「どんな感じかしら?」
地面に踞みながらフェイジョアを探して拾っている駆逐艦たちに声をかける高雄と長官。
「たまには屈伸しろよ。身体が痛くなるぞ」
そんな声をかける提督に、
「艦娘がそんな軟な身体してないわよ」
そんな声が挙がる。
「それもそうか」
困ったような声を出す長官。
「まったく。何考えてるの?」
「済まん済まん」
あっさり受け流し、苦笑しながら声の主の頭をなでる。
「撫でるな」
「ねぇ、長官」
裾を引かれる感触に振りむき、目を合わせるように踞む。
「ん? どうした?」
「ん、このフェイジョアって、なんで形が違うの?」
「ああ、これか。それはね、同じフェイジョアでも種類が違うから、形に違いがあるんだ」「ふ~ん。じゃあ同じ木の下にあるのにこんなに違うのは?」
「お、ずいぶんと違ったのがあるな。良く見つけたな」
頭を撫でながら
「こうなるのは、受粉樹が違ったんだろうね。同じ樹に着いた花でも条件によって受粉樹が違うことがあるのは知っているね?」
頷いている事を確認して話が続く。
「ここにあるフェイジョアは、アポロ・マリアン・トライアンフ・ジェミニ・マンモス・ウィキトゥ・オパールスター・カカポと8種類ある事は知っているね。アポロは自分で実をつけられるからあまり変わった実は出来ない。ジェミニは自分でも付けられるけどアポロより変わった実ができる可能性がある。その他のは自分で実をつけられないから、他の樹の花粉を使う。例えばマンモスはマンモス以外の7種類の花粉を使って実をつける。同じマンモスの花でもアポロの花粉で出来た実とオパールスターの花粉で出来た実は大きさも形もあまり似ていないし、種を播くとマンモス以外の新しい種類が生まれることもある。君たちも同じかな。同じ……そう、あそこの霞も他の鎮守府ではまた違った霞だし、今年中学生になった艦娘を引退した霞も此処にいる霞とは違う。だから勉強することはとても大切なんだ。それだけ可能性が広がるからね。……っと、お話はこれでお終い」
ニコニコと2人を見ていた高雄が近づいてくる。
「神泉センセ、授業お疲れさまでした」
「お前なぁ。上司を揶揄うんじゃありません」
高雄の頭をグイっと抑える。
「……ホンットこの部隊はぬるいわ。仲良しごっこしてんじゃないのに……」
「まぁ良いじゃないの。ぎすぎすしているよりは」
「2人のお話し中に一通り見てきましたけど、粗収穫されてますね。貴方達、本当にお疲れ様」
駆逐艦に声をかける高雄。
その言葉に胸を張る駆逐艦たち。
「よーし。じゃあ少し早いけど休憩。採ったフェイジョアは籠に入れて一か所に纏めておくように。高雄と私は愛宕の様子を見に行くから、何かあったら呼ぶように」
その言葉に、
「一緒に行っちゃだめですか?」
そんな言葉が上がる。
「もちろんいいわよ。ね、長官」
「構わないが、休憩しなくてもいいのか?」
「愛宕さん達と一緒に休憩したいです」
その言葉に
「なら一緒に行くか」
と、皆で愛宕の下に出かける準備。
「ちょっと。このフェイジョアはどうするのよ」
「そうだった。妖精さんに運んでもらうから、そこに纏めておいて」
まとめた後で、改めて皆で愛宕の下に出かける。