脱獄者、美女スパイ達と共に   作:セメント工房

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3話 養成所って何されるか分からないよね・・・

ーースパイ養成所「ファーム」ーーー

 

「お前にはしばらくの間ここでスパイになるための訓練を受けてもらう」

「はぁ・・・」

俺は今、とあるスパイ養成所の門前にいる。

目の前にはゴメスと言う中年の丸いおっさんが立っている。

そして長々と話をしている。

当然俺は適当に相打ちを打っているだけだ。

 

「という訳だ。おかしな行動をしたらお前は即処分だ。分かったな?」

「はい」

どうやらここでの生活は監視付きのようだ。

まぁ当然と言えば当然か。

俺は深くため息をつき、有り得ない現実を受け入れる。(受け入れるしかねぇだろ・・・)

 

全くこの国のお偉いさんは頭が沸いてしまっているぜ・・・。

 

重々しい鉄格子の門が中へ入れと言わんばかりに開いた。

「それじゃあ俺は行くぞ少年。またどこかでな」

ゴメスは独り立ちする我が子を見送るかのように、こっちに手を振った。

それに対して、一応こっちも手を振っておいた。

 

さて、一体この先どうなるのか、少し期待を胸に自分の荷物を握りしめ、門を潜った。

 

門を潜ると、暫く長いレンガで舗装された道が続いていた。

その道をひたすら進む。

左右は森になっており、恐らく獣がうじゃうじゃいるだろう・・・。

 

 

誰にも会わない事に少し不安になってきた。

案内役や見張りの人間位、隣にいてくれてもいい気がする。

「仕方ない。その茂みに隠れている人間にでも聞くか・・・」

 

「あら、気づいていたのね。変態さん」

正直気づいてはいたが、危うく腰を抜かす所だったぜ。

道の脇の茂みから、一人の少女が出てきた。

「全く・・・助けてやったってのにひどい言われようじゃぁないか」

俺にはその少女に見覚えがあった。

そう。

この世界に飛ばされてきた時に助けようとした少女であった。

「んで?なぜ隠れていた?」

「またあなたにあらでもない事をされるかと思って警戒したのよ」

「しねぇよ!」

俺は全力で否定した。

すると少女はフフっと笑って「冗談よ」と言った。

「・・・ただあなたを一人にして逃げるかどうか試したかっただけよ」

その言葉に俺はやれやれと言わんばかりに首を横に振った。

「俺は逃げる気なんてさらさらねぇよ」

「そう」

俺の言葉に少女はフフっと笑った。

 

 

「私の名前はアンジェ・ル・カレ。よろしくね」

「ジョセフ・ビレッジだ」

 

 

腹立つ程青い空の下、俺のスパイライフが始まった。

 

 

暫くアンジェと二人で話をしながら、施設へ向かった。

 

 

施設に着くと、一人の女性が立っていた。

う~わ、明らかに強そうな人だな・・・。

非の打ちどころがなさそうなその笑み一つない表情は、この人が恐らく完璧主義者である事を感じさせる。

「教官。連れてきました」

その女性の前に立たされ、妙な威圧を感じながらなんとか挨拶をした。

「本日付でここに置かれることとなりました。ジョセフ・ビレッジです」

本当にこのあいさつで良かったのか?

言った後で不安になる俺を気にせず、教官と呼ばれた女性は表情を崩さずに、厳しい目をしたまま話し始めた。

「随分と頼もしい挨拶をありがとう。私はここの責任者、アビー・レノンだ。以後教官と呼ぶように」

「りょ、了解です!教官!」

怒らせるとさぞ面倒くさいだろうと思っているせいか、慌てて敬礼してしまった。

やっべぇ~殺される!

自分の失敗に恐怖しながら俺はそのままの体制をキープした。

しかしこの人、何もなかったかのようにアンジェに指示を出す。

「アンジェ。ジョセフを寮まであんないしなさい」

「了解しました」

慣れた様な言葉づかいで、アンジェは教官からの指示を受ける。

「そしてジョセフ」

「は、はい!」

「あなたがここに所属中、あなたの監視担当はアンジェです」

「りょ、了解です!」

 

怯えながらも、何とかその場を凌ぎ、ジョセフ達は寮へと向かった。

「おっかねぇなあの人」

「そうね。初対面だったらみんなあんな感じかも」

「そりゃそうだろうな・・・」

俺はこの時、アンジェのクールっぽさを羨ましく思ったぜ。

「あの人だったら目だけで人を殺せそうだな」

「フフッ本当にそうだったら今頃ここに誰もいないと思うわ」

「ある意味人類最強だな。あの目力ババア・・・」

これから俺は、裏で教官の事を目力ババアと呼ぶことにした。

 

 

「ここがあなたの部屋よ」

あれからアンジェと会話しながら10分、寮の自分の部屋の前に着いた。

「この部屋は4人部屋で今は3人の男子がいるわ」

「3人か・・・」

「因みにこの施設には男子はあなた含め4人しかいないから」

「めっちゃ少ねぇな・・・」

「そうね・・・じゃぁ後は頑張ってね」

そう言ってアンジェは立ち去って行った。

・・・はぁ。

入らないと何も始まらないよな・・・。

気まずさを感じながら部屋のドアをノックした。

「は~い。どうぞ」

中から一人の少年の声がした。

ゆっくりとドアノブを捻り、ドアを開けた。

「失礼しm・・・」

失礼しますと言おうとしたのだが次の瞬間、俺の思考は完全に停止した。

 

 

 

 

 

 

「わぁぁぁぁぁ!」

「驚いたか!転校生!」

 

 

 

 

目の前にはいかにも無邪気そうな少年に、まるで少女みたいないわゆる男の娘がいた。

奥にはクールっぽそうな少年が椅子に腰かけて本を読んでいた。

そしてそのクールな少年が本から視線をあげ、こっちをむいて優しく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい。転校生君!」

 

 

 

 

優しく微笑みながら、その少年はそう言った。




投稿がすっっっっっごく遅れてしまいました!すみません!
ようやくアンジェが登場しました!
でもなんかアニメとかよりも少し柔らかくしてあります!
あのクールで冷徹そうなアンジェが好きな人・・・
まじですみません!
でも、あの接し方するのジョセフだけの予定なので!

意見感想があればどしどし書いてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回の投稿も、いつになるか分かりませんが今後ともよろしくお願いします!
必ず投稿する(はず)なので!
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