強欲を司る略奪者   作:ユキシア

71 / 80
二天龍の鎧

「小猫!レイヴェル!ギャスパー!お前らの貞操は無事かぁぁぁああああああっ!」

 

はぐれ魔法使いたちを倒した煉たちは新たな魔方陣を通るとだだっ広い白い空間に転移した瞬間、煉が叫ぶ。

 

「ここは次元の狭間に作った『工場』なのですよ。悪魔がレーティングゲームに使うフィールド技術の応用です」

 

突然の第三者の声に煉たちは視線を向けると装飾の凝った銀色のロープに身を包んだ人物がいた。

 

「イッセーさま!」

 

次にレイヴェルの声が聞こえ、声の出所を探すと無傷の小猫とレイヴェル、そして顔中腫れあがったギャスパーがいた。

 

「彼女たちを返しましょう」

 

ローブの男がそう言うと一誠も手招きしてレイヴェルたちは駆け足で近づいた。

 

「テメエが主犯ってことでいいのか?なら、死んでもらうぞ」

 

一瞬でローブの男の背後を取り、死神の鎌で斬りつける。だが、ローブの男は紙一重でそれを躱す。

 

「早速ですか。いくらなんでも速すぎませんか?少しは私の話を聞こうという気は」

 

「ねえよ!レイヴェルを攫ったのと今泣いているレイヴェル。そして、お前らテロリストが考えそうなことは一つだけ!それはフェニックスの涙の量産!質が多少落ちようがそれでも破格な額で売れるだろうからな!それで資金でも溜めこむつもりだろ!」

 

「少々違いますね。レイヴェル・フェニックスで涙の精度を上げるためです」

 

「ああそうか!じゃあ、そろそろ顔を見せやがれ!」

 

「っ!?」

 

更に攻撃の手を上げる煉の攻撃に驚くローブの男だが煉はその隙をつくようにローブを斬り裂くとローブなか現れたのは銀髪の青年。

 

「・・・・・本当に常識はずれの力ですね、強奪神」

 

「・・・・お前・・・・何者なんだ?」

 

驚愕しながら問う煉。だが、驚愕しているのは煉だけではなかった。煉の他に一誠や朱乃たちも驚愕していた。それは、一誠たちも良く知っている人物、グレイフィアに似ていたからだ。

 

「私はルキフグス。ユーグリット・ルキフグスです。あなた方の知るグレイフィア・ルキフグスの弟です」

 

ルキフグス・・・・グレイフィアの弟。だが、確か戦争で死んだと聞いたな。だが生きていたんだな。

 

「で、それがどうした?」

 

煉は迷わず死神の鎌をかまえる。

 

「お前のせいで小猫とレイヴェル、ギャスパーが傷ついたのは間違いはねえ。例えグレイフィアの弟相手だろうと俺は一切の容赦はしねえ」

 

「・・・・でしょうね。別に構いませんよ。私も自由に動いておりますので」

 

そう言うユーグリットは煉や一誠たちの間に巨大な魔方陣を創りだしていく。光が床を走り、円を描いて輝き出す。

 

龍門(ドラゴン・ゲート)?」

 

匙が漏らす。ドラゴンを呼び出す龍門にユーグリット以外この場にいる全員が警戒する。

 

「・・・・・えーと、緑?緑を司るドラゴンは確か五大龍王の一角、玉龍(ウーロン)!どうして、玉龍(ウーロン)がここに!?」

 

「いや、違うぞ。イッセー。アレは緑は緑でも・・・・」

 

「緑より更に深い・・・・・緑色・・・」

 

「深緑を司るドラゴンっていたっけ・・・・・?」

 

イリナがぼそりとつぶやく。

 

「いたのですよ。過去に深緑を司るドラゴンがね」

 

ユーグリットがそう言い放ち、龍門の魔方陣が輝きをましついに弾ける。

 

グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッ!!

 

白い空間すべてを震わせるほどの声量。煉たちの前に現れたのは浅黒い鱗をした二本足で立つ龍。

 

「伝説のドラゴン、『大罪の暴龍(クライム・フォース・ドラゴン)』グレンデル」

 

ユーグリットがそうつぶやきグレンデルの瞳は戦意と殺意に満ちていた。

 

『グハハハハハハ。久方ぶりに龍門(ドラゴンゲート)なんてものを潜ったぞ!さーて、俺の相手はどいつだ?いるんだろう?俺好みのクソ強え野郎がよぉっ!』

 

狂喜に満ちように笑い出すグレンデル。煉はすぐに一誠たちのところに戻ると匙の神器からヴリトラが出現し、驚き包まれた声音を漏らす。

 

『・・・・・ッ!グレンデル・・・・・ッ!?あり得ぬ。奴は暴虐の果てに初代英雄ベオウルフによって完膚なきまでに滅ぼされたはずだ』

 

ヴリトラの言葉に煉も内心頷く。

 

やはりそうか・・・・。だが、邪龍ね・・・。久しぶりにきたな。

 

煉はグレンデルを見て笑った。それに気付いた一誠は冷や汗を流しながら煉に訊いた。

 

「な、なあ、レン。まさかだとは思うが・・・・おまえ」

 

「ああ、グレンデルを俺の力にする。邪龍。それも五大龍王以上の力だ。欲しくなってきた」

 

クククと小さく笑い煉はグレンデルに向かって叫んだ。

 

「おい、グレンデル!覚悟しろよ!今からお前は俺モノにする!」

 

煉の叫びに一誠たちは絶句するなか、グレンデルは哄笑する。

 

『グハハハハ!おもしれぇ!おもしろすぎるぞ!死神!いいぜ、俺に勝ったらお前のもんになってやらぁ!タイマンだ!』

 

「上等!まずはどっちが強いか思い知らせてやる!イッセーはドライグでもなんとかしてろ!」

 

瞬速の速さで動き出した煉はグレンデルの周辺をジグサグに動き出す。

 

『ちょろまかとうぜえ死神だぁ!』

 

「ハッ!生憎俺は死神じゃねえ!強奪神だ!まずは一撃!」

 

死神の鎌でグレンデルの足を斬り裂く。傷はない。だが、それは煉もわかっていたこと。死神の鎌は外傷ではなく魂だけを刈り取る物。それはドラゴンでも同じ。足を斬られたグレンデルはその場に倒れる。

 

「どうした!?どうした!?尻餅なんか着いてなさけねードラゴンだな!」

 

『グハハハハ!ぐちゃぐちゃになるまでぶっ殺す!』

 

殺意と狂喜に満ちた目で煉を睨むグレンデルは翼を羽ばたかせ飛ぶ。そして口から三つの火炎を吐き出す。

 

「遅い遅い遅い!」

 

だが、煉にとってはグレンデルの火炎はゆっくりとしか見えなかった。それを全て躱し、今度はグレンデルの目に死神の鎌を刺した。

 

『ぐおっ!おおおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

「ハハハハハハハハ!どうしたよ!?邪龍と恐れられたドラゴンの力はこんなもんかよ!」

 

と、強気になってはいるが俺も結構あぶねえんだよな。

 

グレンデルは強い。そう断言できる。パワーは圧倒的煉より上、俊敏さもある。だが、速さは煉の方が上で死神の鎌との相性がグレンデルにいいだけの話。もし、一撃でもグレンデルの攻撃を喰らったら煉は致命傷は免れない。

 

元の状態ならともかく今の俺は攻撃特化みたいなもの・・・・防御は木場より少し上ぐらいでしかねえ。防御を固めるなら無理矢理死神の力を押さえるしかねえが時間がかかるな。

 

『いいねぇっ!こうだよこう!いい感じな殺し合いになってきた!』

 

ボルテージを上げるグレンデルに煉も軽く冷や汗を流す。煉が今冷静でいられるのは今まで経験とマモンと旅をしていたとき一緒にいた戦闘鬼、ガララ・ワーディで少なからず対処法を知っているから。グレンデルと煉が対峙しているときユーグリットがつぶやく。

 

「やはり、グレンデルだけでは少々分が悪いですね」

 

そうつぶやくと再び巨大な魔方陣が出現する。するとそこから現れたのはドラゴンの形をした木だった。

 

「なんだ?木・・・・いや、もしかして」

 

『初めまして。「宝樹の護封龍(インソムリアック・ドラゴン)」ラードゥンと申します主に結界と障壁などを担当しておりまして・・・・以後、お見知りおきを』

 

「ラードゥン。あなたは強奪神の足止めをお願いします。このままでは実験ができそうにありませんので」

 

『お任せを。というわけでグレンデル。譲ってもらいますよ』

 

『おいおいふざけんなぁ!せっかくいい感じに盛り上がってきたつーのによ!』

 

獲物である煉が取られたことに苛立つグレンデル。だが、ユーグリットが冷たく言い放つ。

 

「また、骸と化したいのですか?あなたはまだ調整段階なのです」

 

『・・・・・・・チッ、たく、敵わねえな。なら』

 

グレンデルの銀色の鋭い双眸が一誠たちを睨む。

 

『ドライグだ!俺とバトろうぜ、ドライグちゃんよおおおおおおおおお!』

 

「そうは行くかよ!」

 

間髪入れずにグレンデルに斬りかかる煉だが当然やってきた巨大なシャボン玉を回避する。

 

『おっと、あなたの相手は私ですよ』

 

「チッ!おい、イッセー!ドライグの調子はどうなってんだ!?」

 

煉が一誠にドライグの調子をどうなっているか訊くが一誠は、いや、一誠の周りにいる誰もが絶句していた。いったいどうなっているのかと首を傾げているとウラルが答えた。

 

「レンくーん!ドライグが子供になっちゃったよ!どうしたらいいの~!?」

 

「・・・・・・・・・は?」

 

あまりにも意外すぎるいや、予想外な答えに煉は呆気した。そして、子供になったというドライグの声が聞こえた。

 

『・・・・・ずむずむいやーんって、心の奥にまでずーっと残ってるの・・・・』

 

「ブ八ッ!」

 

思わず笑いが噴き出て煉はそのまま腹を抱えながら大笑いする。

 

「アハ・・・アハハハハハハハハハハハハッッ!そりゃ・・・イッセーのブブッ!おっぱいに関連に精神がぶっ壊れたんだ!ハハハハハハハハハハ!おい、イッセー!戦闘中に笑わすな!アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハやべえ!今まで一番笑える!!」

 

「笑いすぎだ!俺だって驚いてんだよ!つーかどうすればいいんだよ!?」

 

「ヴリトラ、なんとかできないか?」

 

『もう一体、龍王がいればドライグの意識を引っ張ってこられるかもしれぬ』

 

「死ぬ!死ぬ!笑い死ぬ!アッハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

ドライグを何とかしようとする匙たちに対して今だに大笑いをしている煉。当惑する一誠たちの前にアーシアが一歩前に出てきた。

 

「私に任せてください!」

 

意を決したアーシアは力強い呪文を唱え始めるとアーシアの前方に金色の魔方陣が出現する。

 

「我が呼び声に応えたまえ、黄金の王よ。地を這い、我が褒美を受けよ」

 

呪文を受け、更に金色の魔方陣が輝き出す。すると再び龍門(ドラゴン・ゲート)が展開する。

 

「お出でください!黄金龍君(ギガンディス・ドラゴン)!ファーブルニルさんっ!」

 

金色の魔方陣から出現したのは金色の鱗を持ち、翼がなく頭部に生える布らしきものがくるめられたドラゴン、ファーブルニルが出現した。

 

「アザゼル先生は前線を引かれましたからね。龍王との契約を解除したそうです。ただ、そのまま返すのもなんだからアーシアさんとの契約を促したそうです」

 

ソーナがそう説明する。それを聞いた煉はやっと落ち着いたのか深呼吸をして一誠たちに言う。

 

「とりあえずは何とかなりそうだな!なら、そいつは頼むぜ!おっと殺すなよ。後で俺が頂くから。まずはこいつを片づける。ウラルたちは一誠の援護を頼んだ」

 

それだけを言い、煉は自分の相手となっている宝樹の護封龍(インソムリアック・ドラゴン)、ラードゥンと対峙する。

 

「さてと、待たせたな。ラードゥン」

 

『ええ、始めましょうか。一つよろしいでしょうか?』

 

「何だ?このままじゃあ不服か?」

 

自分の死神の姿を見て煉がそう促すとラードゥンは首を縦に振る。

 

『パワー重視の現赤龍帝もそうですが、あなたはそれ以上の力を持っている。なら、私の結界とあなたの力どちらが上か試してみたいのです』

 

「言うじゃねえか。そんなこと言えるの師匠ぐらいなもんかと思っていたぜ。そんなに防御力に自身があるのか?」

 

『ええ、障壁込みならそこにいるグレンデル以上です』

 

グレンデルのほうに視線を向けるラードゥン。そして今、一誠が紅の鎧を身に着けグレンデルと戦っている。そんななか煉はラードゥンに笑みを見せつけた。

 

「いいね、グレンデル以上の硬さ。それもドラゴンなら相当なものだ。ぜひとも俺もものにしたくなってきた」

 

『いいでしょう。あなたが私の最高の防御を超すことが出来たら私の力をあなたに捧げてもいい』

 

「言ったな?後悔すんなよ」

 

煉は死神の力を押さえつけ呪文を唱える。

 

「我は強欲の魔神の力をも奪いし略奪者。喰らい手に入れるのは永遠の欲望と無限の略奪、強欲と略奪、二つを統べる神王に成りて、我は全てを喰らい尽くそう!」

 

闇色の戦闘服を身に着け魔剣を握りしめる煉。

 

強奪神の魔王(サフヴァード・サタン)。これがお前の全てを奪う姿だ」

 

不敵な笑みでラードゥンを見る煉にラードゥンも自身の体に障壁を張る。

 

『これで私はグレンデル以上、いえ、過去最高硬度の防御力。壊せるものなら壊してみなさい』

 

「いいぜ、壊してやるそうだな・・・」

 

何かを模索し始める煉。すると、何かを思いついたのか笑みを浮かばせる。

 

「行くぜ、まずは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!そして、もう一つ!白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイング)!」

 

煉の腕に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、背中に白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイング)が出現するのにラードゥンは目を見開き驚愕する。

 

『二天龍の力を・・・それも同時に扱えるというのですか!?』

 

「普通の神器ならともかく、さすがに神滅具(ロンギヌス)クラスは何らかの核が今は必要だからな、ルフェイと魔法使い契約の時、ついでにヴァーリから宝玉を一つ貰って俺の力として魔剣に喰わせてみた。イッセーのときはゲームで奪ったが」

 

『ありえない・・・・。いくら力を奪えるとしても神滅具(ロンギヌス)までも自在に操れるというのですか』

 

「あり得ないことなんてあり得ない。聖書の神が死んで俺のような現象を起こした奴は今まで何人いる?神が死んだ今、不可能だったことだって可能なんだよ。それと、驚くのはまだ早いぜ?」

 

不敵な笑みを浮かばせたまま煉はつぶやくように言う。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

強力なオーラが白い空間全体を震わせる。

 

「『二天龍の鎧(ツインドラゴン・スケイルメイル)』。今まで奪った力をそのまま使っていたが組み合わせてみた」

 

紅白の鎧を身に着ける煉の姿を見てラードゥンを始めその場いる全員が絶句するなか煉は説明する。

 

「触れた奴の力を俺のものにするのが強奪神の魔王(サフヴァード・サタン)の能力だ。だが、それには色々難点が合ってな。一つ、触れた状態のときのものしか奪えない。例えば神器を発動する前ならそいつの神器の特性は奪えないし、禁手のときも同様。二つ、本来手に入れた特性は本物とは違い、手に入れた状態のままでそれ以上にはならない。もし、進化するなら俺も紅の鎧や極覇龍にもなれたはずだ。そこで俺は思いついた。なら、奪って特性を組み合わせることは出来ないだろうかと。その結果がこれだ」

 

煉は自身が身に着けている紅白の鎧に触れる。

 

神滅具(ロンギヌス)はさっきも言ったが何かの核が必要だが、それを手に入れた今の俺は恐らく最強だろう。だが、組み合わせる発想はよかったがどうやらこれには寿命を削るみたいだ。そう何回も長くも使えない。まあ、俺は一応魔神だし、寿命なんてほぼ無限・・・・・」

 

ほぼ無限にあると言おうとした煉だがその言葉が途中で止まった。

 

魔神の寿命はほぼ無限?なら、何故初代七大魔王は死んだ?

 

そんな疑問が出てくるが煉はすぐに切り替え目の前にいるラードゥンに集中する。

 

「悪いが、一瞬で終わらせてやるよ」

 

Divist(ディバイスト)!!』

 

その音声が鳴るとラードゥンの力が半分になり煉の攻撃力が倍増された。

 

『二、二天龍の能力をも組み合わせたというのですか・・・・・ッ!?いったいどこまでの力をあなたは・・・・ッ!』

 

「俺の力は無限だ。人の尽きぬ欲望と同じようにな」

 

『DivistDivistDivistDivistDivistDivistDivist!!』

 

音声が鳴り響きラードゥンの力は半減しながらそれと同時煉の攻撃力が倍増する。そして、煉は右腕をラードゥンに向けると紅白のオーラを拳に溜める。

 

「終われ」

 

短く言い放つ煉の言葉と同時、紅白のオーラの塊がラードゥンの胴体を貫きそのまま白い空間に穴が開く。

 

「威力は一点集中になるようにした。約束通り俺はお前の最高の防御力を壊した。だから、お前は俺のものだ」

 

鎧を解除し、魔剣を取り出した煉はラードゥンを斬り裂いた。すると、ラードゥンの体が粒子となり始める。

 

『私の負け・・・です。ですが、これでも私は邪龍。隙があれば逆に貴方の体を奪ってみせます』

 

「出来ねえよ。俺を支配できるのは俺だけだ」

 

ラードゥンの肉体と魂は完全に煉の魔剣に喰われ、煉の力の一部となった。その光景を見たユーグリットはグレンデルに言う。

 

「引きましょう。グレンデル。さすがに調整中のあなたでは勝てません。もうあれは化け物の領域に入っています」

 

「ひでー言われようだぜ。おい、グレンデル。こんな強い化け物と戦ってみねえか?」

 

『おおっ!いいのかよ!?殺るぜ!殺らせろ!こんなつえー奴と会えるんだ!いい時代になったもんだぜ!』

 

「・・・・グレンデル。二度も言わせないでもらいたい」

 

「・・・・わーたよ」

 

冷たく言い放つユーグリットの言葉に大人しく従うグレンデル。そして、再び龍門(ドラゴン・ゲート)が開き、深緑と共にグレンデルはこの場を去っていった。残ったユーグリットは冷淡な声音で一誠たちに言う。

 

「姉に、グレモリーの従僕に成り下がったグレイフィア・ルキフグスに伝えてください。あなたがルキフグスの役目を放棄して自由に生きるのであれば、私にも自由になる権利はある、と」

 

そして、ユーグリットは次に煉に視線を向ける。

 

「一つ、あなたに言っておきましょう。あなたの師匠であるエキノ・アフルレイトが重症です。早めに駆けつけたほうがよろしいですよ」

 

「「っ!?」」

 

その言葉に煉とウラルが目を見開く。煉も驚愕しながらユーグリットに言う。

 

「ハッ・・・何ふざけたこと言っていやがる・・・師匠が・・・・重症?ふざけんな!師匠は、さっき状態の俺でも勝てるかわからないんだぞ!そんな師匠が重症なんて負うわけねえだろ!」

 

「否定するのはあなたの勝手ですが事実です。確かめたいのなら冥界のグバイハナという町に行ってみたらよいでしょう。それでは失礼」

 

それだけを言い残しユーグリットは転移用魔方陣で転移する。と同時、フィールドの端々が崩壊し始める。

 

「この領域は崩壊するようです!早く、転移用魔方陣で脱出しましょう!」

 

ソーナの指示のもと、朱乃が魔方陣を展開し、一誠たちはギャスパーたちを回収して魔方陣の中央に集まるが煉だけはその場を動かなかった。

 

「レン!早く!」

 

朱乃がそう叫ぶと煉もすぐに魔方陣へ駆け出す。そうして、煉たちは無事全員、脱出することが出来た。そして、脱出したと同時、煉は一誠たちに言う。

 

「俺はすぐにグバイハナに向かう。アーシア!一応ついて来てくれ!」

 

「は、はい!」

 

「レンくん。私も行く!」

 

煉に呼ばれて煉の傍にくるアーシアと本当のことか確かめたいウラルは煉に触れる。一誠たちも行こうとするが煉は首を横に振る。

 

「お前らはリアスのことを頼む。あちらでも何が起きているかわからねえからな。安心しろ。アーシアもウラルも必ず守る」

 

煉はそれだけを言い残して瞬間移動で一気にグバイハナへと向かう。

 

師匠、無事でいてください。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。