させてもらうわ!香歩!私が朱乃を引き付けておくからロスヴァイセたちを倒して!」
「はい!まかせてください!」
レスティナは朱乃に攻撃しながら叫ぶと香歩は蒸気の中で返事をする。
「しかし、これほどの蒸気なら私たちの動きがわからないはず!」
「それは間違いでございますよ!ロスヴァイセさま!」
「なっ!?」
蒸気の中からいきなり目の前に現れる香歩に驚愕するロスヴァイセ。
ザシュ!
「くっ!」
何とか香歩の一撃を躱したが、香歩の一太刀を腕にかすった。香歩はまたすぐに蒸気の中へと姿を消す。
「大丈夫ですか!?ロスヴァイセさん!」
「はい、これぐらいなんともありません!」
心配してくれるギャスパーにロスヴァイセも無事だと伝えると、ロスヴァイセは剣をかまえる。
香歩さんはいったいどうやって私の居場所を・・・・?まずはこの蒸気を吹き飛ばしたほうがいいですね。
ロスヴァイセは蒸気を吹き飛ばすため、魔方陣を展開するが
「させません!」
「くっ!」
ロスヴァイセのフルバーストを止めるために香歩はもう一度、ロスヴァイセの足を斬った。
「どんな攻撃をしようが、精密な魔力探知の出来る私にはどんな魔法を発動する前に止めてみせます。次で終わりです」
香歩は再び蒸気の中へと姿をくらませる。
魔力探知・・・・。それで、私の居場所がわかったんですね。
ロスヴァイセは納得と同時に次の手を考える。そして、あることに思いついた。
何も、動きはない。なら、一気に決める!
香歩は魔力探知でロスヴァイセの動きを読み一気にトドメをさしに行く。
「これで、終わりです!」
蒸気から現れた香歩の刀が、ロスヴァイセを斬ろうとした瞬間。突然、香歩の動きが止まった。
「な・・・なに?」
いきなり体が動かなくなくなった香歩は驚愕する。
「ギャスパーくん、お手柄です」
「はい!」
香歩の後ろからギャスパーの声。それを聞いた香歩はすぐに理解できた。自分の影が自分を掴まえているということに
「ギャスパーくんの吸血鬼の力ですか・・・・」
「そうです。これなら姿が見えないでも対応出来ます。先にギャスパーくんを倒さなかったのが、あなたの敗因です」
ロスヴァイセは複数の魔方陣を展開する。
「この蒸気ごと喰らいなさい!フルバースト!」
チュドドドドドドドドドドドドォォォォォォォォオオオオオオンッ!
ロスヴァイセのフルバーストは蒸気ごと香歩を吹き飛ばしたが
「うっ・・・・危なかった」
香歩は満身創痍になりながらもなんとか立ち上がることは出来た。咄嗟に魔力を縦に具現化したのと、レスティナの風の精霊の加護があったにも関わらずあまりの威力にふっ飛ばされてしまった。
「香歩!」
「隙ありですわ!」
香歩に気を逸らしてしまったレスティナに朱乃は雷光を放つ。だが、
「そんな隙、私にはないわよ!」
レスティナは土の壁で防ごうとしたが、体が停止して動けなくなった。
ギャスパーくんの神器の力!まずい!
ドガがガガガアガガガガガガガガアガガッ!
朱乃の雷光がレスティナに降り注いだ。どんな相手でも悪魔にとって光は猛毒。例え、それが、妖精から転生したレスティナでもそれは同じ。だが、雷光を喰らったのはレスティナじゃなかった。
「か・・・・香歩」
雷光を喰らったのは天城香歩だった。香歩は魔力探知のおかげで一瞬早く動くことが出来た。そのおかげで動けないレスティナをギリギリで庇うことが出来た。そして、香歩は光に包まれ始める。
「レスティナさん・・・あとはお願いしますね・・・」
香歩はそう言い残して光に包まれていった。
『煉 ヴィクトル選手の「
香歩のリタイヤのアナウンス。レスティナはそれを聞くと瞑目する。
ごめんなさい、香歩。私のせいの甘さのせいであなたをリタイヤさせてしまって。だから、
レスティナは瞑目を止め、ゆっくりと目を開ける。
「私はこの戦いに絶対に勝ってみせる!」
そう宣言すると、レスティナの体からとんでもない量のオーラを放出される。それに驚く朱乃たちだが、レスティナは言霊を唱える。
「全ての精霊たちよ。我は汝らに命ずる。我が身に宿り、我が命令に従え。我、全ての精霊たちを統べる女王なり!」
言霊が終わるとレスティナから生じる力の余波が朱乃たちを襲う。そして、レスティナに視線を向けると、そこには先程までと変わっていないレスティナがいた。何がどうなっているのかわからない朱乃たちにレスティナは口を開く。
「先に謝っておくわ、ごめんなさい。今まで、本気を出さなくて」
「「「っ!?」」」
レスティナの言葉に朱乃たちは目を見開く。
私は殆ど本気で放っていた雷光をレスティナさんは手加減した状態で防いいたのですか?
少なからずショックを受ける朱乃。朱乃は始めから本気に近い状態で戦っているにも関わらず、相手は本気ではなかったことに朱乃はショックを受けていた。
「でも、認めるわ。あなたたちは私が本気を出せる人達と。始める前に一つ忠告してあげる。一瞬たりとも油断はしないほうが良いわよ」
ザク!
「え・・・」
誰もが、驚いた。それは本当に一瞬だった。誰もが気づく間もなくレスティナは土の刃をギャスパーの腹に深々く刺さっていた。
「え・・・・・これ、僕の血?」
自分の腹に刺さっている土の刃と血を見てようやく理解出来たギャスパー。だが、すぐにギャスパーは光に包まれていった。
『リアス・グレモリー選手の「
ギャスパーのリタイヤのアナウンスが流れる。そのアナウンスのおかげで意識を取り戻した朱乃とロスヴァイセはすぐに攻撃を開始した。
「雷光よッ!」
「フルバースト!」
朱乃は空からロスヴァイセは正面からレスティナに得意の攻撃をするが、
「天雷よ、雷光を撃ち抜け。炎よ魔法を焼き払え」
レスティナは魔方陣を展開しないままそう呟くと、雨雲から降り注ぐ天雷が雷光を撃ち抜き、炎はロスヴァイセのフルバーストを燃やした。それに驚く朱乃とロスヴァイセだが、驚いている暇もなかった。
「大地よ、動きよ封じよ。風よ、全てを切り刻め」
「っ!?」
気が付いたらロスヴァイセの足は地面に埋まっていた。そして、正面から風の斬撃が襲ってくるが、ロスヴァイセは相殺しようともう一度フルバーストを放つが、風はロスヴァイセのフルバーストを難なく斬り裂きロスヴァイセに直撃する。
『リアス・グレモリー選手の「
そして流れるロスヴァイセのリタイヤのアナウンス。だが、朱乃はレスティナの周りに雷光を走る
「天雷よ」
雨雲から天雷がまるで意思のあるかのように雷光を破壊した。
「甘いね、この程度の力では今の私には勝てないわよ」
レスティナが、朱乃に言うと朱乃は息切れしながらレスティナに訊く。
「いったい、どういった魔法なんですか?それは。魔方陣もなしでそれだけ強大な力を生み出せるなんて」
「そもそも、精霊とは自然のエネルギーと同じ。火の精霊には火のエネルギーのようにそれぞれの力を宿し、精霊と契約することによりその力を借りることが出来る。でも、私は違う。今の私は精霊たちを直接体の中に宿し、その力を使っている。つまり」
レスティナは手に天雷を纏わせ
「今の私にとって全ての自然は私の力でしかない!天雷よ!貫け!」
レスティナの手から天雷が放たれる。朱乃も最後の力を振り絞り、雷光を放つが、天雷は雷光をも貫き朱乃に直撃した。
「・・・・ごめんなさい・・・イッセーくん、リアス」
『リアス・グレモリー選手の「
朱乃のリタイヤのアナウンス。そして、リアスの眷属の中で後、唯一残っているのは一誠だけ。それに対して煉とレスティナとの強敵を一誠は倒さなければ一誠たちに勝利はない。
「さぁ、イッセー。俺とレスティナ相手にどう戦うか。楽しみだぜ」
煉は嬉しそうな表情で笑っていた。