Re:佐藤さんが始める異世界生活   作:新田トニー

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前回急ピッチで書き上げてしまったためオリキャラ登場させることが出来ませんでした。今回出ます。


第3話 ガンスミス

 

「ホントにこんな所にあるのかい?ただの鍛冶屋じゃないか」

 

佐藤はロズワールに疑問を投げかける。

 

「も〜ちろんさぁただ貴方が望んでいるものかどうかは分からないが〜ね」

 

現在佐藤とロズワールは銃?を作っている所と思われる鍛冶屋に来ていた。

 

「サトウさん。ここルグニカ王国が王選をしているのはしっているね?」

 

雰囲気が変わったロズワールに佐藤は態度を変える事もせずにうんと相槌を打った。

 

「私は今、貴方が他の王選候補者の間者ではないかと疑っている。エミリア様に何かあったらと不安なんだよ」

 

ロズワールは先程までの口調から標準語に変わり真剣に話している事が分かった。

 

「貴方が白だという証拠が欲しい。だが貴方がそんなものを持っているとは思っていない。だからーー」

 

ロズワールが最後まで言う前に佐藤は鉈を抜き。ロズワールはしまったとばかりに目を鋭くした。だが

 

サクッ。

 

何かを切り裂いた音がした。だが切り裂いたのはロズワールではなく佐藤自身であった。佐藤は首元に鉈を深く刺し込みそれを思い切り右に引っ張った。

 

「何を……」

 

ロズワールは突然の出来事に状況が追いつかず立ち尽くすままであった。

 

だが佐藤は喉を切り裂いた後直ぐに立ち上がった。

 

「貴方は一体………」

 

「どう?これで疑いは晴れたかい?」

 

佐藤は自殺した事を気にもせずにロズワールに言った。

 

「本当に不死身だったとは………」

 

「私はエミリアちゃんにどうもする気は無いよ。する理由もないしね。それだけは分かって欲しい」

 

そう言われてしばらくロズワールは考え込む。

 

「ま〜あ証明するために自分から死ぬなんて人はあ〜んまりいないよ。うん信じよう。今まで疑って悪かったねサトウさん」

 

そう言われて佐藤はハァと息を吐き胸を当てながら

 

「いやぁ分かってくれて良かったよ。このまま陰険な雰囲気で話すのはいいもんじゃないからねぇ」

 

と笑いながら話している。だがこの2人は本心を出さない。表面上で笑っている。

 

(やはりナツキスバルとサトウはやり直す力を持っている。だが何か似ているようで違う………もう少し調べる必要がありそうだな)

 

佐藤とロズワールが鍛冶屋の前で待機してると中から店主らしき人が出てきた。

 

「なんだァさっきから店の前でウルセェなぁ………」

 

見た目は初老で無精髭を生やし、筋骨隆々で服はタンクトップとツナギを着た如何にも工場にいそうな職人と言った感じだった。

 

「やぁき〜みがここの武器職人か〜い?」

 

「なンだその気持ち悪りィ喋り方は」

 

ロズワールはそれじゃあ私はこの辺でと帰っていった。もしや今の発言で傷ついたのだろうか。

 

武器職人は鼻で笑いながらチラリと佐藤を見た。まるで品定めといったかのように。

 

「てめぇ……一体何人殺してきやがった?」

 

老人は佐藤の本質を見抜いた。だが全てではない。佐藤の心理は佐藤自身にしか分からない。

 

「さぁ?覚えてないよ」

 

「ケッ、そうかい」

 

そんなやりとりをしていると佐藤は本題に入ろうとして

 

「これ、どうやって作るか分かるかい?」

 

と銃を渡してきた。すると前に見た事があるのか老人は目を見開き佐藤の顔を見合わせた。

 

「オメェこりゃあ………」

 

「色々作ってくれたり弾丸を作ってくれたら嬉しいんだけどなぁ」

 

「サイコキラーに作る兵器なんざねぇ。おととい来やがれ」

 

軽く突き飛ばした。そんなぁと佐藤が残念がると後ろから数人の男達が邪魔だと佐藤にどついて来た。

 

「よぉガンスミス。そろそろ考えはついたか?」

 

「てめぇらに作るもんはねぇ。消えろ」

 

「オイオイそりゃあねぇだろォ!俺とお前の中だろ?」

 

とやたらとしつこく絡んで来た。

 

「そういえばお前んとこのムスメスンゲェ可愛いよなぁ。あんなん一度はすけこましてぇって噂だぜ?」

 

そこまで言われると老人は怒気を露わに男の手を振り払った。

 

「てめぇ…!俺の娘に手をーー」

 

そこまで言うと別の男が老人を鉄パイプのようなもので殴り地に叩き伏せた。

 

「まぁお前もこれだけやりゃ従うだろって思ってさらっといたよ。今日の夜まで待っててやっからそれまでにどうしたいか考えとけや。まあ断ったらお前んとこのムスメどうなってっか分かんねぇけどな」

 

そう言って男達は去っていった。その一部始終を全て見ていた佐藤はポカンとしながら

 

「大丈夫かい?」

 

と言った。

 

「ジャック!大丈夫!?」

 

店から飛び出して来たのは恐らく彼の妻であろうかそれでも佐藤は表情を変えずに、いやそれどころか

 

「もしかして娘さん人質に取られてるの?」

 

と聞いてきた。老人は聞かれたくない事を聞かれて顔をしかめた。すると彼の妻が

 

「お願い!リリーを助けて!助けてくれたら主人の武器をあげますから!」

 

「お前…!ダメだコイツは………」

 

「でも他に方法ないでしょ!!」

 

「いいよ」

 

佐藤は即答した。

 

「「えっ?」」

 

「くれるなら早く言ってよ。全く余計な時間を食ったじゃないか」

 

いきなりの佐藤の即答に終始ボーっとしていた2人はハッ我に帰った。

 

「ほ、本当にいいの!?」

 

「うん。彼が作る武器は喉から手が出るほど欲しいんだ」

 

そして佐藤は踵をあの男達が歩いた方へ変えようとすると

 

「待てッ!お前その銃だけじゃこころもとねぇだろ」

 

と指摘してきた。確かに弾薬は限られ鉈は少し刃こぼれしている。

 

「その鉈貸せ。俺が研いどいてやる。あとその銃も寄越せ。俺が見といてやる。代わりに別のやつ貸してやるよ。それとコイツらも持ってけ」

 

そう言って老人が渡してきたのは昔の古き良き銃SAAことシングルアクションアーミーと水平二連ショットガンとクロスボウだった。

 

「へぇ〜こりゃあ凄い!」

 

「オメェそのリボルバーとショットガンは分かんだろ。だがそのクロスボウは普通の矢と着弾すれば爆発する矢、それと目くらましと氷結させる矢と電撃を放つ矢がある。それさえありゃ足りんだろ」

 

と老人が説明すると佐藤はひとしきり銃を見ながら関心しきっていた。

 

「本当に凄いなねぇ。え〜と………」

 

「ジャックだ」

 

「うんジャック」

 

「あ、あの!」

 

ジャックの妻は佐藤に大きな声で呼び止めた。

 

「あの……娘をよろしくお願いします」

 

「うん、任せといて」

 

佐藤は新しい武器と戦いに心躍らせながら歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

時刻は深夜を回っている。辺りは人の声などせずシンとなるばかり。だが倉庫の中では違った。

 

「いやぁおめぇ改めて見てみるといい体してんなぁ!どうよ?俺とーー」

 

男がそこまで言うとジャックの娘、リリーは手を払い、男をグーで殴った。

 

「気安く触んな!ゲロ男!」

 

「ッ!!このクソアマ……!」

 

「オイ!」

 

チンピラは立ち上がりナイフをちらつかせるそぶりをするとボスの風格を纏った男がチンピラを制止させる。

 

「そいつ殺して何になんだ。少しは頭使えバカが」

 

そう言われるとチンピラはチッと舌打ちしながらナイフをちらつかせ

 

「よぉボスが寛大で良かったなじゃなきゃ今頃ーー」

 

ズドォン!!

 

と派手な音が鳴った瞬間チンピラの頭はザクロのように弾け散った。

 

「いやぁ流石だ。この音はいつ聞いても惚れ惚れするねぇ」

 

恐らく見張りも殺したであろう佐藤は見張りの首をチンピラ共に投げつけた。

 

「ウワァァァァァァァァァァァ!?!?」

 

「なんだアイツ!?」

 

「アァ………悪魔だ………ありゃ悪魔ダップギャァ」

 

チンピラ共は口々に言うと佐藤の銃弾に当たり弾け散った。頭に当たればザクロのように。胴体に当たれば裂いた羽毛のように。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図になっていた。

 

「クソッなんだアイツは!?」

 

ここのボスのような男は突然のイレギュラーに困惑していた。勿論ジャックの娘リリーも彼の出現にはびっくりしている。

 

そして

 

「オイッ!!!こっちを見ろォ!!」

 

ボスの男はリリーの喉元にナイフを突きつけ人質に取っている。

 

「動いたらァ!この女が死ぬぞ!!」

 

そう言われても佐藤は一切冷や汗をかかずうーんと唸っていた。

 

「オイ!オメェらやっちまえ!!」

 

そういうと仲間達が佐藤を囲い始めた。だが佐藤は抵抗する事なく身構えもせずに突っ立ったままだった。

 

「うん。この辺だね」

 

チンピラ共は佐藤の言ってる事は分からなかった。だがそれはすぐ後に分かった。

 

BOOM!!!

 

とド派手な音を鳴らし地響きを鳴らした。佐藤の周りでは爆発したり氷が突然出始めたり鋭い閃光が光ったりそして電撃などとありえない事が起こっていた。勿論その中に佐藤も居た為佐藤も巻き込まれた。

 

「ど、どうなってやがる………」

 

「驚いたかい?やっぱり君達も彼を狙っていたようだね」

 

爆煙のせいで煙が立ち周りが見えない中佐藤はボスに問いかける。

 

「コレ、ミエルカイ?」

 

無機質ながらも佐藤の声が僅かに聞こえた。正確に言えば聞こえたのはひとじちに取っているボスの耳元だ。

 

「ヒッ……!」

 

「ある強い感情を放つとコレが見える事がある。例えばそう、殺意とかね」

 

「た、頼む……助けて…………」

 

とうとう命乞いに出た虫ケラに佐藤は楽しそうにいいはなった。

 

「すまない。私は結構、殺しが好きなんだ」

 

「アァ………アアアア…………アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

その後ソイツの死体は発見されなかったという。

 

「リリー………頼む……!無事でいてくれ…!!」

 

ジャックがそう祈っていると

 

「パパーー!!!」

 

最愛の娘、リリーが彼の胸に舞ってきた。

 

「あぁ………リリー……無事でよかった!!」

 

「リリー!!」

 

彼の妻もやって来た。なかなか暖かい雰囲気だ。

 

「それじゃあ武器の件、よろしく頼むよ?」

 

「あぁ………分かったよ………………有難う」

 

「ん?なんか言ったかい?」

 

「なんでもねぇ!さっさと行け!!」

 

早朝ロズワールの屋敷に戻ってきた佐藤はエミリアに質問責めにされた。

 

「もう!一体何処にいってたの!?すごーく心配してたんだから!!」

 

「いやーごめんごめん」

 

「もう!!謝る気ないでしょ!!で?何してたの?」

 

エミリアが佐藤にそう聞いた。佐藤は少し考えた後ニヤリとしながら佐藤は意外過ぎる言葉を言った。

 

「人助けもたまには良いね」

 

 

 

 

 

 

 





どうでしたでしょうか?私自身オリキャラを出すのは他の作品含めて2回しか出していないのでとても不安でしたがそれでも見ていただければ嬉しい限りです。

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