艦ムスと深海棲艦と時々BETA   作:fire-cat

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五月雨が……


第7話:五月雨改…Ⅳ(?)

「新型パルスレーザーと20㎜機関砲と小型超電磁砲に多目的ミサイルVLSと対潜ミサイルVLSか。まあこんな物だろう」

提督が五月雨の艤装開発を行っていると工廠長が焦りの声を上げる。

「待った。駆逐艦娘の艤装は多くても3つしか載せられぬぞ。残りはどうする気じゃ?」

 艤装設計については、話したはずなのだが。と訝しむ提督。

「主兵装が7つと補助兵装が7つ、全て搭載させます。工廠長、私の特殊能力については説明した筈ですが」

 信じられないといった表情の工廠長達に対し、執務室にあったタブレットを操作する提督。

 ――タブレットに艤装と艦娘を写すだけでHLG設計システムが起動するのだからな、便利なものだ。

 手元を操作する提督。

 画面には五月雨の名と船体の選択画面が表示されている。

「船体や艦橋を変更しても問題は生じないのか?」

 船体を選択する直前に生じた疑問。

 ヘルプ機能を確認し、船体・艦橋を変更しても艤装と娘の繋がりや娘の容姿には影響がない事と艦娘が成長しきってからの変更にも対応していることが判明する。成長しきった後の変更による影響としては船体・武装が違う事への戸惑いがある事が判明した。

「五月雨の場合は、これに当てはまるな」

 艤装の開発後は、完熟訓練が必要と判断する提督。

 船体を選択し、兵装を設置する。

 装備とその数を確認すると溜息を吐く。

 ――あの部屋で得た装備もここにあるとはな。見つからない筈だ。

 気を取り直し、五月雨に向けてタブレットを翳しながら『兵装転写』を選択する。

 変化に戸惑う五月雨。

 4つ目の兵装を確認した時から驚きの表情を隠せない。

「嘘。4つ目が搭載できてる。何で……?」

 呆然とする五月雨。

「これが提督の……? あの時これがあれば夕張さんも……」

 膝をついて項垂れている五月雨と、呆然としている工廠長達を無視して、改装は進む。

「次は艦橋と機関に補助兵装の設置か。これは手持ちの中から放出するか」

 あの部屋で入手していた中から提督が選択し設置したものは次の通りになった。

 前 艦 橋:駆逐前艦橋γ

 後 艦 橋:駆逐後艦橋γ

 機  関:ガスタービンζ

 補助兵装:電磁防壁・新型探信儀・防御重力場・自動装填装置γ・超イージスシステム

      謎の装置ε・無限装填装置

 開発された補助兵装等をそれぞれ転写する。

 未だ項垂れていた五月雨を後ろから抱き起こし、艤装として支障がないか確認する提督。

「五月雨。艤装に支障はないか展開して確認しなさい」

 その言葉に聊か顔を赤らめながらも艤装を展開し、彼方此方確認しながら砲等を動かす五月雨。

「本当に積みおった……。説明を受け、この目で見ても未だ信じられん。夢でも見ておるのか」

 頭を振り工廠長が呟く。

 造兵部長と造船部長も同じ素振を見せる。

「ありえない。兵装と補助(?)兵装でそれぞれ7つも積めるとは。それもありえないが……何だ、このパルスレーザーとやらは。それにこの無限装填装置とは……」

 色々と葛藤している様だがそういうものと諦めて貰おう。と、内心思う提督。

「如何やら上手く出来た様だ。五月雨、違和感はないか?」

「……ありすぎですが、慣れていくしかないんでしょうね」

 達観した雰囲気の五月雨から応えが返る。

 

「ところで、司令。誠に申し上げ難いのですが……」

 開発装置を担当している妖精から備蓄表を渡される提督。

「資源が底をつきかけております。早急に航路を決め、資源の回収を行いませんと」

 提督が渡された備蓄表を改めて確認すると、艦娘の建造より先に資源回収を行わないと非常にまずい状況であることに青ざめる。

 と、同時に気が付く。

 大陸沿岸付近ではAL弾が使用されていないだろうか? それともこの世界には未だAL弾は存在しないのか? もしAL弾があれば、ひょっとすると台湾近海まで重金属雲の影響があるのではなかろうか? であれば、そこから資源を回収できそうだ。と。もしなければ、自分で開発するしかないが。

 執務室に資料を確認する為に戻る。

 

 結論から言えば、AL弾も戦術機すらこの世界にあった。

 原作と違って香月博士が一から開発を手掛けていることに驚く提督。

 博士、マジで人外。それに応じられる企業も企業だが。XM3も時間の問題かな? 武ちゃんいるし。等と他愛もない事を考え、

(……戦術機関連技術も取得しておけばよかったかな)

 と少し後悔する。

(AL弾があるのであれば、航路は決まった。台湾近海で重金属を回収し、鎮守府機能の強化を行う。その後、できるだけ大陸に近付き重金属を回収し、2,3人の艦娘建造を行い、残りを日本に送付する。これで行こう)

 

 工廠に戻ると未だ関係者達が何やら呟いているので耳を澄ませて内容を聞き取る提督。

 艤装開発について自分達であれが開発できるか、作れないなら存在意義が――。との呟きに内心冷や汗を垂らしながら、考える。

(『翼覆嫗煦』と『合歓綢繆』に『孝悌忠信』を乱用したことで、妖精達と今いる艦娘の繋がりが存在と因果が消失しても尚永久の忠誠を誓うレベルまで強化されている。この繋がりであれば恐らく自分が開発したものは配下も開発可能であろう。……開発できないのであれば開発方法を教えるしかないが。出来れば前者であってほしいものだ。一人で熟(こな)していたら、えらいことになる)

 

 主だった者を再度作戦指揮所へ招集する。

「注目! これからの航路を発表する」

 皆の目が此方に向いたことを確認する。

「航路は台湾方面へ。あの近海で資源回収と鎮守府の強化を行う。その後、艦娘の建造と資源の送付を行う予定である。機関を巡航状態へ戻せ。台湾方面へ舵を向けよ」

 敬礼が見事に揃った。




魔改造されました。
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