エグゼイドは長い階段を登り詰めていた。最上階の部屋は丸く、周りは鉄筋コンクリートの壁。中央にはキャスター付きの椅子が八つと、長方形の机が二つ。
待ち構えていたのは、白服の二人の男。彼らは真ん中でオセロに興じていた。
彼等は立ち上がると、それぞれのガシャットを懐から取り出して起動する。
痩せ形の男はウルトラマンティガに、小太りの男はウルトラマンゼロに変身した。
飛びかかる二人。エグゼイドはガシャコンキースラッシャーを召喚すると、横にして二人の拳を受け止めた。
パンチが強まる。初めは立っていたエグゼイドも、衝撃で押されていった。終いには立て膝の姿勢で、なんとか踏み留まるまでになる。
二人は力を抜いた。ゼロは上に、ティガは後方に、ジャンプして逃れる。
ティガは体色を紫にすると、右手から"ティガフリーザー"を繰り出した。他方でゼロは、頭の二つの"ゼロスラッガー"を飛ばす。
二人の攻撃を受けたエグゼイドは、もうふらふらだ。
「限界のようだな」
「奴を殺すのは俺にやらせろ」
絶対に勝てると踏んだのか、ティガは一人で戦うと言い出した。
彼は赤い体色の"パワータイプ"になる。エグゼイドの顔を何度も殴った。
倒れるエグゼイド。ティガはそれを蹴り上げて、宙に浮かべた。
彼は"ゼペリオン光線"で追い討ちをかける。
「はぁ……まだ続けるのか。いい加減にくたばれよ」
再三の攻撃にも関わらず、エグゼイドは立ち上がった。
「俺はみんなの思いを背負ってここまで来たんだ……絶対に全クリしてやるぜ」
とはいえ虫の息に変わりはない。ここまでの連戦は確実に永夢の体力を奪っていたからだ。
「時間がかかりそうだな。どれ、私も手伝おう」
「すまねぇ。やっぱ頼む」
「そうはさせないぜ」
パラドクスが駆け付ける。彼はゼロに弾丸を浴びせて、注意を引いた。
ゼロが左腕のブレスレットを、鎧に変形させる。
彼はそれを身に纏い、ウルティメイトゼロとなった。
ブレードの付いた右腕を前にだし、前進してくるゼロ。パラドクスは得物を斧に変える。降り下ろされる刃を受け止めた。
「今だ! 永夢、やれ!」
「あぁ!」
「そんなボロボロな身体で何が出来る。これで決める!」
手刀を浴びさせようと、ティガが飛びかかる。当たればひどたまりもないだろう。
エグゼイドは立ち上がると、ガシャコンキースラッシャーを左手に。そしてティガの胸を突き刺した。
ハイパークリティカルスパーキング!
エグゼイドはドライバー上部のボタンを押す。剣にすべてのエネルギーが集まった。刃は神々しい黄金に輝く。
ティガの絶叫の中、激しく爆発を起こした。
「よっしゃあ! これで残りはお前だけだ!」
エグゼイドが切っ先を向けながら振り返る。ゼロはパラドの首を左手で掴み、右手で彼の顔面を何度も殴っていた。
腕をだらんと下げ、抵抗する気力すら失うパラド。もう充分と考えたゼロは、彼を投げ捨てた。
「パラド……」
「次は貴様だ」
エグゼイドがキースラッシャーで打ち込む。ゼロは斬撃をウルティメイトブレードで弾いた。流れるように、エグゼイドに斬り込んでいった。
少しずつではあるが、エグゼイドはダメージを受けていく。
「お前に勝ち目はない!」
タドル! クリティカルストライク!
バンバン! クリティカルファイア!
クリティカルクルセイド!
駆けつけたブレイブ、スナイプ、ポッピーのトリプルライダーキックがゼロに炸裂した。
奇襲攻撃を浴びせられたゼロ。彼はなんとか両手で受け止めたが、その威力は決してバカに出来ない。
さらにエグゼイドは、反撃の隙を得ることが出来た。
エグゼイド渾身のパンチが、ゼロの頬に当たる。その勢いは凄まじく、彼は壁まで飛ばされた。
「みんな!」
「集中を絶やすな研修医。オペはまだ完了していない!」
「そうかよ。相変わらずブレイブは厳しいな」
仲間との再会は、傷ついたエグゼイドには充分すぎる励ましになった。
「小癪な……こうなったら、奥の手を見せてやる」
ゼロの身体か眩く輝きだす。その光は急激に膨張し、やがて彼はその中に消えた。