絶縁のルームシェア2   作:猫ウザキ

1 / 1
ルームシェアをはじめようとした先は
イケメン大学生真広と吉野二人だった
さらに二人の保護者と名乗る左門と夏村のイケメン二人が加わり
逆ハーレム展開は加速していくの??


第1話

「大丈夫だよ、真広ちゃんも吉野ちゃんもとっても良い子だから」

 

 

私は電話でお母さんと、ルームシェアはじめた事を話している

 

男2人とルームシェアしてるなんて言える訳もなく、2人は女の子っていう事にしている

 

「そうかい、アンタ一緒に住ませて貰ってるんだから、あんまり粗相のないようにね」

 

 

「はいはい、大丈夫だって、それじゃあ夜遅いから切るね」

 

私はお母さんとの会話を終えて電話を切る

 

立ち上がり部屋を出て、台所へと向かった。

 

 

すると…真広くんがソファーで気持ち良さそうに眠っている

 

不良っぽい感じがする彼だけど

 

家事も女の私よりも出来て、学校の成績も優秀だったりする

 

私は彼に近づいた

 

普段は鋭い目をしているけど、眠っている姿はなんだか可愛いぃ感じがする

 

 

「こんな所で寝てたら風邪引くよ」

 

そう言って、彼を起こそうとした

 

「うっう~ん…」

 

唸るような声を出して、目を半分開かせる

 

「えっ…」

 

不意に腕を掴まれる

 

「ちょっと…真広くん…」

 

掴まれた手に力が入り

私は真広くんに引き寄せられる

 

「オレを起こしたいんなら…キスしろ…そしたら、部屋に戻ってやる」

 

………

寝ぼけた声だったけど

 

今……キ、キスしろって…言ったよね…

 

 

「バ、バ、カか…そんな急にキスしろだなんて…」

 

私は、ドキドキと鼓動もあげながらも、そう言った

 

半開きで眠そうな目

で私を見つめる

 

私はどうすれば…

 

見られているだけで…

 

硬直し何も出来ないでいると

 

「真広、またこんな所で寝てるのか」

 

吉野くんだ…良かった

 

「こんな所で寝てたから、起こそうと思ったのだけど」

 

私の話しを聞くより先に

 

吉野くんは真広くんの体をあげて

 

唇を合わせる

 

「キャッ……」

 

私は一言だけで吐息のような声を出し

 

またも固まる

 

唇を合わせたままの2人

 

2人とも男の子だよね

 

声なんてかけられない

 

私がただ呆然と立ち尽くしていると

 

2人の唇が離れ

 

真広くんはのろのろと立ち上がり

 

自分の部屋へと戻った

 

「ふぅ~時々あぁなるんだ真広って」

 

さらっと言う吉野くんであったが

 

 

「でも、キスだなんて」

 

私は正直な気持ちをぶつける

 

吉野くんは屈託の無い笑顔を浮かべながら

 

一歩私へと近づき

 

「キスくらい、国によっては挨拶だょ」

 

「でもその…」

 

2人のキスはとても挨拶って感じでは無かったのだけど

そう言い返したくても…

もごもごしてしまい言葉が出ない

 

「じゃあ琉生ちゃんにもキスしてあげようか?」

 

「えっ…よ、よ、吉野くん本気で言ってるの?」

 

……

 

「もちろん冗談だよ、それじゃあおやすみ琉生ちゃん」

 

にこりと微笑みながら、自分の部屋へと消える

 

 

……

 

私は小走りで部屋に戻り

布団を被り

 

お母さん…2人は良い子じゃないかも~~

 

 

 

 

真広くんと吉野くんの、濃厚なキス

 

そして

 

「琉生ちゃんにもキスしてあげようか」

 

と言う吉野くんの言葉

 

私は眠れる訳なんてなく

朝を迎えた

 

今2人と、顔を合わせるのは辛いので

 

私は2人の朝食を作ると

 

テーブルに置き

 

先に学校に行ってます

という置き手紙だけを残して

 

先に学校へと向かった。

 

幸いにも2人とは学部が違うので、授業が被ることはない

 

でも2人の事が気になり一日中、上の空

 

 

「おいっ風見、風見聞いてんのか?」

 

「琉生、ちょっと琉生ってば、当てられてるよ」

 

ハッと我に帰る

 

「ごめんなさい…ぼーっとしていまして、聞いてませんでした」

 

 

昨日の出来事がフラッシュバックされて頭から離れない

 

 

私はどうすれば良いんだろう??

 

……

私は…

 

悩んでも仕方がない

 

昨日の事は夢だったのよ

 

今まで通りに戻ろうと思った。

 

ルームシェアを初めて

自由に使えるお金が増えたんだし

 

気にしたら負けよ負け!

 

気持ちを切り替えて私は

家へと戻り

鍵を開けた

………

 

 

ドアを開けると

 

 

男性用の革靴が2足、きれいに置かれてあった

 

誰なんだろう?

 

2人の靴とは違うし2人はまだ授業中のはず

 

私は部屋に上がり警戒しながら周囲を見渡す

 

 

変わった所はないけど

 

脱衣場の方から声が聞こえてくる

 

「夏村よ、なにも一緒に入らなくても良いのでは」

 

「左門殿、2人が帰ってくるまでそう時間はない」

 

ガサガサ

 

「分かった、分かったから脱がすのはやめてくれ」

 

……

…………

 

というような怪しい会話が壁一枚先から聞こえてくる

 

私が、得体の知れない恐怖に佇んでしまっていたら

 

 

突然、脱衣場の扉が開き

 

その先には、黒髪と赤髪の長髪の男性2人が下着姿でいた

 

「………………」

 

 

私は言葉を出す暇さえなく

 

黒髪の方の男に背後をとられ

 

一瞬にして羽交い絞めにされた

 

「うっ…うっ…」

 

「見ぬ顔だな、何者だ?」

 

男はそう言った

 

「夏村、離したまえ」

 

赤い髪の男がそう言うと

 

夏村と呼ばれた男は私を解放した

 

 

「まずは突然の無礼をお詫びする、すまなかった、私は鎖部左門、こっちは鎖部夏村と言う」

 

そう言うと深々と頭を下げる

 

「だがここは真広と吉野の家のはず、君が仮に大学でのご学友だったとしても、鍵をかけていた家に入るのは、不謹慎ではないかな?事情を説明して貰おうか」

 

 

「なにいってんですか…」

 

 

そう言うと私は顔を伏せる…

 

涙が流れ出て頬をつたっていく

 

「私がなにかしたって言うんですか?昨日から振り回されっ放し、私ばっかしどうしてこんな酷い目に合わないといけないのよ………」

 

涙をこぼしながらも必死で訴えた

 

 

「夏村に左門、うん…琉生…どうして泣いてんだ」

 

2人が帰って来たようだ

 

「ま、真広……くん」

 

私は目の前にいた真広くんに抱きつくと

 

真広くんも私の肩に手を回し、抱きしめかえし

 

………

 

「オレのせいだよな、すまない」

 

「…………」

 

その一言で私の涙腺はさらに崩壊して

 

私は彼の胸元で声に出しながら泣き続けた

 

それでも彼は、ただ私を優しく抱きしめてくれ

私の心は優しさに癒やされた

 

「左門さんも夏村さんは、とりあえず服を着替えて、真広は琉生ちゃんをダイニングまで」

 

 

「琉生、歩けるか?」

 

こくりとだけ頷き

 

私たちは、ダイニングへと移動した

 

その時もずっと肩を抱き続けてくれていた。

 

優しい感じがした

 

今の私はこの優しさずっと甘えたかった

 

 

 

 

ダイニングに移動して

 

「ありがとう」

 

 

私をずっと抱きしめてくれていた

真広くんに一言だけお礼を言って涙を拭う

 

声にまで出して泣いてしまうなんて

私らしくない

パチンと自分の頬を叩く

 

 

「いや、元はと言えば俺が…」

 

「もう良いのよ、それより」

 

ダイニングにはさっきの男たち、左門と夏村も来ていた。

 

2人をすり抜け吉野が

真広の隣に行き

 

「2人には琉生ちゃんのこと、説明しておいたから」

 

「そうか…助かるぜ吉野」

 

まず左門は2人の保護者らしい

 

私を羽交い絞めにした夏村は左門の腹心の部下のようだ

 

「過ぎたことをしてしまい、すまなかった」

 

夏村は深々と私に頭を下げる

 

「……………」

 

私はただ無言で夏村を睨む

 

あんな事をされたのだ

どんな事情があっても、夏村をすぐに許すことが出来なかった

 

無言の空気を打破すべくそれぞれが口を開こうとした

 

一番最初に口を開いたのは真広だった

 

「夏村はクッソ真面目で、不器用なやつなんだ…琉生の事を左門や夏村に説明していなかったオレが一番悪い」

 

そう言うと、真広くんは私の方を向き

 

頭を下げ

 

「謝ってすむ問題じゃないのは、分かってる…すまなかった」

 

「うっ…そんなこと言われても」

 

「いや謝らないといけないのは僕だよ、昨日変な事を言って琉生ちゃんを迷わせてしまったんだから」

 

吉野くんまでもが私の方を向いて、頭を下げる

 

 

………

 

「吉野くんまで」

 

私は首を傾げわざと逆方向を見る

 

「いや、保護者として管理が怠っていなかった私が悪い、琉生さん私ども全員が全員、不手際を起こし申し訳ありませんでした」

 

みんなして私に頭を下げ

 

そんな風に言われても…困る

 

「ねぇ、私をルームシェアの許可を出したのって真広くんだよね、それって私の名前が琉生で男みたいな名前だったから、決めたんだよね」

 

私がそう言うと

真広くんは頬を紅くして

視線を私から外し

「バカっ…そんなんじゃないよ」

 

とどこか恥ずかしそうにそう言った

 

「僕たちがルームシェアする相手は誰でも良いって訳じゃないんだよ、君から応募が届いたあとね」

 

 

「いやっ吉野、いい…俺に言わせてくれ、オレは人脈作りのためにルームシェア相手を探してたって言ったと思うが、一緒にいて楽しいやつじゃないと嫌なんだ、なんっつうかオレの直感でしか無いんだけどよ、琉生を一目見た時からこいつとは仲良くやれそうって思ったから許可を出したんだ」

 

「…………」

 

意外な答えが返って来た

 

「そうだったの…」

 

「琉生は楽しくないよな、オレらといても」

 

確かに色々ありすぎて、楽しいとは言えなかったけど

楽しくない訳ではなかったわ

 

 

「あんた達のテンションにはついていけない部分はあったけど、楽しくない訳じゃなかったわよ」

 

「だったらこれからオレが琉生を毎日楽しませてやる、楽しくない訳じゃないとは二度と言わせねぇ」

 

真広くんは顔を上げ

私をじっと見る

 

いつも以上に真紅の瞳が紅く輝いて見えた

 

「真広くん…」

 

私は彼の名前を呼ぶ事しか出来ない

 

「じゃあ約束」

 

私は、指を出す

 

「分かった」

 

指切りで約束をした

 

「ずるいよ2人だけで、僕だって琉生ちゃんを楽しいって言わせたいよ」

 

昨日の出来事で、策士のイメージが出来ていた吉野くんだったが

 

今の表情は昨日のそれとは違った

 

「分かった、吉野くんとも約束する」

 

2人と指切りを終えると

 

私は向き直り

 

「保護者ってひょっとして、2人のお父さんとお母さん」

 

私は夏村さんや左門さんの方を見てそう言った

 

「お父さんとはまさか私のことか?」

 

ずっと頭を下げていた夏村さんが顔を上げる

 

「はい、っていうか本当にお父さんでしょ」

 

「私はお父さんなどというモノではないと思うのだが」

 

ずっと無表情だったのだが、困ったような表情を浮かべていた

 

「ということは、私がお母さんになるのか、おい私は一家の大黒柱だぞ、どっちかつうと私がお父さんで夏村がお母さんだろ」

 

焦って否定していた、堅実なイメージしかなかった左門さんの表情も崩れる

 

「じゃあ多数決で、左門さんがお母さんだと思う人は~い」

 

 

全員の手が上がる

 

「おい夏村まで手を上げるか、まったく」

 

そのあとみんなで笑い

 

それはまるで新しい家族が出来たようだった

 

「私を許してくれたのか?」

 

夏村さんだ

反省しているのは分かっているんだけど

うーん

 

「まだ許してないわ…許して欲しかったら割の良いアルバイト先を紹介して?」

 

私はわざと意地悪っぽくそう言った

 

「分かった…岬を紹介しよう」

 

岬…?

誰なんだろう

 

「魅神さんか、それは良いね!琉生ちゃんもきっと気にいると思うよ」

 

「その、岬さんって人…吉野くんも知ってる人なの?」

 

「ふっ…岬は派遣会社の令嬢で、そして夏村の彼女だ」

 

そう言ったのは真広くんだ

 

彼女…彼女ってあの夏村さんの

 

私は驚きながら夏村さんの方を見て

 

「彼女いたんですか??」

 

「あぁ…岬は私にはもったいない、最高の女だ」

 

そう言いながら夏村さんは

頬を紅く染め

視線を逸らした

 

あの夏村さんがデレるなんて

どんな女性なんですか

 

「安心したまえ、彼女は優秀だ君の力になってくれるだろう」

 

左門さんも評価してるなんて、ますます気になる

 

「分かりました、魅神さんを紹介してください」

 

「分かった、話は通しておこう」

 

こうして今日はお開きとなり

 

左門さんと夏村さんは一旦家に帰った

 

そして私は

 

緊張がほぐれ、昨夜は眠っていないため急に眠くなった

 

近くにあったソファーに座り

一眠りしてから部屋に戻ろうかなと思った

 

このソファー寝心地が良い

真広くんがここで眠る気持ちが分かる

 

「おいおい昨日と逆じゃねぇか」

 

真広くんだ

 

私の隣に座り体を寄せる

 

抱きしめられた時も感じていたけど、落ちつく

 

彼に身体を預けたまま気持ちよく眠れそう

 

「2人して、こんなところで」

 

吉野くんは身体に掛けるモノを持ってきていた

 

「掛けてくれるの、ありがとう」

 

気持ち良すぎて寝落ち寸前の私はそう言った

 

吉野くんは私の反対隣に座り、身体を寄せ

 

「真広だけずるいよ」

 

「吉野、割り込みかよ」

 

「2人とも止めなよ、今日は家族になった記念日として3人で一緒に寝よう~それじゃあおやすみ」

 

私たち3人は身体を寄せ合い仲良く眠った

 

 

 

 

「おいっ…お前たち、何をやっているのだ」

 

ぐっすり眠っていた私たちを起こしたのは

左門さんだった

 

「さ、、、左門さん」

 

私は不意に訪れた左門さんに驚き

 

両隣からべったりとひっついていた2人を見る

 

そっか…私昨日

思い出した私はなんだか

カ~っと恥ずかしい気持ちが込みあがる

 

「ふわぁああっ、なんだ左門か」

 

隣の真広くんが大きなあくびをするとそう言った。

 

「左門さん来たんですね」

 

反隣の吉野くんは、ぱっちりと目を開けてそう言う

 

 

「君たちは、未成熟な男女だろう、実にけしからん」

 

 

私たちは正座させられて

いつの時代なのか分からない、男女についてはこうでなくてはいけないというお説教を受けた

 

普段、無表情な夏村さんもこの時はやれやれ始まってしまったというような顔をしていた。

 

お説教は、長かったけど

嫌だとは思わなかった

 

「なにを笑っているのだね」

 

「いえ、なんでもありません」

 

しまったにやけていたのを見られてしまったみたい

 

「おいっ左門!もういいだろ、オレら学校あんだけど」

 

時計を見ると、もう良い時間だった。

 

「うむ…今日はこの辺にしておこう」

 

 

学校に行く途中

夏村さんが私のところにやってきて

 

「岬

には私から説明しておいた、学校が終わったら案内する」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

そして私たちは学校へ

 

道中は左門さんの話しや夏村さん、そして学校が終わった後に会う

岬さんの話しをしていた。

 

左門さんはあんなに堅実だが

仕事は主夫らしい

奥さんは山本さんという女性で

世界中を飛び回っているみたい

 

夏村さんは、見た目通りあまり動じない人みたいだけど、岬さんの事になると取り乱すこともあるみたい

 

 

学校に着くと私たちは別れ

 

 

それぞれの学部棟へと向かう

 

そして1日の授業を終えると

 

校門には夏村さんが、待っていてくれていた。

 

「終わったか」

 

「はい終わりました」

 

「では岬の所に案内しよう」

 

私は夏村さんと一緒に魅神さんの所へと向かう

 

夏村さんと2人きりになるのは、はじめて

 

無口な人だから何を話せば良いんだろう

 

無言で歩いていると、気まずくなったので

 

私は岬さんの事を切り出した

 

「お二人は付き合っているみたいですけど、どちらから声をかけたのですか?」

 

 

そう聞くと、、、夏村さんは顔を伏せ頬を紅くしながら、岬さんとの事を話してくれた

 

この時の夏村さんは、とても楽しそうで私も聞いていて楽しかった

 

無表情な夏村さんも好きな人の前ではこんな表情をするんだ

 

 

 

そうこうしている間に岬さんのいる会社に着く

 

 

玄関では、黒髪ボブヘアで透き通るような色白で大学生くらいにも見えるけど、学生にはない落ち着きをかんじさせ、

手足が細くてスレンダーで、黒いフレームの眼鏡をかけた女性がいた

 

綺麗な女性だと思った

 

まさかあの人が魅神さんなのかな?

 

夏村さんの顔を見ると

 

私はこの女性が魅神さんであるという事が分かった

 

岬さんは元気に手を振りながら出迎えてくれた

 

「風見琉生ちゃんだよね、話は夏村から聞いていたわ」

 

「はい風見琉生です、今日はよろしくお願いします。」

 

「こんな所で立ち話もなんだから、入って、入って」

 

 

岬さんは明るく元気な女性で

面接に来たのだけど、楽しくお話しが出来た。

 

 

もちろん会社の説明もしっかりしてくれて

 

「今週の土日にして欲しいのは」

 

あれあれというような表情を浮かべながら

 

岬さんは、机に置いてあった書類から何かを探そうとしていた

 

「どうかしましたか?」

 

「うん、琉生ちゃんに入って欲しいお仕事の詳細の資料がね、やだ、、私ったら忘れちゃったのかしら」

 

「大丈夫だ」

 

夏村さんがそっとやってきて

詳細の書かれた資料を置く

 

「ありがとう、助かるわ」

 

「いや、気にするな」

 

岬さんって天然な所もあるのかな

 

それをフォローする夏村さんも息ぴったしって感じがした

 

 

……

夏村さんがお仕事の詳細を持っていると言う事は

 

「あの…ひょっとして夏村さんもここで働いているのですか?」

 

「ああ、私はここで事務員をさせて貰っている」

 

いつもの無表情でそう言った

 

「え、えぇ~事務員をされていたんですか」

 

私は思わず声に出してそう言ってしまった

 

「そうだ、なんだ意外だったか?」

 

「いえそう言う訳では」

 

「ふふっ、こう見えてウチの夏村は優秀な事務員なのよ、この資料だって綺麗に出来てるでしょ」

 

なんだか笑えない…

そして夏村さんは、ヤバい系のお仕事をしていると思っていたなんて言えない

 

 

 

 

鎖に繋がられた真広くんに鎖を引っ張る吉野くん

 

「2人ともそんなかっこしてどうしたの?」

 

私は驚きながらも2人の姿に

色っぽさを感じてしまっていた

 

顔なんかも紅くなっているんだろなと思っていたら

 

「琉生…オレはお前と一緒に繋がれたいんだ」

 

「ボクは琉生ちゃんを繋いで可愛がってあげたいよ」

 

艶っぽく私を上目使いで見てそう言う2人

 

 

「……2人とも、急に…そんな事言われても…」

 

私はドキドキしながら戸惑い、何も出来ず佇んでいたら

 

「さぁ早く」

 

真広くんが不意に私の手を引っ張り

 

繋がれていた鎖を私の身体に回し

 

ギュッと抱きしめる

 

「これで琉生とオレは繋がった」

 

「繋がったって…言われても」

 

私は抱きしめながらも、下を向きながらそう言うと

 

「ちゃんと目を見て話せよ琉生」

 

そう言うと…真広くんは

私の顔を上げる

 

近い…近い…

 

キスしそうなくらいの距離

 

バクバクと鳴り響く心臓の音

 

私は真広くんの艶のある唇に紅い瞳に魅力され

身体の力がガクリと抜け

吸い寄せられる唇に唇を合わせようとした

 

「待てよ」

 

吉野くんは、私の首に真広くんと同じ鎖を私の首にかけ真広くんから放す

 

「おいっ吉野…テメェ良い所を邪魔しやがって!!」

 

「そんな事言うけどさ真広、ボクだって琉生ちゃんを鎖で繋いで」

 

鎖、鎖って言ってるけど

2人は私の事を籠に閉じ込めた鳥のように思っているだけなの…?

 

 

「あのね…君たち、私の事どう思ってんの?」

 

私は鎖をなぎ払いそう言う

 

「そんなの好きに決まってんだろ!」

 

「ボクだって琉生ちゃんの事好きだから」

 

2人は真剣な眼差しでそう見て

 

「琉生、お前こそオレと吉野のことどう思ってんだ?」

 

 

……

言葉に詰まる

2人の事は大好きだけど

私は…私は

 

迷っている私に手を差し伸べる2人

 

「琉生・琉生ちゃんが好きだと思う方の手を引っ張ってキスをしろ」

 

「うっ…」

 

2人の顔は真剣で

私の身体は硬直して動けないでいた

 

 

「出来ないんならオレがボクが」

 

 

そう言いながら2人は顔を近づける

 

私は目をつぶりただ流れに任せていると…

 

「ハッ…」

 

急に視界が変わると

 

目の前に2人がいたのだが

 

様子が違っていた

 

「やっと目を覚ましたか」

 

「すごくニヤニヤしていたけど、良い夢でも見てたの?」

 

ニヤニヤ…私ってばあんな夢を見て

ニヤニヤしていたのね

 

「ハァ~」

自分がなんだか嫌になった

 

「今日は魅神の誘いで戦国コスプレパーティーに行く日だろ、さっさと起きろよ」

 

「そうだよ琉生ちゃん、魅神さんや夏村さん下で待ってるよ」

 

そうだ…

 

今日は、、戦国コスプレパーティーの日

 

「ごめん、すぐに支度するから2人とも出てって」

 

 

はいと言い

部屋から出て行く2人

 

支度をし終えると

 

2人が待っていてくれて

 

2人は片方ずつ私の手を繋ぐ

 

「手なんって繋いでどうかしたの?」

 

「戦国コスプレすんだろ、姫を護衛すんのは武士だろ」

 

真広くんはそう言う

 

 

「でも、真広くんは西軍総大将の石田三成で吉野くんは、参謀の大谷吉継、それで私は2人を護衛していた女剣士の杏里、どっちかつうと逆じゃない?」

 

※石田三成は総大将ではない

 

※2杏里は戦国無双4の私のキャラで、捏造してます

 

 

 

「じゃあ女剣士を労う主たちで良いんじゃない」

 

 

吉野くんは微笑みながらそう言い

 

私たちは下へと降りた

 

私を見るなり魅神さんが手を振って

 

「お姫様のご登場だね」

 

その時、なぜか手に持っていた注射器が夏村さんに当たり

 

「岬、注射器が当たっている」

 

 

「あら、私ったらまたまたごめんなさい」

 

だった

 

そして私たちは、戦国コスプレパーティーへ

 

 

 

 

戦国コスプレパーティー開催

 

 

 

 

私たちは一旦別れて着替えて集まる事に

 

 

左門さんと山本さんという、左門さんの奥様と

 

2人の保護者を引き受けている鎖部家から哲馬さん、ヒカルさんの2人も来ているみたい

 

鎖部家と聞くだけで…

どんな人達なんだろう

 

 

鎖部家の人々とは別にコスプレパーティーには、たくさんの人達が来ていて

 

それぞれのコスプレ姿を披露していた

 

みんなうまくやっている

 

それに引き換え私はただ着替えただけって感じがする

 

鏡を見ながら

ため息をつく

 

そんな中で、たくさんの女の子に囲まれている2人がいた

 

「三成様に、吉継様」

 

女の子たちの嬉しそうな声が響いている

 

 

「君たちどきたまえ、邪魔なのだよ」

 

「あぁ…俺たちは杏里(琉生)を迎えに行かねばならぬ」

 

 

杏里…?

ひょっとして女の子たちに囲まれている三成と吉継って

 

 

声のする方に向かうと

 

私の予想通り真広くんと吉野くんだった

 

 

2人は会場内にたくさんいる三成と吉継のレイヤー達とは、比べモノにならないくらい

役になりきっている

 

普段とは違う2人

私は、カァ~~となりながら

立ち尽くし…ただ見つめていた

 

すると

 

「おいっ琉生、こんな所で何をしているのだ」

 

※名前を呼ぶ時に名前を変えると、戸惑いそうなので名前はそのままで

 

 

「真広くん、ちょっ…いやあっ…」

 

真広くんは私の腕を絡めて抱き寄せる

 

「琉生…主である俺に向かって」

 

「良いではないか真広、俺はここで出会えたのは流れがそうさせたのだと思うぞ」

 

俺って言う吉野くんって

普段と違う言い方に戸惑い悶える

 

吉野くんは真広くんの取った腕とは反対の腕を掴み絡め

同じように私を抱きしめる

 

普段よりも力が入っている

 

 

「2人とも…どうした…なんかいつもと」

 

2人から一緒に抱きしめられた事は、今までにもたくさんあったけど

 

今日の2人の抱きしめ方は違う…なんだか痛いし、落ち着かない

 

2人は今まで見せたことのない鋭い目で、睨み合っていた

 

こ、これは…役になりきっているって事なの…

ねぇ~2人とも~

 

 

 

「なによあの女…」

 

女の子達の視線も痛い

 

じ~っと睨まれてる

 

 

私は2人の腕を振り払い

 

「ぶはっ!!ちょっ…2人とも…役にはまりすぎだって…これじゃあ…なんだか…」

 

そう言うと私は下を向く

 

振りほどかれて、2人は一瞬たじろい

お互いを見合わせ

 

 

「あぁ…場所を変えようか」

 

真広くんはそう言うと

私の耳元で

「ちげぇーよ、琉生」

 

と囁いた

 

「俺も真広や琉生の流れに従おうとするか」

 

2人とも……いつもと違う

なんだかピリピリしているように感じられる

 

ぎこちないまま私たちは場所を変えると

 

そこには、小松姫コスの魅神さんと幸村コスの夏村さんがいた

 

2人とも長年連れ添った夫婦のように見える

 

私は2人に声をかけようとすると

 

 

夏村さんは、岬さんを抱きしめて

 

「今の私たちは夫婦…ずっと伝えたかった事を伝えさせてくれないか岬?」

 

真剣な表情の夏村さんに見つめられて頬を紅く染める魅神さん

 

「夏村さん…どうしたの?」

 

「私と結婚してくれ、私は岬を離したくない」

 

「えっ、えっ…」

 

夏村さんの急な告白に戸惑い

 

夏村さんから離れ

後ろに重心がかかった、ためか倒れかけていた

 

「岬」

 

夏村さんは魅神さんを支えようとするが

 

岬さんの持っていた薙刀に直撃する

 

「ぐはっ」

 

「いやあああっ夏村さん大丈夫~??」

 

慌てながらも駆け寄る岬さん

 

「大丈夫だ……それより…」

 

見ている方もドキドキする…

 

岬さんは…

 

「もちろんだよ、私は夏村さんにずっと抱きしめて欲しいの、結婚しましょ」

 

 

2人とも

 

「お、おめでとうございます!岬さんに夏村さん」

 

私はおめでとうの気持ちを2人に伝える

 

真広くんや吉野くんも2人におめでとうと言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。