強欲を司る略奪者   作:ユキシア

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匙の修行編

エキノとの対決を無事終わらせた煉たちはルーマニアに発ったリアスの吉報を待つこと数日後、煉はいつも通り自分のハーレムメンバーで寛いでいると突然、煉の家に匙が訪問して来た。

 

「どうした、匙?ソーナがリアスたちに関する情報でも伝えに来るように頼まれたのか?まあ、ここじゃなんだ、上がれ」

 

煉は匙を自分の家の中に招きいれようと促すが匙は動かなかった。それに首を傾げる煉。すると突如匙がその場で土下座した。

 

「ヴィクトル!頼む!俺を鍛えてくれ!」

 

煉の玄関先で煉に頭を下げ頼み込む匙に煉は歩み寄り匙の肩に手を置く。

 

「頭を上げろよ、匙元士郎」

 

言葉通りに頭を上げる匙。煉は微笑しながら言う。

 

「面倒だから嫌だ」

 

「一瞬でも期待した俺の純情を返せぇぇぇぇえええええええええええええええええええっ!」

 

その後、朱乃たちの説得により煉はしぶしぶ匙を鍛えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、で、いきなり鍛えてくれとはどういうことだ?それは俺のハーレムとの寛ぎを中止にさせるまで重要なことなのか?はぁ~」

 

「二回もため息を吐くな!この通り頭を下げてまで頼んでだ!」

 

椅子に座りながらきだるそうに紅茶を飲みに対して床に頭を着けながら見事なまでの土下座をしている匙。

 

「誰でも頭を下げれば何でもきいてくれるとは限らねえぞ。俺に何かを頼みたかったらそれなりの誠意を見せてもらわないと」

 

「これ以上にないくらい見せてるぞ!」

 

「足りねえな。イッセーなら土下座しながらドラゴン波の一発芸をするどころか、最近では一流のお笑い芸人に匹敵するほどの一発芸を俺に見せ頼み込むぞ」

 

「・・・・兵藤。お前何やってんだよ」

 

煉の言葉が容易に想像出来たのかこの場にいないイッセーに呆れるような声を出す匙。だが、匙はその場で立ち上がり煉から離れる。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお願いしますぅぅぅぅううううううううううヴィクトルさん!」

 

空中縦回転頭突き土下座。匙は頭から血を流しながらも煉の前で土下座を成し遂げた。

 

「35点。いや、そこまで体を張ったことに免じて40点やろう。ギリギリ合格点をやろう」

 

匙の体の張った土下座に点数を付け紅茶を飲み干した煉は匙に言う。

 

「イッセーを超えるお笑い芸人を目指すならお笑いの修業をして来い!お前なら必ずイッセーを超えるお笑い芸人になれると俺が保証してやる!」

 

「俺はお笑い芸人になるために来たわけじゃねぇぇぇええええええええええええ!!」

 

遂に我慢の限界が来た匙は煉に殴りかかろうとしたがあっさりと返り討ちにされその場で気絶した。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ鍛えて欲しい理由をまずは言ってみろよ」

 

やっと本題に入ることのできた匙は煉に理由を話すことにした。

 

「ヴォクトル。俺は先生になりたいのは知っているよな」

 

「もちろんだ。俺も悪魔の報酬はお前らの学校に寄付してんだ。早く完成させてくれよ」

 

「ああ。お前達のおかげで予定より早く進んでる」

 

アガレス、バアル、煉はそれぞれソーナが言う階級関係なく通えるレーティングゲームの学校の援助をしている。

 

「だけど俺はまだ下級悪魔。先生になるには最低でも中級にならなきゃいけねえ」

 

「そうだろうな。今のお前の実力だけなら上級悪魔に入ってはいるが悪魔の政治のことを考えたら昇格はまだ時間がかかるだろう。それにまだレーティングゲームの学校に不満の声を出す加齢臭豚ジジイ共がブヒーブヒーって否定しているだろうからな。俺が一言言って黙らせてきてもいいが」

 

「いや、やめろ。いくらなんでもそれはやめてくれ」

 

冷や汗を流しながら止めさせる匙に煉は「冗談だ」と言うが目はマジだった。

 

「昇格は今は考えなくてもいいんだ。それより俺は人に教えるほどの実力と自信が欲しいんだ」

 

「禁手か?」

 

煉の何気の無く言った言葉に匙は神妙な顔で頷く。一誠、煉、木場を始めとして煉の眷属のサイトも禁手に至っている。それに対して匙は五大龍王のヴリトラの神器を持っていながら今だに禁手に至らなかった。

 

「ヴィクトル。お前は自分の神器を全て禁手の至らせただけじゃなく亜種の禁手にまでしたんだよな?」

 

煉の本来の神器は略奪喰い(ラバード・イーター)。そこから奪った神器を全て禁手に至らせ自分自身の持つ神器と魔神の力を融合させ煉は亜種の禁手に至らせた。

 

「まあな。先に言っとくが禁手は所有者の想いや願望を簡単に言えばこの世界に逆らってでも叶えたい想いに転じた時禁手に至る事が出来る。まあ、イッセーのようにドライグが中から手伝って至ることもあるがな」

 

「ヴィクトル。お前はどうやったんだ?」

 

「この世界の全てを奪い俺のものにしたい。金も地位も名誉も女もこの世界の全てが欲しいと願ったらできた。俺の場合は強欲が禁手に至らせることの出来た理由だな」

 

「なら、俺は・・・・」

 

「これは俺の推測だが、禁手に至るにはお前がこの世界より何がしたいのか、だな。おっと話が逸れていたな。鍛えて欲しかったんだよな?いいぜ、鍛えてさせてやる」

 

「本当か!?」

 

「ああ、だが覚悟しろよ。俺はガキと女には優しくするが男には手加減はしねえからな」

 

「望むところだ!俺は強くなりたい!会長を守れるぐらい、一人前の先生になる為にも!」

 

拳を強く握りしめ意思の強さを見た煉は内心で笑みを浮かばせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

匙修行編、走り込み

 

「じゃあ、まずはこれを引きながら走ってもらおうか」

 

煉は匙の腰にタイヤが巻かれているロープを巻きつけタイヤの上に座る。

 

「何だ、思っていたより普通だな」

 

死んでもおかしくない過酷が優しいと思う程きついトレーニングを考えていた匙は内心ホっとする。

 

「この後の修業に倒れても面倒だからな。まずは軽めだ。ここから二つ先の駅まで行きそれをここまで往復したらいい」

 

「ハッ!それぐらい余裕で終わらせてやるよ!」

 

匙はタイヤを引っ張りながら走り出す。そうしてしばらく走り出すと煉はポケットに入れて置いたボタンを押す。

 

ドゴ!

 

「ガハッ!?」

 

突如道端から魔術の球が匙の腹部に直撃する。突然の奇襲に匙は足を止めてしまうと煉は鞭を取り出し匙を叩く。

 

「ほらほら!走れ走れ!これぐらい余裕と言ったのはテメエだろうが!」

 

「いて、いてて!おい、今のはなんだよ!?聞いてねえぞ!?」

 

「今のは俺が仕掛けて置いた魔術トラップの魔術球だ。匙が道を通るたびにこれは発動し全てお前に襲いかかってくる。言わなかったのはこれは反射神経と警戒心を高める修行でもあるからだ」

 

「軽めって言っていたじゃねえか!?」

 

「軽めだぞ?タイヤは」

 

いやらしい笑みを浮かべ答える煉。それから匙は全てのトラップを喰らい体中痣だらけ背中は鞭に叩かれた痕を残しながら何とか往復することが出来た。

 

 

 

 

 

 

匙修行編、接近戦とテクニック強化

 

「クソッ!」

 

「・・・・・まだ」

 

サイトと素手で実戦に近い組手をする匙。だが、先程から匙はサイトの連撃に防御するのが精一杯だった。

 

「匙、お前は神器を使う前に素手での戦い方と同じテクニックタイプであるサイトからテクニックと動き方を見て反撃するイメージを作れ。接近戦での戦い方とテクニックタイプの強化だ」

 

「ぐっ・・・おう!」

 

「よし、匙も気合が入ったところでサイト、ナイフまでなら使っていいぞ。ついでに恐怖心も鍛えておこう」

 

「・・・・了解」

 

無表情のままナイフを取り出したサイトの表情が匙には若干笑っているように見えた。

 

「いぎゃあああああああああああ!!死ぬ!死ぬぅぅぅううううううううッ!今刺さった!刺さったから!」

 

「安心しろ。即死でない限り俺が回復させてやるよ」

 

「今回復かけてくれぇぇぇええええええええええええええええええっ!」

 

「・・・・・うるさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

匙修行編、回避能力強化

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「ハハハハハ!避けろ避けろ!じゃなきゃ死んじまうぜ!徹!更に触手を増やしてやれ!」

 

『・・・・は、い』

 

キマイラ状態の徹は何十本の触手で匙に攻撃しているなか匙は涙目の命がけで躱していく。

 

「ヴィクトル!お前楽しんでねえか!?」

 

「当たり前だ!ほらほら、もっと行くぞ!」

 

「やめてくれぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええ!」

 

「ハハハハハハハハハハ!やっぱりお前で遊ぶのは楽しいぜ!」

 

ドSスイッチが入った煉は更に触手を増やさせ匙が慌てふためく姿を見て大爆笑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

匙修行編、精神力、忍耐力強化

 

「それでは始めさせていただきます。よろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします!」

 

次に匙の修業の相手はエキノだった。

 

「悪いな、エキノ。手伝ってもらって。これはお前にしか頼めないんだ」

 

「いいえ、愛する貴方の頼みであればなんでもします」

 

「ありがとな、匙」

 

煉は匙の肩に手を置くとボソリと告げる。

 

「死ぬなよ」

 

「え?」

 

それだけを言い残しその場から姿を消す煉。すると、突然匙の体に衝撃が走った。

 

「何を呆けていらっしゃるのですか?もう修行は始まっておりますよ。貴方が私に触れることが出来たらこの修行は終わりです」

 

続けてエキノは言う。

 

「死ぬ直前に回復魔法をかけて攻撃しますので死にはしませんに傷も残りませんので安心してください」

 

「・・・・・・」

 

その言葉が理解出来た匙の表情は真っ青になる。何故ならエキノに触れるまで死ぬほどの痛みを永遠に味わい続けることになるのだから。

 

「来ないのですか?ならこちらから参ります!」

 

「いやぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!」

 

「匙、死ぬなよ」

 

少しやりすぎたと反省しながら匙の無事を祈る煉であった。

 

 

 

 

 

 

匙修行編、精神力強化

 

「離せ!離しやがれ!俺をここから解放しろおおおおおおおおおおおっ!!」

 

怪しげな手術室に拘束された匙は叫ぶ。するとそこに白衣を身に着けた煉の姿が。

 

「俺をどうするつもりだ!?」

 

「俺流改造手術でお前の精神面を一気に強化してやる。ちなみにお前で被験者二号目だ」

 

「一号はどうした!?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・何も聞くな」

 

「どうしたんだああああああああああああああああああああああああああっ!」

 

神妙な顔で匙から顔を背ける煉に匙は命がけで抵抗を続ける。

 

「クソ!俺はもう二度とこんなのごめんだ!」

 

匙は一度グリゴリで改造手術され、龍王変化(ヴリトラ・プロモーション)になることが出来た。その証として匙の背中にはGという刻印がある。

 

「ふふふ、安心しろ。俺が立派な改造悪魔、匙元士郎二号にしてやるよ。さて、腕にロケットランチャーをつけるのもいいし、目から光線も定番だな。いやいや、髪が金髪になるとパワーアップって感じも面白くていいな」

 

面白げに色んなものを取り出す煉。それからは何が起きたのかは誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

匙修行編、結果

 

煉は驚愕した。それはあまりにも恐ろしいという言葉が似合うほどの威圧感が全身からにじみ出ていた。そして、その姿に煉は全身から冷や汗が止まらなかった。

 

「・・・・俺は・・・なんておぞましいものを創りだしてしまったんだ・・・・ッ!」

 

挫折、後悔。その二つの感情が煉の中で渦巻いている。そして、もう一度それを見る。スッテックを華麗に振り回し、踊り子のように舞うように踊り、魔法少女の格好をした死んだ魚の目をした匙を診た。

 

「魔龍少女☆サージです☆悪い事をする人は呪いを振りまいちゃうよ☆」

 

「おぇぇぇぇぇ・・・・・」

 

匙の姿に煉の精神はとうとう耐えられなくなり吐いた。それから数時間後、匙を何とか元の状態に戻した煉はしばらく魔法少女は見れないと言いながらしばらくの間朱乃たちに慰めてもらうことになった。

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