無限と身勝手 作:戦闘狂(書く方)
あとカッコいいドラゴンボールがアレば完璧()
※ ちょっとだけFateからの引用あり。
※2 長い。兎に角長い
※3 “無限大”オーフィスの姿に追記あり(3/27)
蒸発した自我、燃え尽きた感情、“身勝手”に呑まれ『白』へと変わる精神。そんな中でも消えない強大な意思。それが真なる“身勝手”へ到る鍵となる。
イクサの心を埋め尽くした一途な想い。唯々純粋に───負けたくない、勝ちたいと。
銀光の眼からはぎらぎらと闘志が輝いている。
英雄神とて到れない技巧の最果て。行動の深淵、本能の真髄。無我の境地なんて陳腐なモノではない完成された技術。
過去、現在、未来。現界、天界、冥界、異界。総ての技の集大成。知ってる知らない関係無しに司る身勝手な所業。
──武道の基本となる骨子を想定し、
──構成された思念を複製し、
──奥義の制作に及ぶ技術を模範し、
──修得に到る過程を経験し、
──使用し蓄積された練度を再現し
“身勝手”が今完成を超えた完全を引き出す。それらの奥義を組み合わせ、それらの欠点を埋め合わせる。全技の攻撃に総技の防御、不可能といわれた弱点を失った存在に人で在り、人の
最巧無敗、超技絶対の頂きに君臨する
イクサの目を見てオーフィスの漆黒の黒曜眼に強い意志がまた灯った。痛いほどに感じる闘志にオーフィスも唯々勝ちたいとチカラを解放する。
濡羽色の龍のオーラに光り輝く粒が
まだだ、まだ終わらない。我は無限、
「がぁァァァアあああ…!」
激化する龍の波動、高まる魔力、より強靭に構成されていく肉体。
無限大の名は伊達ではないと、最強の一角として名高き龍神が己の殻をブチ破る。爆発的に上昇する戦闘力。その副産物としてオーラの嵐を振り撒く。
引くわけにはいかない、絶対に負けたくない。オーフィスにとってイクサこそが
理解し合える歓喜に震えよう。この絆を破ろうとする者に激昂しよう。抱きしめきれない恩に胸を渦巻く深愛を込めて、
「───、ッッがああああああああああ!!!!!」
完成した進化。未完成の無限大を遥かに凌駕する純粋な力をその身に集約させた。
右頬から右耳の裏そして首を下り右肩の裏へ走り、右頬のモノとは別に右肩から腕を伝い手の甲で紋章を描き途切れる事なく中指へ絡みつく。ドロワで隠れているが腰から右腿の側面へと、衣服で隠れ全貌は見えないが右半身にトライバルのような紫色の紋様が三種刻まれる。強い意志の輝きと共に黒曜の両瞳に紫の『∞』が現れ、今此処に、オーフィスは『龍神』から脱した!
“無限”という側面にのみ己の存在を注ぎ込み龍の部分を薪に変える。『無限』と『龍神』、二つの側面を持っていたが故に片面を中途半端上げることしかできなかったオーフィスが
完全無減、誰にも滅ぼされない存在が降誕したのだ
真なる“無限大”オーフィス。
真なる“身勝手”イクサ。
闘いは瞬時に始まった。搔き消える二人の姿。
刹那の間に行われる数千万の攻防。音、衝撃は生まれない。それすら二人の力が虚無へと変えている。
天空にて右腕同士をぶつけて交える二人。
「───えい」
オーフィスが拳を振り下ろしイクサを叩き落とす。完璧に防禦された、ダメージ零。何事もなく着地したイクサの目前に転移して拳の連打。
最小の動きと僅かな受け流しで総て躱される。大振りな一撃の隙をついて手刀を首へ、硬直したオーフィスに後ろ蹴り。
たたらを踏んで後退するオーフィス、視界にイクサの姿は無い。じわりと空間のユドミを感知。
「──後ろ」
振り返ると片手を向けるイクサの姿。装填は既に完了済み。一条の雷撃のような波動が放たれる。
「ぅぅぁあああ!!?」
真正面から直撃、炸裂した砲撃が雷電が如くオーフィスを蝕む。
「ああああああッッッ、んんぁ!!!!」
「っ!」
瞬間的な自爆でイクサの波動を消し飛ばす。瞬時に無限の恩恵にて元通りの姿へと治る。
「くらえっ!」
両手を突き出しオーラを放つ。襲い掛かる漆黒の怒涛にイクサは両の腕を上下に位置させ───廻した。渦状に廻り収束、胸の前で交差した両腕を左右へ払いオーラ砲を霧散させる。左右へ広げた両腕をそのまま自然に動かし正拳突きの構え、即座に発射。撃ち抜く一撃がオーフィスの拳と衝突する。
握る拳を即座に解き、そしてオーフィスの拳を包み込む。腰に携えたもう片方の拳でアッパー、オーフィスの顎を穿つ。アッパーに使った拳で胸倉を掴み背負い投げで地面に叩きつけそのまま抑えつける。片方の手はそのままオーフィスの腕を拘束、もう片方の手でオーフィスの頭を押さえつける。強引に力で頭を動かし指と指の間から濃密で強力な眼力を熱線として撃ち出す。
「ッッ!」
間一髪熱線に気付いた───否、“身勝手”が反応、手を離し勢いよく反り返り躱す、鼻先の薄皮がじりっと焼けた。
無防備すぎる体勢、跳び上がるのは不可能。故に両腕を伸ばしてバク転の要領で退避。
「逃がさない」
が、脚を掴まれ引っ張られる。
「今度は我の番」
近付く顔同士。端整なオーフィスの顔、その口端がほんの僅かにつり上がる。
「これ先の波動の分」
「がっ!」
脚を引っ張った腕とは逆の拳をイクサの顔に振り下ろす。大きすぎる鈍痛に苦痛の声をあげるイクサ。
けれど流石というべきか、あの一瞬でイクサは何十もの不動の防禦技を重ねて威力を百分の一にまで削ってみせた。
たがオーフィスの逆襲はこれだけでは終わらない。
「これは顎を殴られた分」
顔面を殴りつけた拳に数匹の蛇を絡ませ鎖に変えて括り付け、そのまま直進。イクサで地面を削りながら突き進む。
さながら某ゲーム、スマ○ラXの亜空の使○で捕まえた○ムスを壁に押さえつれたまま飛び回るリド○ーの様に───地面か壁かの違いはあるが───岩や木などの障害物を破壊しながら直進する姿は某漫画の直進行軍の様。
「これは───うぐっ」
次の攻撃に移ろうとイクサの頭を少し浮かせた、その隙を突きオーフィスの腹に一撃打ち込む。呻くオーフィスの腕を両手で破壊、鎖を回転を利用した技術で
「いや〜ん」
棒読みの嬌声を上げてぶん殴り、即座に魔力弾を擲つ、当然爆発。
捲き上る土煙から四対の拳圧の衝撃波、飛拳が襲いくる。
「……むぅ」
不満げに躱すオーフィス。こんな技も避けれないと思ったのか?と考え───更に十四対の飛拳が様々な軌道を描き飛来する。
「む…」
翼を広げ飛翔するオーフィス。そしてオーフィスを
「!?」
真っ直ぐオーフィスにとわ流石にいかない大振りたがそれでも尽きることなく追尾してくる飛拳。それぞれが別々の軌道や動きで向かってくる為躱すの困難。
そして二十八の飛拳に集中していたその時、背中に
「無茶苦茶、…!くっ」
気配出現。けれど二十八の飛拳がオーフィスの動きを遮断。
銀色の眼光が閃き、イクサが駆け抜ける。全身に帯びる蒼のオーラの右腕部が一際強く煌く。翔ける一閃。
「がっッッ!!?」
強力なブロー、銀閃の一撃がオーフィスの体を「く」の字に曲げて大陸から別の大陸へ己ごと叩きつける。そして即座に距離を取るイクサ。
湧き立つ土煙が晴れると、服がボロボロのオーフィスが突っ立っていた。
「今のは、効いた。すごく痛かった」
一歩、また一歩と歩みを進める。その度に服が修復される。
「───ねぇ、イクサ」
「……」
突如、オーフィスがイクサに問いかけた。
「今のイクサ、ホントにイクサ?」
「──…」
反応は───無い。
「……やっぱり。今のイクサはイクサじゃない」
オーフィスの予想は
“真・身勝手”による自我の蒸発。ただ一つを除いた感情の消失。鮮やかな記憶は色褪せたアルバムと変わる。
今イクサを動かすのは“真・身勝手”発動のキッカケとなった強い想いだけだ。今回なら『負けたくない、勝ちたい』がそれに当たる。
自我の蒸発、それは植物人間と何ら変わらない。それじゃ意味が無いのだ、それだと真に到ったどころで防衛だけ行う置物と同じだ。
だからといって“真・身勝手”に到ったとしてもそれは目標を行うだけのマシーンと変わらないが。
「今のイクサは、見てて虚しい」
「いつもみたいに想ってくれる目をして欲しい」
「そんなになってまで戦いたいとは思わない」
「元に戻る?いつものイクサに戻る?」
「何か、言って、欲し、い」
俯くオーフィス。オーフィスの肩が僅かに震えている。
「───アホ」
「……ふぇ?」
罵倒が飛んできた。反射的に顔を上げるオーフィス。
「………」
「イクサ?」
「俺以外の誰かに、見えるのか?」
「──。っ、髪が、銀色に、成ってる」
「──、マジで?」
自分の髪に手を伸ばすイクサ。跳ねた髪先を摘んで下げ本当に銀色に成ってるのを見て「マジか」と呟く。ぷっ、とオーフィスは耐え切れず吹き出した。む、と笑いだしたオーフィスに気付いたイクサが息を吐いて脱力する。あははは、と笑うオーフィスを尻目に自身の掌を見る。何度か掌をひっくり返したり握ったりして観察する。
実感はないが記憶はある、先の自分は本当に機械、システムのような“身勝手”に動かされる人形のようだったとイクサは思っていた。今でも気を抜けばすぐに“身勝手”に呑まれそうだ。
「イクサ?」
「…ん、どうした?」
「………大丈夫?」
「……もちろんだ」
自分でもわかる。反応が薄い、感情の起伏が無い、胸に有るのは『勝ちたい』という意志。オーフィスにだけじゃなく己にも、誰にも何にも『負けたくない』。
そして何より
楽しい事があったのなら共に祝おう、悲しい事があったのなら手を伸ばそう、恩には恩を、仇には仇を。共に笑って共に怒る。
もし片方が“元に戻ってくれ”と泣いているのなら───全力全開で応えよう。
この“想い”がある限り、決して“身勝手”に負けたりしない。
「さぁ行くぞオーフィス。ここからが本番だ」
「うん。第二ラウンド」
「はぁぁぁあああああ!!!」
「かぁぁぁあああああ!!!」
漆黒の蒼。神秘の光を含んだオーラが爆発的に解放させる。完成した進化に至ってなお上昇する二人のチカラ。強い想いが二人に果てしない力を呼び起こさせる。
「精々、
「ん、我もそれくらい」
大いなる力にはそれだけ大きな代償を伴う。
短期間で何度も己の限界を遥かに超えた領域の大力、早過ぎる成長が二人の心身に大きな負担を加える。
「最初から最後まで、」
「全力全開!」
「「行くぞ!イクサ!!/オーフィス!!」」
駆けたのは同時、打ち込むのも同時。行われるわ激闘、打撃の大嵐。
オーフィスの渾身の一撃。破壊の権化をそのまま表したが如き世界崩しの大砲を一切の手加減を含まずに放たれる。
見切っていた、イクサはオーフィスの撃拳を片手で受け止める。衝撃を根こそぎ奪いパワーを極限まで削ぎおとす。拳を受け止める動作、角度、向き。衝撃を逃す為の体勢、関節、捻り。立ち凌ぐだけでなく大力に身を任せる奥義に、筋肉の強度や柔度を使い全身をフル稼働させて凌ぐ。一点だけでなく全身に分散させることにより逃す力は霞と同位。
「……」
「くっ、たったら…!!」
「…!ぐぁッ」
イクサの手の中のオーフィスの拳が爆発しそれにイクサが巻き込まれて吹き飛んだ。
過剰な量の魔力、体の中を渦巻く大力を右拳の一点にのみ掻き集められ解き放たれる。許容を超えるパワーを腕の崩壊も辞さない程の全力使用。その結果オーフィスの右腕で大力が暴発、肘から先が爆発してズタズタになる。
「ぐっ、無茶をする」
痛みは勿論あるだろう、想像を絶する痛みだ、腕が魔力の暴発で自壊するのだから。
吹き飛ばされ地面を転がり左腕を地面に突き立て両足に力を込めてブレーキとする。
オーフィスへ見向くと右腕の修復を二の次に左手に魔力を練っている。魔力の大塊を自身の目の前に設置、右腕の修復に一瞬間を空けて修復したての右腕に魔力を込めて設置した魔力の大塊と共に撃ち出す。
一撃一撃全てが全力、元々が龍と“怪物の分類”の絶対的強者であるオーフィスは力で捩伏せ叩き潰す戦い方しかできない。熊に格闘技をやれといっても不可能なのと同じである。故に技術では圧倒的に劣る自分は全ての攻撃をフルパワーで行う超暴力のゴリ押ししか戦える方法が無いのだ。
漆黒の波動砲。全てを塗りつぶし鏖殺する圧倒的『黒』が大地を抉りながら迫る。イクサはその場で全く同時に十数回地面を蹴り超跳躍、その後も空中で足技を使い大気を集めクッションとして足場にして弾丸のように飛び交う。光よりも速く時間停止と勘違いする程のスピードで駆け回るイクサ。自身のスピードを完全に捉えきっているだろうオーフィスの様子を伺いながら右へ左へ上や下へ、周りの浮島の破片を寄せ集める。
「───なるほど、なら」
オーフィスがイクサの意図に気付いた。ならばさせぬと自身の周辺にオーラを集束、砲弾を形成。その数はなんと
次の瞬間───目前で爆発。砲弾同士の衝突によるものだろう、何はともあれこのままだと超魔力が密集に己から飛び入ることになる。急遽方向転換、真上へ飛躍。その更に上にオーフィスが君臨していた。
「なっ!?」
「くらっえッ!!」
複数の砲弾を頭上で集結、それを掴んで更に魔力を込めて解き放つ。
対するイクサ、飛行術を使いその場に留まり両手を右腰近くに運ぶ。『ドラゴン波』の構えだ。
「波ァァアアッ!!」
蒼の大砲と漆黒の大海が衝突し互いに喰らい合い均衡する。すると少しまた少しとイクサのドラゴン波が押され始めてきた。
「ッッ」
技力で圧倒的にイクサが上な様に、純粋なパワーならオーフィスの方が圧倒的に上である。“身勝手”により潜在能力を引き出されているがそれでも彼は『人間』である。元々が『龍』であるオーフィスとは身体能力が根本的に違う。二人の実力はほぼほぼ互角だがそれは総合的な見れば、である。
イクサがオーフィスと打ち合えるのは圧倒的に足りないパワーを神域の達人が如き技力で補っているから、この様な純粋な力比べだとどうしても劣ってしまう。しまいには押し負けドラゴン波が掻き消されてしまった。
「───!」
漆黒に呑み込まれる蒼の影。大陸に墜ちて爆発する黒の星、その質量は月等位、純黒極まる小太陽。そんな黒の塊にこれでもかって程の密度と濃度のオーラが練り込まれている。
───ボウ
いまだ顕現し大陸を焦がす黒太陽に綻びが、ピクリと反応したオーフィスが注意深く観察する。ボウ、ボウ、ボウ。綻びが出来ては消え出来ては消え、段々とその数とペースが増えていく。
「…ッ、」
瞬間、黒の太陽を破り銀の閃光が伸びる。それも一条のみではない、二条、三条……その数十二。十二条の銀光が黒を突き破り主張する。
「ォォォ、」
尚も増えてく銀光の柱。そして終いには黒太陽が浮き上がった。隙間から漏れる銀の閃光。
「オオオオオオォォォォ…!!」
咆哮、そして全方面に噴出される銀の大力。喉が焼き尽きそうな程に絶叫を上げ全身からありったけの
「おおあああああああああ!!!!!」
呑み込まれていた黒を押し返し逆に喰らい呑み込んでいく。黒を銀で完全に呑み込んだその瞬間、銀の輝きは爆ぜて莫大な
両腕で顔の前を覆いくぅ、と苦難の声を出して圧力に吹き飛ばされそうな体を耐えるオーフィス。
大陸に刳り抜かれたかのような巨大な
オーフィスはその
黒煙が
「!? イク、サ…!」
涙が溢れそうになる。上半身の服は完全に消失、襤褸布すら無くズボンも所々が破れて素肌が垣間見える。火傷のような跡も見えてボロボロだ。それでもしっかりと生きている。五体無事、生命の煌きをその瞳からギラギラと放ち、加速する闘気を身に帯びる。目を見開き必死の形相で迫る。
尻目の涙を腕で拭い力強い目付きでイクサを見据える。
飛来するイクサの拳を初撃を屈んで躱し、続く二撃目を高速移動で離脱して射程内より離れる。消えたオーフィスの姿を探り顔を左右に振り死角からの飛び蹴りを意識よりも早く“身勝手”が感じ回避する。オーフィスの純粋な神速とは違い“縮地”や“鮭飛びの秘術”の様な転移級の超位の移動法で背後を取る。
「っ!?」
「ぁぅっ」
空気の微小なズレから移動先を予測、振り返りざまに脚を振るうオーフィス。背後へ飛んだイクサが槍の様な蹴りを放つ。オーフィスの回し蹴りがイクサの直蹴りが互いの顔を捉える。
両者蹴りを喰らい距離を離し空中で回転しながら降下、大地に足を下ろした瞬間に馳せて両の手を握り合わせて迫り合う。
オーフィスが無意識に笑う。イクサが噛み締める歯から音を鳴らす。
───やはりイクサは消えたりしない。
ちょっとした事で不安になり一度安心すればより強く深く心に絡みつく依存のソレ。オーフィスの気の緩みを正確に突く膝蹴りが腹に叩き込まれる。かはっ、と体内の全空気を吐き半歩後退。すぐさま拳を二度振り抜くが避けられ背後に回れ後ろ蹴りで距離を離す。
地面を削り後退しながらも放たれる気弾に拳をぶつけ一瞬の均衡を見せるが跳ね返す。イクサは跳ね返された気弾に両腕を交差して防禦する。
「……くっ」
気弾を防禦したイクサたが等々体力の低下に屈して膝を突く。すぐに力を込めて立ち上がるが無理をしているのが簡単にわかる。
対してオーフィスはイクサに比べて余裕がある、イクサよりもデタラメな行動をしていない。総合的に互角でもパワーに差が有るのは大きなハンデとなっている。
「イクサ、もう諦める。イクサはよく頑張った」
「……」
オーフィスの誘い、純粋な心配によるもの。だがイクサに対しそれは、
「…笑えないぞオーフィス」
「───、……我は別に冗談で言っている訳じゃない。初めての変身で無茶をし過ぎている。これ以上は本当に危険」
「初めての、変身は……お前も同じじゃないか」
「我とイクサじゃ身体能力が違う」
「……。確かに俺は、バカ正直に力比べしてもお前には絶対に勝てない。そんな事わかりきってる。このまま続けてたら俺の体がぶっ壊れるかもしれないって事も」
「だったら──」
「それでも引く訳にはいかないんだよ」
「───」
「俺だって男だ、勝ちたいんだよ!終わってないんだよ!」
「でも、それじゃ」
「『でも』じゃない!俺の奥で燃える『勝ちたい』って想いはまだ消えちゃいない!!」
強い意志、声を荒げる事の少ないイクサが、それも“身勝手”の状態で声を大にして胸の内を叫ぶ。
言葉じゃ通じない、そう理解したオーフィスがオーラを放出する。
「ならすぐに終わらせる。イクサは我に必要だから」
「言ってろ、俺が勝つ」
イクサも加速する闘気を放出する。
飛び出すオーフィス、世界を震撼させる握力で拳を握り星を撃ち砕く純度100パーセントの腕力を込めた超絶怪力の一撃。正真正銘、渾身の一撃。
「はああああっ!!!」
「────!!!」
襲い掛かる絶望、当たれば即死、余波だけで環境が荒れ果てる魔拳。
声なき咆哮、死が迫るこの瞬間、“身勝手”の本能が爆発的に加速した。
───躱した。
最小の動きで、最高の回避を行った。絶句するオーフィス、初動から何から何まで完全を越えた完璧以上の動き。そして繰り出される顎を砕く巨力なカウンター。
「───」
破裂した頭部を“無限大”で無理矢理に繫ぎ止める。バラバラに散った戦意を掻き集めて反撃、左拳を打つ。
オーフィスの死の顕現たる一撃が彼に『死』を見抜く魔眼の奥義を開眼させた。銀の瞳に蒼の閃光を宿し魔眼の王バロールの末梢たる目を再現させオーフィスの死の点を正確無比に撃ち抜く。
大力を爆発させ解き放ち大陸を半壊させて別の大陸の側面にのめり込んだオーフィスへ向けて翔ぶ。
「ーーー雄オオオオオ!!!!」
大陸の突撃する。大陸全体に渡る罅を深く深く刻み込み巨大地震を起こし───貫通して見せた。拳の先にはオーフィスの頬。背後には崩壊する大陸だったもの。
そしてそこから大陸を三つ、浮島を七つ、浮遊岩石を十六を砕いて突き進む。
「これで───終わりだァァアアああああアアアあああアアああああああああああああああああああああーーーーーー!!!!!」
巨大な赤い龍、“
イクサの“とどめの一撃”に再起不能となったオーフィスと全ての力を使い果たし気を失ったイクサ。次元の狭間の果て、虚無の中へと堕ちて行く二人をグレートレッドが回収したのだ。
とても素晴らしい戦いを見せて貰った礼にと二人に生命力を分け与えたグレートレッド。特にイクサの損傷が酷く、もしかしたら永遠に目覚めないかもしれない代償を負っていた。自我の蒸発による精神の消耗、限界を数段と超えた負担、自爆とも取れる捨て身の大技、ボロボロの体で“身勝手”の全開、『死』を見抜く魔眼の開眼。これらの要素がイクサの心身共に大きなダメージを与えていた。
グレートレッドの生命力を分け与えられてもなお明日はろくに動くこともできないだろうがそれは自業自得だ。むしろこれ以上イクサに注ごうものなら寧ろイクサが耐えられないだろう。
グレートレッドは小さく嘆息する。次元の狭間を泳ぐ“夢幻”を司る巨龍はいつもと同じく、けれど確かな目的地を持って進み漂っていた。
長い!匿名で別の小説書いてた事もあったが中でも最高に長い!!
おまけ
今作の最強キャラはグレートレッド。設定も既に創作済み。