神聖ローマニア帝国内務省
内務省長官であるラインハルト・ハイドリヒは大量の名前の載った報告書を眺めていた。帝国会議により、皇帝陛下の名の元新たな税制を取り入れたことにより、貴族からの反発が増加。何人かの貴族は反乱の準備をしているなどの報告も来ている。いつもならすぐさまゲシュタポを招集し、反乱分子の摘発に向かうところだが、今回はできない状況にいた。
数日前、
「長官、皇帝陛下がお呼びです。」
「わかった。」
内務省とヨハネス大臣率いる税務省の共同により帝国は先代皇帝が残していった問題を少しずつ解決していたが、それは帝国だけであり、先代皇帝の弟君であるフィリペ2世が治めるマドリード王国は財政難への脱却ができないでいた。
ハイドリヒが応接の間に着くと奥の玉座に座っているカール5世は待ちわびたかのような笑顔でハイドリヒを見た。
「おぉ、ハイドリヒ。すまんな急に呼びつけて。」
「いいえ、お気になさらず。それで何用でしょうか?」
「うむ。そなたも耳に入っとると思うが、、マドリード王国の事じゃ。」
マドリード王国の国王フィリペ2世は財政難を脱却するために当時栄えていた自国領のネーデルランドに対し重い課税をしいた。そのことに不満を持った者たちがオラニエ公ウィレムを筆頭に反乱を起こしたのだ。
「えぇ、聞いております。ネーデルランドで大規模な反乱が発生したとか、しかもただの農民たちではなく、ネーデルランドの商業力を使い武器などを仕入れているという情報が入っております。」
「うむ。それで先日フィリペ殿から援軍をたのまれたのじゃ。わたしの叔父上の頼みなので断れなくてな、、ただ将軍たちはツァーリ公国の援軍などで手が空いておらん。そこで、ハイドリヒの親衛隊を援軍に出してほしいのだが、だめか?」
「承りました。準備ができ次第ネーデルランドへ出兵いたします。」
このため帝国内部の反乱分子を排除する余裕がなく、現在放置状態となっている。
「まったく。ようやく財政難から抜け出したというのに、、」
「長官。親衛隊の準備ができました。」
「よろしい。すぐに出発だ。」
神聖ローマニア帝国皇帝親衛隊ネーデルランド派兵部隊
総員2万5千
銃器、騎馬、などを多数配備
率いる将軍 ラインハルト・ハイドリヒ内務省長官及び親衛隊大将
黒い服一式のその軍勢はどくろの旗を掲げ、ネーデルランドへ向けて出発した。
ネーデルランド
現在ネーデルランドでは、マドリード王国率いる部隊は南部10州を反乱を鎮圧し、北部7州の鎮圧に向かっていたが、北部7州はユトレヒト同盟を結び、対抗していました
「死ね!!マドリード王国のくそども!!」
武器をとれるものは全員が団結して戦い、いろんなところに潜みながら戦いを続けていた。
「くそっ、北部のやつら手ごわい。」
「まったくだ。しかも地の利は奴らにある。俺たちにどうたたかえっていうんだ。」
マドリード軍も長い戦争で疲れ切っており兵の脱走相次いでいた。そんな中、、
「おい、あの旗はなんだ?」
「マドリードのくそ野郎どもまた援軍をよんだのか、」
「いや、、あれはマドリード王国の軍じゃない、、どくろだ」
「どくろ?どくろってまさかあれか?」
「ローマニア帝国のやつらだ、、ローマニア帝国のどくろの軍隊だ!!!」
「長官。どうやらあの町に立てこもっているそうです。」
「ほぅ。確かにあんなところに立てこもられたら、苦戦するな、」
馬上から町を眺める彼の姿は、立てこもっている市民たちからも見えていた。その姿はまるで地獄から悪魔を率いてやってきたサタンのように市民たちからは映った。
「長官、いかがなさいますか。」
「いつも通り、一人も残さず殺せ。反乱分子は生かしておく必要はない。」
「はっ、では、あれを使いますかな?」
「そうだな。砲撃準備!」
ハイドリヒが叫んだ瞬間、後ろで待機していた親衛隊が馬車から大砲の部品をひとつづつ取り出し組み立てを始めた。普通の兵士ならかなりの時間がかかるところだが、ハイドリヒが育て、鍛え上げた兵士はあっという間に大砲を組み立て終えていた。
「砲撃準備完了!」
「、、、砲撃はじめ!!」
親衛隊砲兵による一斉砲撃が開始された砲撃の前に建物などの遮蔽物は意味がなく、砲弾が当たるたびに、建物は崩れ、中に潜んでいた市民たちは町から逃げ出さなければならなくなった。が、
「隊長、奴ら砲撃におびえてでてきましたぜ。」
「長官の計画通りだな、、打ち方用意。」
砲弾から逃れるために、町から出てきた市民たちを待ち受けていたのは、黒い服を身にまとい、死の象徴であるどくろの旗を掲げていた親衛隊たちが銃を構え、待っていた。
「なっ!そん「うてぇぇぇい!!」
砲撃とともに鳴り響く銃声。マドリード王国軍を何日も足止めしていた勇敢な市民たちは、たった一日で屍へと変わった。
ハイドリヒ率いる親衛隊はその後オラニエ公が立てこもるアムステルダムへ進撃。ここでも無慈悲な砲撃と銃声の音が鳴り響いた。
指導者のオラニエ公ウィレムは首を切り落とされた。
奴らは人ではない。あんなに感情もなく、ただ命令を完遂するために人を殺すのを何とも思わない奴らは人ではない。悪魔だ。悪魔以外ありえない。
「あるマドリード兵の日記」
( 一一)