第1話 Amazingな変身
右も左もビルだらけ。人で溢れかえっていた。そんな都会の街中を、黎斗は歩いている。
すると、彼の目の前に少年が現れた。彼の手にはガシャットが2つ、握られている。
「不正なゲームは私が削除する!」
黎斗は腰に、バグスターバックルを巻き付けた。バグヴァイザーを取り付け、バグルドライバーとする。
デンジャラスゾンビガシャットが斜めに挿入された。
黎斗が赤いスイッチを押すと、彼の正面にパネルが現れる。さらに、黒いもやが彼を包んだ。
デンジャラスゾンビ! バグルアップ! デンジャーデンジャー! デスザクライシス! デンジャラスゾンビ!
音声が鳴り終わった。黎斗の姿は、仮面ライダーゲンムゾンビゲーマーレベルXに変わる。パネルを突き破り、独特のフォームを構えた。
一斉に悲鳴が上がる。辺りの人々が発したものだ。彼らは一目散に逃げていく。
ゲンムが少年に右手を出した。ガシャットを渡すように促す。おとなしく聞き入れるだろうと、彼は甘く見ていた。
少年はただ突っ立っている。痺れを切らしたゲンムは、少年へ一歩足を踏み出した。
ゲンムの目的を、少年は理解する。彼は懐から、ゲーマドライバーを取り出した。腰にあてると、ベルトが巻かれる。
「な……なぜそれを!?」
「変身」
ウルトラマン! ウルトラマンティガ! ガシャット! レベルアップ!
ガシャットを挿し、レバーを開いた。現れたパネルを通過すると、少年の姿が変わる。
ゲーマドライバーがついているとはいえ、その姿はウルトラマンオーブスペシウムゼペリオンと酷似していた。
別の宇宙に存在する光の巨人。この形態は特にバランスに優れ、多くの光線技を得意とする。
背はゲンムとほぼ同じだ。
「俺の名はオーブ。仮面ライダーオーブ」
「くっ……宝生永夢といい君といい……この私に許可なくガシャットを生み出すとは!」
ガシャコンスパローが召喚される。ゲンムはそれを両手に持った。
オーブの左手に光が集まる。やがて光は円盤状と化した。スペリオン光輪をゲンムに投げる。
ゲンムは左の鎌で弾き飛ばした。
「所詮私の敵ではない」
「それはどうかな」
ゲンムが素早く走り、間合いをつめる。両手の鎌を振り上げた。
オーブは隙をつき、ゲンムの胸を右手で殴る。
恐ろしく力のこもった一撃。ゲンムは近くの信号機まで吹き飛ばされた。致死量のダメージを受け、アスファルトに横たわる。
「だが私は不死身だ!」
ゲンムは黒い影のようなものを纏いながら、うねうねと起き上がった。意外に思ったのか、オーブが少し驚く。
「復活か。興味深いね。そのガシャットは」
「何を企んでいる?」
「俺はウルトラマンの力を、ガシャットを通じて得ることができた。それに仮面ライダーの力も合わさればまさに無敵! 俺が最強となれる! そうすれば俺は有名人だ!」
いかにも子どもの発想。これには、神を自称するゲンムでさえも呆れ果てさせた。
しかし今の彼には、それを実現させるだけの力がある。野望を実現させるためには邪魔だと、ゲンムは考えた。
ゲンムはガシャコンスパローをくっつけた。鎌から弓になり、遠距離戦の適正が上がる。
ゲンムが弓を射る。オーブは右手を突き出すと、虚空に円を描いた。放たれた矢は、オーブの生成した光の盾─スペリオンシールド─に防がれる。
「残念だよ。生みの親を自ら倒すのはね」
オーブは左手で、ドライバーに挿さるガシャットを二本とも抜いた。左腰から新たなガシャット二本が取り出される。
彼はドライバーにそれを挿し、レバーを開いた。
ガッシュート ウルトラマンメビウス! ウルトラマンタロウ! ガシャット! レベルアップ!
「紅に燃えるぜ!」
オーブは新たな形態に変化した。その名もバーンマイト。炎を操る戦士で、パワーに優れる。
ゲンムはスパローにドレミファビートを挿した。鏡飛彩から奪ったガシャットであり、モチーフは音ゲーである。
キメワザ! ドレミファ! クリティカルフィニッシュ!
「じゃあ俺も!」
オーブはドライバーから、ガシャットを抜いた。腰のスロットにそれを差し込む。
キメワザ! メビウス! クリティカルストライク!
「ストビュームバースト!」
オーブは身体から火の玉を放った。ゲンムは弓から、ポップな黄色い光線を撃ち出す。両者の攻撃が激突した。
オーブの火の玉は、ゲンムの攻撃を徐々に飲み込んでいく。少しずつ肥大化し、勢いを増す火の玉。
ゲンムは火炎に全身を覆われる。
ライダーゲージが削られることはないが、熱さと傷みは大変な苦痛として現れた。ゲンムが地面をのたうち回る。
ようやく鎮火した。強制的に、黎斗は変身解除される。黒いスーツはところどころ焦げており、ボロボロだ。
「おのれ……許さんぞ!」
「ガシャットを貰うよ」
倒れている黎斗に、オーブが近づく。彼は徹底的に、黎斗の身体を触り始めた。手の感触で、ガシャットがどこにあるのかを探す。
やがて、四つのガシャットが見つけられた。
「ゾンビにギリギリに……タドルクエストとドレミファビートも持っていたのか。サンキュー」
ガシャットを両手に持ち、オーブは勝ち誇るように笑う。
オーブの背中に痛みが走った。弾丸を受けたのだ。
オーブが振り向く。そこには、仮面ライダースナイプシューティングゲーマーレベル2の姿があった。
「そのガシャットを俺によこせ」
「出たなスナイプ! お前のガシャットもコレクションに加えさせてもらうよ」
「させるか」
「ならば痛い目にあってもらおうか!」
三組目のガシャットを使ったオーブが、再び姿を変える。
ウルトラマンジャック! ウルトラマンゼロ! ガシャット! レベルアップ!
今度はハリケーンスラッシュだ。非常に素早く、畳み掛けるような攻撃が得意である。
オーブがガシャコンランスという名の槍を召喚した。形はオーブスラッガーランスと全く変わらない。
スナイプはガシャコンマグナムを撃ちながら走る。オーブに近づくためだ。
弾丸はすべてガシャコンランスによって弾かれた。しかし、スナイプは足を止めない。
「機動性重視のフォルムか。ならば……」
二人の距離が狭まる。オーブがランスを横に薙ぎ払う。
スナイプは重心を低くし、転がってかわした。それと平行して、ガシャットを起動させる。
ジェットコンバット!
振り向いたオーブが、スナイプを突き刺そうと槍を伸ばす。
スナイプは槍の切っ先を足場にして、高くジャンプした。空中でガシャットをドライバーに装填し、レバーを開いた。
「第三戦術」
ガシャット! レベルアップ! ババンバン! バンババン! イェー バンバンシューティング! アガッチャ ジェットジェットインザスカイ! ジェットジェットジェット! ジェットコンバット!
スナイプはコンバットシューティングゲーマーレベル3にレベルアップした。
彼は上空からガトリング砲を乱射する。オーブが槍で弾こうとする。ところが、激しい銃撃はそれを許さない。スナイプは槍を吹き飛ばし、オーブをのけぞらせる。
そのとき、オーブの姿がスナイプの視界から消えた。
オーブは自分の周りを高速で動いている。そう考えたスナイプは、ガシャットを腰に挿した。
キメワザ! ジェット! クリティカルストライク!
「こいつを全弾逃れられるか?」
四方八方から飛び出す弾丸やミサイル。しかし、スナイプは当たった手応えを感じなかった。彼は頭を振り、キョロキョロと辺りを見回す。
「後ろだよ」
キメワザ! ジャック! クリティカルフィニッシュ!
「オーブランサーシュート!」
オーブはスナイプの背中に、槍を突きつけてきた。先端から光弾を発射し、スナイプを地面に落とす。
オーブは瞬間移動で、スナイプの攻撃をすべて避けていたのだ。
「俺は英雄になるんだ!」
ウルトラマン! ウルトラマンティガ! ガシャット!
オーブは再び、スペシウムゼペリオンになった。ガシャットをキメワザスロットホルダーに挿し、必殺技の準備を始める。
キメワザ! ティガ! クリティカルストライク!
「スペリオン光線!」
オーブが腕を十字に組むと、光線が発射された。倒れているスナイプにクリーンヒットする。
激しい爆発が起こった。砂煙によって、スナイプの姿が視認できなくなる。
オーブが地面に着陸した。
ドラドラドラゴナイトハンターゼット!
圧倒的な力の差を、まじまじと見せつけられたスナイプ。
しかし彼はまだ、戦意を喪失してはいなかった。彼はドラゴナイトハンターZの力で、ハンターシューティングゲーマーレベル5フルドラゴンにレベルアップする。
左腕のドラゴンガンから、ビームを発射した。オーブの胸に当たる。ほとんどダメージはないが、そのタフさはオーブを感心させた。
スナイプは翼を羽ばたかせて煙を払う。多少ふらついてはいるが、彼はまだしっかりと構えていた。
「本当の戦いは……これからだ」
そこに永夢とポッピーがやって来た。二人は付近の住民から通報を受け、駆けつけたのだ。
ゲーマドライバーを腰に巻き付け、ガシャットを挿し、レバーを開く
「変身!」
マイティブラザーズダブルエックス! ダブルガシャット! レベルアップ! マイティブラザーズフタリデヒトリ! マイティブラザーズフタリデビクトリー! エックス!
「ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!」
仮面ライダーエグゼイドダブルアクションゲーマーレベルXが、オーブに立ち向かう。