そうでもないかもしれないですが
「あ、そうだ!キノボリができると、逃げたり隠れたりするとき便利だよ。」
サーバルさんは木登りの授業を始めた。
「ちょっとやってみない?」
このあたりの木はバオバブが多い。バオバブは茶色の枝が集まって太い幹をしている。
先端や所々には若干葉っぱが生えて、それが木であることを主張しているようだ。
サーバルはバオバブの木に手をかけてみゃみゃっと爪を掛けて登った。
「ね、簡単でしょ。」
「無理ですよー。」
実際サーバルさんは軽々と25m近くある木登ってくれましたが、こんなのはできるわけない。
そこでサーバルは解して、小さいバオバブを紹介した。
僕は幹の付け根にかばんを置いて、手をかけて登って、サーバルさんがお尻を支えてくれたこともあって、バオバブの安定できる場所に到達した。
「いいでしょ!キノボリ!」
「うわぁ…。」
かばんの感嘆の声。
さっきの木よりは小さいけど、それでも向こうの丘までは見えるみたいだ。
「あそこの丘が目的の水飲み場だね。」
サーバルさんは指をさしてそういった。
バオバブの周りは枯れ草だが、丘は緑っぽい草で覆われて花も見える。
「さっ、いこいこ。」
サーバルはかばんが下りるのをまってから先に進んだ。
僕はサーバルさんに迷惑にならないように、急ぎ足でついていった。
丘はそれなりの坂で、途中つまずいたけど、なんとか登り切った。
サーバルはかばんがつまずいたのを見ていたが、助けも借りず、不満も出さず自分で歩きだしたのをみて、穏やかにこの子は一人でも大丈夫であろうと悟った。
登り切った先に水飲み場はあった。
「「ふあー水だー。」」
サーバルとかばんは口を揃えて言った。
コンコンと湧き出るオアシスはその周りが草木に覆われて、多くの者たちが集まる場所である。
二人はただ水に向かった。
水を飲む音だけが響く。
「「おいしい!」」
サーバルとかばんは二人は見あってから笑う。
「結構歩いたね。」
「思い返すとそれなりわりと長い旅でした。」
「まだサバンナちほーだよ?ふふっ。」
二人の後ろにはサバンナが変わらず在り続けている。
「まだ出てないんでしたね。」
「そうだよー、元気出していこうね。」
「はい…。」
「あ、あそこ休憩した木陰だね。」
さっきいた場所が景色の一部になっていた。
「景色を見ながら水飲むと生き返るよね。うーん。」
サーバルさんは手を空に伸ばして伸びをする。しっぽが水平にピンと伸びる。
「そうですね。でもサーバルさんわりと元気でしたよ。」
「そうだったね!」
しばらくして暑さでやれていたサーバルの思考がお水の力で戻ってきた。
「あれー…にしても、今日は空いてるなー。いつもは場所取りになるくらいなのに。もしかして怖い誰かでもきたのかな?」
水飲み場には二人だけである。
かばんは気が付いた。水面がぽこぽこしていて何がいるように赤い影があることに。
「だぁれ?」
その声の主は水の底から、水面の一点を破り、ドーンと大きな音が響いた。
「うわあ、たうべぇ…。」
かばんは思わず叫ぶ。
「あ、かば。」
サーバルが当たり前のように言うその者はカバのフレンズだった。
つづく
次回はオリジナル要素を入れるかもしれない
解説パート入れるか悩んみましたがどうやっていれたらいいかわからない
個人的には私がけものフレンズをみた理由の一つなので入れようか悩みましたが…
そういえば言い忘れましたが宝石の国はEDの煌めく浜辺が好きです
普段アニソンにしろ何にしろ結構聞いてないと好きにならないのですが、これは一発で好きになりました
なんでか知りませんが