強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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新ヴィクトル眷属

吸血鬼との会談から数日が経ち、ギャスパー、リアス、木場、アザゼルたちはヴラディ家を訪問するため集まっていた。

 

「・・・・あなたのことは私が守ってあげるから、何も心配しなくていいわ。ヴラディ家とのことも私がきちんと話をつけてくるから」

 

「はい、部長・・・」

 

リアスはギャスパーを抱きしめギャスパーもリアスの抱擁に甘える。

 

「リアス、何かあったら呼べよ。0、5秒で駆けつけてやる」

 

「ええ、レン、朱乃、あとは頼むわね」

 

「まかせな」

 

「はい、リアス」

 

そして煉たちの隣で一誠は木場と拳を打ちつけ合う。

 

「部長のこと、頼むぞ」

 

「もちろんだよ」

 

アザゼルはソーナとロスヴァイセに笑みを向けていた。

 

「じゃ、学校のほう、あとは頼むわ。ソーナ会長、ロスヴァイセ先生」

 

「「忙しいので早く帰ってきてください」」

 

「んだよ、つれない反応だな。まぁ、代理は頼んであるから安心しな」

 

「安心しろ。ソーナ、ロスヴァイセ。俺がアザゼルに代わって教師をしてやる!免許も取ってきたから心配はいらねえ」

 

「「問題を起こすので大至急帰ってきてください」」

 

ソーナとロスヴァイセが口を揃えて言ってきたため煉はその場で崩れ落ちた。

 

「うう・・・・ソーナもロスヴァイセも俺に冷たい・・・・・。問題を起こすのは確定かよ」

 

「「日頃のあなたの行動を見れば誰だってそう思います」」

 

冷たく言い放たれた言葉に煉は涙を流し、朱乃に甘えるように抱き着く。

 

「ソーナもロスヴァイセも冷たい。朱乃、慰めて・・・・」

 

「あらあら、よしよし」

 

微笑みながら煉の頭を撫で慰める朱乃に煉もおもっきり甘えるなかアザゼルがこの場にいる全員に伝える。

 

「例のフェニックス関係者を狙っているって魔法使いどもが不気味だ。気をつけろよ」

 

『はい!』

 

煉以外返事をする一誠たちはその後、リアス、木場、アザゼルの三人は皆と最終確認と別れを述べて、ついに旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスたちが旅立ったその日の深夜。

 

「リアスたち、とうとう行ってしまいましたわね」

 

「何だ、起きていたのか?朱乃」

 

ベットでお互い裸で寝ていた煉と朱乃。隣で寝ていたと思っていた朱乃に煉は声をかけた。

 

「眠れねえのか?」

 

「それを言うならレンもですわ。してから一睡もしていないのでしょう?」

 

「・・・・バレてたか。なんだか最近俺のハーレムメンバーたち鋭すぎねえか?」

 

「ふふ、女は好きな人相手には鋭いものですわ。リアスたちが心配なのですね」

 

朱乃の言葉に煉はため息を吐く。

 

「そりゃあな。吸血鬼はとにかくプライドが高く誇りと伝統を重んじる種族。それに背けば身内だろうが殺す奴らだからな。心配と言ったら心配だな。だが、もう一つ心配ごとがある」

 

「・・・・レン。私で良ければ相談に乗りますわ」

 

真剣な表情をする煉に思わず朱乃も真剣な表情で対応する。すると、煉は短く「・・・すまねえ」と謝り、朱乃に相談することを決意した。

 

「・・・・・実は、前から悩んでいたんだ。だが、俺一人ではどうしても決められねえ」

 

「レンがそんなにも悩むなんて・・・・・・・。大方、最近複数プレイにハマったがベットをこれ以上ベットに入らないからもっと大きくしようか。それともこのままにして密着状態みたいにしようか。ってところでしょうか?」

 

「・・・・・・・・お前はエスパーか?」

 

「言ったでしょう?女は好きな人相手には鋭くなると。それに・・・」

 

朱乃は笑みを浮かばせながらベットの周りを見るとそこにはウラル、香歩。それ以外にも今日煉が口説いてきたであろう女性が数人。

 

「今日の煉はいつも以上に激しかったですもの」

 

頬に手を当て笑み朱乃に煉はハッハッハと苦笑いすると朱乃は煉に抱き着く。

 

「・・・・・レン。もうどこにも行かないでね・・・・。私は」

 

儚げな目をする朱乃の頭を煉は優しく撫で甘い笑みで言う。

 

「安心しな。俺はもう二度とお前らを悲しませねえよ。その代わりたっぷりさせてもらうからな」

 

「・・・・・はい。何回でもどこでもレンが満足するまでお相手しますわ」

 

「そうか、ならせっかくだ。もう一回戦させてもらうぜ」

 

そうして煉と朱乃は深夜にもう一回戦してから眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスたちが日本を発って数日が経った頃、一誠や煉たちは変わらない日常を過ごしていた。

 

「ヴィクトルくん!ここ教えて!」

 

「あ、ずるい!私も私も!」

 

「OKOK。順番な。報酬はディープキスで」

 

煉はアザゼルの代わりに臨時教師として動きあっという間に女子からの人気が上がった。最初の初日は一生徒が教師のように上手く教えることが出来るのか?と疑問を感じた人もいたが各学年一通り授業をすると要点を上手く押さえたわかりやすい指導にたまに飽きてこないように話題を振ったりときには女子にはセクハラをし、男子には制裁を加えていた。

 

「それにしても何で私達と同じ年なのにそんなに頭がいいの?」

 

「頭がいい方が女にモテるだろ?そして、女を口説きやすくなるからな。それにして片瀬、いい足してるな」

 

堂々とその場でしゃがみ片瀬の足を触る煉だが触られている片瀬も少し照れてはいるが怒りもせず煉の好きに触らせている。たまに一誠たちからの視線を感じた煉だがその時は更に見せつけるようにしていた。そして、いつも通りに過ごしていた学園生活に異変が起きた。

 

「ーっ!・・・・たく、昼間の学校くらい面倒かけないでくれよ」

 

誰にも聞こえないくらい小さな声に煉は愚痴るようにぼやくと煉はすぐに女生徒たちを教室に戻るように言い気配がするほうに瞬間移動するとそこには五人の魔法使いがいた。

 

「はぐれ魔法使いか?」

 

煉の問いかけに魔法使いの男が答えた。

 

「ああ、そうだ。ちょっと強奪神に挑戦に来たんだ!」

 

その言葉と同時、炎、雷、水、土、風。様々な魔法が煉を襲う。

 

「やったか!?」

 

「いや、まだだ!」

 

警戒するはぐれ魔法使いたちの視線の先には魔剣を持っていた無傷の煉がいた。

 

「さすがは協会が出した若手悪魔のパワーでのランクSSS!破格じゃない!」

 

「へぇ、協会では俺はSSSランクになってんのか」

 

面白そうに笑み煉にはぐれ魔法使いたちは新たな魔方陣を展開するが

 

「遊んでもいいが、校舎を壊されると後でソーナたちが怖いからさっさとくたばれ」

 

「ぐっ!」

 

「がっ!」

 

「ごっ!」

 

「ぽげっ!」

 

「ごばっ!」

 

あっさりとはぐれ魔法使いたちを倒して魔力で縛り上げる。

 

「まったく、学園生活ぐらいエロく平和に過ごさせてくれよ。さて、お前らには三つの選択肢があります。一つ、俺の下僕になる。二つ、俺の玩具になる。三つ俺の奴隷になる。さぁ、どれがいい?制限時間は三秒。三、二、一。はい、終わり。お前ら全員、今日から一日、十四時間休憩ナシ、フランスパン一つで毎日、荒れ地で畑作業でもしてもらおうか」

 

「じょ、情報通りの鬼畜だ・・・・」

 

「はい、転移」

 

煉はイイ笑顔ではぐれ魔法使いたちをどこかへ転移させると新校舎から炸裂音が鳴り響く。

 

「・・・・今のは一年の教室。あいつらの狙いはレイヴェルか。チッ!」

 

煉は舌打ちをするとすぐに一年の教室に向かうとそこは廊下の窓側まで吹き飛ばさた変わり果てた教室になっていた。煉は廊下に座り込む一年生に話しかける。

 

「大丈夫か?何があったか話せるか?」

 

「・・・・・・変なヒトたちに、私捕まって・・・・小猫さんとギャスパーくんとレイヴェルさんが私を助けるために・・・」

 

意識が定かでない状態で話してくれた一年生に煉は優しく抱きしめる。

 

「ありがとう、話してくれて。もう大丈夫だから今は眠りな」

 

煉は誰にも見えないように小さい魔方陣を展開させて一年生を眠らせる。

 

「レン!小猫ちゃんたちは!」

 

腕にジャージを撒きつけた一誠が駆けつけるが煉は一言言うだけだった。

 

「・・・・一足遅かった」

 

しばらくして朱乃たちや生徒会も駆けつけ、小猫、ギャスパー、レイヴェルの三人以外は無事だったが一誠は悔しさのあまり廊下に左拳を打ちつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、オカルト研究部と生徒会のメンバー、そして煉の眷属たちは旧校舎に集っていた。そして新羅副会長の報告により、学園の破損個所は現在修復中、そして、生徒たちにはアザゼルが置いていった生徒の記憶を司る装置によりどうにかすることは出来たが今回の事件でショックを受けた心は消すことは出来なかった。

 

「悪かった。俺が遊んでいないでちゃんと行動していればこんなことにはならなかった」

 

申し訳なさそうに謝る煉。もし遊ばずもっと早く終わらせていれば小猫たちも攫われず、あの一年生にもショックを受けずに済んだかもしれない。

 

「これは連帯責任です。こちらももっと早く気づいていればどうにかなっていたかもしれません。ですのであなただけが気にする必要はありません」

 

「・・・・・悪い」

 

ソーナの言葉に煉は最後に一言だけ謝り、黙りこむ。そして、今回の襲撃犯は『禍の団(カオス・ブリゲード)』のはぐれ魔法使いなのはわかった。問題はどうやって強固のセキュリティーを突破したのか、だが、そのことをソーナが答えた。

 

「裏切り者です。この地域一帯は三大勢力の同盟関係にあり、私たち以外にも数多くのスタッフが在住しています。この学園を中心に町全体に強力な結界が張られ、怪しい者が足を踏み入れるとすぐに誰かが察知できるようになっています。侵入して姿をくらまされると察知しにくいという点もありますが、ここに入るにはいくつか可能性が絞られるわけです。ひとつは無理矢理の侵入。これは力あるものであれば可能でしょう。しかし、これは侵入がすぐに発覚しますので、今回の件とは違うでしょう」

 

続けてソーナは言う。

 

「ふたつめにこの町に住む者、またはスタッフの者が結界の外に出かけ、そこで敵対組織に捕らわれてしまい操作されて侵入されるケース。これに関しても今回は今のところ、住民、全校生徒、スタッフに反応が出ていません。となると、裏切り者が介入をして、学園まで侵入させたことになります」

 

「そんなことが可能なんですか?」

 

一誠の問いにソーナは眉根を寄せる。

 

「この結界を問題なく通れる中核メンバークラスであれば可能でしょうね。つまり、グレモリー眷属とイリナさん、レイヴェルさん、私たちシトリー眷属、アザゼル先生、ヴィクトル眷属、それぐらい中核の者でなければこれほど大胆な襲撃を手配できないでしょう」

 

「俺たちのなかに裏切り者ぐぱっ!?」

 

「こんなかにいるわけねえだろ、アホ」

 

裏切り者がいる。と叫ぼうとした匙に煉は頭をド突く。

 

「私も裏切り者がいるなんて信じていません。けれど、襲撃犯は油断できない相手です。目的はレイヴェル・フェニックスさんなにかどうかすらもわかりません。しかし、ただで見過ごすほど、私たちも甘くありません。さて、連れていかれてしまっら塔城さんたちについて」

 

「会長!」

 

そこまで言ったソーナの言葉を遮るように『僧侶(ビショップ)』の草下さんが部室に飛び込んできた。

 

「・・・・オカルト研究部の一年生を連れ去った者から、連絡がありました」

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜、オカルト研究部、生徒会、ヴィクトル眷属たちは最寄りの駅に来ていた。

 

『塔城小猫、ギャスパー・ヴラディ、レイヴェル・フェニックスを返して欲しければ、グレモリー眷属、紫藤イリナ、シトリー眷属、ヴィクトル眷属のみで地下のホームに来い』

 

はぐれ魔法使いたちは煉たちをわざわざ指名した伝言。そして、ソーナの話によるとどうやらはぐれ魔法使いたちは地下空間で一時的潜伏している。

 

「さて、レンくん。リアスがいない今、グレモリー眷属の指揮を執ってはくれませんでしょうか?」

 

「ソーナがしないのか?」

 

「私よりあなたのほうがグレモリー眷属の力量を知っているでしょう?お願いしますよ」

 

ソーナより一誠たちと多く行動している煉のほうが適格と判断したソーナだが煉は首を横に振った。

 

「いや、必要ない。今回のはぐれ魔法使いたちは俺の眷属たちで十分だ。ソーナや一誠たちは不測の事態に備えて待機しといてくれ」

 

「・・・・・大丈夫なのですか?」

 

「ああ、余裕だ」

 

ソーナの疑問に煉はあっさりと答えるとソーナは短くため息を吐き了承した。

 

「わかりました。ですが、いざというときは介入させてもらいます」

 

「ああ、了解。ところでお前の後ろにいる大男は新しい眷属か?」

 

ソーナの後ろには灰色の髪に前髪が長く、目元が隠れる巨躯の男が立っていた。

 

「こちらの男性は駒王学園大学部に在籍する大学生の方で、シトリーの新しい『戦車(ルーク)』です」

 

「・・・ルー・ガルーと呼んでくれ」

 

「私たちはルガールさんと呼んでいます。ヴィクトルくんたちもそのように呼んであげてください。ルガールさん、今回は外でのバックアップをお願いします」

 

「・・・ああ」

 

ルガールはそのままこの場から離れていく。そして、その背中を煉は面白そうに見ていた。

 

「へぇ、いい奴を眷属にしたな。ソーナ」

 

《マスター、周辺の準備は整ったようですぜ》

 

駅の天井から魔方陣が出現し、そこからどくろの仮面を被った死神が現れた。

 

「グ、死神(グリム・リッパ―)じゃないっスか!」

 

一誠が死神を指して叫ぶとソーナが言う。

 

「こちらは私の新しい『騎士(ナイト)』」

 

《・・・・あっしはベンニーアと申します。・・・・元死神であります》

 

天井から下に上手く着地する小柄な死神、ベンニーアは仮面を外すとそこには眠そうな表情をし深い紫色の長髪に金色の瞳をした中学生くらいの女の子。

 

「グ、死神(グリム・リッパ―)ぁぁぁっ!?しかも女の子ぉぉぉぉっ!?」

 

「ええ、ベンニーアは死神です。とは言っても半神です。死神と人間のハーフです」

 

「最上級死神の一角オルクスの娘なんだってさ。な、驚きだろう?」

 

「うおっ!?」

 

ベンニーアの登場に突如煉が声を上げ全員が煉に視線を向けるとフードを被り、手元には装飾が施された死神の鎌を持っていた煉がいた。

 

《あれ?あっし以外にも死神がいたとは驚きですぜ》

 

「レン!?どうしたんだよ!突然!」

 

「・・・・いや、突然死神の力が溢れ出てきたんだ。多分、前に死神たちの力を大量に奪ったせいかその力がベンニーアに共鳴して溢れ出たんだと思う」

 

一誠たちの中級悪魔昇格試験の時に起きた事件で煉は大量に送り込まれた死神たちを葬り去ったとその死神たちの力を魔剣に取り込んでいた。

 

「ま、数日もすれば収まるだろう。だが、今回はこの格好でやるしかねえみたいだな」

 

特に問題なさそうに言う煉。そして、今回はベンニーアも外でのバックアップをすることになり再び魔方陣のなかへ潜っていった。そうして一誠や煉たちは地下に降りるとそこには地下ホーム以上に広い空間に百は超えているであろう魔法使いたちと魔物たちがいた。一誠は指を突きつけて言う。

 

「来てやったぜ?俺の後輩はどこだ?」

 

「これはこれは、悪魔の皆さん。『若手四王(ルーキーズ・フォー)』のヴィクトル、グレモリー、シトリーの皆さんが俺たちのために来てくれるなんて、光栄の限り」

 

「あなたたちの目的はなんですか?フェニックス?それとも私たちでしょうか?」

 

「どっちもですな。ま、フェニックスのお嬢さんは大事に扱っているんで。そうしろと、リーダーの命令なんですよ」

 

魔法使いは続けて

 

「フェニックスの件はOKなんで、あとはおなたたちとの件だ。気になって仕方ないんですよ。メフィストのクソ理事とクソ協会が評価したっていうあなたたちの力がね。この思い、理解できます?できないですよね?ま、強い若手悪魔がいたら、試したくなるでしょう?魔法を乱暴に使う俺たちならね」

 

魔法使いが指を鳴らす。刹那、この場にいる全員が攻撃魔方陣を展開し始める。

 

「やろうぜっ!悪魔さんたち!魔力と魔法の超決戦ってやつよ!」

 

それが開始の合図のように怒濤のごとき、炎、水、氷、雷、風、光、闇、あらゆる属性の魔法が放たれ、魔物の群れも突っ込んでくるなか、煉は一誠たちより一歩前へ出る。

 

「たく、ケンカを売るのはいいが、相手を選んでから売るんだな。サイト!」

 

煉の掛け声と同時、風を切るように魔物たちに突っ込むサイトに木場は驚愕した。

 

「っ!速い!」

 

「いや、速いんじゃない。さらに動きに無駄を失くしたんだ」

 

木場の言葉に煉は淡々と言う。そして、魔物たちに突っ込んだサイトは血の刃で魔物たちを切り刻み硬い甲羅を持つキメラは隙間を縫うように血の刃を侵入させ斬り裂いた。

 

「サイトはお前に負けてからさらに修行をし、速さより動きの無駄を失くした。神速の動きをする木場に対してサイトはその場に適した最適な速さ、最速の騎士だ」

 

「チッ!これでも喰らいな!」

 

はぐれ魔法使いたちはサイトを囲むように魔法を放ち、サイトに直撃する。

 

「サイトさん!」

 

「平気だ」

 

声を上げる一誠に問題ないように言う煉たちの視線の先には全身血の鎧と刃に身を包んだサイトの姿。

 

「・・・・・あなたたちでは私たちには勝てない」

 

禁手したサイトは血の刃を細く薄くし、魔法使いたちを胴体を貫く。

 

「あいつはあとだ!先に強奪神をやれ!」

 

サイトを無視し、煉のほうに複数の属性の魔法を放つが煉は余裕の表情をしながら避けようともしない。

 

「徹!」

 

「は、い!」

 

徹が煉の前に立つと体を変貌させる。その姿はいつものような不気味な巨大生物ではなく全身に鱗が出て来て尻尾と角、牙が生え、その姿は人の姿を保った状態のドラゴンだった。その姿となった徹は魔法が直撃したにもかかわらず無傷だった。

 

「バカなッ!あれほどの魔法で無傷だとっ!?」

 

「この程度の攻撃では僕はやられませ、ん。モード人狼(ウェアウルフ)

 

更に姿を変貌する徹の次の姿は全身黒毛に覆われた狼。人狼になった徹は俊足の速さで魔法使いたちをなぎ倒していく。

 

「・・・・ドラゴンの次は人狼。さすがはキマイラですね」

 

ソーナは表情は変わっていないものの声は震えていた。

 

「まだ完全には制御できてはいないがそれでもこの程度の魔法使い相手には十分すぎる。キマイラの力を完全に制御出来た時は徹は最強の『戦車(ルーク)』になるだろう」

 

「最強の『戦車(ルーク)』ッ!?」

 

最強の言葉に反応する一誠は徹に視線を向けると次に徹は九本の狐の尾を生やした九尾となって特大の火炎球をぶつけていた。

 

「今はまだ一種ずつしか変貌ができねえからな。だが、それも時間の問題。徹が持つキマイラの力を完全に制御したそのときはイッセー、お前を超すぞ」

 

「お、俺だって部長のためにも最強の『兵士(ポーン)』になってレンだろうが徹だろうが倒してやる!」

 

ニヤつきながら冗談を言う煉に一誠も負けずに言い返す。そして、煉は次の指示を出す。

 

「徹はサイトと一緒に魔物を倒せ!雫!鬼姫!準備はいいか!?」

 

「うん!」

 

「OKっす!」

 

神器を発動させた雫の神器と雷を全身に迸らせる鬼姫。

 

海獣神の咆哮(リヴァイアサン・ローア)、形態解放」

 

雫の言葉に雫の神器は巨大化していき大砲になる。

 

海獣神の怒号(リヴァイアサン・レイヴ)!」

 

「レスティナ!雫の神器に水を!」

 

「わかったわ」

 

レスティナは雫の頭上に魔方陣を展開させ雫の神器に雨を降らせると神器はその雨を吸収していく。

 

「雫!発射(ファイヤ)ッ!」

 

煉の合図に砲身から水の砲弾が発射され魔法使いたちに向かって行く。魔法使いたちは魔法で弾き落そうとするが効果がなく魔法使いたちに直撃していく。

 

「今だ!鬼姫!サイトと徹はジャンプ!」

 

「おっす!降雷撃っ!」

 

上から放たれた降雷撃に魔法使いたちは次々感電する。さらに先程、雫が放った水の砲弾に魔法使いたちは二次被害にもあうがそれでも倒れなかった魔法使いたちが魔法を放ち、魔物を放った。

 

「あいつは技のあと隙が出来る!」

 

「それを待っていたっす!」

 

鬼姫は放たれた魔法の内、炎の魔法を食べた。その光景に煉たち以外の全員が目を見開くが次に鬼姫は鬼姫は今度は雷と炎を纏い始める。

 

「喰った!喰ったぞ!今魔法を喰ったぞ!?」

 

「鬼姫は龍と人間のハーフだから残り半分の自分のスペックを別の何かに埋められないか?と前に訊かれてな。そしたらあいつ、マンガをヒントにそれを見つけてマジで会得しやがった。アホは怖いな、イッセー」

 

「なんで俺に言う!?」

 

「悪い、エロバカだったな」

 

そんなコントをしていると鬼姫は雷と炎を纏いながら魔法使いたちに放つ。

 

「さて、終わったか?香歩」

 

「はい!終わりました!」

 

メガネをくいっと上げて返事をする香歩。

 

「よし、あずみ。香歩の援護にまわれ。ウラル、お前は倒した魔法使いたちの動きと魔法力を封印」

 

「はい!」

 

「御意!」

 

「は~い」

 

「それから香歩!」

 

「は、はい!」

 

自分だけ二度呼ばれた香歩は緊張気味に返事をすると煉は笑みを浮かばせ親指を立てる。

 

「メガネメイドもいいね!」

 

スパーンと煉にハリセンをかましてたか魔法使いたちに向かう香歩、それを援護するあずみ。ウラルは倒れている魔法使いたちに封印魔法をかける。

 

「はん!さっきの奴らより弱そうだな!」

 

サイト、徹、雫に鬼姫に比べる魔法使いは見下すように言い放ち魔法を放つがあずみの手元の先に空間を歪ませるとそこから四本の刀を取り出す。その内一本の刀身が青く光り輝く刀をかまえると刀身から水が溢れその水は青い龍に具現化される。

 

「ゆけ!青龍!」

 

振り下ろされた刀につられるように青龍が魔法使いたちに突貫する。魔法使いたちもいきなり現れた青龍に驚き虚を突かれ青龍に飲み込まれた。

 

「チッ!これならどうだ!」

 

魔方陣を展開して雷を放つとあずみは次に浅黒い刀を抜くとそれを地面に刺す。

 

「我を守れ!玄武!」

 

すると地面から岩石が出現して雷からあずみを守った。そして、次にあずみは残った二本の刀を一気に抜くと片方は炎のように赤い刀にもう片方は白い刀。

 

「いでよ、朱雀!白虎!敵を燃え散らし、牙と爪で斬り裂け!」

 

あずみの言葉に呼応するように赤い刀から炎を纏った巨鳥、白い刀からには白い虎が現れ、次々に敵を燃え散らし、斬り裂いて行く。

 

「青龍、玄武、朱雀、白虎。四獣の力を宿した御守家に代々伝わる宝刀。あずみは一時実家に帰り宝刀を手に入れる為の試練を乗り越えてきた」

 

煉が一誠たちに説明しているとあずみに攻撃しようと魔方陣を展開しようとしていた魔法使いたちだが

 

「させません!」

 

魔力の具現化で銃を具現化させ魔法使いたちに撃つ香歩。撃たれた魔法使いは負けず魔法で攻撃しよとするが魔方陣が展開出来なかった。そのことに驚く魔法使いに香歩が笑みを浮かばせる。

 

「確かに私はご主人様の眷属のなかでは弱いのかもしれません。ですが、それはもう前の話です」

 

香歩はかけているメガネをくいっと上げて魔法使いに言う。

 

「人口神器『解析の魔眼鏡(アナリスト・オルクヴィートロイ)』。視界に映した魔法、魔術、魔力を解析することが出来れば私の魔力を相手に与えることで私の魔力操作で相手の魔法を封じることも」

 

「な、なんだ!?体が勝手に!」

 

魔法使いの体が勝手に動き出し味方の方に魔法を放つ。

 

「相手の動きを操ることも出来るのです。私の魔力操作に解析の人口神器が加わることでどんな相手でも戦えることが出来ます。もう前の私ではありません」

 

そして、次々、魔法使いたちを攻撃し、操り始める香歩。

 

「レンくん。あなたもアザゼル先生から人口神器をいただいていたのですね」

 

「ああ、香歩がかけているメガネはただ相手を解析するだけの人口神器。だが、香歩にとっては充分。さて、ある程度減ってきたし、締めは任せた。レスティナ」

 

「わかったわ。あなたの出番がなくなるくらい倒してあげるんだから」

 

前へ出たレスティナは何十もの属性の魔方陣を展開させるとそれを重ね合わせ一つの魔方陣を作り合わせる。

 

「皆、戻って!」

 

レスティナの言葉にサイトたちはすぐに戻る全員が戻るのを確認したレスティナは魔法を発動させる。

 

「全属性、全精霊を一つに・・・・」

 

「あの僧侶(ビッショプ)の魔法の威力はヤバい!全員、防御魔方陣を展開しろ!」

 

重ね合わさったレスティナの魔方陣に危険を察知した男が他の魔法使いたちに防御魔方陣を展開するように指示を出す。そして、男に遅れながらも防御魔方陣を展開し始める魔法使いたちだが重ね合ったレスティナの魔方陣が様々な光で輝き出す。

 

大自然の裁き(ネイチャー・オブ・ジャッジメント)ッ!」

 

レスティナが魔法を発動した刹那、始めは数百以上はいたはぐれ魔法使いたちだがサイトたちによりその数は半数近くにまでなっていたがそれでもあと五十人以上はいたにも関わらずレスティナの放った魔法により一瞬で数える程度になっていた。

 

「ま、こんなところかしら」

 

「だな、お前が本気を出したら俺たちも生き埋めになっちまうからな」

 

「「「「「「「「「「「今のが本気じゃないのッッ!?」」」」」」」」」」」」」」」」

 

通常運転の煉たちの言葉に驚くグレモリー眷属とシトリー眷属たち。

 

「当たり前だろ?元々、魔法力の強いレスティナは普段の半分ぐらいしか魔法を使わねえ。今のだったら40%ぐらいか」

 

「まぁ、それぐらいだと思うわ。でも今のはまだまだ実戦には使えないわね。言霊も唱えるにも技が発動するのにも遅すぎるわ。もっと短くしないと」

 

「ああ、何かぶつぶつ言っていると思ったら言霊を唱えてたのか」

 

技の反省と次なる実戦にへと向けての改良を考えるレスティナといつもどおりの煉やウラルたちを見て

 

「私、二度とヴィクトルくんたちと戦いたくありません」

 

「私もです。次やったら死にますよ、これ」

 

花戒と草下がそうつぶやく。一誠たちもうんうんと頷く。

 

「・・・・わかったわかった。俺たちの負けだよ。というよりも、リーダーが来いってさ」

 

魔法使いたちが降参とばかり両手を上げると魔法使いたちの視線の先に光が走り、転移型の魔方陣が現れた。

 

「その先にあんたたちの後輩と、今回の襲撃のリーダーがいる。さっさと行けよ。ただし、赤龍帝、ヴリトラ、デュランダル使い、雷光の巫女、癒しの聖女、ヴァルキリー、ミカエルのA、強奪神、妖精女王、封殺姫、龍人、血忠騎士、キマイラ、海獣神のガキ、魔眼忍者、ツッコミメイドだけは確実に来いってさ」

 

「ちょっと待ってください!ツッコミメイドって私のことですか!?メイドは認めますが、ツッコミは好きでしているわけではありません!」

 

「「「「「「「「えっ?違うの?」」」」」」」」

 

「お前らノリがいいな」

 

一誠たちもソーナたちもそして敵の魔法使いたちやウラルたちも異口同音で言うなか煉だけが面白そうに笑い香歩の肩に手を置いた。

 

「安心しな、香歩。お前の二つ名はその名に恥じのないくらいツッコミを入れているから。目指せ!最強のツッコミ悪魔!」

 

スパーンと煉の頭にハリセン一閃。そんなことなをしている間にソーナは通信アイテムを耳から外し、通信用魔方陣を展開した。

 

「上で待機している方々を呼んでここにいる魔法使いの一団を全員捕えます」

 

「ゲッ!俺たちを捕まえるのかよ!?た、ただの冗談じゃねぇか!『禍の団(カオス・ブリゲード)』の術者だけでいいだろう!」

 

その言葉に匙が文句を言ってきた魔法使いの襟をつかみ激しく睨む。

 

「・・・・ざけんなよっ!うちの生徒がおまえらのせいで・・・」

 

途端に匙は頭を振り、男の襟首を離す。

 

「・・・・これじゃ、兵藤に言ったのが格好付かなくなるな。でもな。でもよ・・・」

 

悔しそうに拳を震わせる匙の肩に一誠は手を置き、笑顔を見せたあと魔法使いをぶん殴った。

 

「狙うなら・・・・俺たちを狙ってこいよッッ!一般の生徒は関係ねぇじゃねえかッ!」

 

殴られてきょとんとする魔法使いを見て匙は苦笑する。

 

「・・・兵藤、おまえ、バカだな」

 

「お互いさまだよ、ダチ公」

 

「さて、ではお仕置きを始めます。朱乃、準備はよろしいでしょうか?」

 

「はい、いつでもいいですよ」

 

一誠と匙がいい感じになっているところを煉がそれをぶち壊すかのように空気を壊し、朱乃と一緒にSの笑みを浮かばせていた。

 

「えー、私、今回はとてもとても反省しております。一つ、小猫たちを守れなかったこと、二つ、先程の戦いで何も出来なかったこと。よってせめてもの償いにここにいる魔法使いたちが二度と悪さの出来ないようにしっかりと調・・・もとい、教育的指導を始めたいと思います。助手の朱乃さん。手伝いよろしくお願いします」

 

「はい、よろしくお願いしますわ。ふふふ、おいたをした子に罰を与えないといけませんものね」

 

笑みを浮かばせ、煉は死神の鎌をかまえ、朱乃は手に雷光を迸らせ、ゆっくりと魔法使いたちに近寄っていくとその笑みに恐怖を感じた魔法使いたちはあとずりする。

 

「ちょ、待ってくれ!捕まる!大人しく捕まるからギャヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッッ!!」

 

命乞いをする魔法使いに容赦なく教育的指導を施す煉と朱乃を一誠たちは何も言わず何も聞かずただそれが終わるのを待っていた。

 

 

 

 

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