魔王に敗北した勇者が魔王の専属メイドになるそうです   作:火野荒シオンLv.X-ビリオン

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久々の投稿です。
クオリティに関してはちょっと不安。


第5話 勇者、雑務を任される

次の日の朝……この日も朝食が終わると同時に、辺り一面に魔物達が転がる中、その光景を見ながら、レイは魔王の後をついていた。

レイはひっそりとダガーを構えつつ、未だに襲い掛かられている魔王の隙を伺う。

…が、実力差があまりのもありすぎるのか、彼に襲い掛かった魔物たちは軽々しくあしらわれており、しまいには魔法すらも素手で跳ね返しており、だんだんと魔物の屍(実際は死んでない)が増えていく一方だった。

そのうえレイの方にも流れ弾…どころか勢いよく吹っ飛ばされてきた魔物が彼女に向かってくるのもあり、それを避けるのにも精一杯で思うように手を出せずにいた。

 

「「「ぎゃぁぁぁぁ!!?」」」

(くっ…まったく隙を見せてくれない…っていうかさっきから色々飛んでくるから危ないんだけど!?)

「数もだいぶ減ってきたか……朝の襲撃ラッシュは貴様を覗いてほぼ全員済んだところか」

「Σよく見たらもう全滅してる!?」

 

魔王のことに意識を向け過ぎていたせいか、気付かぬうちに魔物達はほぼ全滅しており、遠くから仕掛けていた魔物達も今日は無理だと悟っていたのか既に撤退しており、、レイ一人だけが周りの惨状の中で立っている状態となっていた。

流石にこの状況では真正面から襲い掛かっても勝つことはできないだろう…そう考えたレイは再び隙を窺うために大人しくする。

 

(くっ…もう少し早く行動できていれば…仕方ない、また様子見するしかないか…)

「ほぅ、もう楯突く気は起さなくなったか…あれ程威勢が良かった奴が三日ほどで割れを殺すことをあきらめたという解釈でいいのだな」

(くぅぅぅぅ!あ、煽りやがってぇぇぇぇ!!殺したい!今すぐ殺したい!!せめて魔法でも使えれば!!)

「分かりやすいほど顔に出ているぞ…さて、話を変えよう」

「?な、なんだよ…」

 

と、先程まで煽るかのような発言をしていた魔王が話を変えようと口にする。

その言葉を聞き、一瞬嫌な予感を感じたレイは恐る恐る尋ねる。

 

「勇者よ、貴様は我の専属とはいえ、この城の従者だ」

「あー、うん。嫌だけどそうなるよね嫌だけど」

「…その割にはあまり何もしていないな」

「だってすることないじゃん!!」

「…普通従者は主の住まう場所全体を清掃するだろう?」

「……まさかこの無駄に広すぎる城を掃除しろと?」

「そうだ」

「ふざけんなっ!?」

「おっと危ない」

 

突然城全体を掃除しろと言われ、レイは軽く怒り狂いながら魔王にダガーでけしかける。

勿論その攻撃はスルーされたがそれはさておき、魔王は少しは話をしっかり聞けと呟く。

 

「一昨日も話したが、そもそも貴様は誰よりも近くで殺せるというハンデが与えられているだろう。当然それでは不公平だと思い、我の部屋を清掃させたほどだ…もっとも、他の従者たちと比べてかなり雑だったみたいだが」

「ヲイ」

「なので決めた。貴様は一日のノルマをこなせなかったら始末する」

「はぁ!?」

 

突然のことでレイは訳が分からないと言わんばかりに叫ぶ。

それもそうだ…わずか三日間の間ですら散々自分の存在が重要であるとして生かされてきたのに、その自分を始末すると言い出すのだ。

あまりにも横暴に彼女は魔王にどういうことだと叫ぶ。

 

「どういうことさ!?散々ボクが必要だとか言ってただろ!!?」

「確かにそうだ…が、昨日みたいに我がいないところで死ぬような目に遭っても困るからな。なので他の従者たちと共に城を整理させるかと思ってな」

「やめろ昨日のあの悪夢のようなことを思い出させるな」

「自業自得であろう…我的にはもう貴様を捨てたいところだが…オーラムと話し合ってこれで妥協した」

「妥協ってなんだよ!?」

「安心しろ。どうせ貴様がこの話で喚くことは分っていたからな。ノルマは貴様でも簡単にこなせてすぐに終わるやつを提示するようハウスキーパーに伝えておいた…もっとも、貴様が真面目に取り組まなければノルマが増える上に厳しいものにしろと伝えているが」

「お前本当はボクを殺したくてうずうずしてるよね?」

 

段々と自分をさっさと捨てたい気持ちが垣間見えているのが気になるレイだが、魔王はそれをまるで聞いてないかのごとくスルーする。

 

「ともかくだ。ノルマをこなせばいつも通りに我を殺しにかかってもよい。が、こなせなかったら容赦なく捨てる……拒否権はないと思え」

「うっ…分かったよ!言うとおりにすればいいんだろ!!?クッ…ボクの立場を利用しやがって…!」

「分かったならグダグダ言わず、従者たちの部屋まで行け」

「お前本当に覚えてろよ!さっさと掃除終わらせて殺しに戻ってくるからなぁぁぁぁぁ!!」

(…期待せずに待ってみるか…)

 

そんな捨て台詞のようなことを言いながら、レイはさっさと済ませてしまおうと従者たちの部屋の元へ走り出す。

それを見た魔王はため息をつきながら、日課の読書をするために部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

~~~

 

 

 

「ということで、魔王様から話は伺っております。貴女への教育係を任されました、メイド長のルシア・レ・ラスプといいます。以後お見知りおきを」

(教育係って……ただの掃除でそんな大げさな…)

 

それから10分後…

途中道に迷ったりしたものの、メイドたちの部屋に辿り着いたレイは、室内で銀髪ロングのメイド服を着た少女に自己紹介されていた。

その際教育係という単語にレイはもどかしい気持ちを抱いていると、銀髪ロングのメイド…ルシアが表情を全く変えずにレイの顔を窺ってくる。

 

「?如何なさいまして?」

「いや何も。…それよりさっきから気になってたけど…えっと…」

「私のことはメイド長とお呼びを」

「あ、はい…メイド長のその首元の縫い合わせたようなものって…」

「これですか…できる限り見えないように隠していたのによく気が付きましたね。これは私が生前首を切り落とされたのをくっつけてもらった時のですね」

(てことはやっぱりゾンビなのかこの人…ゾンビ特有の腐った臭いがなかったのもあって気付かなかったけど、よく見たら手首とかも縫い合わせた後があるし…ていうかゾンビって死霊術師(ネクロマンサー)でも生前の記憶まで復活させることが難しいって聞いたことあるけど……改めてこの城にはヤバいやつが多すぎる…)

 

レイは彼女と会ってすぐ、気になったことを尋ねると、ルシアの言葉を聞き、彼女がゾンビであると確信する。

………ゾンビ…それは生命の理から脱線してしまい、魂がない状態で生き返った魔物…

詳しい理屈は分ってはいないが、基本的に処理されずに放置された死体が突然動き出すことがあり、生命がある生き物…つまり生きている生物を食らう習性がある。

更に生前の頃の記憶はおろか意識すらなく、ただ本能で動き回ることがある上、痛みすら感じないのかどんなに攻撃しても簡単に怯まず襲い掛かり、同時に生前ではありえないほどの身体能力を発揮することがあり、最悪の場合ゾンビの一振りの攻撃を受けただけで体がもぎ取られることもある。

それ故にゾンビはこの世界にとっては非常に危険な存在であるとされている。

 

その他にも他人の手によってゾンビにさせられた個体も多く、死霊術師と呼ばれる死者を蘇らせる存在達がよく死者を蘇らせる実験として何処からか回収してきた死体はおろか、生きていた者たちをゾンビ化させることもある。

ルシアがどのタイプのゾンビなのかはレイ自身も分からないが、少なくともゾンビに感情はおろか生前の記憶を持っているという極めて稀な存在であるのは確かである。

生前の記憶を持っているということは当然知能もあるということで、通常のゾンビたちと違い統率された動きができることになる…ただでさえ身体能力の高さで恐れられているゾンビを指示通りに動かされたらかなりの脅威になるのは間違いないということだ。

それを考えたレイは改めて魔王の率いる軍団に危険を感じていると、ルシアが「あの」と呟く。

 

「あの、時間の無駄なのでそろそろ本題に入りますが、よろしいですか?」

「ん…ごめんごめん…(浄化系統の魔法を使えれば無理矢理魂を天に返せるけど今はできないから、まだこいつは放置するしかないか…)それで、何をすればいいの?」

「そうですね…ちょうど今の時間は洗濯物が多くて忙しいはずですので、そちらを手伝ってもらいましょうか」

(洗濯物?簡単じゃないか…)

「何をボーっとしているのです?時間は無限ではないのですよ。とりあえず、一番忙しいであろう浴場から行きましょうか」

「Σっていつのまにそこに!?あっ、ちょっと待ってよ!歩くスピード早すぎない!?ってか置いてくなぁー!!」

 

いつの間にかルシアは部屋の入口に佇んでおり、レイはそれに驚くもその間にルシアはせっせと歩き出す。

しかも歩くスピードもかなりあり、置いてけぼりにされそうになったレイは慌てて彼女の後を追いかけていった。

 

 

 

~~~

 

 

 

それから数分後……レイたちは目的地である、魔物達が利用するという浴場に辿り着いていた。

 

 

「貴女がここを利用したかどうかは知りませんが、ここが浴場となります。ここでは着替える場所と、浴場内の使用済みのタオルを回収してもらうことになります」

「…」

「?どうしましたか?」

「…ねぇ、ここ広すぎる上に、なんか変なお風呂がいくつかあるんだけど…」

 

レイはそう言いながら、浴場を見回す。

……一部の所に扉のようなものがあり、それぞれ立札が建てられており、彼女はさっきからそれらが気になってしまっていた。

 

「?あちらは立札にあるように毒風呂とありますが…」

「その時点でおかしいよ!?なんで毒風呂とかいうわけわからないのがあるんだよ!!他にも溶岩風呂とか氷風呂とか泥風呂……いやこれは泥の汚さ次第ではマシなんだろうけど…後闇風呂とかなんとか色々訳わかんない風呂があるの!?というかどんだけここ風呂多いんだよ!この城そんなに広かったっけか!!?」

「この城には様々な種族が集められていますので、この様に様々な種族に合った浴場を設けているのです。因みに普通のお風呂もありますし、聖水で清められた聖水風呂などもありますよ」

「聖水風呂なんて誰が入ってるんだよそれ」

「さて、雑談してる暇なんてありませんので、さっさと仕事に取り掛かりますよ、

「さっきから思ったけどマイペースすぎない!?」

「あ、毒風呂と溶岩風呂は手を出さないでくださいね。普通の人間だと死にますから」

「待ってもしかしてここそんなにヤバい場所?ねぇちょっと!?」

 

レイのツッコミもむなしく、テキパキと仕事に取り掛かり始めたルシア。

そんな彼女をよそにレイはとりあえず近くに合った浴場のドアノブに手を伸ばし、仕事に取り掛かろうとする。

 

「…と、とりあえず仕事しなきゃ…まずはあの氷風呂だ。やな予感するけど、さっさと回収すれば問題ないよね…よーし、魔王殺すためにやるぞぉぉぉぉ!!」

―――ガチャリ

―――ビュォォォォォォォ…

「……」

 

レイが氷風呂の扉を開けた瞬間、まるで吹雪のような風と、一瞬で凍り付きそうな冷気が吹き荒れる。

それをもろに受けた彼女は…ゆっくりとその扉を閉じていた。

そして……寒さに耐えきれなかったのか、体をガクガクと震わせていた

 

(いいいいいやさささむすすぎぎぎぎでしょょょょょ!!なな、なに、な、なにあれれれれれ!!いい一瞬ここここ凍りりりりりつくつつくかととととおも、おもったたたたけどどどどど!!)

「?何を震えているんです?早く仕事してください」

「みみみみ見てわか、わからなななないののの!?」

「あぁ、そういえば氷風呂も生身の人間では凍え死にかねませんでしたね。ゾンビだったのもあってその辺を忘れてました」

「忘れんな!!」

 

ルシアの言葉にレイは激怒するも、こうしている間に仕事が取られていくのを見て、凍えた体を無理に動かす。

そして次に辿り着いたのは、暗闇風呂と書かれた場所…

先程の件もあり、彼女は覗き見るように扉をあけ、中を確認する。

 

「(…どうやらここは暗いだけみたい…なんでこんな風呂用意してるのかは知らないけど…明かりさえ用意すれば……)…あれ、そういやここ、蝋燭ないの…?おーい!!ここ蝋燭ないのー?」

「はい。暗闇風呂は出来る限り明かりをつけないようにしているので。因みに隣の闇風呂はライトの魔法すら意味をなさないほどの闇に覆われているので、そこの二つを徘徊するときは足元に気を付けてくださいね。特に暗闇の方」

「(なんでわざわざ暗い部屋を二つに分けたんだ…)まぁ、こっちの方はライトも使えるみたいだし、さっさと回収してしまおう。…ライト!……一昨日も確認したけど、だいぶ小さい…」

 

レイはライトの魔法を唱えると、小さな明かりが彼女の掌に宿る。

しかし本来のより小さいのか、レイは困ったような表情をする。

が、立ち止まっている暇はなく、さっさと仕事を終わらせようと彼女は暗闇風呂に入り込む。

 

「…あ、暗闇風呂ではできる限りライトを使わないほうがいいですよ。時折悪戯好きなゴーストがそこで待機して」

―――ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!

「……特に明かりを持った相手に積極的に悪戯を仕掛けてくると言おうとしたのですが、遅かったみたいですね」

 

ふと思い出したようにそう呟いたルシアだが、既に時は遅く、一人の勇者の絶叫が響き渡っていた。

 

 

 

~~~

 

 

 

「では次は、庭の掃除です。特にここは魔王様がよく使われておられるので、より綺麗にしておかなければなりません」

「…ここでの注意点は…?」

「そうですね…花壇に小型のラフレシアたちが植えられているので、迂闊に近づいては」

「遅すぎるわ!!もう捕まってるわ!!というかどこが小型だよ十分デカいじゃん!!」

「…貴女って不幸体質持ちか何かですか?後、スカートめくれてますよ」

「両腕捕まってるのに隠せられる訳ないだろ!!ずっと思ったけど本当マイペースだよねお前!!?」

「貴女は貴女で先走り過ぎるのでは」

「うっさい!というか助けてよ!?このままじゃボク食われるんだけど!!?」

 

浴場を後にして、次にレイたちが赴いた場所は、魔王がよく使うという庭にやってきていた。

……のだが、辿り着いて一分も経たぬうちにレイはラフレシアと呼ばれる植物型の魔物に捕まっており、ルシアは彼女のことを不幸体質か何かと思い始めていた。

 

「少々お待ちを…なんとかしてラフレシアたちを宥めるので」

「出来るだけ早く助けてね?じゃないとボク本当に食われちゃうから!!」

「―――何をしておるのだ、貴様は」

「うげっ、その声は…」

 

ふと、聞き覚えのある声が聞こえ、レイがそちらを向くと、本を片手に持った魔王がゆっくりと歩いてきていた。

それを見たルシアは素早くその場で跪くと、魔王に何が起きたのかを手短に説明する。

彼女の話を聞いた魔王は、レイの方を向くと……威圧でラフレシアたちを怯ませ、彼女を解放させていた。

そして解放された彼女を見つめながら、彼女に向かってはっきりと呟く。

 

「いでっ!?」

「…勇者よ、貴様、全くもって無能なのだな」

「なっ…」

「この様子では、今日中に貴様を消すことになりそうだ…やはり貴様に期待しないで正解だったか」

「ちょ…おい!!待てよ!!」

 

それだけ言い終えると、魔王はその場を後にする。

それを聞いたレイは魔王を追いかけようとするも、その場で足を止めてしまう。

そして……静かに握り拳を作ると、その手を震わせていた。

 

「…ねぇ、他に何が残っているの?」

「…急にやる気を出し始めましたね……先程の魔王様の言葉が効いたのですか?」

「…」

「まぁ、事実魔王様の言うとおりですが……いいでしょう、まだ午後から出てくる仕事もあるので、今日はそちらに専念してもらいましょうか…ただし、本気で取り組まなければなりませんので、気を引き締めてくださいね」

 

ルシアはそう告げると、当初の予定通りであった庭の清掃に取り掛かる。

そしてレイもまた、彼女の言葉にうなずくと、静かに作業に取り掛かっていた。

 

 

 

~~~

 

 

 

「ごくろうだったな、ルシア…それで、結果はどうだ?」

「はい。あの後も問題は起きたりしましたが……辛うじて合格、というラインでした」

「…そうか。それで勇者はどうした」

「途中からハードな内容もありましたので、かなりの体力を消耗したらしく、今は部屋で休んでいます。もっとも、妥協点で合格を与えていいラインがいくつかありましたが、本人が清掃の方に意識を向けていたみたいですが」

「そうか…下がってよいぞ」

「畏まりました」

 

その日の夜……魔王の部屋にて、ルシアがあれ以降の経過を話していた。

それを聞き終えた魔王はルシアを退出させると、同席していたオーラムが彼の表情を見て呟く。

 

「…不満そうですね。そこまであの勇者は嫌だと申したいのですか」

「あぁ…今日の件で努力はするタイプだと分かった…だが、成長が極端だ…放っておけばすぐにでも死ぬであろうが…」

「しかし死なれては困りますものね…ここ百年ほどの間にここまで来れた勇者の数は彼女を合わせて20ほど……今回はたまたまメンバーが優秀だったからでしょうが、我々魔軍も少しづつ強くなっているのは確かです。故に新しく勇者を誕生させるには、彼女を殺さないといけないが、その新しい勇者がここまで辿り着けるかどうかと言われたら、難しいものですものね」

「直接新しく生まれた勇者の元へ赴ければいいのだがな……加護を得ている勇者の力は壮大だ。捕えようにも手を抜けば、こちらが深手を負うだけだ」

 

ため息をつくように魔王はそう呟く。

 

「…まぁ、今回の勇者は執念深いようですし、あの手この手で貴方を殺しに来るでしょう」

「どれも無駄になるだろうがな」

「まぁそうでしょうが…しかし、前から気になっていたのですが、あの勇者は力を封じられているとはいえ、いくらなんでも弱すぎるのでは…」

「そういえば、力を封じられた時、根こそぎ魔力を失ったと言っていたが」

「おや?それはおかしいですね……確かに女神の加護の力は封印しましたが、余程のことがない限り魔力はそのままのはず…本来の魔力と別に女神の加護によって魔力が増えて…」

 

そこまで発言して、オーラムは理解する。

それと同時に魔王も理解したのか、成程なと呟く。

 

「成程な…無能とは言ったものの、まさかそこまでとはな…」

「…如何なさいますか、魔王様…」

「我としてはこの事態が把握できた時点で捨てるつもりだが…オーラム、この件については貴様に任せる」

「御意」

 

魔王の言葉に頷くと、オーラムはそのままどこかへ姿を消す。

そして一人残された魔王は、一人静かに考え事をしていた。

 

 

 

(あの勇者はもう【武器以外で】我を殺せる可能性はないだろう…それでもオーラムは残すつもりだろうが……)

 

 

 

 

(……やつを殺すまでに、我を殺せる者は、いつ現れるのだろうな…)

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