ハニープリズンを出た後、オレはすぐに依頼であるノマルー島に現れたという時空の穴の調査に向かった。
ノマルー島に着くと、そこには確かに情報通り捕獲レベルが高い猛獣達に住みかとなっていた。
「ほう、中々愉しめそうな場所になってやがるじゃねぇか。」
オレはそう言いながら島に上陸すると、現れたのは捕獲レベル65の猛獣・デーヴィルバイソン。
「モ゛ォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
「お前、チョーシに乗ってやがるな。」
鳴き声を上げて突進をしてくるデーヴィルバイソンに対してオレは息を吸い、技を放つ。
《ボイスカッター》
この技を放った瞬間、デーヴィルバイソンの体が四つの肉の塊と化した。
「確かコイツの肉は美味かったよな。」
倒したデーヴィルバイソンを食い終えると、早速時空の穴と呼ばれる場所にへとやってきた。
オレはその穴に近づき、その中を覗き込むと地球のような物が確認出来る。
「なんだぁ、コイツは一体どうなってやがんだ?」
オレがそう言っていると、穴の方に変化が生じた。
それは猛烈な吸引力で辺りの物を吸い込んでいく、オレの事を含めて。
「クソッ、いきなり何だってんだ!?」
その吸引力は踏ん張りを利かせていても引っ張られてしまう。
ついにはオレが耐え切れぬほどの吸引力を発動させ、穴の中にへと入ってしまう。
「クソッタレがぁぁぁぁぁぁっ!!」
オレはそう叫びながら穴の中にへと吸い込まれ、意識を失ってしまうのだった。
一龍SIDE
「全く、イッセーの奴め」
ワシはそう言ってオゾン草の茶葉で淹れた茶を啜りながら赤ん坊のイッセーを見つけた時の事を思い出していた。
イッセーを見つけたのは捕獲レベルが高い猛獣がわんさかいる場所でポツンといた。
ワシが抱き上げると、イッセーの中にはグルメ細胞の悪魔とそれとは全く別の存在がいる事に気づいた。
その存在は八王に匹敵もしくは、凌駕する存在である事を感じ取ったワシは何故この子がこんな危険地帯で生き残っているのかを察した。
そして、イッセーのいた場所の奥の方には時空の穴の様なものがあり、ワシはそこに向かったが間に合わず穴は完全に塞がってしまった。
それを見たワシはイッセーの事を育てる事に決めたのだった。
イッセーを育て始めて十五年が過ぎた頃、その頃にはトリコ・ココ・サニーも居ったのう。
イッセーの奴は血の気が多いからよくトリコやサニーとは喧嘩をしておったな。
今回の時空の穴が現れたと聞いたワシはイッセーを元の世界に戻そうと思った。
じゃが、言って素直に聞く奴ではないからのう。
じゃから、依頼という名目で時空の穴が現れたノマルー島にへと送り込んだ。
「行ってこい、息子よ。」
そう言いながらもう一度ワシは茶を啜るのだった。
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