デート・ア・ライブ 万由里リジェネレーション   作:ベルリオーズ

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皆さん、お久しぶりです。まず、謝罪を。ここ二年間、実質失踪したような状態になり申し訳ありません。どうしても創作意欲がわいてこなくなり、自分の小説をみるのも億劫になってしまっていました。今回の話はその中で少しづつ書き溜めたものになります。文字数は少ないですが、楽しんでいただけたら幸いです。これからも活動は続けていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。


回り始めた歯車

――久しぶり。

 

頭の中に、どこかで聞いたことのある声が響く。

 

――やっと、やっと会えたね、×××。

 

懐かしむように、慈しむように。

 

――

「…………はっ!」

 

士道は夢を見終わった瞬間飛び起きた。

 

(知らない天井だ……) 

 

思わずそう言ってしまいそうになるほど彼が起きた場所は見知らぬ場所だった。これまで病気で病院に行ったことはあるが、ここまで天井が白い場所は初めてだった。そもそもなぜ彼はここにいるのか、記憶を掘り出してみるがなかなか思い出せない。

 

「誰かいますかー?」

 

声を出してあたりに呼びかけてみるが誰も反応する気配がない。そのあと二回ほど声を出してみたが誰も来ることがなかった。なので少し立ち回ってみることにした。そのために扉を開けて外に出ようとすると、

 

「あぁ、起きたのかい。シン」

 

と目の前から声をかけられる。思わず、うわぁ!……と声を出してしまいそうになるのをなんとか堪えて、目の前に誰がいるのか見てみると、声の主と思われる女性が立っていた。

 

「あの……どなたですか?」

 

士道が彼女に聞いてみると、

 

「私かい?私は村雨令音、ここフラクシナスで解析官を務めているものだよ。そろそろ君が起きると思って来させてもらったよ。」

 

「村雨さんですか、いきなりですがここは何処ですか?病院とも思えないのですが」

 

「それについての説明をしようと思ってね。これから中央で説明をしたいんだが、ついて来てもらえるかい?」

 

「分かりました。」

 

士道がそう言ったのを確認すると令音はゆっくりと歩き始める。しかし、後ろから士道が見ているとどうもふらふら歩いており、出入り口の近くの壁に音を立てて衝突してしまう。

 

「! 大丈夫ですか?」

 

倒れはしなかったものの、彼女はうめきながら壁によりかかる。

 

「……ああ、すまないね。最近少し寝不足なんだ」

 

「どれくらい寝てないんですか?」

 

士道が問いかけてみると、令音は指を三本立てたのち、小首をかしげながら

 

「三十年くらいかな?」

 

と、世迷いごとのようなことを言い放った。三週間くらいまでならありそうだと思っていた士道もこの言葉には驚きを隠せなかった。思わずそもそも令音の年齢を超しているのではないか?という疑問も浮かんできたがとりあえずは口に出さず令音が進んでいくのについていく。その後、医務室を出て廊下に出たがそこには淡色で構成された機械的な壁と床が広がっていた。士道は何となく、スペースオペラなどに出てくる宇宙戦艦の内部や、映画で見た潜水艦の通路を思いだした。そして、ふらふら歩く令音の姿を追いながら数分歩くと、巨大なロックのかかった扉に突き当たる。

 

「ここだよ」

 

電子パネルに何かを入力しながら令音が言った。次の瞬間、電子パネルが子気味良い音を立てて扉がスライドする。

 

「さ、入りたまえ」

 

令音が中に入って行くのに続くと、そこには船の艦橋のような空間が広がっていた。士道がくぐった扉から、半楕円形に床が広がり、中央に艦長席と思わしき椅子が設置されている。そしてその先には複雑そうなコンソールを操作しているクルーのような人々がいる。

 

「連れてきたよ」

 

令音がふらふらしながら言うと、艦長席の隣に立っている長身の男が軽く礼をする。ウェーブのかかった髪と、日本人ばなれした鼻梁。耽美小説にでも出てきそうな男だった。

 

「初めましてして。私はここの副指令、神無月恭平と申します。以後お見知りおきを。司令がお待ちです」

 

士道が頭を少し下げると、こちらに背を向けていた艦長席が、低いうなりをあげながらゆっくりと回転した。そこには、

 

「――歓迎するわ。ようこそ、<ラタトスク>へ」

 

と言う大きな黒いリボンで髪を二つに括り、チュッパチャプスを口にくわえた士道の可愛い妹・五河琴里がいた。

 

 

 

 

 

その頃基地に帰還した白夜響は、1人自分の部屋で黄昏ていた。この世界に来てから三年、やっと士道がラタトスクと接触した。ここから物語は幕を開ける。そして俺というイレギュラーを迎えたこの世界でどのような変化が発生するのだろうか。

 

「万由里……」

 

まだ会ったこともない彼女の名前が口からこぼれる。士道がその形を救うことが出来なかった少女。彼女は暴走した天使を封印するため、その身をささげた。確かに彼女は消える間際幸せそうだったが、俺はどうしても納得することが出来なかった。

 

「たとえこの願いが俺のエゴだとしても、絶対に叶えてやる。そのためなら、俺は喜んでこの身をささげよう」

 

この三年間で俺の気持ちはさらに強まった。アブ・マーシュやアナトリアの傭兵、ベルリオーズには三年間ずっと支えられていた。アブ・マーシュからは技術を、アナトリアの傭兵からは力の使い方、戦場に向かう精神を、ベルリオーズからは組織のトップとして立つ方法を教わった。彼らがいなければ、俺は天使の力を持て余し、三年間の間に消えていたかもしれない。

 

「彼らの教えに報いるためにも、もっと強くならなくては……」

 

そう嘯き、俺は1人眠りについた。




いかがだったでしょうか。今回私が更新できたのは、実はマクロスΔと最弱無敗の神装機竜おかげです。マクロスΔには執筆途中に「ワルキューレがとまらい」にささえられ、最弱無敗の神装機竜には最新巻のラストの感動に創作意欲が支えられました。機会がありましたら、皆さんも見てみて下さいね。
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