ロマンシングサガ 〜Diva of the last song〜   作:シズりん

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第4話

メルビル地下水道

 

メルビルのあらゆる居住区や施設はては王宮に至るまでほぼ全ての建物と繋がっている。もちろんそれぞれの施設への入口には鍵がかけられているので容易く入るなんて事は出来ないのだが、それぞれから排出されたモノが集まる事から必然的に不衛生となり、普段街にはいないモンスターが少なからずいるのが実情である。

その為普通に暮らすメルビルの住人が地下水道に入ることはまず無い。そんな危険なところにあえて自ら行くとするなら今回のように人攫いをするような輩ぐらいだろう。

 

グレイは小さなモンスターをカタナで退治しながら血の跡を追う。それは人攫いという外道的な行為に対する正義感からとかでは勿論ない。事実グレイ本人でさえもオレは何をしているんだ?など自問自答を頭の中で先程から繰り返しているほどだ。しかし頭では冷静に自分の行動を見ているにもかかわらず脚はまるで何かに引き寄せられているかのように血の跡を追っているのだ。なによりも一番不思議なのはその行為を嫌と思っていないグレイ自身のことだった。

 

血糊が続く扉の前でグレイは一息飲み込み戦闘に備える。まず間違いなく敵が待ち構えているはずだ。慎重に扉を開け部屋に入ると野太い声が響く。

 

「馬鹿な奴だ、調子に乗って追いかけて来るから痛い目にあうんだ。」

グレイは顔を背けずに周囲の様子を探る。

むせ返るような血の匂いに満ちたおおよそ10メートル四方の部屋は、地下という事もあり窓類は無く扉も今入ってきたものが背後にあるだけだ。部屋の中は至ってシンプルで奥に祭壇らしき物があり他には何もない。祭壇には女性が一人横たわっていて、生死は不明だが先程からピクリとも動かない。状況から判断すれば目の前の男たちの目的は身代金などの金銭ではなく、邪神への生贄か何かのようだ。

 

男たちは五人。この部屋に隠れる場所はないからこの人数で間違いないだろう。黒い衣装の四人はダガーを構えている。真ん中の赤い衣装に身を包む一際大きな男も、短刀を持ってこそいるが儀式用なのか装飾が多く戦闘向きではない。そしてローブに隠れた方の腕側にはワンドのようなものが見え隠れしている。つまり術法を使う可能性があるという事だ。状況分析を終えたグレイが腰の刀を抜いて構えた。

 

相手が五人であっても戦いに慣れたグレイの敵ではなかった。

ダガーを構えた四人の男達が繰り出す連携攻撃をカタナで受け流すように躱しては一人また一人と倒していく。

相手の人数が二人になった時だった。相手方の首領と思われる大柄の男が術法の詠唱を終え強大な紫色の火球が現れた。それは10種類の系統のうち闇に属される術法、そして人には扱えない術だ。

 

「きさま…人間すら辞めていたのか。」

グレイが吐き捨てると首領は下卑た笑いを発しながら作り上げた紫色の火球をグレイに向けて放つ。如何に手練れの戦士であっても発動してしまった術法を躱すことは難しい。グレイは来るべき衝撃に備えるのだが、それはいつまでたっても来ることはなかった。

紫色の火球は首領の手を離れた瞬間に四方八方へと霧散したのだ。

 

首領が何が起きたのか分からずに表情を凍らせ狼狽えていると、

首領の背後にある祭壇に横たわっていた女が身体を起こした。

 

「う…ん…ここは?私はいったい…。」

グレイは起き上がった女を見てほんの一瞬動きを止めた。

 

彼女がよく着ているとされる赤い衣装ではない。おそらくは目の前の首領たちが着せた生贄用の白いドレスかなんかであろう。そして恐ろしいほどに整ったその顔だちを覆い隠す頭巾も今日はかぶっていない。

それでもグレイは知っている。何もかもを見通すかのような、どこまでも澄んだ深い夜の色をしたその瞳をもつ者にグレイは既に出逢っている。

 

「おまえ…シェリルか?」

 

女はその瞳にグレイを捉えた。




卒論が…卒論がぁ!!

コピペ…ダメかなぁ
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