神聖ローマニア帝国の繁栄と没落   作:イエニチェリ軍団

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帝国の歴史

ネーデルラントの反乱軍を鎮圧したハイドリヒは、マドリード王国のテントに足を運んでいた。

「国王陛下。神聖ローマニア帝国のものが面会を求めております。」

テントの外にいた兵士がテントの中にいる国王に報告していく。

「馬鹿者。我が親族の者を待たせるなど我が名が廃る。はやくお通しせんか。」

ハイドリヒがテントの中に入ると金色の鎧を身にまとう男がいた。

彼こそがマドリード王国現国王カール4世の弟、現皇帝カール5世の叔父にあたる人物であるフェリペ2世本人である。

「ん?おぉ。帝国からの援軍は一体誰かと思えばそなただったのかハイドリヒ」

「国王陛下。お元気そうでなによりです。マドリードの方はいかがですか?」

「はぁ。まぁぼちぼちじゃな。全く新世界からの貿易品の利益を銀行に抑えられてわしも贅沢できんくて苦労しておる。ハイドリヒお主一度我が国に来てなんとかしてくれんかね」

「ご冗談を。国王陛下。新しい宮殿を作るご様子、贅沢できないなど誠ですかな?」

「相変わらず耳が早いなお主は。まぁそんぐらいの力がないとあの政変には生きていけれんわな。ハハッ」

ここで神聖ローマニア帝国の歴史を少しだけ説明しよう。神聖ローマニア帝国はオットー一世戴冠当時皇帝位はローマ教会が話し合って次期皇帝を決定すると言う形式を取っていた。これは皇帝の権力の世襲化による教会権力の弱体化を防ぐためのものであった。その決定権を持っていたのが十二選帝侯と呼ばれる者たちである。が、その体制は前皇帝カール4世の時に崩壊した。また神聖ローマニア帝国という強大な国とは裏腹に実際は各諸侯達が自分の領地を持ち好き勝手に政治を行い必要な時だけ皇帝の名を聞くと言ういわば軽い内部分裂を起こしていた。カール4世戴冠当時その戴冠に多くの諸侯が反対していたのである。理由は簡単。カール4世は神聖ローマニア帝国の再統合『帝国改革』を掲げていたからだ。自分達の権利を剥奪する可能性があるものが皇帝になるなど言語道断であった。しかしこの時カール4世に使えていた二人の男達によりカール4世は皇帝に即位。改革を強行していくこととなる。その男たちが【ラインハルト・ハイドリヒ】 【ブランデンブルク辺境伯】この二人である。ブランデンブルク辺境伯はカール4世を皇帝にすることにより教育役として使えていた幼いカール5世を皇帝にしてやろうと考えこの改革に参加した。それをうまく活用したのがハイドリヒである。彼は選帝侯とコネのあるブランデンブルク辺境伯を使いカール4世を皇帝に即位させ、即位に反対する諸侯の引き締めを開始した。まず彼は帝国の諸侯の各領土に内務省管轄の部署を置く事を提案。当初の目的は治安維持や反乱軍の対処などを諸侯に変わり帝国が受け持つと言う目的で建てられた。反乱軍対処や治安維持でかかる費用を抑える事ができその浮いた資金を自分たちのために使うことができると考えた諸侯たちはこの提案を承諾。即座に各領土に設置され、内務省主導による締めつけが開始された。各諸侯の財政管理を調査させ、全ての収入額を調べさせ、必要以上の収入がある場合内務省が差し押さえると言う強行を発動。この対応に各諸侯は反発。皇帝に抗議した。

「皇帝陛下!今回の内務省の行動は目にあまりますぞ!!今すぐに中止してもらいたい!まさか我々諸侯と結んだ『マクシミリアン条約』を破るおつもりですか!」

マクシミリアン条約。オットー一世が増長する諸侯を抑えるために結んだ条約である。諸侯は皇帝の命に従う代わりに皇帝は諸侯への干渉全てを禁ずる。というものである。

「このカール4世其方達に抗議されるような事は行なっていないと思うが?」

「なんですと?まさか陛下は内務省が行ってることに一切関与してないと?」

「その通りだ」 カール4世の言葉の後各諸侯達は一斉に大声をあげ皇帝を非難した。

「嘘つきめが!!」「何が知らないだ!!本当のことを言え!!」

「仮に!!仮に私が知っていたとしても私はこの件について口を出すことはできない。なぜならこの件はそなたらと内務省が結んだではないか」

そうこの内務省の提案書を結んだのは諸侯と内務省であって諸侯と皇帝で結ばれたものではない。そしてその二つの中に何が起ころうと皇帝はマクシミリアン条約によって口を出せない故に止めれない。という事である。まぁこのように内務省。ラインハルト率いる内務省と親衛隊により反発する諸侯を見せしめに滅ぼしその領土を帝国領(皇帝領)としたしかも見せしめとして潰した諸侯の殆どが金山銀山を領内に所有する諸侯であった。これにより諸侯の力は激減。皇帝の力は増大した。また皇帝の権力が増大してもブランデンブルク辺境伯の根回しによりローマ教会からの批判などはなかった。そして今に至る、、

「私は特に何もしておりませんぞ国王陛下。」

「まぁええじゃろう。此度の援軍感謝すると皇帝陛下に伝えてくれ。また本国の宮廷建設がひと段落済んだら訪問するともな。」

「かしこまりました。それでは失礼します。」

ハイドリヒが出て行った後、一人の将軍がフェリペ2世に問いかけた。

「陛下。あの者は文官のはず。どうして此度の援軍にかのようなものが、」

「奴は文官だの武官などではない。奴は番人だ。帝国を害する敵を殲滅するためにいる帝国の番人なのさ」

 

 

 

 

神聖ローマニア帝国 ウィーン

カール5世は執務室で皇帝としての仕事をこなしていた。

「えぇっとこの書類がこれで。商人たちとの書類が、、えぇっとこれか」

「陛下、そろそろハンガリー王国のブタペストに親善訪問するお時間です」

「あぁ、そうだったなすぐ行く。」

ハンガリーの首都ブタペスト、、のちにこの首都は戦場となるのだが、今は誰も知らない




久しぶりに書いた。ほとんど説明ですが、すいません

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