強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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光に憧れる闇

「肉体が消滅して魂を魔剣に食べさせたって・・・・ッ!?あなたはいったいどこまで非常識なの」

 

ジークフリートを倒した木場たちは煉の今までの経緯を聞いてリアスは呆れたかのように嘆息した。

 

「そう、褒めるな。アキレウスの聖剣が胸に刺さって肉体が消滅する瞬間、俺は魂を魔剣に喰わせたことでこうやって蘇ることが出来たんだから」

 

「でも、肉体は消滅しているのなら、どうやってその肉体を作ったんだい?見た目は前にキミと随分と変わったみたいだけど」

 

木場は煉の体を指し尋ねる。前までの煉の見た目は灰色の髪に赤い瞳だったのに今の煉の見た目は黒髪にところところ白が混ざり、瞳の色は左眼は紅く、右目は金色になっていた。

 

「ああ、略奪喰い(ラバード・イーター)のときに取り込んだ奴らの肉体を組み合わせ、魔神の力を使って肉体を形成させたんだ。どこか、おかしいとこあるか?」

 

「いいえ、問題ありませんわ。レンはレンなのですから。見た目なんて気にしませんわ」

 

笑みを浮かばせながら嬉しそうに後ろから煉に抱き着く朱乃に煉も安堵の息を漏らす。

 

「それを聞いて安心したぜ。それじゃ、俺は一足先に首都に向かうぜ。ウラルたちも心配しているだろうからな」

 

「ええ、私達もすぐに向かうわ。・・・・・・でも、その前に」

 

リアスはアーシアが大事そうに握っている一誠の駒に視線を向ける。煉は先程の経緯を聞いて生きていることはわかり、実際に蘇ったからいいが、まだ一誠が生きているかわからないからだ。だが、煉は笑みながらリアスたちに言う。

 

「安心しな、イッセーは生きてる。俺だってこうやって生き返ることが出来たんだ。ヒーローであるあいつが死ぬわけねえだろ」

 

それだけを言い残して煉は首都まで瞬間移動で移動するとそこには燃え上がる首都に進撃する巨大なモンスターたち。それを倒そうとする悪魔や天使、堕天使、それ以外にも協力体勢を取った者たちが必死にモンスターの歩みを止めようとしている。

 

「さてと、ひと暴れするか!」

 

煉は手に魔剣を握りしめ、首都、リリスを駆け巡ると前方に獅子を引きつれモンスターたちを素手で倒しているサイラオーグがいた。

 

「よお!サイラオーグ!」

 

「む・・・・・誰だ?」

 

「おいおい、拳で殴り合った同士に向ける最初の言葉がそれかよ」

 

ため息を吐きながら肩を落とす煉にサイラオーグはやっと誰だが理解することが出来た。

 

「煉 ヴィクトルか・・・・。やはり、生きていたんだな」

 

「たりめーだ。俺は誰にも殺されねえよ。それより、ウラルたち知らねえか?」

 

「ああ、ここより北西区画の方で見かけたぞ。早く行ってやるといい」

 

「サンキュー!これが終わったらケンカでもしようぜ!」

 

「ああ、望むところだ!」

 

煉とサイラオーグと短く会話を終えるとすぐに北西区画のほうへと向かうと三体の小型モンスターが煉に襲いかかってきたが

 

「うぜぇ!」

 

煉は一蹴してそのまま走る続けると

 

「うわあああああああああっ!」

 

逃げ遅れたであろう子供がモンスターに襲われそうになっていたが煉はすぐにモンスターを倒す。

 

「おう、大丈夫か?」

 

頭を抱え怯えている子供の頭を軽く叩くと子供は顔を上げ煉の顔を見ると満面な笑みをする。

 

「うわー、エロまおうだ!」

 

「おっ!よくわかったな」

 

あきらかに見た目が変わっている煉の姿を一発で見抜いた子供に感心する煉。すると子供は笑みを浮かばせたまま言う。

 

「わかるもん!ぼくエロまおうのことだいすきだもん!だって、かっこいいし、つよいし、ぼくのあこがれだもん!」

 

無垢な笑みで煉のことを褒める子供に煉は嬉しそうに頬を掻くと子供を背負い子供に言う。

 

「よっしゃ!見てろ!お前の大好きなエロ魔王がモンスターをぶっ倒すところを!」

 

「うん!」

 

それから煉は子供を背負いながらモンスターを次々と倒していき避難所へ到着すると

 

「アレイス!」

 

「ママ!」

 

避難所の入り口から煉が助けた子供、アレイスの下へ駆けつけ安堵の涙を流しながらアレイスを抱きしめる。

 

「よかった・・・・っ!無事で本当によかった・・・・」

 

「ママ!エロまおうがたすけてくれたんだよ!」

 

アレイスは煉を指して言うとアレイスの母親は何度も頭を下げる。

 

「本当に、本当にありがとうございます!」

 

「いいって。それじゃあ、俺はもう行きますね。アレイス」

 

煉は視線をアレイスに合わせ頭を撫でながら言う。

 

「大きくなったら全てを受け入れられるような器の大きい大人になるんだぞ」

 

「うん!ぼくがんばる!」

 

それを聞いた煉は満足そうに頷くともう一つ付き加えた。

 

「そして、俺のようにハーレムを作れ!男のロマンを、夢を叶えるんだぞ!」

 

「うん!ぼくはハーレムをつくってみせる!」

 

無邪気な笑顔で頷くアレイスに煉はうんうんと頷きながら再び首都へと向かう。走り続けると今度は子供たちが乗っているバスを囲いながら守っているソーナたちがいた。

 

「よお、ソーナ!匙!その他眷属ども!」

 

「その声!ヴィクトル!生きて・・・・・・誰だ!?おまえは!?」

 

煉の声に反応したのか、全員が振り返るが匙は煉の指しながら叫び戦闘態勢に入るのを見た煉は嘆息する。

 

「たくっ!てめえらもか!こうすりゃわかるかよ!?」

 

「きゃ!」

 

煉はソーナを抱きしめるとソーナの顎を持って口説き始める。

 

「悪いな、ソーナ。心配かけて。だが、安心しな。もうどこにも行かねえからよ」

 

「コォォォォォラアアアアアアアアアッ!ヴォクトルゥゥゥゥゥゥゥッ!会長を口説くなって何べん言えばわかる・・・・ヴィクトル!お前、生きてたのかよ!?」

 

「やっと気づいたのかよ、アホ」

 

匙は煉のツッコミにようやく煉本人だとわかると大粒の涙を流し始めた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!このバカ野郎ォォォォッ!俺はな!おまえと兵藤が死んだって聞いたから、俺はなぁぁぁぁっ!」

 

「ハハハ!俺がそう簡単にくたばるかよ」

 

大号泣する匙の背中を叩く煉にソーナが話しかける。

 

「やはり、生きていたのですね。見た目は随分と変わりましたね」

 

「まあな。あんたにも心配かけたな」

 

「いいえ。学園一の秀才でありながら問題児でもあるあなたがそう簡単に死ぬとは思えませんでしたので。それより、早くウラル『ギィアアアアアアアアアアアアッッ!』っ!全員戦闘準備!」

 

バスの背後から数十体の小型モンスターが群れでバスに向かって来ていたが煉は子供たちに訊く。

 

「さあ、子供たち。あのモンスターたちをどのように倒して欲しい?エロ魔王がそれを叶えてやる」

 

「おい!ヴィクトル!何、ふざけたこと言ってんだ!?もうそこまで来てんだぞ!」

 

後、数十メートルのところまでモンスターが近づいて来ているのに煉は平然としながら子供たちに訊くと子供たちは声をそろえて言う。

 

「「「「「「ぜんぶ、ぶっとばして~!えろまおう!」」」」」」

 

「OK!」

 

煉は魔剣を鬼の大剣(オーガ・ソード)に変えると赤黒いオーラを放出させると

 

「全部、ぶっ飛びな!」

 

オーラを振り払うように薙ぎると放出されたオーラはそのままモンスターたちに直撃するとモンスターたちは空高く吹っ飛んでいった。

 

「「「「「「おお~!えろまおうすっげー!」」」」」」

 

歓声をあげる子供たちに手を振るう煉。そして、ソーナたちに視線を向けて走り出す。

 

「それじゃ、またあとでな!ソーナ!今度デートでもしようぜ!」

 

それだけを言い残して煉はウラルたちのところまで行くのを見たソーナは微笑する。

 

「まったく、一回死んだら人は変わると言いますが迷信ですね。全然変わっていませんでした」

 

誰にも聞こえないくらい小さい声でつぶやくと再びバスを動かしながら子供たちを避難させる。

 

「さてと、大分進んだからそろそろ見えて来てもいいはずだが・・・・いた!」

 

煉はビルからビルへ飛び移るように移動していると視線の先に指示を出しているウラルやモンスターたちを迎撃しているレスティナたちが見え中央に降り立つと

 

「フハハハハ!お前らの主である煉 ヴィクトル、ただいま帰還したウゲッ!」

 

かっこよく名乗り出ようとした煉だがセリフの途中でレスティナが水の精霊魔法で水の圧縮弾を煉に直撃させると煉にしがみ付くように抱き着く。

 

「・・・・心配したんだから・・・バカ・・・・」

 

涙目で今にも壊れそうなほどか細い声で煉にしがみ付くレスティナを煉は優しく抱き返すと今度は頭に痛くはない程度の凄い衝撃が来る。

 

「このバカッ!バカご主人様!どれだけ心配したと思っているんですか!?」

 

目に涙を浮かばせながら何度も煉の頭を魔力で具現化させたハリセンで叩く香歩の頭を撫でる煉。

 

「流石は拙者が認めた主。殺した程度では死なない」

 

「・・・・・レンさん。生きててよかった」

 

「さっすがは兄貴っすね!」

 

笑みを浮かばせ煉の帰還を喜ぶあずみとサイトと鬼姫。

 

「レンさん。無事でよかっ、た」

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 

安堵の息を漏らす徹と涙を流しながら煉に抱き着く雫。そして、もう一人煉に抱き着く人物。

 

「・・・・・やっと、やっと戻って来てくれたんだね。レンくん」

 

涙を流しながら愛おしそうに煉を強く抱きしめるウラル。

 

「ああ、ただいま」

 

「うん、お帰りなさい。レンくん」

 

煉の言葉に涙を拭きながら笑顔で返すウラルは顔を近づけ煉とキスする。

 

「ん・・・・んむ、ちゅ・・・・・んちゅっ・・・んん」

 

ねっとりと舌を絡ませ、お互いの粘膜を擦れ合わせるウラルに煉もウラルの同じように何度も何度も舌を絡ませお互いに生きた喜ぶを分かち合うこと数十秒。

 

「ふう、ごちそうさまでした」

 

満足そうに煉から離れるウラルに煉はウラルに言う。

 

「なんだ?もういいのか?」

 

「うん!今はこれで満足だよ!それじゃ元気も出たことだし!もうひと頑張りしよう!」

 

「ああ、おまえらもさっさと終わらせるぞ!」

 

煉の言葉に頷きヴィクトル眷属たちはモンスターたちを倒しついに豪獣鬼(バンナースナッチ)を倒し煉たちがいるところの人たちの避難が完了した。

 

「さてと、お前らは他のところ奴らを手伝いにいってくれ!俺はリアスたちのところへ行く!」

 

それを聞いたヴィクトル眷属たちはその場で解散して他の悪魔たちの応援へと行くとウラルだけが残り煉に言う。

 

「信じているから。これからもずっとずっと信じているから」

 

それだけを言い残してウラルもほかの悪魔たちの応援へ向かいその場で一人残った煉は言う。

 

「いい加減出てこいよ。もうそこにいるのはわかってんだよ。アキレウス」

 

「・・・・やっぱりバレていたか」

 

その場で姿を現したのはギリシア神話の英雄アキレウスの魂を引き継いだ者。英雄派のアキレウスがいた。

 

「まさか、生きていたなんてね。本当にキミには驚かせるよ」

 

「別に男を喜ばせる趣味はねえよ。で、また俺を殺すか?アキレウス」

 

「そうだよ。キミが生きているということはマモンも生きている。それならまだ僕の復讐は終わっていない。今度は確実にキミを殺すとしよう。禁手ッ!」

 

聖剣、フラガラッハをかまえ、禁手となり神速の勇者になるアキレウス。

 

「もうマモン・チャイルドズの攻撃は通用しないよ。いくら僕の動きを予測できようが確実に一人一人倒していけばそれでキミも殺すことが出来る」

 

「フフ・・・フフフ・・・ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!」

 

アキレウスの言葉に突如大笑いする煉にアキレウスは怪訝するが煉は不敵な笑みを浮かばせながらアキレウスに告げる。

 

「アキレウス。俺が何のためにわざわざ肉体を消滅させたと思う?」

 

煉の問いにアキレスは無言だったが煉は笑みを浮かばせたまま言う。

 

「実は俺の禁手、強奪の魔神装(アヴァレンダー・サディオス)での魔神の力はたったの30%しか力を発揮することが出来なかった。何故なら俺は元人間からの転生者。悪魔になったとはいえ、神の力を30%以上使うと体にかかる負担がデカいからだ。なら、どうすれば100%出せるか。わかるか?」

 

「・・・・・まさかッ!」

 

何かに気づいたアキレウスに煉は口を大きく吊り上げる。

 

「ああ、簡単だ。神になっちまえばいい。略奪喰い(ラバード・イーター)のときに取り込んだグラシス・マモンの肉体を元に俺は本当の魔神となって蘇ったのさ!」

 

「あの時、僕にやられたのは全て計算の内だったのか!?」

 

「言っただろ?俺のガキの頃の二つ名は戦術魔術師。自分の死さえも計算に入れる程異常な考え方。それがマモンに拾われた理由でもある。さて、おまえには特別に見せてやるよ。神さえも従えさせる神王の力を!」

 

ドンッ!

 

煉の体から極大のオーラを纏い始める。

 

「我は強欲の魔神の力をも奪いし略奪者」

 

「喰らい手に入れるのは永遠の欲望と無限の略奪」

 

「強欲と略奪、二つをも統べる神王に成りて」

 

「我は全てを喰らい尽くそう」

 

そこに現れたのは闇色の戦闘服を身に着け、禍々しくもあり神々しいオーラを全身から放つ煉の姿。

 

「これが強欲の魔神の力と神器、略奪喰い(ラバード・イーター)を融合させ更に王の力を加え、真の力を解放することの出来る完成形態。名を『強奪神の魔王(サフヴァード・サタン)』。これが全てを奪い支配する魔神王の力だ」

 

その場にいるだけで感じる絶大ともいえるオーラにアキレウスは手汗を流すが

 

「・・・・・確かにその場にいるだけ恐ろしく感じるオーラだよ。でもッ!」

 

アキレウスはフラガラッハを握りしめ神速で煉の動き始める。

 

「僕はキミを殺してみせる!」

 

真正面から現れたアキレウスに煉は魔剣で斬り払うが

 

「残像だよ!」

 

後ろに回り込んだアキレウスはそのままフラガラッハで煉の胴体を真っ二つにする。

 

「なっ!?ガッ!」

 

「残念、残像だよ」

 

真っ二つになったと思った煉は残像で本物の煉はアキレウスの後ろにいて、煉はアキレウスを殴り飛ばすがアキレウスは空中で体勢を整え着地する。すると、煉は何か思い出したかのように手を叩く。

 

「おっと、忘れるところだった」

 

煉は指を鳴らすと煉とアキレウスを中心に何かの結界が張られた。そして、空中に文字が浮かび上がる。

 

『完全決着するまで両者結界から出られない』

 

「これはキミの女王(クイーン)の力・・・・・ッ!しかし、何故、キミがそれを使える!?仲間の力を奪ってキミの女王(クイーン)を無力にしたとでもいうのか!?」

 

「んなわけねえだろ。確かにこれはウラルの力だし、奪ったと言えば奪ったがウラルが使えなくなるわけじゃねえよ。なんならもっと驚くもんを見せてやるよ」

 

煉は不敵に笑うと

 

「禁手×3!」

 

その叫びと同時、煉の周りには複数の龍騎士や聖剣が幾重にも創りだされたドラゴン。そして、煉の体には無数の突起物を生やしていた。

 

聖覇の(グローリィ・)龍騎士団(ドラグ・トルーパー)断罪(スティク・)聖龍(ビクテイム・ドラグーン)そして、超人による(デトネイション・)悪意の波動(マイティ・コメット)ッ!さぁ、行くぞ。アキレウス」

 

その言葉と同時煉はミサイルを発射し聖騎士と動かしながら聖龍をアキレウスに放つ。

 

「くっ!はぁああああああああっ!」

 

アキレウスはミサイルを避けながら聖騎士たちを倒し、次に聖龍をも躱して煉に向かって動き出すが突然動きが停まった。

 

「残念。それだけの数をぶつけりゃさすがに動きも制限されるだろう。停めさせてもらったぜ」

 

煉の片目が紅く光り輝く。

 

停止世界の邪眼(フォービトウン・バロール・ビュー)。確かにチート級に能力だな。それじゃアキレウス。喰らえ!」

 

ドッゴォォオオオオオオオオオオオオオオンッッ!

 

動きが停まっているアキレウスに煉は容赦なくミサイルを発射させアキレウスに直撃した。

 

「まだだ・・・・まだ僕はやられていない!」

 

爆煙のなかアキレウスは聖剣のオーラを凝縮させ煉の左腕を斬りおとすが煉は魔剣で更に自分の腕を斬りつけるとそこから新たな腕が再生した。それを見たアキレウスは驚愕しながら煉に叫ぶ。

 

「何故だ!?何故、再生する!?いや、そもそも、どうやって再生させた!?」

 

「簡単だ。聖剣フラガラッハは斬られたところは二度と治らないが自分で斬ったところなら治すことが出来るだろう。それと腕を再生させたのはキマイラの再生能力だ」

 

淡々と説明する煉。それを聞いたアキレウスはもはや驚きを隠せなかった。

 

「これが完全版の魔神、いや、魔神王の力だ。強欲に神器が応え今まで俺が触れてきた奴の全ての力を100%使えるようになる。もちろん、お前の力もな」

 

「っ!?」

 

一瞬でアキレウスの背後に廻り込む煉に急いで距離を取るアキレウスに煉は告げる。

 

「降参しろ、アキレウス。もうお前じゃ俺は倒せねえ。それは理解したはずだ」

 

煉の言葉に歯を食いしばるアキレウスだが、煉の言うとおりもう自分の力を全てを使い果たしたとしても煉には勝てないことは理解出来ている。だが、それでもアキレウスはフラガラッハをかまえる。

 

「まだだ・・・・ッ!まだ僕は死んではいない!僕が生きている限り僕は敗北は認めない・・・・ッ!」

 

その言葉に煉は一度瞑目してゆっくりと目を開けると魔剣を煉に向ける。

 

「それがお前の復讐心か、または英雄としての誇りか。どちらにしろ決着をつけてやる。全てを喰い殺し奪うこの魔剣でな」

 

煉とアキレウス。両者それぞれの得物をかまえ睨み合った瞬間。

 

「はぁああああああああああああっ!」

 

「うぉおおおおおおおおおおおおっ!」

 

叫びと共に互いの全力をぶつけ合う煉とアキレウスを中心に衝撃波が生まれビルは崩れ落ちる。そして、崩れ落ちたビルの中央に立っていたのは

 

「・・・・終わりだ」

 

煉だった。

 

パキィ、パキィィィイイイイイイイイイインッ!

 

アキレウスの持つ聖剣フラガラッハが音を立てながら砕け散るとアキレウスはその場で座り込み煉に言う。

 

「・・・・・僕の負けだ。殺してくれ。キミにはその責務がある」

 

得物を失い敗北を認めたアキレウスは煉に自分を殺せと懇願する。

 

「妹と一緒に家族に追い出され、妹を守れず殺され、復讐に走り、それを叶わない僕に生きている意味はない。だから、マモンとしての責務と好敵手(ライバル)としての頼みだ。僕を殺してくれ」

 

「断る。もう俺たちの決着は終わった。これ以上はする意味がない」

 

アキレウスの頼みを拒否する煉にアキレウスは激高する。

 

「キミは・・・キミは僕に苦しんで生きろと言うのか!?何の生きる意味もなく生きて死ぬぐらいなら宿敵でもあるキミに殺されたほうがいい!さぁ、僕を殺してくれ!」

 

煉はゆっくりとアキレウスに向かい歩き始める。

 

「そうだ!それでいい!さぁ、僕を」

 

ドカッ!

 

アキレウスの言葉を遮り煉はアキレウスを殴る。

 

「・・・・数ヶ月前までの俺なら間違いなくお前を殺してお前の神器を奪っていただろう。だが、今の俺はお前を殺さないし、何も奪わない」

 

今まで欲するままに動き、欲しいものを奪ってきた煉の言葉にアキレウスは起き上がりながら目を見開いていたが煉はかまわず言い続ける。

 

「アキレウス。お前に一つ問う。お前は千の命と百の命。どちらを救うとしたらどちらを選ぶ?」

 

「・・・・千の命に決まっているだろ」

 

「だろうな。俺もそうだ。少ない命より多くの命を選び助けるのが当然の考え方だ。だがな、この世界には両方とも助けようとするバカがいるんだよ。お前はそういう奴をどう思う?」

 

「そんなの無理に決まっている。キミの言うとおりバカとしか言えない」

 

即答するアキレウスに煉も「その通りだ」と肯定するが

 

「でもな、両方とも助けようとするバカを俺はヒーローだと思う。誰もが諦める選択の前にそのバカは予想の斜め上を行き両方とも助けることが出来る奴を俺は知っている」

 

「・・・・誰だい?そのバカは」

 

「イッセーだ。赤龍帝、兵藤一誠。俺はあいつをヒーローだと思っている。俺やお前はほぼ不可能を可能に出来るが、イッセーは不可能を可能にする男であり、あいつは人を変える力、いや、光を持っている」

 

「・・・・光?」

 

「ああ、俺はあいつの光に正直嫉妬している。俺は人の抱えているものを受け入れるので精一杯だが、あいつは人の抱えているものを変える光でそいつを救う。俺もその一人だ。俺はあいつに出会って、あいつの光によって変えられた人間だ」

 

アキレウスは顔を上げ、煉を見ると煉の瞳は尊敬と憧れの瞳をしていた。その瞳を見たアキレウスは煉の言葉に嘘偽りもないと感じてしまった。

 

「イッセーが光なら俺は闇でいい。人を変える光と全てを受け入れる闇。(イッセー)()に憧れ、()もまた(イッセー)に憧れる。だからな、アキレウス」

 

煉はアキレウスの前へしゃがみ手を差し伸べる。

 

「俺はお前の復讐心も英雄としての誇りも生きる意味も俺はお前の全てを受け入れる。俺がマモンとして憎いなら俺を殺しに来てもいい。俺と戦いたいなら俺は何度でもお前の挑戦を受けてやる。だから、俺のダチになってくれ」

 

「・・・・・・・」

 

煉の言葉に目を見開いて硬直するアキレウスは可笑しそうに笑う。

 

「ハハハハハハ!まさか、キミからそんなこと訊くことになるんてね!キミのマモンと元仲間を罠にかけ、キミの兵士(ポーン)の精神を追い込ませて暴走状態にさせ、一度キミを殺した僕にまさか、そんなことを言うなんてね!」

 

「おいおい、そこまで笑うことねえだろ。結構マジで言ってんだぜ。敵同士だがお前とは上手くいきそうな気がしてたんだよ。なんだって好敵手(ライバル)同士だからな」

 

笑みを浮かばせながら言う煉にアキレウスは笑うのを止める。

 

「ああ、なるよ。キミの言うダチに。でも、勘違いしないでくれ。僕はまだキミを、マモンを許した訳じゃない。隙があれば必ずキミを殺しに行くよ」

 

「上等だ!何べんでもかかってきな!返り討ちにしてやるよ!」

 

全ての決着が終わり。煉とアキレウスはお互いに笑みを浮かばせ合い、アキレウスは煉の手を握ろうとすると突然、アキレウスの動きが止まった。

 

「どうした?アキレウス」

 

急に動きを止めたアキレウスに煉は怪訝そうにすると急にアキレウスはうめき声をあげながらその場で倒れ込む。

 

「が・・・・ぐ・・・・がはっ!」

 

「おい!アキレウス!どうした!?」

 

急にうめき声を上げ、血を吐き出すアキレウスに煉は何がどうなっているかわからなかったがアキレウスはすぐにうめき声を止め、立ち上がったと思ったら

 

「ハハハハハハハハ!手に入れた!手に入れたぞ!英雄の肉体よ!」

 

哄笑し、叫ぶアキレウスだが煉はすぐにその異常に気づき魔剣をかまえる。

 

「誰だ?てめえは。アキレウスに・・・俺のダチになにをした?」

 

冷徹な声でアキレウス?に問う煉だがアキレウス?は笑みを浮かばせたまま煉に一言。

 

「貴殿と同じだよ」

 

その一言を告げるとアキレウス?まるで煙のように姿を消した。

 

消えた!?いや、どこかに転移したのか。今の俺にでも気づけないなんて。いったい、何者なんだ?

 

突然、アキレウスの体を乗っ取った謎の人物に煉は疑問が解けなかったがすることは決まった。

 

何者かは知らねえが、俺のダチは必ず返してもらうぞ。

 

拳を握り、新たな決意を胸にしまった煉はリアスたちと合流して残りのモンスターの殲滅に取り組んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪獣鬼(バンナースナッチ)超獣鬼(ジャバウォック)の殲滅に成功した煉たちはグレモリー領で一誠と煉の復活と冥界の危機を救ったパーティが行われた。そして、煉は自室で寝ようとしたとき、煉の部屋のドアが開いた。

 

「どうした?リアスに朱乃。それにウラルや香歩、レスティナにサイトまで」

 

ドアを開けてきたのはリアス、朱乃、ウラル、香歩、レスティナ、サイトの六人だった。そのなかでリアスが代表して煉に言う。

 

「あなたが死んだと思って私たちは寂しかったの。もう会えないんじゃないかと思って・・・。でも、あなたが戻って来て思ったの。もっとあなたを感じたい。だから・・・」

 

「俺と寝たいんだな。お前ら全員」

 

煉の言葉に全員、頷いて肯定すると煉は笑みを浮かばせ全員をベットへと寝かせる。

 

「覚悟しろよ。朝までたっぷり可愛がってやる。全員まとめてな。いただきます」

 

その日、煉はリアス、朱乃、ウラル、香歩、レスティナ、サイトたちと寝た。

 

 

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