ガンダム C.E戦記 作：沖田
何処までも真っ黒でどこまでも広がる大宇宙
そんな宇宙の中のちっぽけな惑星
惑星表面のおよそ7割が水で埋め尽くされるほどのこの惑星を初めて宇宙から見たある人間は
「地球は青かった」
と言った
宇宙へ行くには多額の資金と資材、多くのリスクを伴う
そういわれ続けて数世紀、地球は限界を迎えていた
増えすぎた人口とそれを養う食料は枯渇し
進みすぎた文明を維持する資源は掘りつくし
自然エネルギーや再生エネルギーを軽視した文化は崩壊の足を速めてしまった
この惑星に住む知的生命体、人類は残った資源を求め同族を殺し餌を奪う醜い獣になれ果てた
それからはまさに地獄である
国境がつながっている国では泥沼の争いが、海を挟んだ国同士は母なる海へ屍の墓石を建て続けた
空は赤く燃え上がり戦争の音が聞こえない場所はもう残っていなかった
長い長い戦争が終わった時、人類は戦前の7割ほどしか残っておらず人をまとめていた国もその数を減らした
終戦後常識のある人はこう思ったことだろう
「今が地獄だ」と戦争中はどこにでもあった死、だがいざそれが終わり他人の死を処理するときになりその惨さがわかる
国々は星の中に希望を見つけることができず、宇宙へと先を見るようになっていった
何処までも続く無限の可能性にすがるように
それから時は流れC.E69年春
溢れんばかりの民衆が大歓声で迎えるソレは、現在ある国が保有するすべての最新鋭技術の塊であり、国民と国の未来の象徴となるモノ
そう、今日はある国…日本皇国を守護する守護神の誕生の日である
宇宙戦艦ヤマト 古くからの伝統の命名方式では宇宙における国軍艦の名前を付けることができず新たに改正された新方式により命名されたこの名前は古い過去、日本がまだ国内で争っていた時代の旧国名である
候補として武蔵、信濃、紀伊などが挙げられたが半数以上の国民が大和を押したことや姉妹艦としてもう一隻を建造中ということもあり一番艦ヤマト二番艦ムサシということで決定された
（ムサシは同年秋に完成予定）
この船の性能は現行の世界技術の最低でも5世代以上先に進んでおり日本の異質さが伝わる結果となったのは致し方ないことである
同日処女航海中に艦長が艦橋でこぼした言葉
「これを作ったのが我々とブリタニアだけだということをこれほど安心したことはない…これがもし敵に周りでもしたら国どころか星が滅ぶだろう」
このヤマトの発表に伴い各国から技術公開を迫られたが公開することはなかった
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日本皇国の成り立ち
第三次世界大戦時に頼りにしていた米国が内部問題により参戦できず中国の相手をすることになる、中国との戦闘は開戦初期は日本側の海上戦力が優勢だったが日本には敵基地攻撃能力が保有されておらず敵の内陸部への攻撃ができず航空戦力が何度も日本へ向けて飛んできた
身近に迫る死への恐怖に国民は脅かされ緊急国会で9条の破棄などを含んだ法案が成立
この日より自衛隊は国軍として新たなスタートを切る
持久戦になるほど不利になる日本政府は打開策として同じく被害を受けている欧州諸国へ打診した
結局英国しか協力することはなかったが英国のつてで海外から兵器の補充を行い日本を攻撃できる飛行場、基地、工場を破壊した
これに黙っている中国ではなく中国政府はとうとう禁断のボタンを押した
空を目指す10発の禁断の矢
放物線の頂点にたどり着く前に6発は空で花を散らしたが残りの4発は日本へと降り注いだ
4つの矢は日本の主要都市へと刺さり日本人の命を散らした
この時日本では主要都市の民間人は移動を命令しており想定されていた死者数より少なかった
この戦争後日本では国民をまとめるにはやはり陛下のお力が必要と言われるようになり、国民投票の結果7割の国民が賛成し最終決定権を天皇が持ったため日本皇国へと改名された
日本の転向をうけ民主主義国や周囲の国家は日本の侵略主義を主張したが他の国家も民主主義離れが進んでおり英国も最終決定を国王が行うとしブリタニア帝国と改名され長い同盟関係の始まりとなった
これはさらなる大戦、再構築戦争後の今でも続いている
日本皇国の現在の戦力（宇宙軍）
69年年末時
ヤマト型航空宇宙戦艦 2隻
ナガト型宇宙戦艦 10隻
シナノ型戦略宇宙空母 2隻
ウンリュウ型宇宙空母 6隻
コンゴウ型宇宙巡洋艦 62隻
モガミ型宇宙航巡洋艦 8隻
カゲロウ型突撃駆逐艦 150隻
ハ号護衛駆逐艦 200隻
特務艦種 5隻
戦艦12隻
空母8隻
巡洋艦70隻（内航空能力能力保持8隻）
駆逐艦350隻（内戦闘AI搭載艦200隻）
特務艦5隻
宇宙軍総戦力 445隻
【同盟国】
ブリタニア帝国 宇宙軍戦力
（現時点）
ブリタニア級弩級宇宙戦艦 2隻
ネルソン級宇宙戦艦 4隻
ライオン級巡洋戦艦 8隻
クイーン・エリザベス級宇宙空母 2隻
カノーパス級宇宙空母 6隻
イーグル級宇宙軽空母 8隻
ドレイク級宇宙巡洋艦 52隻
エルメス級哨戒巡洋艦 30隻
ブリストン級宇宙駆逐艦 120隻
リバー級護衛駆逐艦 200隻
特務艦3隻
戦艦14隻
空母16隻
巡洋艦82隻
駆逐艦320隻
特務艦3隻
宇宙軍総戦力 435隻