強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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エロ少女

神隠しに会った町の女たちを連れながら町に戻った煉たちは女たちを自分の家に帰して町から少し離れた場所で町長に会っていた。

 

「ありがとうございます。これで町も救われました」

 

町長が頭を下げ煉たちに礼を言うが歌憐バージョンになった煉が首を横に振る。

 

「いいえ、まだ神隠しで行方不明になった人たちしか見つけていません。主犯を捕まえないとまた次なる犠牲者が出ます」

 

「ほぅ、それなら早く真犯人を見つけてはくれませんか?」

 

「ご安心を。実はすでに見つけております」

 

「おおっ!それで私の町の娘たちを攫った真犯人はどこでしょうか?」

 

「はい、それは」

 

町長の言葉に煉は笑顔をしながら魔剣を町長に向け、男に戻る。

 

「あんただよ。町長さん。匙!」

 

「おう!龍の牢獄(シャドウ・プリズン)ッ!」

 

匙はヴリトラ神器の一つである龍の牢獄(シャドウ・プリズン)の炎をうずまかせ、町長の動きを封じる。

 

「良しッ!これで大丈夫だ!」

 

「ご苦労、匙」

 

黒炎の牢獄が完成した匙に労いの言葉を送る煉は捕まえた町長に言う。

 

「おかしなことはあった。この町で起きた神隠し現象で誰も気づいていないのにあんただけはそれを気づいただけじゃなく、俺たち悪魔に依頼をした。それはあの空間に町の女だけじゃなく悪魔も捕まえて何かをするつもりだったんだろ?」

 

淡々と匙の黒炎に囚われた町長に言う煉は魔剣を町長の首筋に当てる。

 

「空間で消えた女たちはどこにやった。空間を壊したにも関わらず消えた女たちはいなかった。一応辺りを探して見たがどこにもいない。ならお前がどこかに隠したんだろ?吐け」

 

首筋に魔剣の力を込め、薄く皮膚を切ったにもかかわらず町長は表情一つ変えなかったどころか、笑っていた。

 

「ほっほっほ。まさか美少女だと思っておった女子が男だったとは。こりゃ、たまげたわい」

 

「・・・・このまま首を斬り落としてもいいんだぞ。大人しく白状したほうが身のためだぞ?」

 

首を少し切って血を流させる煉だが、それでも町長は笑っていた。

 

「ほっほっほ。こりゃ死ぬな」

 

「ああ、白状しないならこのまま『危ねえ!ヴィクトル!』うおっ!」

 

突然、匙のラインに繋がれたと同時、勢いよく引っ張られた煉は匙の近くで尻餅をつく。

 

「いってぇぇぇ。いきなり何しやがる」

 

「バカ!あそこ見てみろ!」

 

匙の言葉に煉はさっきまで自分のいた場所を見るとそこには黒い炎が舞い上がっていた。

 

「匙。何で俺まで黒炎をぶつけんだよ」

 

「俺じゃねえよ!あっちのほうから飛んできたんだよ!」

 

匙が指す方向には誰もいなかった。だが、匙が嘘をついているとは思えない煉は飛んできた黒炎に少し触れると

 

「っ!?匙!急いでこの炎を燃やせ!」

 

「はぁ!?どういう『いいから早くしろ!』わかったよ!」

 

怒鳴るように言う煉に匙は怪訝そうにもヴリトラの黒炎で炎を燃やす。炎が完全になくなるのを確認した煉は急いで捕えている町長のほうを見ると気絶していたが煉は苛立ったように叫ぶ。

 

「クソッ!間に合わなかったか!」

 

「ヴィクトル!どういうことか俺に説明してくれ!」

 

「・・・・・ああ、でもその前に町長を解放してやってくれ」

 

煉の言葉を聞いた匙は町長の動きを封じている龍の牢獄(シャドウ・プリズン)を解くと煉は町長をその場へ寝かせる。

 

「で、どうことだよ?」

 

「匙。お前はさっきの炎、どう感じた?」

 

「?俺のヴリトラと同じ黒い炎しか」

 

「ヴリトラ。お前は?」

 

煉の問いに匙は曖昧に答えるが煉は匙の言葉を遮って匙の神器にいるヴリトラに話しかけると匙の陰から人間サイズの黒い蛇、ヴリトラが出現する。

 

『あの炎、我と同じ呪いの力を感じた。恐らく呪縛系の神器だろう』

 

「やはり、そうか。そういうことか。これで全て解けた!」

 

「って!ちょっと待て!どこに行くんだよ!?というか、俺にも説明してくれ!」

 

町長を寝かせ、立ち上がる煉は走り出す。それを追いかけながら匙は煉を問い詰める。

 

「おい、ヴィクトル!いったい何が解けたんだよ!?」

 

「さっきの炎。前にアザゼルの現在確認されている神器のサンプルを見せてもらったとき、あったんだ。相手の記憶に呪いをかけ、記憶を呪う神器、記憶の呪炎(メモワール・イピラーフレイム)。アザゼル曰くその神器の炎に燃やされたら記憶に呪いをかけられるか、記憶そのものを燃やされるか、二つの能力をもっている。さっきあの炎に少し触れたら俺の一部の記憶が消えかかった。そして、口封じのため、町長の記憶を全て燃やしたんだ」

 

「だから、ヴリトラの炎で燃やさせたんだな!」

 

「ああ、だが、これで町の奴らが神隠し現象があるにもかかわらず逃げない理由がわかった」

 

「町の奴らの記憶に呪いをかけていたんだな」

 

「そのとおりだ。問題はさっき町長の記憶を全て燃やしたということは」

 

「町の奴らの記憶も全て消して証拠隠滅を図ろうとしてんのか!?」

 

匙の言葉に煉は頷く。

 

「俺に気配を感じさせずに炎を放った。ということはそうとうな実力者だ。おそらく上級悪魔、もしくは最上級悪魔クラスはあると考えたほうがいいな。俺だけなら楽勝だが、お前たちを守りながらだと少し難しい。だから、匙。力を貸してくれ」

 

「もちろんだ!って、ちょっと待て!だったらおかしくねえか!?」

 

「何がだ!?」

 

走りながらあることに疑問に感じた匙が煉に言う。

 

「だってよ!だったらあの空間はなんだ!?俺たちを捕まえていたあの空間は!?それに神器って人間しか持てねえはずだよな!?だったらどうやって、何百年の前から神隠しが起きてるんだ!?」

 

「・・・・・あくまで仮説だが、両方共人間から神器を奪った。もしくは二人組でそいつらの能力か。まだ、はっきりとはわからねえ。だが、今わかっているのは」

 

「町の奴らが危ないってことだな!」

 

「そういうことだ!」

 

町には一応、シークヴァイラがいるが町の奴らを守りながらだと苦戦するだろう。急がねえと。

 

走り出すこと数分、煉たちは町に到着するとそこには黒い炎が町を燃え上げていた。

 

「遅かったか!匙!お前はヴリトラの炎で呪いの炎を何とかしろ!ヴリトラの炎なら呪いの炎を消し去ることが出来るかもしれねえ!」

 

「わかった!ヴィクトルは!?」

 

「俺はシークヴァイラのところに行く!もしかしたら今回の主犯と戦っているかもしれねえ!」

 

「了解!こっちはまかせろ!」

 

「ああ、まかせた!」

 

匙の呪炎を任せて煉は町の中へ走り出すとそこにはすでに記憶が失われ倒れている者や、記憶が無くなり始め絶叫をあげる者、苦しみ者がいた。

 

クソッ!どこだ!?どこにいやがる!?

 

煉は愚痴りながらも走り続けるがアガレスの気配すら感じられなかった。

 

俺も香歩みてえに魔力探知が出来れば・・・・・そうか!その手があった!

 

煉は何かを思いつき、唱える。

 

「我は強欲の魔神の力をも奪いし略奪者」

 

「喰らい手に入れるのは永遠の欲望と無限の略奪」

 

「強欲と略奪、二つをも統べる神王に成りて」

 

「我は全てを喰らい尽くそう」

 

強奪神の魔王(サフヴァード・サタン)になった煉は意識を集中させると町より北側で二つの魔力のオーラを感じ取ることが出来た。そして、猛スペードで移動する。

 

待っていろよ!シークヴァイラ!

 

そうして、煉は慌てながらもアガレスがいるところに到着し見たものは

 

「こ、こら!やめな、んっ!」

 

「ほらほら、ここがいいの?お姉さん。ならもっとし・て・あ・げ・る」

 

アガレスの背中に抱き着く桃色のショートヘアーの小柄の少女がアガレスの背中に抱き着きながらアガレスの胸を思う存分に揉んでいた。そして、煉の存在に気づいたアガレスは煉に助けを求める。

 

「ヴィクトルさん!助けてください!」

 

「ウヒヒ、お姉さんいい体しているんだね。こっちもおいしそう」

 

助けを求めるアガレス、アガレスの下半身にへと手を伸ばし始める少女に煉は笑みを浮かばせながら親指を立てた。

 

「ナイス!百合エロプレイ!眼福です!そこのエロ少女!もっとやってやれ!」

 

「おっ!お兄さん、話がわかるね。なら、ハードルを上げて言ってみよー!」

 

「何意気投合しているのですか!?」

 

意気投合する煉と少女にツッコムアガレス。するとアガレスが煉に叫ぶ。

 

「この子なんです!この町にあの黒い炎を放ったのは!」

 

「あー、なるほど」

 

「にゃっ!?」

 

アガレスの言葉を聞いた煉はアガレスに抱き着いていた少女に魔剣を振り払うが少女は奇声をあげながらも躱して煉とアガレスから距離を取った。

 

「ひどいな~お兄さん。こんな幼気な女の子にそんな物騒なものを向けるなんて」

 

魔剣に斬られそうにもなったにも関わらずふざけた調子で言う少女。そして、その少女に捕まっていたアガレスが煉に助言する。

 

「気をつけて下さい。彼女、見た目と違って相当な実力者です」

 

「だろうな。ふざけたような動きをしていたが俺の攻撃をあっさり躱しやがった」

 

魔方陣を発動させるアガレス。魔剣をかまえる煉。すると少女が魔剣を指して声をあげる。

 

「あー!私のお楽しみボックスを壊した剣だ!どうしてくれるのよー!あれをあそこまで作るのに結構苦労したんだよー!」

 

頬膨らませてプンスカと怒る少女に煉とアガレスは確信した。

 

「・・・どうやら彼女が今回の事件の真犯人のようですね。捕まえて真相を吐かせなければ」

 

「ああ、だが気をつけろ。あいつふざけているように見えて隙がない」

 

「こらー!私の話を無視するなー!もうこうなったらお仕置きだ!えいっ!」

 

両手から黒い炎、呪炎を放つ少女。だが、煉は

 

「なら、これだ!邪龍の黒炎(ブレイズ・ブラック・フレア)ッ!」

 

匙の持っているヴリトラの神器の一つ邪龍の黒炎(ブレイク・ブラック・フレア)を放ち黒炎で呪炎を霧散させた。それを見て少女は驚いていた。

 

「嘘ッ!だってそれ!あのムッツリ顔のお兄さんの神器じゃない!」

 

「正確には奪った特性の力だ。こんなことも出来るぞ、龍の牢獄(シャドウ・プリズン)ッ!」

 

黒炎がうずまかせ、少女の動きを封じようとするが少女は慌てる様子も見せずそのまま黒炎の牢獄に封じられたと思ったら手元からルービックキューブのようなものを出現させるとルービックキューブの一つの面を動かすと黒炎に囚われていたはず少女が一瞬で黒炎の牢獄の隣にいた。

 

「どう?凄いでしょ!?私の能力!」

 

楽しそうに自慢する少女。それに驚くアガレスだが煉は少女の持っているルービックキューブを見る。

 

あれは自分の位置を移動させる能力か?いや、多分、空間そのものを移動させて龍の牢獄(シャドウ・プリズン)から脱出したのか。

 

少女の持つ能力を解析しようとする煉だが少女は考え込むように唸ると

 

「良し!逃げさせてもらうね、お兄さんにお姉さん。もうこの町には用はないしね!」

 

煉たちに堂々と逃亡を宣言する少女だがアガレスは魔力の波動を放つ。

 

「はい、そうですか。と見逃すわけにはまいりません。ここで捕えさせてもらいます」

 

「う~ん、お兄さんなら出来るかもしれないけど、お姉さんじゃ無理だよ」

 

「っ!?」

 

いつの間にかアガレスの背後に現れ耳元でつぶやく少女に驚いて振り返るアガレスを見て少女は笑みを浮かばせていた。

 

「反応も可愛いね、お姉さん。それで、お兄さんは私を捕まえる?」

 

煉に視線を向けて訊く少女に煉は

 

「見逃してやる。その代わりに町の奴らの記憶に掛けた呪いを解け」

 

「ヴィクトルさん!?あなたの実力なら捕えられないこともないでしょう!?」

 

「無理だよ、お姉さん」

 

アガレスの疑問に少女は即答する。

 

「お兄さん一人だけなら私も無理だと思うけど、お姉さんを守りながら、そして、私が町の人を巻き込みながら戦ったらいくらお兄さんが強くても守りながらだと実力の半分も出せないよ」

 

「っ!卑怯な!」

 

「あはははは!卑怯って悪魔が言っちゃダメだよ!悪魔が悪で卑怯じゃなきゃ誰が悪魔をするの?悪魔は欲に生き、欲のままに行動する。これ、昔からの悪魔の言葉だよ」

 

笑いながらアガレスの言葉を訂正させる少女。すると、少女は手を二回叩く。

 

「これで、お兄さんの言ったとおり町の人たちの呪いは解けたよ。でも、記憶が消えちゃっている人たちは無理だね。それじゃ悪魔らしくギブアンドテイク。見逃してね」

 

「わかっている。ささっと消えろ」

 

「もう、冷たいな・・・・。ま、いっか。それじゃバイバイ!お兄さんにお姉さん。また遊んでね」

 

再びルービックキューブをカチャカチャと動かすと少女は何かを思い出したかのように煉に言う。

 

「あ、そうだ。名前訊くの忘れるところだった。お兄さんとお姉さんの名前は?」

 

「シークヴァイラ・アガレス。大公、アガレス家の次期当主です」

 

「煉 ヴィクトル。テロリストには強奪神と呼ばれている」

 

二人の名前を聞いた少女は満足そうに頷くとルービックキューブのマスが完成したのか手元を止めて煉たちに笑みを浮かばせながら自分の胸に手を当てながら名乗った。

 

「私は、あ、違った。この子の名前はセーレラだったかな?それで、私の名前は・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・初代七大魔王の一人にして色欲の魔神、シルティ・アスモデウス。よろしくね」

 

「「っ!?」」

 

シルティと名乗った少女の言葉にアガレスだけじゃなく煉までもが目を見開く驚愕しているなかシルティはその場から姿を消していた。

 

「・・・・・ヴィクトルさん。先ほどのシルティと名乗る女の子の名字・・・・私の聞き間違いでしょうか?」

 

「いや、俺も確かに聞いた。初代七大魔王の一人にして色欲の魔神。シルティ・・・・・・アスモデウスと」

 

おかしい・・・マモンは自分以外の七大魔王は死んだと言ってた。なら、さっきのは嘘なのか?いや、嘘を言っているようには見えなかった。クソッ!いったいどうなっていやがる!?

 

この時は煉はまだ知らなかった。シルティの言葉が真実か、もしくは偽りなのかを。その後、煉たちは匙と合流して通信用魔方陣でこのことをサーゼクスに報告。だが、シルティのことだけは黙認し、ひとまずは依頼を達成することが出来た。

 

『そうか、記憶を失った者たちに関してはこちらで何とかしてみよう』

 

「ああ、まかせる」

 

シルティに記憶を消された町の人たちはすでに手遅れで自分のこともわからなかった。そう人たちは冥界の病院に入院させ、詳しく検査を受けさせるように煉はサーゼクスに頼んでいた。

 

『ところで、さっきから難しい顔をしているみたいだが、大丈夫かい?』

 

「ああ、問題ない。俺はこれからリアスたちのところへ戻る。報酬はいつものところで頼んだ」

 

『ああ、わかっているよ。それから一つ言わせてくれ』

 

「何だ?」

 

煉は通信用魔方陣に映っているサーゼクスに視線を向けるとサーゼクスは優しげな表情で言う。

 

『キミはもう私たちの家族だ。だから、一人で全てを背負う必要はないんだよ。私やグレイフィア、リアス。キミの仲間たちを頼ってくれ』

 

「・・・・・・・・ああ、わかったよ。兄貴」

 

煉は小さくそう言うと通信を切りリアスたちのところまで転移した。

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