扉を開けると目の前にはいかにも無邪気そうな少年に、まるで少女みたいないわゆる男の娘がいた。
奥にはクールっぽそうな少年が椅子に腰かけて本を読んでいた。
そしてそのクールな少年が本から視線をあげ、こっちをむいて優しく微笑んだ。
「いらっしゃい。転校生君!」
「・・・」
俺はどう反応すればいいか分からず、ただ立っていた。
「あれ?まさかあまりの出来事にとうとう驚きの声も出ない感じ!?」
女の子のような少年(以降少女(仮)としよう)が話しかけてくる。
「うお!?これは大大大成功だ!」
2人は盛り上がっていた。
ダメだ・・・このままではおかしな方向へ話が進んでしまう。
「驚いてねぇよ・・・ただあまりの出来事に志向が追い付かなかっただけだ」
「えぇぇぇ・・・」
「なぁんだ!」
少年と少女(仮)はつまらなさそうに言った。
「今日からここに世話になるジョセフ・ビレッジだ。年齢は16歳」
取り敢えず自己紹介をする。
「僕はリーニア・レイル14歳!よく女の子と間違えられるけど男の子だからね!」
そう言って自己紹介してきたリーニアは女の子にしか見えない。
本当についているのか?。
それに14歳でスパイか・・・。
色々あるのかな・・・触れないでおいてあげよう。
「そしてこっちが・・・」
そう言って驚かしに来たもう一人の方をさした。
その少年は、無邪気な笑みを浮かべた。
「レノン・レイルだ!リーニアの兄でもある。年齢は16歳。よろしくな!」
「兄弟だったのか!?全然似てないな!?」
それを聞いてレノンはハハハと笑った。
「よく言われるんだよ!リーニアは女の子みたいだからさ!」
「し、失礼な!僕だって男の子だよ!」
「仲のいい兄弟だな!」
リーニアはもーっと膨れた。
そんなことは気にせず、レノンはハハハと笑って流した。
「「そして・・・我らがリーダー!」」
「ジャック・テイラー16歳だ!よろしく!ジョセフ!」
ジャックが真ん中でYの字で立ち、二人が両脇でポーズをとった。
ジャックの顔と行動が合わなさ過ぎだ・・・。
大人しそうな見た目なのにすごいはじけている・・・。
しかし悪い奴らじゃなさそうだ。
否、むしろ楽しそうだ。
「よろしく!3人とも!」
こうして俺、ジョセフはこの世界に来て初めて友達ができた。
そしてこいつら3人は予想以上にヤンチャな奴らだった。
「・・・という訳で今日から転校してきたジョセフ・ビレッジだ」
「ジョセフです。よろしく」
座学を受ける教室で軽く自己紹介をして、みんなと授業を受ける。
と言っても受ける授業はスパイになる為の知識なんだとか・・・。
そして俺の席は最後列の黒板向かって左端の窓際だった。
そして嬉しい事に最後列は男子4人組で埋まっている。
「やあジョセフ。この席で良かったね!」
俺の隣はジャックの席だった。
そしてその隣にリーニア、レノンの順に座っている。
2人は手を振ってきた。
自分も振り返す。
そして授業が始まった。
「・・・という訳でここをこうして・・・」
先生が指示棒で黒板を指しながら説明をする。
しかし、やっている内容はすごく簡単だった。
実際寝ていても問題ないレベルだった。
現に隣でジャックは何気ない顔して小説を読んでいる。
その隣ではリーニアとレノンは何気ない顔してチェスを・・・え!?
なんと2人は机をくっつけてチェスをしていた。
なにやってるんだ!怒られても知らないぞ!
「・・・ではここの問題をレノン君」
「435です!チェック!」
「・・・正解です」
どこのコミックの主人公だよ!?
ほら!先生悔しそうな顔してるじゃん!
「では次の問題を・・・リーニア君」
「398です!甘いね!お兄ちゃん!」
「くっ・・・正解です」
あぁ!なぜ先生止めないの!?
「では次の問題を・・・ジョセフ君」
「は、はい!」
しまった!気を抜いていた!
「684です」
「・・・正解です」
何でそんな悔しそうな顔してるの!?
俺何もしてないよね!?
暫くしてチャイムが鳴った。
「では今回はここまで」
号令と共に起立、礼をする。
「チェックメイトだよ!お兄ちゃん!」
「やられたー!」
ようやく終わった・・・。
次は外で爆弾解体の訓練だった。
広いグランドの端に移動式の黒板を置き、教官が説明する。
「爆弾の解体方法だが・・・」
「・・・と言う感じだ」
これも簡単だった。
そして横ではジャックは立ったまま寝ており、その横ではアホ兄弟(リーニアとレノン)が『あっちむいてほい』と言う確かジャポンって国の遊びをしていた。(どこで知ったんだよ・・・)
そしてそうしている内に早速爆弾処理の実践を始めた。
「ほら、行くぞ」
「「「は~い」」」
俺は3人を連れて自分たちの机に移動する。
「それでは・・・はじめ」
先生の合図で作業を開始する。
「よしできた」
あっという間に信管を取り外した。
「ジョセフ手際が良いな・・・」
「すごーい!」
「早いな」
3人が口々に褒めてくる。
何だかちょっと照れ臭いな・・・
「やめてくれ・・・そんなに難しくないだろ」
実は爆弾処理は結構得意だ。
「確かに難しくはないが、1分足らずでばらしてしまうのは中々だよ」
ジャックはなおも褒め続ける。
やめてくれ・・・
そんなに褒められると・・・
「この爆弾強烈にしたくなっちゃうじゃないかぁぁぁぁぁ!」
そう言って俺は爆弾の火薬を化学反応で強烈にさせ、信管を取り付けてしまった。
「「「「あ・・・」」」」
目の前に強化ボムが完成した・・・
否してしまった・・・
正直自分でも失敗したと思った。
てか訓練なのに実弾だったとは・・・
「やばいやばいやばい!」
「やってしまったなジョセフ!」
ジョセフとジャックは慌て始めた。
「なんで戻しちゃったのジョセフ!?」
「どうすんだよ!?取り敢えず先生呼ぶ!?」
アホ兄弟も慌て始めた。
否もしかしたらこの状況ではアホと呼べないかも・・・
「あぁぁ!もう!」
そう言ってリーニアは俺の作った強烈ボムを掴んで投げた。
「「「「あ・・・」」」」
さっきと同じように4人は硬直した。
これをデジャヴと呼ぶのだろうか。
強化ボムはそのまま空中を飛んでいった。
飛んでいく先には半径15mはあるであろう丸い溜池があった。
強化ボムはその真ん中に吸い込まれるように落ちた。
そして・・・
轟音
耳を貫くような凄まじい音と共に巨大なキノコ雲が上がった。
「何があった!?」
教官が血相変えてこっちにやって来た。
「「「「爆発しました・・・」」」」
「見たらわかるが・・・」
教官は突っ込んでくれた。
「いやぁ・・・ちょっと事情がありまして・・・」
ジャックは話し始めた。
「ちょっとここのバカ兄弟が爆弾を・・・」
「いやいやなんで僕達なの!?」
「やったのは俺だよ!?」
ジャックがアホ兄弟に罪を擦り付けようとしたが、俺はそれを阻止した。
はずなのだが・・・
「いややったのはジャックだよ!」
なんとリーニアはジャックに罪を擦り付けた。
「なんでだ!?」
「いやいややったのはリーニアだろ!?」
「お兄ちゃん!何言ってるの!?」
一体こいつらは何言ってやがるんだ!?
「ちょっとお前らこっち来い!」
俺は3人を掴んで教官から距離を置いた。
そして小さな声で言った。
「お前ら一体何やってるんだ!?」
「え~っとだな・・・」
ジャックはニタニタしながら考え始めた。
そしてはっきりとこう言った。
「漫才!」
「あほか!」
俺はジャックをはたいた。
「何やってるんだ!?」
「えぇ!?いいじゃん!」
するとリーニアやレノンまで乗り始めた。
「面白いじゃん!」
「それにこうすることによって・・・」
レノンは俺に耳元でこうする訳を言ってきた。
「・・・成程」
「ね?良いでしょ!?」
「・・・分かった」
なかなか面白い事考えるじゃん!
俺もこいつらについて行こう!
「そろそろ話しは終わったかい?問題児たち?」
「「「「ひ!?」」」」
油の切れた機械のように4人は後ろを向く。
そこには初対面の時には考えられない表情をした教官がいた。
眼鏡は光って目の表情は分からないが、口元はひきつった笑みを浮かべていた。
「結局犯人はどいつだ?小僧ども・・・」
「こうなったらせーので犯人を指さすぞ!」
俺は最善の選択をした。
「分かった」
「了解」
「了解だよ」
3人も同意した。
「いくぞ・・・せーの!」
「「「「(ジャック)(ジョセフ)(リーニア)(レノン)」」」」
見事に意見は分かれた。
「なんでそうなるんだよ!」
「犯人はどう考えたって・・・」
ジャックがそう言いかけた時だった。
「どう考えてもお前ら全員だろ!?クソガキども・・・」
「「「「ひ!」」」」
「爆弾を作った奴も確かに悪いが、見てたやつも悪いし投げた奴も悪い。作らせるような要因を作ったのも悪いんじゃないのか?」
教官はなおもひきつった笑みを浮かべていた。
「という訳でお前ら全員・・・」
「「「「ゴクリ・・・」」」」
「私が「いいよ」っていうまでここを走りな」
「どんな拷問だよ・・・」
「有り得ねぇぜ・・・」
「僕無理だよ・・・」
「俺もだよ・・・」
口々に文句を言っていると。
「良いわね?」
「「「「はい」」」」
結局その日日付が変わるまで走らされた。
因みに溜池は跡形なく消し飛び、そこには深さ25mはあるであろうクレータができた・・・。
通常であれば精々2mが限界だったそうだ・・・
時系列と設定が物理法則を無視している・・・
(今更だろ・・・)
あと時系列がぁぁぁぁぁ!
(きにすんな!)
はい・・・
意見感想があればどしどし書いてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!