強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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悪魔の仕事2

「今日はここであずみが仕事をすることになっている」

 

あずみの仕事を見る為に今日煉たちが来たところは豪邸だった。

 

「レ・・・レン。いったいあずみはここでどんな仕事をしてんだ?」

 

「も、もしかして、このお屋敷の人のボディガードでしょうか?」

 

驚きながら煉に訊く一誠とアーシアに煉は笑みを浮かばせながら答える。

 

「暗殺」

 

その言葉に口をぱくぱくする一誠とアーシア。あずみが忍の一族ということを知っている二人は本当にそう思ったようだが、煉はすぐに訂正する。

 

「んなわけねえだろ。あずみの仕事は力を失った貴族や王族の秘宝を取り返して正式な持ち主へと返すことだ。例えば独裁政権に加担し、国を売った奴、そういう奴に盗まれた宝などを正式な持ち主へと返したりする。奪還が基本的なあずみの仕事だ」

 

「な、なんか、俺たちとは違う仕事をしてんだな。レンたちは」

 

「適材適所だ。俺たちは自分にとって一番合う仕事を選んでいるだけだ。香歩や雫と違ってあずみの仕事はたまにしか来ねえがその分の収入もいい。サイトはあそこだけじゃなく他のところから多めに報酬を貰ってるからそれで誤魔化している」

 

「な、なるほど、だから、リンゴ一個で済ませたのか」

 

サイトの報酬のつり合いに不自然を感じた一誠はそれで納得すると

 

「主。それにイッセー殿もアーシア殿も」

 

「おわっ!?」

 

「きゃ!」

 

いきなり二人の背後から現れたあずみに驚くがあずみは特に気にせず持ってきた宝を煉に見せる。

 

「主、これが今回盗まれた王族の秘宝です。私はこれからこれを正統な持ち主へと返して参ります」

 

「わかった、報告ご苦労。お疲れさん」

 

労いの言葉を送る煉にあずみは「いいえ」と当然のごとき言い魔方陣で契約者のところへジャンプしようとした時

 

「ところで、逃げたほうがよろしいかと。今回はガードが堅く少々無理してしまった為、今頃この宝がなくなったことに気づいていると思うます。ご武運を」

 

「「「え?」」」

 

それだけを言って魔方陣へジャンプするあずみ。その瞬間銃声と共に一誠の髪が数本宙を舞った。

 

「いたぞ!あそこだ!」

 

「捕まえて秘宝を取り返せ!」

 

銃を連射しながらこちらに来るガードたちや雇われた殺し屋たちを見た一誠や煉はお互いの顔を見て頷き合い。

 

「「逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおっっ!」」

 

煉はアーシアを抱えて一誠と一緒に走り出す。

 

「イッセー!囮作戦だ!」

 

「囮!?」

 

一誠が訊き返しながら煉のほうに視線を向けるとそこには煉の足が一誠に向かっていた。

 

「お大事に!」

 

「うごっ!?」

 

煉は一誠を蹴飛ばして走り続ける。そして、煉に蹴られたことでバランスを失った一誠はその場で倒れ

 

「レン!?てめえ、何しやがる!?うおっ!」

 

銃弾が頭にかすり、一誠は後ろを振り返ると憤怒の表情で追いかけてくるガードや殺し屋たちを見て一誠は

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!レーーーーーーーーン!絶対許さねえぞぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

叫びながら命がけで逃げ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、無事イッセーも逃げられたことだし、次はウラルのところにでも行こうか」

 

無事逃げ切れた煉たちは次にウラルのところへ行こうとするとき

 

「・・・・・レン、お前、俺に何か言うことがあるんじゃないか?」

 

「細かいことは気にするな。そんなんじゃモテねえぞ」

 

煉の言葉を一誠は憤慨で返す。

 

「よくも俺を蹴飛ばしやがったな!もう少しで死ぬところだったんだぞ!頭や体に銃弾がかするたび何度、走馬灯を見たことか!」

 

「そりゃ、いい経験したな。それじゃ次に行くぞ」

 

「その前に一発殴らせろ!」

 

一誠は煉を殴ろうとしたが、それは叶わず、逆に煉の拳が一誠の顔面に直撃してアーシアに治してもらい次の場所へと向かった。

 

「ここがウラルが契約しているところだ」

 

「ここは・・・・保育園」

 

煉たちがたどり着いたところは煉たちが住んでいる町の保育園だった。中を覗くと

 

「ウラルせんせい。絵本よんで~」

 

「だめー、せんせいは私とあそぶのー」

 

「はいはーい。順番ね~。皆ちゃんと遊んであげるから、ケンカしちゃダメだよ~」

 

『はーい!』

 

ウラルの言葉に子供たちは元気一杯に返事をする。ウラルは子供たちを集めて絵本を読み始める。

 

「ウラルさんって保母さんをしてんだな。なんか、スゲー合ってる」

 

「はい!子供たちもとても楽しそうです!」

 

一誠とアーシアは楽しそうに子供たちを遊んでいるのを微笑みながら見ていた。

 

「ここ、子供たちの人数に比べて保母さんが少ないんだよ。だからウラルはここで契約してほぼ毎日ここで保母さんをしてんだ。ウラル自身も子供とか大好きだから本当に合ってると俺も思う。だがな、一つ問題があってな・・・・」

 

「問題?あんなに子供たちと仲がいいのにか?」

 

一誠はウラルたちを指しながら煉に訊くと煉は頭を掻きながらため息を吐く。

 

「まあ、見てな」

 

怪訝そうにしながらも一誠たちはウラルたちを見る。ウラルは最初の子供に頼まれた絵本を読み始める。

 

「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」

 

どうやら桃太郎みたいだな。内容も同じみてえだし。

 

一誠は首を傾げて怪訝そうにすると話は進んだ。

 

「おばあさんが川で洗濯をしているとどんぶらこどんぶらこと卵が流れてきました」

 

ん?

 

自分の知っている桃太郎と違うことに気づきながらも話を聞くと

 

「おばあさんは卵を持って帰ってたとき、中から生まれたのはドラゴンの赤ちゃんでした。おじいさんはドラゴンの赤ちゃんを乳太郎と名付けおばあさんと一緒に育てていきました」

 

・・・・・・・・。

 

「乳太郎は大きくなるにつれ、おっぱいが大好きになっていきました。それはもう村の若い女の子を困らせるほどに。しかし、誰も乳太郎を怒りませんでした。それは乳太郎は皆のためにいつも一生懸命だからです」

 

一誠は目を凝らして絵本の表紙を凝視するとタイトルが桃太郎ではなく乳太郎になっていた。そして、さらによく見ると端のほうに作者アザゼルと書かれていた。

 

「乳太郎は村と一緒に暮らしている時魔王が若い女の子を攫っていきました。それに怒った乳太郎は村の女の子を助けるために魔王城へと向かう旅に出ました。そして、おばあさんとおじいさんから貰ったおっぱい団子を鳥と猫と犬にあげて仲間を増やしいざ、魔王城へ。     続く」

 

「え~、つづきがきになるよ~」

 

「せんせいー、ちちたろうはどうなったの~?」

 

子供たちが続きが気になることに軽くブーイングするが

 

「大丈夫だよ~。次には続きは明日読んであげるから。それじゃあ、今度は皆で遊ぼうか」

 

『はーい!』

 

子供たちは返事と一緒にウラルのところに集まってわいわいと遊び始める。そんななか一誠はもう何にツッコミを入ればいいのかわからなくなっていた。

 

「・・・・ウラルは冥界で気に入った絵本を持って来てここで読んでるんだよ。内容は今みたいな感じだ。それが子供たちに悪い影響にならなきゃいいんだがな」

 

「・・・・・・俺もそう思う。つーか、アザゼル先生はいったい何を書いてるんだよ!?」

 

この場にはいないアザゼルにツッコム一誠。アーシアにいたっては苦笑しかなかった。

 

「まあ、ウラルはたまに俺の付き添いで魔物の封印をしたりする。それじゃ、最後は俺だな」

 

「ありがとうございました!帰ろう、アーシア!」

 

「待てよ」

 

速攻で煉に礼を言ってアーシアと共に立ち去ろうとする一誠を煉は止める。

 

「嫌だよ!離せよ!どうせ、ろくでもねえやつばっかなんだろう!?魔物退治や呪われたものを何とかしたりとか!危険なことばっかりなんだろ!?」

 

危険なことをばっかりだと思っている一誠に煉は嘆息しながら言う。

 

「安心しな。今日、来てるのは安全なやつだけだ。それに日頃から魔物狩りばっかするとさすがに飽きるわ」

 

「・・・・じゃあ、何なんだよ?」

 

今だ疑問を解かない一誠に煉は笑みを浮かばせながら魔方陣でジャンプすると

 

「やあ、待っていたよ。義弟よ」

 

「サ、サーゼクスさまっ!」

 

魔方陣でジャンプしたところはグレモリー家だった。そして、目の前にはサーゼクスとその隣にグレイフィアとその二人の子供ミリキャスがいた。

 

「サーゼクス。それじゃあいつもどおりでいいんだな?」

 

「ああ、よろしく頼むよ。ミリキャス」

 

サーゼクスの言葉にミリキャスが前へ出て煉に頭を下げる。

 

「今日もよろしくお願いします!レン先生!」

 

「「先生ッ!?」」

 

一誠とアーシアがハモリながら思わず声を上げると煉は平然と言う。

 

「ああ、俺はミリキャスの実戦稽古の先生をやってんだ。お前らも見ときな」

 

それから広いトレーニングルームへ移動すると煉は白夜をかまえ禁手化(バランス・ブレイク)夜光の虚無(ナイリシュ・ニアン)にする。

 

「イッセーたちはそこで見学な。ミリキャス。遠慮はいらねえ。本気できな」

 

「はい!いきます!」

 

ミリキャスはその場を駆け出す。見慣れた煉はともかく一誠とアーシアはミリキャスの速さに驚いていた。ミリキャスはフェイントを入れながら手から魔力を発してそれを煉に目掛けて放つ。煉はそれを無にしようと魔力を斬ろうとしたとき

 

「っ!?」

 

斬る瞬間、魔力が分裂して複数の小さな球が煉に向かって行く。普通の魔力とは違ってミリキャスの放つ魔力はリアスやサーゼクスと同じ滅びの魔力。当たればただではすまないが、煉は一瞬で後方に下がり、今度こそ魔力を無にした。

 

「えい!」

 

ミリキャスが次に放ったのは散弾式の滅びの魔力。だが、その魔力は一つ一つ軌道を変える。それはサーゼクスの魔力操作のように。

 

「甘い!」

 

煉は魔力の軌道を見切り、一気に魔力を無にした。ミリキャスは今度は威力を上げようと魔力を手に集め始めようとするが

 

「遅い!」

 

煉は刀をミリキャスの首のところで寸止めする。そして、刀を消してミリキャスに言う。

 

「ミリキャス。相手が強敵のとき威力をあげようという気持ちはわかる。だが、お前はパワーよりサーゼクスと同じテクニックのほうに向いている。焦ってはダメだ」

 

「・・・はい」

 

煉の言葉にしょぼくれるミリキャス。煉はミリキャスの頭を撫でる。

 

「だが、最初の滅びの魔力を分裂させるのはよかった。それと散弾式の魔力を少しとはいえ、全部軌道を変えていた。成長したな。ミリキャス」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

満面な笑みを浮かばせながら煉に礼を言うミリキャス。それからミリキャスが倒れるまで煉はミリキャスをしごいたのであった。

 

「いや、いつもすまないね。レンくん」

 

「気にすんな。魔王と契約を結ぼうとする悪魔なんか俺だけだろうし。ミリキャスの修行の相手ぐらいなってやるよ」

 

「それでもだよ。あ、これが今回の報酬だよ」

 

煉はサーゼクスから一枚の小切手を貰い、一誠たちと一緒に人間界へジャンプする。

 

「それで、どうだった?俺たちの仕事は」

 

煉は見学していた一誠とアーシアに自分たちの仕事の感想を聞くと

 

「あ~、えっと、まぁ、なんというか・・・俺たちのとどう参考にすればいいのかわからなくなった」

 

「すみませんが、私もです」

 

普段から一誠たちがしている仕事と煉たちがしている仕事が違いすぎた為、結局のところ参考にならかった。

 

 

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