強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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師弟対決

「今日はここまでだ。ミリキャス」

 

「はい!ありがとうございました!」

 

グバイハナでの突然のエキノの告白から少し経ち、エキノが体の本調子を取り戻すまで煉はいつもどおりに過ごし決戦前日の夜、ミリキャスに稽古をつけていた。

 

「あ、あのレン兄さま・・・いえ、レン先生」

 

「レン兄さまでいいぞ。今は修行時間じゃねえからな」

 

修行が終わり、休憩しているときミリキャスが申し訳なさそうに煉に問いかけてきた。

 

「明日のことは伺っております。レン兄さまのお師匠様と試合をなさるのですよね?どうしてなのですか?」

 

「悪い、どういう意味だ?」

 

ミリキャスの質問の意味が分からなかった煉はミリキャスに聞き返す。

 

「いえ、僕はレン兄さまに鍛えてもらっています。尊敬していますし、僕の憧れです。だから僕はずっと目標にしていきたいんです」

 

「あー、なるほどな。エキノを倒したら目標などがなくなって次になにをしようか困るってことか?」

 

「はい」

 

煉の言葉に頷き返事をするミリキャス。すると煉はこう答える。

 

「ミリキャス。男ってのはな、いずれ越えなければならない壁があるんだ。俺の師匠であるエキノがその壁だ。いくら憧れようが、尊敬しようが自分の進む道にその人がいるなら戦わなければならないんだ」

 

「・・・・僕にはよくわかりません」

 

首を傾げるミリキャスに煉は笑みを浮かべながらミリキャスの頭を撫でる。

 

「ま、お前にもいずれそういうことがわかるようになる。今はたくさんの目標を持っていればいい。いずれ、俺を倒せるぐらいまで強くするから覚悟しろよ」

 

「はい!頑張ります!あ、もう一つよろしいでしょうか?」

 

「なんだ?」

 

「どうしてレン兄さまはリアス姉さま以外と女性と多くの関係を持つのですか?」

 

「なんだ?お前も一夫一妻派か?ああ、サーゼクスやグレイフィアの子供なら納得か」

 

サーゼクスは煉とは違いグレイフィア一人だけ愛しているにたいして煉は一夫多妻で多くの女性を愛する。そのことにミリキャスは疑問を抱いていた。

 

「ミリキャス。俺は強欲なんだ。だから好きな女も全て俺は欲しいんだ。ミリキャス、もしサーゼクスやグレイフィアからどちらのほうが好きと訊かれたらお前どう答える?」

 

「・・・・んっと、答えられません」

 

「だからこそ、俺は全てを受け入れる。全ての女の幸せにする。だからこそ、明日は負けるわけにはいかない。エキノに勝って俺の女にする・・・・まぁ、それは置いといて」

 

いやらしい笑みを浮かべミリキャスに肩に腕を回す。

 

「ミリキャス、お前にもそろそろ女のことを教えてやる。ガキとはいえ知っておいたほうがいろいろいいから」

 

「煉さん」

 

煉の後ろから現れたグレイフィアから空気に重圧が増した。視線を後ろへと向けると迫力に満ちた瞳をしたグレイフィアがいた。

 

「そろそろ終わられると思いお飲物を持ってきたのですが、いったいミリキャスさまに何を教えようとなされたのですか?」

 

「・・・・いやなに、俺もこのくらいの歳には女を知り始めたから先生としてミリキャスにもと思ってな」

 

「本音は?」

 

「綺麗なもの汚したくなる。いや、嘘だ。悪かった。女性の口説き方ぐらいまでにしとくから、な?」

 

「少しお話があります。断らないでください」

 

「ラジャー・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレイフィアのお話から無事生還した煉とエキノは特殊フィールドのなかにいた。特殊フィールドは煉とエキノの注文。お互いに本気で戦えばただでは終わらない。被害を最小限に収めるためでもある。

 

『・・・・・・・・』

 

『・・・・・・・・』

 

フィールドの中では煉もエキノも一言も喋らずただ瞑目していた。モニターでその光景を見ていた一誠たちにも緊張が伝わっていた。

 

「あの、ウラルさん。一ついいですか?」

 

「なに?イッセーくん」

 

「エキノさんとレンくんの今までの勝敗はどのぐらいなのでしょうか?」

 

一誠の問いにウラルはんーとうなりながら答えた。

 

「レンくんの全敗だったと思う。レンくんがお姉ちゃんに勝ったところ見たことないから」

 

その言葉に一誠たちは驚愕した。人間のときから異常な強さを見せていた煉。そのあと進化していき格段にパワーアップしたのは一誠たちも知っている。そんな煉が今だに全敗のエキノはいったいどれだけの実力者なのか疑問が尽きなかった。

 

「私は正直な話二人は戦わないでほしい。これは私個人の気持ちもあるけどこの戦いはどっちが勝っても負けても納得のいかない戦いになっちゃう」

 

「ウラルお姉ちゃん・・・」

 

悲しげな瞳で言うウラルに雫はウラルの裾を引っ張り慰めようとするがウラルは雫の頭を優しく撫でる。煉とエキノ。煉が勝てばエキノはリアスたちと同じ煉のハーレムとなるがエキノ自身がそれを心から受け入れられるかわからない。逆にエキノが勝てば煉はエキノ一人だけを愛する。だが、リアスたちは少なからずショックを受ける。それは煉の主義に反することになる。どちらも言ったことは絶対に守ることをよく知っているウラルだからこそ一番悲しみを感じている。

 

「大丈夫です!」

 

「イッセーくん・・・・」

 

悲しみな表情をしているウラルに一誠が声を出す。

 

「レンだってそのことはわかってエキノさんと勝負をしているはず。なら、レンにだって何か考えがあると俺は思います。あいつはドSで鬼畜でよく俺をからかったり、ぼこったりする外道ですが絶対に女性を泣かすようなことはしません!」

 

親友である一誠は煉のことを良く知っている。そして煉の周りにいる女性はいつも笑っていた。それをずっと見ていた一誠だからこそわかる言葉を聞いたウラルに少しだけ笑顔が戻った。

 

「・・・・うん、ありがとう。イッセーくん。これはお礼」

 

一誠の頬にキスするウラル。それを見たアーシアたちの表情は固まった。そして、少し遅れて一誠がキスされたと気づくと顔を真っ赤にする。それを見たウラルは面白そうに笑う。

 

「ふふ、かっわいいね、イッセーくん。もう一回」

 

顔を真っ赤にしていた一誠の顔を見てウラルはもう一度キスしようとするがアーシアたちに止められた。

 

「イッセーくんってほんと可愛いね。レンくんがよくイッセーくんをからかう理由がやっとわかったよ」

 

そして、レンくんとは反対に女性に好かれるタイプだね。イッセーくんは。

 

微笑みながらそう感じたウラル。すると突如転移用魔方陣が出現しそこからサーゼクスとグレイフィアが現れた。

 

「やぁ、リアスの眷属たち、義弟の眷属たち。まだ始まっていないよね?」

 

「サーゼクスさま!?どうしてここに?」

 

突然現れたサーゼクスとグレイフィアに驚く一誠たちだがサーゼクスは普通に答える。

 

「ミリキャスとグレイフィアから聞いてね。レンくんの師匠であるエキノ・アルフレイトさんの実力をぜひこの目で見てみたくてね。レンくんたちの勝負の行方も気になる。あのフィールドもアジュカに頼んだものなんだ。それより始まるみたいだよ」

 

サーゼクスの言葉に一誠たちは視線をモニターに戻す。

 

『・・・・こうして戦うことはあっても本気で戦うのは初めてだな、エキノ』

 

『そうですね。ここで立っているだけでも貴方が強くなったことがわかります。ですが私は負けられません』

 

エキノ足下から一本の剣が生えてくる。

 

『御存じでしょうが私も神器は持っています。貴方がた悪魔が苦手とする聖剣創造(ブレート・ブラックスミス)。今の貴方は悪魔か魔神かはわかりませんが魔の力を持っているのならこの剣で断ち切ることはできます』

 

『ああ、知ってる。だけど俺も負けるわけにはいかないんだ。本気行く。我は強欲の魔神の力をも奪いし略奪者、喰らい手に入れるのは永遠の欲望と無限の略奪、強欲と略奪、二つを統べる神王に成りて、我は全てを喰らい尽くそう』

 

呪文を唱え煉は強奪神の魔王(サフヴァード・サタン)となり魔剣をかまえる。そしてポケットからコインを取り出す。

 

『これが地面に落ちたときが開始の合図でいいか?』

 

『かまいません』

 

煉はエキノの了承を取りコインを弾く。そして地面に落ちた瞬間、二人は消えた。

 

ズザァァァァン!ザンッ!

 

煉とエキノが消えた瞬間、突然地面が割れた。いや、斬られていた。

 

「これは凄いね。斬撃であそこまで斬れるなんて」

 

サーゼクスは感心の声を出しながら見えていない一誠たちに解説する。

 

「イッセーくんたちからは二人は消えているように見えるけどちゃんといるよ。ただお互い動きを見切り避けているんだ。地面が割れたように見えるのは二人の斬撃が地面を斬っているんだよ」

 

「エキノさまは纏っておられるのは気ですね。見たところ魔術で肉体も強化しています。人の身ながらこれは見事です」

 

「・・・・サーゼクスさまたちには見えておられるのですか?」

 

「まあね。でもどうやらまだ小競り合いみたいだね。これは総司といい勝負になりそうだ」

 

モニターから視線を逸らさす解説しているサーゼクスたち。すると、煉たちは動きが止まりそこで初めて一誠たちは二人の姿を視認できる。

 

『さすがは俺の師匠だ。今の攻撃で一太刀も入れられないなんて』

 

『いえ、貴方も強くなりました。私も貴方に一太刀も入れられないなんて驚く限りです。ですので少々本気を出します』

 

エキノは聖剣をもう一本増やし二刀流となりかまえる。そして、再び二人の姿が消えたように動き出す。

 

「レンの奴。どうして他の力を使わないんだ?」

 

力を奪いそれを自在に操ることが出来る煉の力だが煉はまだ他の力を一切使っていない。そのことに疑問に思った一誠にウラルが答える。

 

「使わないんじゃなくて使えないんだよ。お姉ちゃんが刹那の時間で相手を倒すことは出来るの。もし、レンくんが他の力を使ったらその瞬間負けちゃう」

 

「・・・・エキノさんって本当に人間なのですか?」

 

「人間だよ。でもあそこまでの強さを持っているからお姉ちゃんは人外って言われているんだ」

 

今だに底知れぬ力を持つエキノの存在に一誠は驚愕したと同時納得もした。煉のあの異常なまでの強さの根源が見えたような気がしていたから。

 

『ぐっ』

 

初めての攻撃を決めたのはエキノだった。聖剣が煉の肩を斬った。だが煉の斬り口から炎が出て来て傷を塞いだ。

 

『フェニックスの再生能力ですか。厄介極まりないですね』

 

『それはお互いさまだ。聖剣のダメージは確実に残る。何度も斬られたらさすがの俺でも死ぬ。しかもその聖剣・・・・神殺しの力も含まれていやがる』

 

龍殺し(ドラゴンスレイヤー)の聖剣の上をいく神殺し(ゴットスレイヤー)の聖剣。聖剣のなかで龍殺しが一番困難と言われていますが世の中には更なる上があります。その結果がこの神殺しの聖剣です』

 

『悪魔であり、魔神でもある俺には一番厄介なものだな。つーか、エキノは神でも殺したいのか?』

 

『そんなつもりはありません。ただ私は負けたくないだけです』

 

『なら、俺も神殺しの力を使おう。狼牙刀、双牙』

 

煉は魔剣を二振りの獣の牙のような刀を持つ。

 

『フェンリルの子供の力。フェンリルよりかは劣るが神殺しの力は十分に宿している』

 

『ですが私は神ではなく人間。人間相手には神殺しの力は無力です』

 

『まあな、でも別にいい。普通の刀だけで十分じゃねえがかまわねえ』

 

不敵な笑みを浮かばせる煉。二人はまた斬り合うかのように動き出す。だが今度はお互いに相手に当たる間合いギリギリで攻撃しているため今度は一誠たちも煉たちが視認できる。

 

「二人の両腕が見えねえ!どうやったらあんな風に出来るんだ!?」

 

煉とエキノの体は視認できても武器を持っている二人の両腕だけがまた消えていた。すると、煉が斬り合いながら何かを唱え始めた。

 

『オン・キリエラ・アバタ・マサラドラ・バル!』

 

言霊を唱えるとエキノの周囲から白い鎖が突如出現しエキノを縛ろうとしていたがエキノは周囲に聖剣を出現させ全て断ち切った。

 

「太古魔術の言霊!いったいいつの間に!?」

 

「確か始まりの魔術、魔術の元素と呼ばれているものだね。義弟なら会得していてもおかしくないが少し気になるな」

 

驚愕するロスヴァイセにウラルが説明する。

 

「グラシス・マモンから教わったんだ、レンくんは。マモンは魔術にも詳しかったからよく聞いたってレンくんは言っていたよ」

 

『どうしました?まさかこのまま終わってしまうのですか?』

 

『挑発には乗らねえよ。僅かでも隙を見せたらやられちまうからな!オン・キリエラ・アバタ・マサラドラ・バク!』

 

ドガァァァアアアアアアアンッ!

 

煉は今度は自分のいる足場を爆発させた。だが、いち早く足場が爆発したことに気づいたエキノは後退し爆発を回避した。

 

『今だ!フルバースト!大自然の裁き(ネイチャー・オブ・ジャッジメント)ッ!』

 

ロスヴァイセとレスティナの必殺技の同時攻撃をエキノに向かって放つ煉。だがそれでは終わらなかった。今度は右手に消滅魔力と左手に雷光を纏う。

 

『雷光よ!鳴り響け!滅殺の魔弾(ルイン・ザ・エクスティンクト)ッ!』

 

極大な雷光がエキノの上空から落雷。さらに周囲から無数の滅びの魔弾がエキノに襲いかかる。

 

『はー・・・・はー・・・・』

 

呼吸を整える煉。だが警戒は一切緩めない。やりすぎたとは思っていないからだ。むしろ足りなかったと言ってもいい。エキノは人間だが下手をすれば現四大魔王と同等、もしくはそれ以上の力を持っているからだ。土煙が舞うなか煉はいつ攻撃がくるかわからないなか警戒を緩めず迎撃の準備をする。

 

正面から来るか・・・跳んで上からの奇襲か、もしくは聖剣を使って足下から来るか・・・。

 

いつどのような攻撃に対処できるように迎撃のイメージを整える。一分一秒の油断が命取りだがエキノの場合一刹那油断するとその時点で死んでいる。

 

『・・・・・本当に強くなりましたね。稽古や試合、師としての立場でここに立っているのなら合格を出していました。ですが』

 

聖剣を振るい土煙を払い姿を見せるエキノの姿は無傷ではなかったがそこまでのダメージはなかった。

 

『今、私は一人の女性、エキノ・アルフレイトとしてここにいます。この先全ての戦いに勝利を捨ててでも勝たせていただきます。―――禁手(バランス・ブレイク)ッ!』

 

その瞬間、エキノ周囲が聖なるオーラに包まれいき、地面から聖剣の刃が出現しエキノに纏わり始める。全身が聖剣の刃が纏わり鎧と布の切れ目があるロングスカート姿のエキノがいた。

 

聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)の亜種の禁手、聖戦の女神(ホーリーフォー・ゴッデス)です。本番はここからですよ』

 

『うわ、出た。それは厄介だから嫌なんだよな・・・って言ってられねえか』

 

亜種の禁手を出すエキノに煉は魔剣に力を入れる。すると魔剣の刀身に黒いオーラが纏わる。

 

『俺も本気の本気で行かねえとな・・・・。死ぬなこれは』

 

ガキィィィイイイイイイイイイインッ!

 

真正面からエキノに魔剣を振り下ろす煉。だがエキノは両手に持っている聖剣で防御する。しかし、煉は体を捻らせて今度は横薙ぎのように魔剣を振るうがエキノの体から、正確には体に纏っている聖剣が煉の攻撃を防御する。

 

チッ。やっぱり前に比べて防御力が上がっていやがる。前なら砕けるくらいは出来たんだがな・・・・と、愚痴ってもエキノの禁手の前には防御されようが砕けようが意味ねえけどな。

 

エキノの亜種の禁手、聖戦の女神(ホーリーフォー・ゴッデス)は聖剣が体に纏わることで防御の役割も持つ上に例え背後からでも振り向かずに体に纏っている聖剣で反撃することが出来る。さらに、砕けることが出来てもまた新たに聖剣を創りだせば元に戻る。

 

鉄壁にて隙がない。まさにエキノらしい禁手だな。さてさて、好きな女を傷つけたくねえがそんなことは本当に言ってらんねな。エキノにダメージを負わせられるのはラードゥンのときに使ったアレしかねえな。

 

邪龍、ラードゥンとの戦いで煉は二天龍の力を組み合わせた最強とも言える力がある。だが、あの時は防御に絶対の自信があるラードゥンだからこそ本気で放つことが出来た。

 

エキノはそんな余裕はくれねえだろうし、何とか時間を稼いでなんとかするしかねえな。ならまずは動きを封じねえと。

 

煉は左手に黒い炎を出し、更に周囲から龍騎士たちを出現させる。

 

邪龍の黒炎(ブレイズ・ブラック・フレア)ッ!聖覇の龍騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)ッ!』

 

黒い炎を放ちながらエキノの全方向から龍騎士団を放つ煉。だが、エキノは聖剣で黒い炎を斬り裂き、襲い掛かってくる龍騎士たちを次々迎撃する。その時間数秒。しかしそれだけの時間でも煉には十分だった。

 

『禁手ッ!二天龍の鎧(ツインドラゴン・スケイルメイル)ッ!』

 

『DivistDivistDivistDivistDivistDivist!!』

 

紅白の鎧を身に着けた煉は能力を使いエキノの力を半減させ、自身の力を倍増させた。

 

『遅い!』

 

しかし、エキノは完全に力を溜めさせるほど甘くなかった。一瞬で煉の懐に入り鎧ごと煉の体を突き刺そうとすると煉の鎧に聖剣が貫いた。だが、

 

『硬い!?』

 

鎧は貫いたが聖剣は煉の体を貫いてはいなかった。

 

あぶねえ、あぶねえ。ラードゥンの防御力がなかったら死んでたな。だが・・・これで。

 

煉はエキノを逃がさないように腕を掴む。しかし、エキノは全身に纏わっている聖剣の刃を全て使い煉に攻撃する。

 

『ぐっ・・・・!』

 

聖剣は鎧を通って煉の体に刺さった。それでも煉は手を離さなかった。そして、溜めていたオーラを拳に集める。

 

『零距離・・・・・ツイン・ドラゴンブラスターァァァアアアアアアアアアッ!』

 

零距離から放たれる紅白のオーラはエキノを包み込んでいった。

 

『はぁ・・・・・はぁ・・・・ぐぅ・・・』

 

鎧を解除し激しく息を切らす煉。しかし、全身に受けた聖剣のダメージが予想以上に大きかったためその場で膝をつく。

 

クソ・・・・フェニックスとキマイラの再生能力を使っても聖剣のダメージで治るまで時間がかかる。

 

更に神殺し(ゴットスレイヤー)の力が付与されていたのか予想を超えたダメージが煉を襲う。すると、遠くの方から何か崩れる音が聞こえそちらに視線を向ける。

 

『はぁ・・・・はぁ・・・・』

 

全身がボロボロで聖剣を杖替わりで何とか立ち上がっているエキノの姿。それを見た煉は苦笑した。

 

『ハハ・・・・マジかよ。さすがは俺の師匠と言うべきか?』

 

『・・・・全ての力を防御に回してもこの力・・・・恐ろしい限りです・・・ですが』

 

エキノは重症とは思えない程の速さで煉を押し倒し聖剣を煉の首筋に当てる。

 

『私の・・・・・勝ちです・・・・』

 

決着はついた。モニターから見ている一誠たちから見ても煉の敗北だ見えてしまう程完全な決着。

 

『これで貴方は・・・・私のものです』

 

『ああ・・・・・たった今から俺はお前ものだ』

 

一切の言い訳もせず負けを素直に認めた煉は起き上がりエキノの頬に触れる。

 

『リアス、朱乃、ウラル達にはあとで謝って何とか俺を諦めてもらうしかねえがエキノは気にしなくていい。これからはお前だけを愛していく』

 

煉は約束通りにエキノのものになりエキノだけを愛すると宣言する。だがエキノは表情を俯かせる。

 

『・・・・どうして・・・・どうして何も言わないのですか!?貴方は!?』

 

表情を俯かせながら怒鳴るエキノ。そして、煉の胸にエキノの涙が零れ落ちる。

 

『私が貴方の幸せを奪ってまでそんなこと言って欲しくありません!あの時、私は私の想いを受け止めてくれる貴方を独占したかった・・・・でも・・・・貴方の幸せを・・・・貴方を愛しているウラルたちの幸せを奪ってまで貴方を独占したくない・・・・』

 

煉の服をぎゅーと握りしめ声をふるわせるエキノ。

 

『だから・・・・だから貴方が一言、私のことを好きと言って下さったら・・・・貴方のハーレムに入るつもりでしたのに・・・・どうして・・・どうして何も言って下さらないのですか?』

 

煉に抱き着きながら煉の胸で涙を流すエキノ。

 

『私の負けでいいです・・・ハーレムでもかまいません・・・・私を一人の女として愛してください・・・』

 

声を震わせながらの告白に煉はエキノの顔を上げさせ甘い笑みを浮かばせる。

 

『もちろんだ。今からエキノも俺の女だ。お前だけ愛するのは出来ねえが俺のこの命尽きる最後の時までお前も愛してやる』

 

煉はそう言ってエキノと唇を重ねキスをする。前の時のように舌を入れる濃密なキスではなく軽いキス。だが、エキノには煉の気持ちが十分に伝わっていた。

 

『はい・・・・永遠に貴方の御傍に・・・・私の愛する人、レン』

 

そうして煉とエキノの師弟対決の幕は閉じた。

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